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10万円切りのiPhone 16e対16 Pro。処理性能とカメラ画質を徹底比較してみた
2025年3月7日 06:07
Appleは、iPhoneの新たなエントリーモデルとなる「iPhone 16e」を2月28日に発売した。最新世代の「A18チップ」を搭載しつつ、背面カメラを1つにするなどで低コスト化。128GBモデルが直販価格で10万円切りの9万9,800円という低価格を実現している。
コスパという観点から注目を集めているiPhone 16eだが、実際にどの機能が省略され、どのぐらいの性能、品質なのか気になっている方も多いことだろう。そこで今回は、機能面ではiPhone 16シリーズ全体と比べつつ、性能・品質については「iPhone 16 Pro」とベンチマークスコア、カメラ画質を比較してみた。
人それぞれ、予算や、スマホに求めるスペックは異なる。皆さんがiPhoneだけでなく、スマホを購入する際の参考になれば幸いだ。
16/16 Plus用よりもGPUコアが1基少ない「A18チップ」を採用
iPhone 16eはOSに「iOS 18」、プロセッサに「A18チップ」を採用。メモリは非公表だが、ベンチマークのシステム情報によると8GB、ストレージは128GB/256GB/512GBを搭載。直販価格は128GB版が9万9,800円、256GB版が11万4,800円、512GB版が14万4,800円だ。
iPhone 16eに搭載されているA18チップは、高性能コア×2+高効率コア×4を搭載した6コアCPU、4コアGPU、16コアNeural Engineで構成されている。iPhone 16/16 Plusに搭載されているA18チップよりGPUコアが1基少ない点は留意しておこう。
ディスプレイは「Super Retina XDRディスプレイ」と呼ばれる6.1インチOLED(2,532×1,170ドット)。輝度がiPhone 16/16 Plusよりも低く、フロントカメラやFace IDは、小型化されたパンチホール「Dynamic Island」ではなく、ノッチ(切り欠き)部分に内蔵されている。また、常時表示ディスプレイや最大120HzのProMotionテクノロジー非対応なのが、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxと差別化されているポイントだ。
カメラは背面にメインカメラ(48MP、F1.6、26mm、光学式手ぶれ補正、Hybrid Focus Pixels、超高解像度写真[24MPと48MP]に対応)、前面にフロントカメラ(12MP、F1.9、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス)を搭載。背面カメラは1つだが、12MPの2倍望遠であれば、画質の劣化はない。iPhone 16シリーズ目玉機能「カメラコントロール」は非搭載だ。
通信方式は5G(Sub6)で、デュアルSIM(Nano SIM+eSIM)対応。独自モデム「Apple C1」が初搭載されているが、Band 11、Band 21には非対応だ。またWi-FiはWi-Fi 6で、Bluetoothはバージョン5.3。超広帯域チップは搭載されていないため、「AirTag」などと組み合わせた「正確な場所を見つける」機能は利用できない。
本体サイズは146.7×71.5×7.80mm、重量は167g。ボディは航空宇宙産業レベルと謳うアルミニウム製で、前面はCeramic Shieldでガード。防水防塵性能はIP68が確保されている。
下記にiPhone 16eのスペックをまとめているが、使い勝手に大きく関わるコストカットとしては、「超広角・望遠カメラ非搭載」、「MagSafe非対応」、「USB-C端子が映像出力(DisplayPort)非対応」、「超広帯域チップ非搭載」などが挙げられる。用途によっては「カメラコントロール非搭載」、「Wi-Fi 7非対応」も大きな違いだ。これらのコストカットを許容できるかどうかが、iPhone 16eを購入するにあたってのチェックポイントと言える。
iPhone 16e | iPhone 16 Pro | iPhone 16 Pro Max | |
---|---|---|---|
OS | iOS 18 | ||
CPU | A18チップ(高性能コア×2+高効率コア×4を搭載した6コアCPU、4コアGPU、16コアNeural Engine) | A18 Proチップ(高性能コア×2+高効率コア×4を搭載した6コアCPU、6コアGPU、16コアNeural Engine) | |
メモリ | 8GB | ||
ストレージ | 128GB、256GB、512GB | 128GB、256GB、512GB、1TB | 256GB、512GB、1TB |
