ゲーム別GPU性能総比較
「Dead Island 2」をGPU 22種類で性能検証!
2023年6月23日 06:11
本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第28回目は迫り来る大量のゾンビと戦うホラーアクション「Dead Island 2」を取り上げる。
用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。
テストの条件だが、グラフィック関連のプリセットとなる品質全般を最上位の「極高」に設定して実行している。アップスケーラーはFSR 2に対応しているが今回はオフに設定した。
テストの条件だが、グラフィック関連のプリセットとなるグラフィック設定を最上位の「最高画質」に設定して実行している。アップケーラーやレイトレーシング機能は搭載されていない。
このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、メインクエスト「エマの必死の捜索」の一定コースを60秒間移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。
Dead Island 2は、ロサンゼルスを舞台に、とにかく多種多様な手段でゾンビを倒しまくるホラーアクション。正式発表は2014年で当初の発売予定は2015年だったので、前作のファンにとっては待ちに待った発売ではないだろうか。
グロテスク表現にこだわったグラフィックの描画負荷はやや重めと言える。全体のグラフィック品質を決めるプリセットを最上位の「極高」にした場合、フルHDではGeForce系ではRTX 3050/GTX 1660 Tiでも快適なプレイの目安である平均60fps以上を達成可能。
到達できなかったのはGTX 1650/1630/100とエントリーおよび旧世代のみだ。Radeonは今回試したモデルでは、すべて平均60fps以上を出せている。高フレームレートで遊びたいと考えているなら、RTX 3070やRX 6700 XTなどアッパーミドル以上のGPUがオススメだ。
4Kになるとかなり描画負荷は重くなる。GeForce系ではRTX 3070以上、Radeon系ではRX 6800以上とアッパーミドル以上のGPUパワーが必要だ。
ちなみに、RTX 3070でFSR 2をバランス設定で同テストを実行したところ、フルHDでは平均186.4fps、4Kでは平均85.5fpsまでアップした。フルHDがあまり伸びていないのはCPUがボトルネックになっている可能性がある。
グレード別に見ると、RTX 3060とRTX 3050、RX 6600 XTとRX 6600 XTとRX 6500 XTの間で特にフレームレートの落ち込みが激しい。シェーダ数が減っているのはもちろん、メモリバス幅が前者は192bitから128bitに後者は128bitから64bitに狭まっており、その影響が大きいと見られる。
GTX 1650/1630のフレームレートが低いのは、シェーダ数が少なく、メモリバス幅も狭い、ビデオメモリは4GBしかないと全体的な性能不足だ。RX 6500 XTはエントリークラスながらかなり健闘している。
ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧
使用PCはCore i9-13900搭載
この連載はCPUはCore i9-13900(24コア32スレッド)、マザーボードにZ790チップセット、メモリにDDR5-4800 32GB(16GB×2)、ストレージにNVMe SSD 1TB、CPUクーラーに12cmクラスの簡易水冷、1,200W電源を採用したPCを使用している。
なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が65W、Short Duratin Power Limit(PL2)が219WとIntelの仕様通りの設定だ。
使用したビデオカード一覧
第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしている。
また、第24回からRTX 4070を加えたほか、機材調達の都合から前回からRTX 3080/3070/3060/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。
なお、ここで使用しているビデオカードのブーストクロックは定格とOCが混在している。GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデルだ。
ASUSのROG STRIXシリーズやGIGABYTEのAORUSにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンスが高くなるモードに設定している。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。
また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。
GPU | 製品名 | シェーダ数(CUDA・SP) | メモリバス幅 | ビデオメモリ | ブーストクロック(定格) | カード電力(定格) |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 4090 | GeForce RTX 4090 Founders Edition | 16,384 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,520MHz (2,520MHz) | 450W (450W) |
GeForce RTX 4080 | GeForce RTX 4080 Founders Edition | 9,728 | 256bit | GDDR6X 16GB | 2,510MHz (2,510MHz) | 320W (320W) |
GeForce RTX 4070 Ti | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC | 7,680 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,625MHz (2,610MHz) | 285W (285W) |
GeForce RTX 4070 | GeForce RTX 4070 Founders Edition | 5,888 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,475MHz (2,475MHz) | 200W (200W) |
GeForce RTX 3080 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G | 8,704 | 320bit | GDDR6X 10GB | 1,845MHz (1,710MHz) | 350W (320W) |
GeForce RTX 3070 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G | 5,888 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,845MHz (1,725MHz) | 270W (220W) |
GeForce RTX 3060 | ASUS DUAL-RTX3060-O12G-WHITE | 3,584 | 192bit | GDDR6 12GB | 1,837MHz (1,777MHz) | 170W (170W) |
GeForce RTX 3050 | MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G OC | 2,560 | 128bit | GDDR6 8GB | 1,822MHz (1,777MHz) | 130W (130W) |
GeForce RTX 2080 | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING | 2,944 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,860MHz (1,710MHz) | 245W (215W) |
GeForce RTX 2070 | ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI | 2,304 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,650MHz (1,620MHz) | 175W (175W) |
GeForce RTX 2060 | ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO | 1,920 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,755MHz (1,725MHz) | 183W (160W) |
GeForce GTX 1660 Ti | ASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING | 1,536 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,770MHz (1,770MHz) | 120W (120W) |
GeForce GTX 1650 | ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK | 896 | 128bit | GDDR5 4GB | 1,710MHz (1,665MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1630 | ASUS PH-GTX1630-4G | 512 | 64bit | GDDR6 4GB | 1,785MHz (1,785MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1060 | ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition | 1,280 | 192bit | GDDR5 6GB | 1,772MHz (1,708MHz) | 120W (120W) |
Radeon RX 7900 XTX | Radeon RX 7900 XTXリファレンスカード | 6,144 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,500MHz (2,500MHz) | 355W (355W) |
Radeon RX 7900 XT | Radeon RX 7900 XTリファレンスカード | 5,376 | 320bit | GDDR6X 20GB | 2,400MHz (2,400MHz) | 315W (315W) |
Radeon RX 6900 XT | ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING | 5,120 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,335MHz (2,250MHz) | 300W (300W) |
Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800リファレンスカード | 3,840 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,105MHz (2,105MHz) | 250W (250W) |
Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6700 XTリファレンスカード | 2,560 | 192bit | GDDR6 12GB | 2,615MHz (2,581MHz) | 230W (230W) |
Radeon RX 6600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING | 2,048 | 128bit | GDDR6 8GB | 2,607MHz (2,359MHz) | 160W (160W) |
Radeon RX 6500 XT | ASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition | 1,024 | 64bit | GDDR6 4GB | 2,820MHz (2,815MHz) | 107W (107W) |
【使用ドライバ】GeForce Game Ready 531.68、Adrenalin 23.4.1