ゲーム別GPU性能総比較

「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」をGPU 21種類で性能検証!

アンチャーテッド トレジャーハンターコレクションの検証では、海賊王と最後の秘宝のチャプター2で一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している

 本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第18回目はPlayStationで大人気のアクションアドベンチャーのPC移植作「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」を取り上げる。

 用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは6種類の合計21種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、前回から一部カードを入れ替えたほか、PCも変更している。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。

 テストの条件だが、グラフィックのプリセットは最上位の「ウルトラ」に設定。FSRやDLSSなどアップスケールの設定は「オフ」にしている。

アンチャーテッド トレジャーハンターコレクションのグラフィックス設定
アップスケール、V-Sync、30フレームに固定はすべて「オフ」に。レンダースケールは100に設定
グラフィックの詳細設定は、プリセットを「ウルトラ」に設定。これですべての画質設定が最高になる

 このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、海賊王と最後の秘宝のチャプター2で一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。

 秘境や遺跡を美麗なグラフィックで描き、映画「インディ・ジョーンズ」のようなハラハラ・ドキドキな展開が魅力のシリーズだけあって描画負荷はやや重め。

 平均60fpsを快適なプレイのラインにすると、フルHD解像度なら、GeForce GTX 1650/1630/1060とエントリーおよび旧世代以外はクリアしている。掲載はしていない最低フレームレートで見ても、RTX 3050で59.8fps、GTX 1660 Tiで58.3fpsとほとんどカク付きを感じずにプレイが可能だ。

 その一方で、4K解像度では一気に描画負荷は大きくなる。GeForce系ではRTX 3080以上、Radeon系ではRX 6800以上でようやく平均60fpsに到達とハイエンドクラスのパワーが必要だ。

 なお、平均60fps台のGPUに注目すると、RTX 3080の最低フレームレートは58.2fps、RX 6800は54.2fpsとそれほど低くはなく、フルHDの傾向と合わせて見ても、フレームレートが強烈に落ち込むゲームではないと言えそうだ。

 RTX 3070/3060 TiなどミドルレンジGPUを使って4K解像度でプレイしたい場合は、FSRやDLSSなどのアップスケールを活用して描画負荷を軽減するのがよいだろう。ちなみに、GTX 1650/1630はビデオメモリが4GBしかないのが原因なのか、4K解像度を設定できず、測定を行なえなかった。

 グレード別に見ると、GTX 1660 TiとGTX 1650の間で強烈にフレームレートが落ち込んでいる。そもそもGeForceの推奨環境がGTX 1060(6GB版)以上となっていることを考えると、ビデオメモリが4GBのGTX 1650/1630には少々荷が重いゲームと言ってよいだろう。

 ちなみに、4K解像度で60fpsプレイの推奨環境はGeForce RTX 3080、Radeon RX 6800以上となっており、ベンチマークの結果と完全に合致している。

使用PCはCore i9-13900KF搭載のパソコン工房の「LEVEL∞ R-Class」

 この連載で使用しているPCはパソコン工房のゲーミングPCブランド「LEVEL∞」のうち先進機能を持ち込み、カスタマイズ性も高いR-Classの「LEVEL-R779-LC139KF-RBX」だ。

パソコン工房の「LEVEL-R779-LC139KF-RBX」。メモリはDDR5-4800が32GB、ストレージには1TBのNVMe SSDを搭載。標準のビデオカードはGeForce RTX 3060だ。価格は32万4,700円から

 CPUはCore i9-13900KF(24コア32スレッド)、マザーボードはZ790チップセット、CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷を採用しており、冷却力に不安はない。ビデオカードの性能測定をする上でCPUが可能な限り、ボトルネックにならないようにしている。電源については、このPCは標準だと700Wだが、推奨電源が850WのRTX 4090を扱うことも考慮し、BTOで選択できる最上位の1200Wタイプに変更した。

 なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が253WとIntelの仕様通りの設定となっていた。

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使用したビデオカード一覧

 今回より一部カードの入れ替えが行なわれている。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしたほか、RTX 3080/3070/3060 Ti/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。

