特集
無料で使える7つのビデオ会議サービスを徹底比較!
ユーザー登録せずに会議参加が可能なものも
2020年4月16日 06:00
新型コロナウイルスの感染防止を目的として、人との接触を避けるために自宅で業務を行なう在宅勤務が広がりつつある。また4月11日には、緊急事態宣言が発令された7都府県の全事業者に対し、出勤者を最低7割減とするように安倍首相が要請しており、在宅勤務で業務を行なう人がさらに増加するのは間違いないだろう。
この在宅勤務において、問題となりやすいのがコミュニケーションである。オフィスに出社しているときのように、顔を合わせて会話したり、あるいは会議やミーティングを行なったりするのは難しいためだ。そこで重宝するのが、インターネット経由でビデオおよび音声でのコミュニケーションを可能にするオンライン会議サービスである。
こうしたサービスはいくつもあり、実際に活用しているユーザーも多いだろう。今回、主要なオンライン会議サービスを比較してみた。
比較したのは、コミュニケーションの方法(映像配信/音声通話/テキストチャット)に加え、オンライン会議時に利用できる機能、最大接続人数やユーザー登録の要不要、対応するプラットフォームである。
またオンライン会議時に利用できる機能の比較は、基本的にWindows版の専用アプリを用いて行なっている(Google HangoutsはWindowsアプリがないため、Google Chrome上で実施)。
Microsoft Teams | Facebook Messenger | Google Hangouts | LINE | Skype | Zoom | WebEx Meetings | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
映像配信 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
音声通話 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
テキストチャット | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
会議の録画 | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
デスクトップ共有 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
特定ウィンドウ共有 | ○ | × | ○ | × | × | ○ | ○ |
ファイル送受信 | ○ | × | △※1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ホワイトボード | ○ | × | × | × | × | ○ | ○ |
映像の背景をぼかす | ○ | × | × | × | ○ | × | × |
カスタム背景 | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × |
最大接続人数 | 250 | 50 | 10 | 200 | 50 | 100 | 100 |
ユーザー登録せずに会議を開催 | × | × | × | × | ○ | × | × |
ユーザー登録せずにほかの人が開催した会議に参加 | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
Webブラウザでの参加 | ○ | ○ | ○ | △※2 | ○ | ○ | ○ |
Windows版 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
macOS版 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
iOS版 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Android版 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※1: チャットで写真のみ送信可能
※2: Chrome拡張機能の利用で可能
それぞれのサービスの概要は以下のとおりである。ぜひ自分にあったサービスを見つけてほしい。
Microsoft Teams
チャットとオンライン会議などの機能を統合した、Microsoftの新たなコミュニケーションプラットフォームとなっているのが「Microsoft Teams」だ。このサービスは同社のクラウドサービスである「Office 365」や「Microsoft 365」に組み込まれているほか、無料版も提供されている。無料版では会議の録画は不可能になるが、デスクトップやウィンドウの共有、背景をぼかすといった機能が使えるほか、カスタム背景にも対応している。
オンライン会議が可能なだけでなく、メンバー同士でのテキストチャットによるコミュニケーションのための機能も充実している。日常的なコミュニケーションはテキストチャットで行ない、必要に応じてオンライン会議を実施するといった使い方ができるのがMicrosoft Teamsの魅力だと言える。
Facebook Messenger
SNSであるFacebookでは、チャットのためのサービスとして提供している「Facebook Messenger」において、ビデオ通話と音声通話を利用しており、Web会議の目的で利用することも可能となっている。Webブラウザで利用可能なほか、WindowsとmacOS、iOS、Androidのそれぞれで専用アプリも提供している。
ただあくまでも個人向けサービスという立ち位置のためか、Microsoft Teamsなどと比べると利用できる機能は少ない。なおデスクトップ共有について、Windows向けの専用アプリでは利用できなかったが、WebブラウザとしてGoogle Chromeを利用し、さらに専用の機能拡張をインストールすればデスクトップの共有が可能になる。
Google Hangouts
Googleアカウントさえ取得していれば、誰でも「Google Hangouts」を使ってWeb会議を実施できる。PCを利用する場合、Google Hangoutsの上記のWebサイトにアクセスしてWeb会議を行なう。またiOSとAndroidには専用のアプリが提供されている。
デスクトップや特定のウィンドウの共有は可能で、同じ資料を見ながら会議を行なうこともできる。難点は会議に参加できる人数が10名までと少ない点。なおGoogleが提供する企業向けサービスの「G Suite」では、もっとも安価な「G Suite Basic」で100人、最上位プランの「G Suite Enterprise」では250人までが参加できる。
LINE
SNSとして日本の多くのユーザーに使われている、「LINE」でもWeb会議は可能だ。LINEというとモバイルアプリのイメージが強いが、WindowsおよびmacOS版の専用アプリもあり、これらを利用すればデスクトップの共有が可能になるほか、PCに保存されているファイルをLINEで送信することもできる。
グループ機能を使えば最大200人のユーザーと同時にコミュニケーションすることも可能である。ただ、グループ外のメンバーをWeb会議に招集するといったことはできない。
Skype
コンシューマ向けのチャットツールとして歴史が長い「Skype」もビデオ通話や音声通話をサポートしており、Web会議にも利用できる。今回検証を行なったUWP版のSkypeでは会議を録画できたほか、デスクトップの共有もサポートしている。
さらにSkypeで注目したいのは、「Meet Now」だ。こちらはユーザー登録なしでWeb会議を行なうことができる機能で、Webサイトで作成した専用URLを共有するだけでWeb会議をはじめることができる。社外のユーザーと通話したいといった場面で便利ではないだろうか。
Zoom
多機能なWeb会議サービスとして、人気を集めているのが「Zoom」だ。会議の録画やデスクトップ/特定のウィンドウ共有をサポートしているほか、テキスト入力や手書きをサポートしたホワイトボード機能まで用意されている。またカスタム背景をサポートしていることも魅力だろう。
ただ無料版の場合、1対1でのミーティングは無制限だが、グループミーティングは40分までに制限されている。業務で本格的に利用したいといった場合には、「プロ」や「ビジネス」などの有料プランの利用が前提となるだろう。またZoomはセキュリティ上の問題が指摘されており、海外ではZoomの利用を禁止する組織も出ている。こうした点も踏まえ、利用するかどうかを判断したい。
WebEx Meetings
企業向けのオンライン会議システムで高いシェアを誇っているのが、シスコシステムズの「WebEx Meetings」だ。無料版と有料の3つのプランがあるが、無料版でも1つの会議に100名まで参加できるほか、1会議あたり24時間まで、かつ回数無制限で利用可能となっている。
機能も豊富でデスクトップや特定のウィンドウを共有できるほか、共有した画面に対して注釈を書き込むことが可能であるなど、多彩な機能を持つ。またウィンドウではなくファイルを指定し、その内容を共有するといった仕組みも用意されている。