ゲーム別GPU性能総比較
「ストリートファイター6 Demo」をGPU 22種類で性能検証!
2023年5月19日 06:11
本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第26回目は2023年6月2日に発売を控える「ストリートファイター6」のDemo版を取り上げる。
用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは15種類、Radeonは7種類の合計22種類のビデオカードだ。GeForceにはRTX 40シリーズが、RadeonにはRX 7000シリーズが登場したことで、第18回より一部カードを入れ替えた。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。
テストの条件だが、グラフィックのプリセットを「HIGHEST」に設定して実行している。
また、ベンチの様子をまとめた下記の動画も参考にしてほしい。
テストの条件だが、グラフィックのプリセットを「最高」に設定。アップスケーラーは使用していない。
このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、CPU同士の対戦を実行した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。
ストリートファイター6は大人格闘ゲームシリーズの最新作。約7年ぶりの登場とあって期待している人も多いのではないだろうか。
原稿執筆時点では発売前だが、SteamではDemo版が公開されているため、それを利用してGPU別の性能を検証する。製品版とは異なる可能性もあるが、目安にはなるだろう。
なお、このゲームはフレームレートを120fpsまで設定できるが、対戦時は60fpsまでとなる。公平性を保つための制限と思われるが、同じ条件に近い対戦環境にするには60fpsに届く必要があるとも言える(厳密には回線速度は入力遅延などの問題があるので完全な同一条件にするのは難しいが)。
全体の画質を決めるクオリティを「HIGHEST」にした場合、フルHD解像度ならばGTX 1650/1630/1060以外のGPUはすべて平均60fpsをクリア。フルHD解像度なら多くGPUでプレイできるとみてよいだろう。
なお、GTX 1060は平均57.1fpsとかなり健闘しており、画質を落とせば十分プレイ可能と言える。また、ビデオメモリの使用量を見ると、GPUによって異なるがフルHDでも5.1GB~6.2GBに達している。
4GBしかないGPUではビデオメモリ不足から背景など一部描画が簡略化されてしまう。RX 6500 XTは平均60fpsに到達しているが、描画は6GB以上搭載したGPUとは異なってしまうという点は覚えておきたい。
4K解像度で60fpsに到達するのはかなり厳しくなる。GeForce系ではRTX 3070以上、Radeon系ではRX 6800以上で到達とアッパーミドル以上のGPUが必要だ。
ビデオメモリの使用量に関してはおおむね6.1GB~7.5GBだ。ビデオメモリ搭載量が多いGPUほど消費量も多くなる傾向にある。フルHDと同じくビデオメモリが4GBだとグラフィックの一部が簡略化されるのを確認できた。
ちなみにストリートファイター6はDLSSやFSRといった描画負荷を軽減するアップスケーラーは備えていない。描画負荷を下げたければ画質設定の変更が必要となる。発売までに環境を整えたいと考えている人のGPU選びの参考になれば幸いだ。
ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧
使用PCはCore i9-13900搭載
この連載はCPUはCore i9-13900(24コア32スレッド)、マザーボードにZ790チップセット、メモリにDDR5-4800 32GB(16GB×2)、ストレージにNVMe SSD 1TB、CPUクーラーに12cmクラスの簡易水冷、1,200W電源を採用したPCを使用している。
なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が65W、Short Duratin Power Limit(PL2)が219WとIntelの仕様通りの設定だ。
使用したビデオカード一覧
第18回の「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」より一部カードの入れ替えを行なった。RTX 40シリーズとRadeon RX 7000シリーズの追加にともなって、RX 5000シリーズをカットしている。
また、第24回からRTX 4070を加えたほか、機材調達の都合から前回からRTX 3080/3070/3060/3050のカードも変更となった。一部紹介しておこう。
なお、ここで使用しているビデオカードのブーストクロックは定格とOCが混在している。GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデルだ。
ASUSのROG STRIXシリーズやGIGABYTEのAORUSにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンスが高くなるモードに設定している。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。
また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。
GPU | 製品名 | シェーダ数(CUDA・SP) | メモリバス幅 | ビデオメモリ | ブーストクロック(定格) | カード電力(定格) |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 4090 | GeForce RTX 4090 Founders Edition | 16,384 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,520MHz (2,520MHz) | 450W (450W) |
GeForce RTX 4080 | GeForce RTX 4080 Founders Edition | 9,728 | 256bit | GDDR6X 16GB | 2,510MHz (2,510MHz) | 320W (320W) |
