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「パルワールド」を快適に遊ぶならGPUはどれがいい?GeForceの最新と旧世代で比較してみた

2024年1月19日にアーリーアクセスがスタートした「パルワールド」。Steamでの価格は3,400円

 2024年1月19日にアーリーアクセスが開始された「パルワールド」。不思議な生物“パル”をゲットして、戦わせたり、一緒に拠点を発展させられるマルチプレイ対応のオープンワールド型サバイバルクラフトゲームとして大きな注目を集めている。

 リリースからわずか3日で売り上げ500万本を突破、同時接続数も150万人を超えるという数字からもそれは明らか。では、そのパルワールドはエントリークラスのGPUでも快適にプレイできるのか? 早速テストしてみたい。

 まずは、用意したビデオカードを紹介しよう。GeForce RTX 40シリーズ、RTX 30シリーズ、GTX 16シリーズからそれぞれ下位モデルをチョイスした。

  • GeForce RTX 4060:MSI GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC
  • GeForce RTX 3050:MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G
  • GeForce GTX 1650:ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK

 検証環境はページ末にまとめているが、CPUはCore i9-13900Kを使用した。CPUのパワーリミットは無制限に設定。GPUドライバは「Game Ready 546.33」が使われている。

 なお、パルワールドのシステム要件は最低がCore i5-3570K以上のCPU、16GB以上のメモリ、GeForce GTX 1050以上のGPUとなっている。かなり古い環境でも動きそうだ。ただ、推奨になるとCore i9-9900K以上のCPU、32GB以上のメモリ、GeForce RTX 2070以上のGPUとそこそこ高くなる。実際のプレイだとどうなるのか。

 テスト方法は、ゲーム開始地点近くに拠点を作り、一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。グラフィックのプリセットは最上位の「最高」、垂直同期はオフ、フレームレートは無制限に設定して実行している。また、DLSSにも対応しているため、RTX 4060とRTX 3050についてはDLSSをパフォーマンス設定にした場合のフレームレートも掲載する。

ゲーム開始地点近くに拠点を作り、一定コースを60秒移動した際のフレームレートを測定した
映像設定は画像の通り。画質のプリセットは最上位を選択している
フルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)

 DLSSを使わない場合は、最高画質だと描画負荷はそれなりに高い。RTX 4060でも快適なプレイの目安としてる平均60fpsに到達できるのはWQHDまで。4Kでは平均33.6fpsまで下がってしまう。しかし、DLSSを有効にすれば4Kでも平均66.5fpsまで出せる。DLSSの威力がよく分かる結果だ。

 1世代前のRTX 3050については、フルHDでも平均56.1fpsだ。しかし、DLSSを有効にすればWQHDまで平均60fpsを超えられる。4Kにこだわらなければ、十分快適にプレイが可能だ。

 その一方でGTX 1650はさすがに古い世代のエントリーGPUだけあって、フルHDでも平均23.1fpsとプレイするのは厳しいレベル。ちなみに、画質のプリセットを一番下の最低まで下げれば平均66.8fpsとプレイできるフレームレートを出すことは可能だ。

 ただし、最低設定だとグラフィックの描画はかなり簡易的になり、遠くのオブジェクトも表示されなくなる。気持ちよくプレイするなら、RTX 3050以上は欲しいところ。

 以下の画像は画質設定“最高”と“最低”の比較だが、最低画質だと草が表示されないなど、かなり簡易的になってしまう

 ちなみに、ビデオメモリの使用量はRTX 4060でDLSSを使わない場合、フルHDで5.55GB、WQHDで5.96GB、4Kで6.89GBだった。8GB搭載しているビデオカードなら不足することはないだろう。

 一方で、ビデオメモリが4GBのGTX 1650はフルHDで3.68GB、WQHDで3.96GB、4Kで3.96GBと明らかに不足感のある結果。基本性能が低いのもあるが、ビデオメモリ量でも厳しいことが分かる。

 また、Core i9-13900Kの内蔵GPU「UHD Graphics 770」でも試しにプレイしてみたが、フルHDかつ画質プリセットを最低にしても15~18fpsしか出ず、快適なプレイにはほど遠かった。多くのCPU内蔵GPUでは快適にプレイするのは難しいと言える。

 まだ、何かと話題のパルワールドだがまだアーリーアクセスの段階。グラフィック面での進化も気になるところ。正式版になった段階でまたテストしてみたい。

【検証環境】

CPU:Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボード:MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z790)
メモリ:Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSD:Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー:Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源:Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS:Windows 11 Pro(22H2)