ゲーム別GPU性能総比較

リメイク版「Dead Space」をGPU 22種類で性能検証!

Dead Spaceの検証では、チャプター01「新たな来客」の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した

 本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第21回目は名作SFサバイバルホラーのリメイク版「Dead Space」を取り上げる。

 用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは6種類の合計22種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。

 テストの条件だが、グラフィック品質を最上位の「ウルトラ」に設定。アップスケーラーは使わずに、アンチエイリアスは「TAA」の設定している。

Dead Spaceのグラフィックス設定
画質関連をまとめて設定するグラフィック品質は最上位の「ウルトラ」に、アンチエイリアスは「TAA」、TAA品質は「高」とした
ビデオオプションはスクリーンモードを「フルスクリーン」、リフレッシュレートはディスプレイに合わせ、垂直同期はオフにしている

 このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、チャプター01「新たな来客」の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。

 Dead Spaceは2008年に発売されたSFサバイバルホラー。逃げ場のない宇宙船内の張り詰めた空気の中でクリーチャーと戦う恐怖感は“名作”と評価されている。ここでテストするのは同名ゲームのリメイク版。グラフィックは大幅に強化され、プリセットによる最高画質の「ウルトラ」設定では、フルHD解像度でも快適なプレイの目安を60fpsとすると、GeForce系ではRTX 3060以上、Radeon系ではRX 6600 XT以上とミドルレンジクラスのGPUが必要だ。

 4K解像度では、より厳しくなる。平均60fpsを超えたのは、GeForce系ではRTX 4090/4080、Radeon系ではRX 7900 XTXのみ。RX 7900 XTも平均59.7fpsには到達しているので、ほぼ合格と言ってよいだろう。どちらにしても、4K最高画質でプレイをしたいなら超ハイエンドクラスが必要とかなり描画負荷が重いゲームと言える。

 ちなみに、RTXシリーズで使えるアップスケーラーの「DLSS」を使うとどうなるのか。試しにRTX 3060 Tiを利用し、同じ画質でDLSSを「パフォーマンス」に設定してテストを実行してみた。DLSS無効時と比べて、フルHDで平均127.9fpsと約1.45倍、4Kで平均61.6fpsと約2.1倍ものフレームレート向上を確認できた。4Kでも快適なプレイの目安を超えることができている。DLSSに対応したGPUなら同じようなフレームレート向上が期待できるはずだ。

 グレード別にフルHD解像度を見ると、GeForce系ではGTX 1650/1630、Radeon系ではRX 6500 XTのフレームレートが特に低くなっている。エントリークラスのGPUなので基本性能が低いのもあるが、共通しているのはビデオメモリが4GBしかないこと。

 最近の描画負荷の高い重量級と言われるゲームは、フルHD解像度でもビデオメモリが4GBだとフレームレートが伸びないケースが増えている。重量級ゲームを高画質でプレイしたければ、最低でもビデオメモリは6GB、できれば8GBほしい時代になってきたと言えるだろう。

使用PCはCore i9-13900KF搭載のパソコン工房の「LEVEL∞ R-Class」

 この連載で使用しているPCはパソコン工房のゲーミングPCブランド「LEVEL∞」のうち先進機能を持ち込み、カスタマイズ性も高いR-Classの「LEVEL-R779-LC139KF-RBX」だ。

パソコン工房の「LEVEL-R779-LC139KF-RBX」。メモリはDDR5-4800が32GB、ストレージには1TBのNVMe SSDを搭載。標準のビデオカードはGeForce RTX 3060だ。価格は30万9,800円から(価格は掲載時のもの)

 CPUはCore i9-13900KF(24コア32スレッド)、マザーボードはZ790チップセット、CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷を採用しており、冷却力に不安はない。ビデオカードの性能測定をする上でCPUが可能な限り、ボトルネックにならないようにしている。電源については、このPCは標準だと700Wだが、推奨電源が850WのRTX 4090を扱うことも考慮し、BTOで選択できる最上位の1,200Wタイプに変更した。

 なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が253WとIntelの仕様通りの設定となっていた。

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使用したビデオカード一覧

 第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしたほか、RTX 3080/3070/3060 Ti/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。

