ゲーム別GPU性能総比較

「BLUE PROTOCOL」をGPU 22種類で性能検証!

BLUE PROTOCOL Benchmarkの検証では、ベンチマークの実行結果のレポート内に記録される平均フレームレートを掲載する

 本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第28回目は2023年6月14日正式サービススタートのオンラインアクションRPG「BLUE PROTOCOL」が快適に動作するかテストできる「BLUE PROTOCOL Benchmark」を取り上げる。

 用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。

 GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。

1~4万円台のGPUで「BLUE PROTOCOL Benchmark」の性能比較!
6~8万円台のGPUで「BLUE PROTOCOL Benchmark」の性能比較!
10~30万円台のGPUで「BLUE PROTOCOL Benchmark」の性能比較!

 テストの条件だが、グラフィック関連のプリセットとなるグラフィック設定を最上位の「最高画質」に設定して実行している。アップケーラーやレイトレーシング機能は搭載されていない。

BLUE PROTOCOL Benchmarkのグラフィックス設定
グラフィックに関する設定をまとめて行なうグラフィック設定は最上位の「最高画質」とした
スクリーンモード設定は「仮想フルスクリーン」にして実行した

 このベンチマークでは実行後にスコアとローディングタイムを表示するが、テキストファイルとして詳細スコアやシステム情報が出力される。今回はテキストファイルに記録される、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。

 BLUEPROTOCOLは、バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオによる完全新作オリジナルのオンラインアクションRPGとして注目のタイトル。

 アニメ調のキャラクターとファンタジーの世界を美しく描くグラフィックが魅力的だが、グラフィック品質を最上の「最高画質」にしても、その描画負荷は軽くはないがすごく重いというほどではない。

 フルHDならば、快適なプレイの目安となる平均60fpsには、GeForce系ではRTX 2060/3050以上、Radeon系ではRX 6500 XT以上とエントリー向けのGPUでも到達可能だ。

 かなり古いGTX 1060でも平均58.4fpsとプレイできるフレームレートと言ってよい。実際、ベンチマークでも「やや快適」という評価だ。ただ、GTX 1650/1630だとちょっと快適なプレイは厳しくなる画質設定を落とす必要がある。

 4K解像度だとさすがに描画負荷は一気に高まる。平均60fpsに到達するにはGeForce系ではRTX 3070以上、Radeon系ではRX 6800以上とアッパーミドル以上のGPUが必要だ。

 ビデオメモリの使用量は5GB~6.8GB程度と最近のゲームとしては強烈に使われるわけではない。ビデオメモリを12GB搭載しているRTX 3060のフレームレートがそれほど高くないことからも、シェーダ数やメモリバス幅のほうが影響が大きいゲームと言えそうだ。

 それはグレード別にフレームレートを見ると、Radeonのほうがやや優位に見える。GTX 1650/1630とRX 6500 XTは同じビデオメモリ4GBだが、前者はフルHDでも平均60fpsに到達できていないが、後者はできているからだ(RX 6500 XTのほうが価格が高いので当然と言えば当然の面もあるが)。

 RX 6600 XTのフルHDの平均フレームレートも高い。BLUEPROTOCOLをフルHDで快適にプレイできるGPUでなるべく低価格という条件で探しているなら、RX 6500 XTやRX 6600 XTはなかなかよい選択肢になってくれるのではないだろうか。

ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧

使用PCはCore i9-13900搭載

 この連載はCPUはCore i9-13900(24コア32スレッド)、マザーボードにZ790チップセット、メモリにDDR5-4800 32GB(16GB×2)、ストレージにNVMe SSD 1TB、CPUクーラーに12cmクラスの簡易水冷、1,200W電源を採用したPCを使用している。

 なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が65W、Short Duratin Power Limit(PL2)が219WとIntelの仕様通りの設定だ。

使用したビデオカード一覧

 第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしている。

 また、第24回からRTX 4070を加えたほか、機材調達の都合から前回からRTX 3080/3070/3060/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。