ディスプレイ | Super Retina XDRディスプレイ(6.1インチOLED、2,532×1,170ドット、460ppi、最大輝度(標準)800cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,200cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、触覚タッチ) | Super Retina XDRディスプレイ(6.3インチOLED、2,622×1,206ドット、460ppi、最大120Hz ProMotionテクノロジー、最大輝度(標準)1,000cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,600cd/平方m、ピーク輝度(屋外)2,000cd/平方m、最小輝度1cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、Dynamic Island、常時表示ディスプレイ、触覚タッチ) | Super Retina XDRディスプレイ(6.9インチOLED、2,868×1,320ドット、460ppi、最大120Hz ProMotionテクノロジー、最大輝度(標準)1,000cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,600cd/平方m、ピーク輝度(屋外)2,000cd/平方m、最小輝度1cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、Dynamic Island、常時表示ディスプレイ、触覚タッチ) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3、第2世代の超広帯域チップ | |
WWAN | 5G(Sub6)、デュアルSIM(Nano SIM+eSIM) | ||
独自モデム「Apple C1」搭載(Band 11、21非対応) | 5G(Sub6)、デュアルSIM(Nano SIM+eSIM) | ||
インターフェイス | USB-C(充電、USB 2) | USB-C(充電、DisplayPort、USB 3) | |
カメラ | メインカメラ(48MP、F1.6、26mm、光学式手ぶれ補正、Hybrid Focus Pixels、超高解像度写真[24MPと48MP]に対応) 12MPの2倍望遠での撮影(12MP、F1.6、52mm、光学式手ぶれ補正、Hybrid Focus Pixels) フロントカメラ(12MP、F1.9、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス) | メインカメラ(48MP、F1.78、24mm、第2世代センサーシフト光学式手ぶれ補正、100%Focus Pixels、超高解像度写真[24MPと48MP]に対応) 12MPの2倍望遠での撮影(12MP、F1.78、48mm、第2世代センサーシフト光学式手ぶれ補正、100%Focus Pixels) 超広角カメラ(48MP、F2.2、13mm、Hybrid Focus Pixels、超高解像度写真[48MP]) 5倍望遠カメラ(12MP、F2.8、120mm、7枚構成のレンズ、3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカス、テトラプリズムのデザイン) フロントカメラ(12MP、F1.9、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス) カメラコントロール対応 | |
バッテリ駆動時間 | ビデオ再生:最大26時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大21時間、オーディオ再生:最大90時間 | ビデオ再生:最大27時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大22時間、オーディオ再生:最大85時間 | |
本体サイズ | 146.7×71.5×7.80mm | 149.6×71.5×8.25mm | 163×77.6×8.25mm |
重量 | 167g | 199g | 227g |
防水防塵性能 | IP68(最大水深6mで最大30分間) | ||
センサー | Face ID、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | Face ID、LiDARスキャナ、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | |
安全のための機能 | 衛星経由の緊急SOS、衝突事故検出、衛星経由の「探す」 | ||
セキュリティ | Face ID(顔認証) | ||
カラー | ブラック、ホワイト | ブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ナチュラルチタニウム、デザートチタニウム | |
発売時価格 | 128GB版 : 9万9,800円 256GB版 : 11万4,800円 512GB版 : 14万4,800円 | 128GB版 : 15万9,800円 256GB版 : 17万4,800円 512GB版 : 20万4,800円 1TB版 : 23万4,800円 | 256GB版 : 18万9,800円 512GB版 : 21万9,800円 1TB版 : 24万9,800円 |
iPhone 16e | iPhone 16 | iPhone 16 Plus | |
---|---|---|---|
OS | iOS 18 | iOS 18 | |
CPU | A18チップ(高性能コア×2+高効率コア×4を搭載した6コアCPU、4コアGPU、16コアNeural Engine) | A18チップ(高性能コア×2+高効率コア×4を搭載した6コアCPU、5コアGPU、16コアNeural Engine) | |
メモリ | 8GB | 8GB | |
ストレージ | 128GB、256GB、512GB | 128GB、256GB、512GB | |
