ゲーム別GPU性能総比較

「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」をGPU 22種類で性能検証!

STAR WARS ジェダイ:サバイバーの検証では、ゲーム開始直後のシーンを60秒間移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した

 本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。

 第27回目はSTAR WARSの世界を舞台にした人気アクションアドベンチャー「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」の続編、「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」を取り上げる。

 用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。

 テストの条件だが、グラフィック関連のプリセットとなるグラフィック品質を最上位の「エピック」に設定して実行している。アップスケーラーはデフォルトでFSR 2の「QUALITY」が設定されたので、それをそのまま採用した。標準で有効化されているのに加え、FSR 2ならGPUに関係なく利用できるためだ。

 また、ベンチの様子をまとめた下記の動画も参考にしてほしい。

1~4万円台のGPUで「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」の性能比較!
6~8万円台のGPUで「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」の性能比較!
10~30万円台のGPUで「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」の性能比較!

 テストの条件だが、グラフィックのプリセットを「最高」に設定。アップスケーラーは使用していない。

STAR WARS ジェダイ:サバイバーのグラフィックス設定
グラフィックに関する設定をまとめて行うグラフィック品質を最上位の「エピック」に設定
垂直同期、レイトレーシングはオフ、アップスケーラーのAMD FidelityFX Super Resolution 2(FSR 2)はデフォルトの「QUALITY」設定のままにした

 このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、ゲーム開始直後から60秒間移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。

 STAR WARS ジェダイ:サバイバーは、前作と同じくオーダー66を生き延びたジェダイの一人「カル・ケスティス」を主人公にしたアクションアドベンチャー。美麗なグラフィックでスターウォーズの世界を再現しているだけに描画負荷は“重量級”と言ってよいだろう。

 本連載は描画負荷軽減するアップスケーラーは技術によっては対応するGPUが限られるといった制約があるため基本的に使わないことが多い。しかし、今回は自動的に有効化されるのがどのGPUでも使えるアップスケーラーのFSR 2(QUALITY設定)であったため、そのまま採用した。

 レイトレーシングは非対応のGeForce GTXシリーズをテストに含めているためオフとしている。なお、本ゲームのPC版が特定環境下において最適化不足であることは発売元のElectronic Artsも認めるところであり、今回のテストは初期バージョンで行ったものである点は了承いただきたい。

 全体の画質を決めるグラフィック品質を最上位の「エピック」にした場合、フルHDでも描画負荷はかなり高いと言わざるを得ない。

 快適なプレイの目安となる平均60fpsに到達するにはGeForce系ではRTX 2060/3060以上、Radeon系ではRX 6600 XT以上とミドルレンジ以上のGPUが必要だ。

 ハイエンドGPUについては、GeForce系では平均84fps前後、Radeon系では平均118fps前後で頭打ちになっている。

 フレームレートの頭打ちはCPUがボトルネックになって起こるケースがほとんどだが、本作に関してはゲーム側の最適化が進むことで改善される可能性もある。

 ビデオメモリの使用量は5.5GB~7.2GBでGPUのビデオメモリが大容量なほど多く消費する傾向だ。4GBしか搭載されていないエントリー向けGPUはビデオメモリ不足でフレームレートが伸びていない。6GBでも厳しいぐらいだ。最新ゲームではフルHDでも8GBはほしい時代になっている。

 4K解像度はさらに厳しい。GeForce系はRTX 3080/4070 Ti以上、Radeon系はRX 6900 XT以上が必要になる。

 RTX 4070はRTX 3080と同レベルの性能を持っているがメモリバス幅が狭いこともあって4Kでは性能が伸びにくい。このゲームではそれがハッキリと出ている。ビデオメモリの使用量は5.8GB~8.3GBとフルHDと同じく搭載量が多いGPUほど消費量も増加する。

 ただ、4GBや6GBと容量の少ないビデオカードでもフレームレートが低いだけでグラフィックの描画が簡略化されるといった現象は見られなかった。

 ちなみに、レイトレーシングを有効にすると、どこまで負荷が高くなるか。RTX 3070を例に試す。なお、レイトレーシングに関してはオンとオフがあるだけで、細かな設定は用意されていない。

 レイトレーシング有効時のフルHDでは、平均79.4fpsとオフ状態の平均79.9fpsとほとんど変わらない結果に。何かが原因でフレームレートが頭打ちになっていると言える。

 4Kでは平均39.6fpsとオフ時の平均46.5fpsから6.8fps下がっている。より重くなるのは間違いない。今回に関してはゲーム側の最適化が進んだとき、改めて検証したくなる結果だ。

ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧

使用PCはCore i9-13900搭載

 この連載はCPUはCore i9-13900(24コア32スレッド)、マザーボードにZ790チップセット、メモリにDDR5-4800 32GB(16GB×2)、ストレージにNVMe SSD 1TB、CPUクーラーに12cmクラスの簡易水冷、1,200W電源を採用したPCを使用している。

 なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が65W、Short Duratin Power Limit(PL2)が219WとIntelの仕様通りの設定だ。

使用したビデオカード一覧

 第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしている。

 また、第24回からRTX 4070を加えたほか、機材調達の都合から前回からRTX 3080/3070/3060/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。

RTX 30シリーズの上位GPUはGIGABYTEに協力をいただいている。写真は「AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G」。3連ファンの高OC仕様で天面にはGPU情報や好きな画像、GIFなども表示できるLCDモニターを備えるリッチな作り
GeForce RTX 3060は、ASUSのDUAL-RTX3060-O12G-WHITEを使用している。2連ファンのOCモデルでホワイトカラーが一番の特徴。白で統一したPCを組みたい場合にはありがたい存在だ

 なお、ここで使用しているビデオカードのブーストクロックは定格とOCが混在している。GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデルだ。

 ASUSのROG STRIXシリーズやGIGABYTEのAORUSにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンスが高くなるモードに設定している。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。

 また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。

【表】使用GPU一覧
GPU製品名シェーダ数(CUDA・SP)メモリバス幅ビデオメモリブーストクロック(定格)カード電力(定格)
GeForce RTX 4090GeForce RTX 4090 Founders Edition16,384384bitGDDR6X 24GB2,520MHz
(2,520MHz)
450W
(450W)
GeForce RTX 4080GeForce RTX 4080 Founders Edition9,728256bitGDDR6X 16GB2,510MHz
(2,510MHz)
320W
(320W)
GeForce RTX 4070 TiZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC7,680192bitGDDR6X 12GB2,625MHz
(2,610MHz)
285W
(285W)
GeForce RTX 4070GeForce RTX 4070 Founders Edition5,888192bitGDDR6X 12GB2,475MHz
(2,475MHz)
200W
(200W)
GeForce RTX 3080GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G8,704320bitGDDR6X 10GB1,845MHz
(1,710MHz)
350W
(320W)
GeForce RTX 3070GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G5,888256bitGDDR6 8GB1,845MHz
(1,725MHz)
270W
(220W)
GeForce RTX 3060ASUS DUAL-RTX3060-O12G-WHITE3,584192bitGDDR6 12GB1,837MHz
(1,777MHz)
170W
(170W)
GeForce RTX 3050MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G OC2,560128bitGDDR6 8GB1,822MHz
(1,777MHz)
130W
(130W)
GeForce RTX 2080ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING2,944256bitGDDR6 8GB1,860MHz
(1,710MHz)
245W
(215W)
GeForce RTX 2070ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI2,304256bitGDDR6 8GB1,650MHz
(1,620MHz)
175W
(175W)
GeForce RTX 2060ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO1,920192bitGDDR6 6GB1,755MHz
(1,725MHz)
183W
(160W)
GeForce GTX 1660 TiASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING1,536192bitGDDR6 6GB1,770MHz
(1,770MHz)
120W
(120W)
GeForce GTX 1650ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK896128bitGDDR5 4GB1,710MHz
(1,665MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1630ASUS PH-GTX1630-4G51264bitGDDR6 4GB1,785MHz
(1,785MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1060ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition1,280192bitGDDR5 6GB1,772MHz
(1,708MHz)
120W
(120W)
Radeon RX 7900 XTXRadeon RX 7900 XTXリファレンスカード6,144384bitGDDR6X 24GB2,500MHz
(2,500MHz)
355W
(355W)
Radeon RX 7900 XTRadeon RX 7900 XTリファレンスカード5,376320bitGDDR6X 20GB2,400MHz
(2,400MHz)
315W
(315W)
Radeon RX 6900 XTASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING5,120256bitGDDR6 16GB2,335MHz
(2,250MHz)
300W
(300W)
Radeon RX 6800Radeon RX 6800リファレンスカード3,840256bitGDDR6 16GB2,105MHz
(2,105MHz)
250W
(250W)
Radeon RX 6700 XTRadeon RX 6700 XTリファレンスカード2,560192bitGDDR6 12GB2,615MHz
(2,581MHz)
230W
(230W)
Radeon RX 6600 XTASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING2,048128bitGDDR6 8GB2,607MHz
(2,359MHz)
160W
(160W)
Radeon RX 6500 XTASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition1,02464bitGDDR6 4GB2,820MHz
(2,815MHz)
107W
(107W)

【使用ドライバ】GeForce Game Ready 531.68、Adrenalin 23.4.1