RTX 30シリーズの上位GPUはGIGABYTEに協力をいただいている。写真は「AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G」。3連ファンの高OC仕様で天面にはGPU情報や好きな画像、GIFなども表示できるLCDモニターを備えるリッチな作り
GeForce RTX 3060は、ASUSのDUAL-RTX3060-O12G-WHITEを使用している。2連ファンのOCモデルでホワイトカラーが一番の特徴。白で統一したPCを組みたい場合にはありがたい存在だ

 なお、ここで使用しているビデオカードのブーストクロックは定格とOCが混在している。GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデルだ。

 ASUSのROG STRIXシリーズやGIGABYTEのAORUSにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンスが高くなるモードに設定している。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。

 また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。

【表】使用GPU一覧
GPU製品名シェーダ数(CUDA・SP)メモリバス幅ビデオメモリブーストクロック(定格)カード電力(定格)
GeForce RTX 4090GeForce RTX 4090 Founders Edition16,384384bitGDDR6X 24GB2,520MHz
(2,520MHz)
450W
(450W)
GeForce RTX 4080GeForce RTX 4080 Founders Edition9,728256bitGDDR6X 16GB2,510MHz
(2,510MHz)
320W
(320W)
GeForce RTX 4070 TiZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC7,680192bitGDDR6X 12GB2,625MHz
(2,610MHz)
285W
(285W)
GeForce RTX 4070GeForce RTX 4070 Founders Edition5,888192bitGDDR6X 12GB2,475MHz
(2,475MHz)
200W
(200W)
GeForce RTX 3080GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G8,704320bitGDDR6X 10GB1,845MHz
(1,710MHz)
350W
(320W)
GeForce RTX 3070GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G5,888256bitGDDR6 8GB1,845MHz
(1,725MHz)
270W
(220W)
GeForce RTX 3060ASUS DUAL-RTX3060-O12G-WHITE3,584192bitGDDR6 12GB1,837MHz
(1,777MHz)
170W
(170W)
GeForce RTX 3050MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G OC2,560128bitGDDR6 8GB1,822MHz
(1,777MHz)
130W
(130W)
GeForce RTX 2080ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING2,944256bitGDDR6 8GB1,860MHz
(1,710MHz)
245W
(215W)
GeForce RTX 2070ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI2,304256bitGDDR6 8GB1,650MHz
(1,620MHz)
175W
(175W)
GeForce RTX 2060ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO1,920192bitGDDR6 6GB1,755MHz
(1,725MHz)
183W
(160W)
GeForce GTX 1660 TiASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING1,536192bitGDDR6 6GB1,770MHz
(1,770MHz)
120W
(120W)
GeForce GTX 1650ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK896128bitGDDR5 4GB1,710MHz
(1,665MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1630ASUS PH-GTX1630-4G51264bitGDDR6 4GB1,785MHz
(1,785MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1060ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition1,280192bitGDDR5 6GB1,772MHz
(1,708MHz)
120W
(120W)
Radeon RX 7900 XTXRadeon RX 7900 XTXリファレンスカード6,144384bitGDDR6X 24GB2,500MHz
(2,500MHz)
355W
(355W)
Radeon RX 7900 XTRadeon RX 7900 XTリファレンスカード5,376320bitGDDR6X 20GB2,400MHz
(2,400MHz)
315W
(315W)
Radeon RX 6900 XTASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING5,120256bitGDDR6 16GB2,335MHz
(2,250MHz)
300W
(300W)
Radeon RX 6800Radeon RX 6800リファレンスカード3,840256bitGDDR6 16GB2,105MHz
(2,105MHz)
250W
(250W)
Radeon RX 6700 XTRadeon RX 6700 XTリファレンスカード2,560192bitGDDR6 12GB2,615MHz
(2,581MHz)
230W
(230W)
Radeon RX 6600 XTASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING2,048128bitGDDR6 8GB2,607MHz
(2,359MHz)
160W
(160W)
Radeon RX 6500 XTASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition1,02464bitGDDR6 4GB2,820MHz
(2,815MHz)
107W
(107W)

【使用ドライバ】GeForce Game Ready 531.68、Adrenalin 23.4.1