GeForce RTX 3050は、ASUSの「TUF-RTX3050-O8G-GAMING」を使用している。カード長272mmとエントリーとしては大きいが、その分、冷却は強力で高OC動作を可能にしている
RTX 30シリーズのアッパーミドルとハイエンドはGIGABYTEに協力をいただいている。写真は「GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G」で、独自の冷却システム「WINDFORCE 3X」によって高OC動作を実現している

 なお、ここで使用しているビデオカードは定格クロックでの動作が中心だが、一部OCモデルも含まれている(GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデル)。

 ASUSのROG STRIXシリーズにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンス用の「Pモード」に設定。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。

 また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。

【表】使用GPU一覧
GPU製品名シェーダー数(CUDA・SP)メモリバス幅ビデオメモリブーストクロック(定格)カード電力(定格)
GeForce RTX 4090NVIDIA GeForce RTX 4090 Founders Edition16,384384bitGDDR6X 24GB2520MHz
(2520MHz)
450W
(450W)
GeForce RTX 4080NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition9,728256bitGDDR6X 16GB2510MHz
(2510MHz)
320W
(320W)
GeForce RTX 4070 TiZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC7,680192bitGDDR6X 12GB2625MHz
(2610MHz)
285W
(285W)
GeForce RTX 3080GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G8,704320bitGDDR6X 10GB1845MHz
(1710MHz)
350W
(320W)
GeForce RTX 3070GIGABYTE GeForce RTX 3070 VISION OC 8G5,888256bitGDDR6 8GB1815MHz
(1730MHz)
220W
(220W)
GeForce RTX 3060 TiNVIDIA GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition4,864256bitGDDR6 8GB1665MHz
(1665MHz)
200W
(200W)
GeForce RTX 3060GIGABYTE GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G3,584192bitGDDR6 12GB1837MHz
(1777MHz)
170W
(170W)
GeForce RTX 3050ASUS TUF-RTX3050-O8G-GAMING2,560128bitGDDR6 8GB1845MHz
(1777MHz)
150W
(130W)
GeForce RTX 2080ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING2,944256bitGDDR6 8GB1860MHz
(1710MHz)
245W
(215W)
GeForce RTX 2070ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI2,304256bitGDDR6 8GB1650MHz
(1620MHz)
175W
(175W)
GeForce RTX 2060ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO1,920192bitGDDR6 6GB1755MHz
(1725MHz)
183W
(160W)
GeForce GTX 1660 TiASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING1,536192bitGDDR6 6GB1770MHz
(1770MHz)
120W
(120W)
GeForce GTX 1650ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK896128bitGDDR5 4GB1710MHz
(1665MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1630ASUS PH-GTX1630-4G51264bitGDDR6 4GB1785MHz
(1785MHz)
75W
(75W)
GeForce GTX 1060ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition1,280192bitGDDR5 6GB1772MHz
(1708MHz)
120W
(120W)
Radeon RX 7900 XTXRadeon RX 7900 XTXリファレンスカード6,144384bitGDDR6X 24GB2500MHz
(2500MHz)
355W
(355W)
Radeon RX 7900 XTRadeon RX 7900 XTリファレンスカード5,376320bitGDDR6X 20GB2400MHz
(2400MHz)
315W
(315W)
Radeon RX 6900 XTASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING5,120256bitGDDR6 16GB2335MHz
(2250MHz)
300W
(300W)
Radeon RX 6800Radeon RX 6800リファレンスカード3,840256bitGDDR6 16GB2105MHz
(2105MHz)
250W
(250W)
Radeon RX 6700 XTRadeon RX 6700 XTリファレンスカード2,560192bitGDDR6 12GB2615MHz
(2581MHz)
230W
(230W)
Radeon RX 6600 XTASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING2,048128bitGDDR6 8GB2607MHz
(2359MHz)
160W
(160W)
Radeon RX 6500 XTASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition1,02464bitGDDR6 4GB2820MHz
(2815MHz)
107W(107W)

【使用ドライバ】GeForce Game Ready 528.24、Adrenalin 22.11.2