ゲーム別GPU性能総比較
「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」をGPU 21種類で性能検証!
2023年1月27日 06:15
本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第18回目はPlayStationで大人気のアクションアドベンチャーのPC移植作「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」を取り上げる。
用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは6種類の合計21種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、前回から一部カードを入れ替えたほか、PCも変更している。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。
テストの条件だが、グラフィックのプリセットは最上位の「ウルトラ」に設定。FSRやDLSSなどアップスケールの設定は「オフ」にしている。
このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、海賊王と最後の秘宝のチャプター2で一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。
秘境や遺跡を美麗なグラフィックで描き、映画「インディ・ジョーンズ」のようなハラハラ・ドキドキな展開が魅力のシリーズだけあって描画負荷はやや重め。
平均60fpsを快適なプレイのラインにすると、フルHD解像度なら、GeForce GTX 1650/1630/1060とエントリーおよび旧世代以外はクリアしている。掲載はしていない最低フレームレートで見ても、RTX 3050で59.8fps、GTX 1660 Tiで58.3fpsとほとんどカク付きを感じずにプレイが可能だ。
その一方で、4K解像度では一気に描画負荷は大きくなる。GeForce系ではRTX 3080以上、Radeon系ではRX 6800以上でようやく平均60fpsに到達とハイエンドクラスのパワーが必要だ。
なお、平均60fps台のGPUに注目すると、RTX 3080の最低フレームレートは58.2fps、RX 6800は54.2fpsとそれほど低くはなく、フルHDの傾向と合わせて見ても、フレームレートが強烈に落ち込むゲームではないと言えそうだ。
RTX 3070/3060 TiなどミドルレンジGPUを使って4K解像度でプレイしたい場合は、FSRやDLSSなどのアップスケールを活用して描画負荷を軽減するのがよいだろう。ちなみに、GTX 1650/1630はビデオメモリが4GBしかないのが原因なのか、4K解像度を設定できず、測定を行なえなかった。
グレード別に見ると、GTX 1660 TiとGTX 1650の間で強烈にフレームレートが落ち込んでいる。そもそもGeForceの推奨環境がGTX 1060(6GB版)以上となっていることを考えると、ビデオメモリが4GBのGTX 1650/1630には少々荷が重いゲームと言ってよいだろう。
ちなみに、4K解像度で60fpsプレイの推奨環境はGeForce RTX 3080、Radeon RX 6800以上となっており、ベンチマークの結果と完全に合致している。
使用PCはCore i9-13900KF搭載のパソコン工房の「LEVEL∞ R-Class」
この連載で使用しているPCはパソコン工房のゲーミングPCブランド「LEVEL∞」のうち先進機能を持ち込み、カスタマイズ性も高いR-Classの「LEVEL-R779-LC139KF-RBX」だ。
CPUはCore i9-13900KF(24コア32スレッド)、マザーボードはZ790チップセット、CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷を採用しており、冷却力に不安はない。ビデオカードの性能測定をする上でCPUが可能な限り、ボトルネックにならないようにしている。電源については、このPCは標準だと700Wだが、推奨電源が850WのRTX 4090を扱うことも考慮し、BTOで選択できる最上位の1200Wタイプに変更した。
なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が253WとIntelの仕様通りの設定となっていた。
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使用したビデオカード一覧
今回より一部カードの入れ替えが行なわれている。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしたほか、RTX 3080/3070/3060 Ti/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。
なお、ここで使用しているビデオカードは定格クロックでの動作が中心だが、一部OCモデルも含まれている(GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデル)。
ASUSのROG STRIXシリーズにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンス用の「Pモード」に設定。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。
また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。
GPU | 製品名 | シェーダー数(CUDA・SP) | メモリバス幅 | ビデオメモリ | ブーストクロック(定格) | カード電力(定格) |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 4090 | NVIDIA GeForce RTX 4090 Founders Edition | 16,384 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2520MHz (2520MHz) | 450W (450W) |
GeForce RTX 4080 | NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition | 9,728 | 256bit | GDDR6X 16GB | 2510MHz (2510MHz) | 320W (320W) |
GeForce RTX 4070 Ti | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC | 7,680 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2625MHz (2610MHz) | 285W (285W) |
GeForce RTX 3080 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G | 8,704 | 320bit | GDDR6X 10GB | 1845MHz (1710MHz) | 350W (320W) |
GeForce RTX 3070 | GIGABYTE GeForce RTX 3070 VISION OC 8G | 5,888 | 256bit | GDDR6 8GB | 1815MHz (1730MHz) | 220W (220W) |
GeForce RTX 3060 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition | 4,864 | 256bit | GDDR6 8GB | 1665MHz (1665MHz) | 200W (200W) |
GeForce RTX 3060 | GIGABYTE GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G | 3,584 | 192bit | GDDR6 12GB | 1837MHz (1777MHz) | 170W (170W) |
GeForce RTX 3050 | ASUS TUF-RTX3050-O8G-GAMING | 2,560 | 128bit | GDDR6 8GB | 1845MHz (1777MHz) | 150W (130W) |
GeForce RTX 2080 | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING | 2,944 | 256bit | GDDR6 8GB | 1860MHz (1710MHz) | 245W (215W) |
GeForce RTX 2070 | ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI | 2,304 | 256bit | GDDR6 8GB | 1650MHz (1620MHz) | 175W (175W) |
GeForce RTX 2060 | ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO | 1,920 | 192bit | GDDR6 6GB | 1755MHz (1725MHz) | 183W (160W) |
GeForce GTX 1660 Ti | ASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING | 1,536 | 192bit | GDDR6 6GB | 1770MHz (1770MHz) | 120W (120W) |
GeForce GTX 1650 | ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK | 896 | 128bit | GDDR5 4GB | 1710MHz (1665MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1630 | ASUS PH-GTX1630-4G | 512 | 64bit | GDDR6 4GB | 1785MHz (1785MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1060 | ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition | 1,280 | 192bit | GDDR5 6GB | 1772MHz (1708MHz) | 120W (120W) |
Radeon RX 7900 XTX | Radeon RX 7900 XTXリファレンスカード | 6,144 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2500MHz (2500MHz) | 355W (355W) |
Radeon RX 7900 XT | Radeon RX 7900 XTリファレンスカード | 5,376 | 320bit | GDDR6X 20GB | 2400MHz (2400MHz) | 315W (315W) |
Radeon RX 6900 XT | ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING | 5,120 | 256bit | GDDR6 16GB | 2335MHz (2250MHz) | 300W (300W) |
Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800リファレンスカード | 3,840 | 256bit | GDDR6 16GB | 2105MHz (2105MHz) | 250W (250W) |
Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6700 XTリファレンスカード | 2,560 | 192bit | GDDR6 12GB | 2615MHz (2581MHz) | 230W (230W) |
Radeon RX 6600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING | 2,048 | 128bit | GDDR6 8GB | 2607MHz (2359MHz) | 160W (160W) |
【使用ドライバ】GeForce Game Ready 528.02、Adrenalin 22.11.2