ゲーム別GPU性能総比較
「BLUE PROTOCOL」をGPU 22種類で性能検証!
2023年6月16日 09:04
本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第28回目は2023年6月14日正式サービススタートのオンラインアクションRPG「BLUE PROTOCOL」が快適に動作するかテストできる「BLUE PROTOCOL Benchmark」を取り上げる。
用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。
GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。
テストの条件だが、グラフィック関連のプリセットとなるグラフィック設定を最上位の「最高画質」に設定して実行している。アップケーラーやレイトレーシング機能は搭載されていない。
このベンチマークでは実行後にスコアとローディングタイムを表示するが、テキストファイルとして詳細スコアやシステム情報が出力される。今回はテキストファイルに記録される、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。
BLUEPROTOCOLは、バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオによる完全新作オリジナルのオンラインアクションRPGとして注目のタイトル。
アニメ調のキャラクターとファンタジーの世界を美しく描くグラフィックが魅力的だが、グラフィック品質を最上の「最高画質」にしても、その描画負荷は軽くはないがすごく重いというほどではない。
フルHDならば、快適なプレイの目安となる平均60fpsには、GeForce系ではRTX 2060/3050以上、Radeon系ではRX 6500 XT以上とエントリー向けのGPUでも到達可能だ。
かなり古いGTX 1060でも平均58.4fpsとプレイできるフレームレートと言ってよい。実際、ベンチマークでも「やや快適」という評価だ。ただ、GTX 1650/1630だとちょっと快適なプレイは厳しくなる画質設定を落とす必要がある。
4K解像度だとさすがに描画負荷は一気に高まる。平均60fpsに到達するにはGeForce系ではRTX 3070以上、Radeon系ではRX 6800以上とアッパーミドル以上のGPUが必要だ。
ビデオメモリの使用量は5GB~6.8GB程度と最近のゲームとしては強烈に使われるわけではない。ビデオメモリを12GB搭載しているRTX 3060のフレームレートがそれほど高くないことからも、シェーダ数やメモリバス幅のほうが影響が大きいゲームと言えそうだ。
それはグレード別にフレームレートを見ると、Radeonのほうがやや優位に見える。GTX 1650/1630とRX 6500 XTは同じビデオメモリ4GBだが、前者はフルHDでも平均60fpsに到達できていないが、後者はできているからだ(RX 6500 XTのほうが価格が高いので当然と言えば当然の面もあるが)。
RX 6600 XTのフルHDの平均フレームレートも高い。BLUEPROTOCOLをフルHDで快適にプレイできるGPUでなるべく低価格という条件で探しているなら、RX 6500 XTやRX 6600 XTはなかなかよい選択肢になってくれるのではないだろうか。
ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧
使用PCはCore i9-13900搭載
この連載はCPUはCore i9-13900(24コア32スレッド)、マザーボードにZ790チップセット、メモリにDDR5-4800 32GB(16GB×2)、ストレージにNVMe SSD 1TB、CPUクーラーに12cmクラスの簡易水冷、1,200W電源を採用したPCを使用している。
なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が65W、Short Duratin Power Limit(PL2)が219WとIntelの仕様通りの設定だ。
使用したビデオカード一覧
第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしている。
また、第24回からRTX 4070を加えたほか、機材調達の都合から前回からRTX 3080/3070/3060/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。
なお、ここで使用しているビデオカードのブーストクロックは定格とOCが混在している。GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデルだ。
ASUSのROG STRIXシリーズやGIGABYTEのAORUSにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンスが高くなるモードに設定している。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。
また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。
GPU | 製品名 | シェーダ数(CUDA・SP) | メモリバス幅 | ビデオメモリ | ブーストクロック(定格) | カード電力(定格) |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 4090 | GeForce RTX 4090 Founders Edition | 16,384 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,520MHz (2,520MHz) | 450W (450W) |
GeForce RTX 4080 | GeForce RTX 4080 Founders Edition | 9,728 | 256bit | GDDR6X 16GB | 2,510MHz (2,510MHz) | 320W (320W) |
GeForce RTX 4070 Ti | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC | 7,680 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,625MHz (2,610MHz) | 285W (285W) |
GeForce RTX 4070 | GeForce RTX 4070 Founders Edition | 5,888 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,475MHz (2,475MHz) | 200W (200W) |
GeForce RTX 3080 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G | 8,704 | 320bit | GDDR6X 10GB | 1,845MHz (1,710MHz) | 350W (320W) |
GeForce RTX 3070 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G | 5,888 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,845MHz (1,725MHz) | 270W (220W) |
GeForce RTX 3060 | ASUS DUAL-RTX3060-O12G-WHITE | 3,584 | 192bit | GDDR6 12GB | 1,837MHz (1,777MHz) | 170W (170W) |
GeForce RTX 3050 | MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G OC | 2,560 | 128bit | GDDR6 8GB | 1,822MHz (1,777MHz) | 130W (130W) |
GeForce RTX 2080 | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING | 2,944 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,860MHz (1,710MHz) | 245W (215W) |
GeForce RTX 2070 | ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI | 2,304 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,650MHz (1,620MHz) | 175W (175W) |
GeForce RTX 2060 | ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO | 1,920 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,755MHz (1,725MHz) | 183W (160W) |
GeForce GTX 1660 Ti | ASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING | 1,536 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,770MHz (1,770MHz) | 120W (120W) |
GeForce GTX 1650 | ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK | 896 | 128bit | GDDR5 4GB | 1,710MHz (1,665MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1630 | ASUS PH-GTX1630-4G | 512 | 64bit | GDDR6 4GB | 1,785MHz (1,785MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1060 | ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition | 1,280 | 192bit | GDDR5 6GB | 1,772MHz (1,708MHz) | 120W (120W) |
Radeon RX 7900 XTX | Radeon RX 7900 XTXリファレンスカード | 6,144 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,500MHz (2,500MHz) | 355W (355W) |
Radeon RX 7900 XT | Radeon RX 7900 XTリファレンスカード | 5,376 | 320bit | GDDR6X 20GB | 2,400MHz (2,400MHz) | 315W (315W) |
Radeon RX 6900 XT | ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING | 5,120 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,335MHz (2,250MHz) | 300W (300W) |
Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800リファレンスカード | 3,840 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,105MHz (2,105MHz) | 250W (250W) |
Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6700 XTリファレンスカード | 2,560 | 192bit | GDDR6 12GB | 2,615MHz (2,581MHz) | 230W (230W) |
Radeon RX 6600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING | 2,048 | 128bit | GDDR6 8GB | 2,607MHz (2,359MHz) | 160W (160W) |
Radeon RX 6500 XT | ASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition | 1,024 | 64bit | GDDR6 4GB | 2,820MHz (2,815MHz) | 107W (107W) |
【使用ドライバ】GeForce Game Ready 531.68、Adrenalin 23.4.1