ディスプレイ | Super Retina XDRディスプレイ(6.1インチOLED、2,532×1,170ドット、460ppi、最大輝度(標準)800cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,200cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、触覚タッチ) | Super Retina XDRディスプレイ(6.1インチOLED、2,556×1,179ドット、460ppi、最大輝度(標準)1,000cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,600cd/平方m、ピーク輝度(屋外)2,000cd/平方m、最小輝度1cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、Dynamic Island、触覚タッチ) | Super Retina XDRディスプレイ(6.7インチOLED、2,796×1,290ドット、460ppi、最大輝度(標準)1,000cd/平方m、ピーク輝度(HDR)1,600cd/平方m、ピーク輝度(屋外)2,000cd/平方m、最小輝度1cd/平方m、P3、HDR、True Tone、コントラスト比2,000,000:1、耐指紋性撥油コーティング、Dynamic Island、触覚タッチ) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3、第2世代の超広帯域チップ | |
WWAN | 5G(Sub6)、デュアルSIM(Nano SIM+eSIM) | ||
独自モデム「Apple C1」搭載(Band 11、21非対応) | 5G(Sub6)、デュアルSIM(Nano SIM+eSIM) | ||
インターフェイス | USB-C(充電、USB 2) | USB-C(充電、DisplayPort、USB 2) | |
カメラ | メインカメラ(48MP、F1.6、26mm、光学式手ぶれ補正、Hybrid Focus Pixels、超高解像度写真[24MPと48MP]に対応) 12MPの2倍望遠での撮影(12MP、F1.6、52mm、光学式手ぶれ補正、Hybrid Focus Pixels) フロントカメラ(12MP、F1.9、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス) | メインカメラ(48MP、F1.6、26mm、センサーシフト光学式手ぶれ補正、100%Focus Pixels、超高解像度写真[24MPと48MP]に対応) 12MPの2倍望遠での撮影(12MP、F1.6、52mm、センサーシフト光学式手ぶれ補正、100%Focus Pixels) 超広角カメラ(12MP、F2.2、13mm、100% Focus Pixels) フロントカメラ(12MP、F1.9、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス) カメラコントロール対応 | |
バッテリ駆動時間 | ビデオ再生:最大26時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大21時間、オーディオ再生:最大90時間 | ビデオ再生:最大22時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大18時間、オーディオ再生:最大80時間 | ビデオ再生:最大27時間、ビデオ再生(ストリーミング):最大24時間、オーディオ再生:最大100時間 |
本体サイズ | 146.7×71.5×7.80mm | 147.6×71.6×7.8mm | 160.9×77.8×7.8mm |
重量 | 167g | 170g | 199g |
防水防塵性能 | IP68(最大水深6mで最大30分間) | IP68(最大水深6mで最大30分間) | |
センサー | Face ID、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | Face ID、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー | |
安全のための機能 | 衛星経由の緊急SOS、衝突事故検出、衛星経由の「探す」 | 衛星経由の緊急SOS、衝突事故検出、衛星経由の「探す」 | |
セキュリティ | Face ID(顔認証) | Face ID(顔認証) | |
カラー | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリン | |
発売時価格 | 128GB版 : 9万9,800円 256GB版 : 11万4,800円 512GB版 : 14万4,800円 | 128GB版 : 12万4,800円 256GB版 : 13万9,800円 512GB版 : 16万9,800円 | 128GB版 : 13万9,800円 256GB版 : 15万4,800円 512GB版 : 18万4,800円 |
試用して感じた16eと16 Proの違い
筆者は現在、iPhone 16 Proをメイン端末として使用している。短い間だが2台持ちで運用してみたので、雑感をお伝えしよう。
まずディスプレイの発色だが、ほとんど違いは見られなかった。iPhoneには環境光に応じて発色を調整する「Ture Tone」という機能が搭載されているが、オンオフどちらでもほぼ同じ色合いに見える。OLEDパネルが同じメーカーなのかどうかは不明だが、輝度やリフレッシュレートに違いはあれど、発色は高い水準で統一されているわけだ。
とはいえリフレッシュレートには2倍の差があるので、画面スクロールなどですばやく上下スワイプすれば、なめらかさは一目瞭然だ。3Dゲームをハイフレームレートでプレイしたいのであれば、iPhone 16 Proのほうがおすすめではある。
