ゲーム別GPU性能総比較
「Call of Duty: Modern Warfare II」をGPU 22種類で性能検証!
2022年12月6日 06:53
本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第16回目は2003年の初代Call of Dutyの発売から世界中でヒットを続ける人気FPSシリーズの最新作「Call of Duty: Modern Warfare II」だ。
用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。
テストの条件だが、グラフィックのプリセットとなるクオリティプリセットは最上位の「極限」に設定。アップスケーリング系の機能はオフにしている。
このゲームはベンチマークモードが用意されているので今回はそれを利用し、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。
Call of Duty: Modern Warfare IIは人気FPSの最新作。キャンペーンではプライス大尉、ギャズ、ゴースト、ソープなどシリーズのファンにはおなじみのメンバーが登場するのがうれしいところ。マルチプレイは対戦だけではなく、協力プレイのモードも用意と充実している。
レイトレーシングこそ対応していないがグラフィックは美しく、最高画質設定時の描画負荷は高め。平均60fpsを快適なプレイの目安とすると、フルHDではGeForce系はRTX 3060以上、Radoen系ではRX 5600 XT以上が必要と、エントリークラスのGPUでは荷が重い。
4Kになると平均60fps達成はかなり厳しくなる。GeForce系ではRTX 3080以上、Radeon系ではRX 6800以上だけと、ハイエンドクラスが必須だ。全体的に見ると、Radeon系のほうが高いフレームレートが出ている。
GeForce系はRTX 3090/3080 Ti/3080でフレームレートに差がほとんど出ていない。ベンチの結果からCPUがボトルネックになっているわけではないので、ゲームエンジンとドライバの相性の問題かもしれない。今度、ドライバの最適化などで変わる可能性はある。
ちなみに、連載では負荷の一定化を重視するためアップスケーラーは使っていないが、本ゲームは「Intel XeSS」、「NVIDIA DLSS」、「NVIDIA画像スケーリング(NIS)」、「AMD FSR 1.0」と多くのアップスケーラーに対応。
DLSSを使うにはGeForce RTXシリーズが必要だが、そのほかはGPUを問わず使うことが可能だ。例えば、GeForce RTX 3050のフルHD解像度でDLSSをパフォーマンスに設定すると平均82fpsまで向上可能。FSRだとDLSSよりは画質は劣るがパフォーマンスでは、平均94fpsまでアップできる。描画負荷の高いゲームだが、画質の調整やアップスケールの活用でエントリークラスのGPUでも遊びやすくできるのが特徴だ。
グレードごとに見て行くと、GeForce系ではGTXシリーズだと厳しいのが現実だ。新しいゲームだけに、RTXシリーズなど新しい世代のGPUに最適化されていると見るべきだろう。GTX 1660 TiでもフルHDで60fpsに届かない。
さらに、GTX 1650/1630、RX 5500 XT見ると、ビデオメモリが4GBだとフレームレートが出ないのが分かる。最高画質だとビデオメモリの消費量は約5.4GBに達し、4GBだと不足するからだ。フルHDでも描画負荷の高いゲームでは4GBでも足りない時代なのである。
使用PCはCore i9-12900K搭載のマウスコンピューター「G-Tune XP-Z」
この連載で使用しているPCはマウスコンピューターのハイエンドゲーミングPC「G-Tune XP-Z(プレミアムモデル)」だ。
CPUはCore i9-12900K(16コア24スレッド)、マザーボードはZ690チップセット、CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷を採用しており、ビデオカードの性能測定をする上でCPUが可能な限り、ボトルネックにならないようにしている。電源も1,200Wとこちらもどのビデオカードと組み合わせも不安のないものだ。
なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が241Wに設定されていた。
ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧
使用したビデオカード一覧
ここで使用している多くのビデオカードは定格クロックで動作しているが、一部OCモデルも含まれている(GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデル)。
ASUSのROG STRIXシリーズにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンス用の「Pモード」に設定。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。
また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。
GPU | 製品名 | シェーダー数(CUDA・SP) | メモリバス幅 | ビデオメモリ | ブーストクロック (定格) | カード電力 (定格) |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 3090 | MSI GeForce RTX 3090 VENTUS 3X 24G | 10,496 | 384bit | GDDR6X 24GB | 1,695MHz (1,695MHz) | 350W (350W) |
GeForce RTX 3080 Ti | MSI GeForce RTX 3080 Ti VENTUS 3X 12G | 10,240 | 384bit | GDDR6X 12GB | 1,665MHz (1,665MHz) | 350W (350W) |
GeForce RTX 3080 | MSI GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G | 8,704 | 320bit | GDDR6X 10GB | 1,710MHz (1,710MHz) | 320W (320W) |
GeForce RTX 3070 Ti | MSI GeForce RTX 3070 Ti VENTUS 3X 8G | 6,144 | 256bit | GDDR6X 8GB | 1,770MHz (1,770MHz) | 290W (290W) |
GeForce RTX 3070 | MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC | 5,888 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,755MHz (1,730MHz) | 220W (220W) |
GeForce RTX 3060 Ti | ZOTAC GeForce RTX 3060 Ti 8G GDDR6 HDMI/DP*3 | 4,864 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,665MHz (1,665MHz) | 200W (200W) |
GeForce RTX 3060 | ZOTAC GeForce RTX 3060 12G GDDR6 HDMI/DP*3 | 3,584 | 192bit | GDDR6 12GB | 1,777MHz (1,777MHz) | 170W (170W) |
GeForce RTX 3050 | メーカー不明 GeForce RTX 3050 | 2,560 | 128bit | GDDR6 8GB | 1,777MHz (1,777MHz) | 130W (130W) |
GeForce RTX 2080 | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING | 2,944 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,860MHz (1,710MHz) | 245W (215W) |
GeForce RTX 2070 | ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI | 2,304 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,650MHz (1,620MHz) | 175W (175W) |
GeForce RTX 2060 | ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO | 1,920 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,755MHz (1,725MHz) | 183W (160W) |
GeForce GTX 1660 Ti | ASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING | 1,536 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,770MHz (1,770MHz) | 120W (120W) |
GeForce GTX 1650 | ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK | 896 | 128bit | GDDR5 4GB | 1,710MHz (1,665MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1630 | ASUS PH-GTX1630-4G | 512 | 64bit | GDDR6 4GB | 1,785MHz (1,785MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1060 | ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition | 1,280 | 192bit | GDDR5 6GB | 1,772MHz (1,708MHz) | 120W (120W) |
Radeon RX 6900 XT | ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING | 5,120 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,335MHz (2,250MHz) | 300W (300W) |
Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800リファレンスカード | 3,840 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,105MHz (2,105MHz) | 250W (250W) |
Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6700 XTリファレンスカード | 2,560 | 192bit | GDDR6 12GB | 2,615MHz (2,581MHz) | 230W (230W) |
Radeon RX 6600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING | 2,048 | 128bit | GDDR6 8GB | 2,607MHz (2,359MHz) | 160W (160W) |
Radeon RX 5700 XT | ASUS TUF 3-RX5700XT-O8G-GAMING | 2,560 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,905MHz (1,905MHz) | 225W (225W) |
Radeon RX 5600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX5600XT-O6G-GAMING | 2,304 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,750MHz (1,560MHz) | 150W (150W) |
Radeon RX 5500 XT | ASUS DUAL-RX5500XT-O4G-EVO | 1,408 | 128bit | GDDR6 4GB | 1,845MHz (1,845MHz) | 130W (130W) |
【使用ドライバ】GeForce Game Ready 529.98 、Adrenalin 22.11.1