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赤い!カッコイイ!レッズ!なゲーミングPC。新旧11ゲームで検証する

浦和レッズオフィシャルゲーミングPC「G TUNE DG-A7A60-URDS」。直販価格は21万7,800円から。本体がホワイトカラーのモデルも用意されている

 マウスコンピューターのゲーミングブランド「G TUNE」から、浦和レッズオフィシャルゲーミングPCが発売された。サイドパネルにはクラブエンブレムが大きく描かれ、冷却ファンにはチームカラーの赤色LEDを内蔵と“ファンアイテム”のようだが、ゲーミングPCの実力も確かなもの。早速レビューをお届けしよう。

大きなクラブエンブレムに赤色LEDの冷却ファン

 「浦和レッズオフィシャルゲーミングPC」は、マウスコンピューターとプロサッカークラブの浦和レッドダイヤモンズとのコラボレーションで誕生したデスクトップPCだ。

 浦和レッズオンラインショップおよびマウスコンピューターのWebサイト、ダイレクトショップ、電話通販窓口で販売し、本体カラーは2種類。ブラックが21万7,800円から、ホワイトが21万9,010円から。どちらもスペックは同じだ。今回はブラックのモデルを試用した。

 ミニタワー型のゲーミングPCだが、特徴的なのが左側面の強化ガラスパネルに大きく浦和レッズのクラブエンブレムが描かれていること。

 さらに、ケース内にはCPUクーラーも含めて全部で4基のファンが備わっているが、すべてにクラブカラーの赤色LEDが内蔵されており、PCの起動中はクラブエンブレムを赤く浮き上がらせてくれる。

左側面の強化ガラスパネルにクラブエンブレムが描かれている
これが強化ガラスパネルだ。完全な透明ではなく、若干黒のスモークが入っている
赤色LEDのファンによってクラブエンブレムが赤く演出される
ケース内には4基のファンが備わっているがすべて赤色LEDを内蔵

 演出面だけではなく、使い勝手や冷却力も優秀だ。強化ガラスパネルはワンタッチで取り外しが可能と掃除などのメンテナンスをしやすい構造。前部に2基の吸気ファン、背面に1基の排気ファンが備わっており、キッチリとケース内部に直線的なエアフローを作り出している。

 また、CPUクーラーにはCPUだけではなくマザーボードの電源周りなど周囲も冷やせるトップフローを採用しているのもポイントだ。

強化ガラスパネルは上部を押すだけで簡単に取り外せる
前面には2基の吸気ファンを搭載
背面には1基の排気ファン。CPUクーラーはトップフロー型だ
前面の上部には3.5インチベイも備わっている

CPUとGPUも企業のイメージカラーがレッドの「AMD」というこだわり

 CPUとビデオカードには人気のミドルレンジ構成を採用しており、ゲーミングPCとしての性能もしっかり確保されている。

 まず、ビデオカードにはAMDの「Radeon RX 7600」を採用。CU(コンピュートユニット)が32基、ビデオメモリがGDDR6 8GB、メモリインターフェイスは128bitで、実効メモリ帯域幅は146.9GB/sだ。定格のブーストクロックは2,625MHzだが、本機に搭載されているカードは2,655MHzにオーバークロックされたものだった。

PowerColor製のRadeon RX 7600搭載カードが採用されていた
ブーストクロックは定格の2,625MHzだが、搭載カードはオーバークロックモデルのようで2,655MHzになっていた

 CPUはAMDの「Ryzen 7 5700X」を採用。ゲーム用途では十分な8コア16スレッド仕様かつ省電力、低発熱ということもあって2022年4月の発売以来、ロングセラーとなっている。TDPは65W、動作クロックは最高4.6GHzだ。CPU、ビデオカードとも企業のイメージカラーがレッドのAMDを選ぶあたりに、浦和レッズとのコラボレーションに対するこだわりを感じる。

CPUには8コア16スレッドのRyzen 7 5700Xを搭載

 このほか、メモリはDDR4-3200が16GB(8GB×2)、ストレージは1TBのNVMe SSD(Gen 4接続)とゲームプレイに必要十分な容量が搭載されている。

ケースの内部。コンパクトなデスクトップだが、内部はスッキリとしている
ケースの前面上部にはヘッドフォン出力、マイク入力、USB 3.2 Gen 1が2基のほか、背面からHDMI出力が引き出せるポートも用意されている
背面。使用しないマザーボード側の映像出力にはカバーを備えるという配慮がうれしい

フルHD解像度ならほとんどのゲームを高画質で快適に楽しめる

 気になる性能を早速チェックしよう。まずは、定番のCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」、3Dベンチマークの「3DMark」を実行する。

Cinebench 2024の結果
PCMark 10 Standardの結果
3DMark Steel Nomad Lightの結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Speed Wayの結果

 Cinebench 2024はMulti Core、Single CoreともRyzen 7 5700Xつぃて順当と言える結果だ。PCMark 10のスコアもすべて高めで、一般的な作業であれば不満を感じることはないだろう。3DMarkに関しても、すべてアベレージのスコアを超えており、Radeon RX 7600の性能をしっかりと引き出せている。

 では、実ゲームだとどうだろうか。Radeon RX 7600はフルHDゲーミングをターゲットにしているので、解像度はすべてフルHDに統一した。テストしたゲームと条件は以下の通りだ。基本的に最高画質設定でアップスケーラーやフレーム生成に対応しているものは、それぞれ利用している。描画負荷が特に強烈な「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」だけは、低画質設定とした。

 Apex Legendsやオーバーウォッチ2など定番FPSならリフレッシュレート144Hzのゲーミング液晶も生かせる高いフレームレートを出した。マーベル・ライバルズ、Call of Duty: Black Ops 6、Ghost of Tsushima Director's Cutもアップスケーラーとフレーム生成の力を借りているとはいえ、高いフレームレートを達成している。なお、ストリートファイター6、Virtua Fighter 5 R.E.V.O.、エルデンリングは最大60fpsのゲームだ。どれも平均はほぼ最大に到達できている。

 また、S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobylやサイバーパンク2077といった超重量級と言える描画負荷のゲームも高い画質設定で問題なく遊べるフレームレートを出している点にも注目したい。インディ・ジョーンズ/大いなる円環だけは例外で、低画質設定でなんとか快適に遊べる目安と言える平均60fpsを超えられた。

 冷却力や動作音もチェックしておこう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際のCPUとGPU温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は21℃だ。

 どちらもじわじわ上がっていくが、前後にファンを搭載し、キッチリとエアフローを作っているだけに最終的にはCPUは63℃前後、GPUは70℃前後で推移とまったく不安のない温度。長時間のゲームプレイも安心だ。

 合わせて動作音も前面、左側面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定したが、前面で42.8dB、左側面で44.1dB、背面で52.1dBとなった。さすがに空気が抜ける背面側だと、それなりにファンの音がうるさいと感じるが、前面、左側面はあまり気にならないレベルになる。動作音に困らされることはないだろう。

浦和レッズのファンもゲーマーも満足できる1台

 大きなクラブエンブレムに赤色LEDの演出と、浦和レッズのファンにはたまらないPCだが、人気のミドルレンジ構成を採用し、フルHD解像度ならほとんどのゲームを快適に遊べる性能をキッチリと搭載。3年間センドバック修理保証、24時間365日の電話サポートと手厚いサポートがあるのも特徴だ。浦和レッズもゲームも好きなら、ぜひともチェックしておきたい1台と言える。