GeForce RTX 4070 Ti | ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC | 7,680 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,625MHz (2,610MHz) | 285W (285W) |
GeForce RTX 4070 | GeForce RTX 4070 Founders Edition | 5,888 | 192bit | GDDR6X 12GB | 2,475MHz (2,475MHz) | 200W (200W) |
GeForce RTX 3080 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G | 8,704 | 320bit | GDDR6X 10GB | 1,845MHz (1,710MHz) | 350W (320W) |
GeForce RTX 3070 | GIGABYTE AORUS GeForce RTX 3070 MASTER 8G | 5,888 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,845MHz (1,725MHz) | 270W (220W) |
GeForce RTX 3060 | ASUS DUAL-RTX3060-O12G-WHITE | 3,584 | 192bit | GDDR6 12GB | 1,837MHz (1,777MHz) | 170W (170W) |
GeForce RTX 3050 | MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G OC | 2,560 | 128bit | GDDR6 8GB | 1,822MHz (1,777MHz) | 130W (130W) |
GeForce RTX 2080 | ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING | 2,944 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,860MHz (1,710MHz) | 245W (215W) |
GeForce RTX 2070 | ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI | 2,304 | 256bit | GDDR6 8GB | 1,650MHz (1,620MHz) | 175W (175W) |
GeForce RTX 2060 | ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO | 1,920 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,755MHz (1,725MHz) | 183W (160W) |
GeForce GTX 1660 Ti | ASUS TUF-GTX1660TI-6G-EVO-GAMING | 1,536 | 192bit | GDDR6 6GB | 1,770MHz (1,770MHz) | 120W (120W) |
GeForce GTX 1650 | ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK | 896 | 128bit | GDDR5 4GB | 1,710MHz (1,665MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1630 | ASUS PH-GTX1630-4G | 512 | 64bit | GDDR6 4GB | 1,785MHz (1,785MHz) | 75W (75W) |
GeForce GTX 1060 | ZOTAC GeForce GTX 1060 AMP! Edition | 1,280 | 192bit | GDDR5 6GB | 1,772MHz (1,708MHz) | 120W (120W) |
Radeon RX 7900 XTX | Radeon RX 7900 XTXリファレンスカード | 6,144 | 384bit | GDDR6X 24GB | 2,500MHz (2,500MHz) | 355W (355W) |
Radeon RX 7900 XT | Radeon RX 7900 XTリファレンスカード | 5,376 | 320bit | GDDR6X 20GB | 2,400MHz (2,400MHz) | 315W (315W) |
Radeon RX 6900 XT | ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING | 5,120 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,335MHz (2,250MHz) | 300W (300W) |
Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800リファレンスカード | 3,840 | 256bit | GDDR6 16GB | 2,105MHz (2,105MHz) | 250W (250W) |
Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6700 XTリファレンスカード | 2,560 | 192bit | GDDR6 12GB | 2,615MHz (2,581MHz) | 230W (230W) |
Radeon RX 6600 XT | ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING | 2,048 | 128bit | GDDR6 8GB | 2,607MHz (2,359MHz) | 160W (160W) |
Radeon RX 6500 XT | ASUS Dual Radeon RX 6500 XT OC Edition | 1,024 | 64bit | GDDR6 4GB | 2,820MHz (2,815MHz) | 107W (107W) |
【使用ドライバ】GeForce Game Ready 531.68、Adrenalin 23.4.1