GeForce RTX 3050は、今回からASUSの「TUF-RTX3050-O8G-GAMING」を使用している。カード長272mmとエントリーとしては大きいが、その分、冷却は強力で高OC動作を可能にしてる
今回からRTX 30シリーズのアッパーミドル、ハイエンドはGIGABYTEに協力をいただいている。写真は「GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G」で、独自の冷却システム「WINDFORCE 3X」によって高OC動作を実現している

 なお、ここで使用しているビデオカードは定格クロックでの動作が中心だが、一部OCモデルも含まれている(GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデル)。

 ASUSのROG STRIXシリーズにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンス用の「Pモード」に設定。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。

 また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。

【表】使用GPU一覧
GPU製品名シェーダー数(CUDA・SP)メモリバス幅ビデオメモリブーストクロック(定格)カード電力(定格)
GeForce RTX 4090NVIDIA GeForce RTX 4090 Founders Edition16,384384bitGDDR6X 24GB2520MHz
(2520MHz)
450W
(450W)
GeForce RTX 4080NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition9,728256bitGDDR6X 16GB2510MHz
(2510MHz)
320W
(320W)
GeForce RTX 4070 TiZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC7,680192bitGDDR6X 12GB2625MHz
(2610MHz)
285W
(285W)
GeForce RTX 3080GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G8,704320bitGDDR6X 10GB1845MHz
(1710MHz)
350W
(320W)
GeForce RTX 3070GIGABYTE GeForce RTX 3070 VISION OC 8G5,888256bitGDDR6 8GB1815MHz
(1730MHz)
220W
(220W)
GeForce RTX 3060 TiNVIDIA GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition4,864256bitGDDR6 8GB1665MHz
(1665MHz)
200W
(200W)
GeForce RTX 3060GIGABYTE GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G3,584192bitGDDR6 12GB1837MHz
(1777MHz)
170W
(170W)
GeForce RTX 3050ASUS TUF-RTX3050-O8G-GAMING2,560128bitGDDR6 8GB1845MHz
(1777MHz)
150W
(130W)
GeForce RTX 2080ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING2,944256bitGDDR6 8GB1860MHz
(1710MHz)
245W
(215W)
GeForce RTX 2070ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI2,304256bitGDDR6 8GB1650MHz
(1620MHz)
175W
(175W)
GeForce RTX 2060ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO1,920192bitGDDR6 6GB1755MHz
(1725MHz)
183W
(160W)
GeForce GTX 1660 TiASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING1,536192bitGDDR6 6GB1770MHz
(1770MHz)
120W
(120W)
GeForce GTX 1650ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK896128bitGDDR5 4GB1710MHz
(1665MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1630ASUS PH-GTX1630-4G51264bitGDDR6 4GB1785MHz
(1785MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1060ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition1,280192bitGDDR5 6GB1772MHz
(1708MHz)
120W
(120W)
Radeon RX 7900 XTXRadeon RX 7900 XTXリファレンスカード6,144384bitGDDR6X 24GB2500MHz
(2500MHz)
355W
(355W)
Radeon RX 7900 XTRadeon RX 7900 XTリファレンスカード5,376320bitGDDR6X 20GB2400MHz
(2400MHz)
315W
(315W)
Radeon RX 6900 XTASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING5,120256bitGDDR6 16GB2335MHz
(2250MHz)
300W
(300W)
Radeon RX 6800Radeon RX 6800リファレンスカード3,840256bitGDDR6 16GB2105MHz
(2105MHz)
250W
(250W)
Radeon RX 6700 XTRadeon RX 6700 XTリファレンスカード2,560192bitGDDR6 12GB2615MHz
(2581MHz)
230W
(230W)
Radeon RX 6600 XTASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING2,048128bitGDDR6 8GB2607MHz
(2359MHz)
160W
(160W)

【使用ドライバ】GeForce Game Ready 528.02、Adrenalin 22.11.2