iPhone 16eについて友人と話していて、最も惜しいなと感じたのはMagSafeが省略されたこと。個人的には寝ている間に充電するので、充電速度は遅くても構わないのだが、マグネットカードホルダーを装着できなくなったのが残念だ。
しかし、このような細かなマイナスの積み重ねによって、低価格を実現していることは理解できる。どうしてもMagSafe対応アクセサリを使いたい場合は、サードパーティ製マグネットリングの導入を検討しよう。
CPU、GPUスコアはA18 Proのほうが上。Neural Engineはほぼ同等
次は処理性能の違いを見ていこう。今回は、iPhone 16e(以下16e)の512GBモデルと、iPhone 16 Pro(以下16 Pro)の1TBモデルを使用。どちらも初期化してからベンチマークアプリだけをインストールし、それぞれ3回計測した値の中から、最もよかったスコアを採用し、比較している。
まずCPU性能については、16eは16 Proに対して、「Geekbench 6.4.0」のSingle-Core Scoreで95%相当、Multi-Core Scoreで93%相当、「AnTuTu Benchmark V10.0.8」のCPUで75%相当という結果となった。
A18チップとA18 ProチップはCPUコアの数は6コアで同じだが、明らかに大きな差が生じている。なお、室温23.7℃の環境下で、「AnTuTu Benchmark V10.0.8」を実行した際の背面温度は、16eが最大45.5℃、16 Proが最大43.7℃となっていた。冷却性能の違いが、スコア差として表われている可能性がある。クロック周波数の制御が異なることも考えられる。
一方、3Dグラフィックス性能については、16eは16 Proに対して、「Geekbench 6.4.0」のGPU Metal Scoreで73%相当、「AnTuTu Benchmark V10.0.8」のGPUで72%相当、「3DMark Wild Steel Nomad Light」のOverall scoreで75%相当、「BASEMARK METAL」のOverallで83%相当という結果となった。
GPUコアの数は、16e用A18チップは4基、A18 Proチップは6基だ。GPUコア数の差が、ストレートに表われた結果となった。とはいえ現行のスマホ全体から考えると、16eのゲーミング性能は十分すぎるほど高い。
AI性能を計測する「Geekbench AI 1.2.0」のスコアは、16eは16 Proに対して、Single Precision Scoreで93%相当、Half Precision Scoreで101%相当、Quantized Scoreは100%相当。4月に日本語でも提供が開始される「Apple Intelligence」は、エントリーの16eでも16 Proと遜色なく快適に利用できるはずだ。
ストレージ速度についてはなぜか逆転現象しており、16eは16 Proに対して、「Jazz Disk」のSequential Readで100%相当、Sequential Write(MB/s)で122%相当、Random(4K) Readで113%相当、Random(4K) Writeで121%相当となった。
すべての製造ロットで同様の結果とはならない可能性もあるが、少なくとも今回のベンチマークではわずかではあるが16eに軍配が上がったことになる。
バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度、音量50%の状態でYouTube動画を連続再生したところ、16eは12時間26分31秒、16 Proは13時間39分0秒となった。ただし、16 Proは発売直後に購入し、筆者がメイン端末として使い続けたものなので、バッテリが経年変化している可能性がある。あくまでも参考に留めてほしい。
写真画質は16 Proとほぼ同等、夜の動画撮影ではセンサー性能の差が表われる
カメラ画質については、予想以上に16eが健闘した。メインカメラはどちらも「48MP Fusion」とされているが、16eは35mm換算焦点距離が26mmで、絞りはF1.6、16 Proは35mm換算焦点距離が24mmで、絞りはF1.78。そして詳しくは公表されていないが、イメージセンサーのサイズも異なっている。
しかし、メインカメラで撮影した写真を見比べてみたが、日中だけでなく、夜間にナイトモードで撮った写真でも正直違いは分からない。イメージセンサーとレンズの性能差はあるはずだが、高度な画像処理によってその差は埋められているのだろう。
ただし、16eではオートフォーカス対応超広角カメラを活用したマクロモードは当然利用できない。そのため花弁などに限りなく迫った超近接撮影は行なえない。写真ではメインカメラの画質に差を感じなかったが、夜間に動画撮影したところ、16 Proのほうが一目で分かるほど明るく撮れた。
また手ブレを強力に低減する「アクションモード」は、16eでは利用できない。夜景や、アクティビティなどの「動画」を撮影したいのなら、16 Proがおすすめだ。
Apple Intelligenceをフル活用できるコスパ優れる身近なiPhone
iPhone 16eには直販価格で唯一、10万円を切る128GBモデルがラインナップされている。最も手頃な価格のiPhoneだ。冒頭でお伝えした通り、各キャリアから販売が開始されており、MNPかつ「残価設定型分割払い」であれば、実質負担額24円から購入できる。
手頃な価格を実現するために、「超広角・望遠カメラ非搭載」、「MagSafe非対応」、「USB-C端子が映像出力(DisplayPort)非対応」、「超広帯域チップ非搭載」、「カメラコントロール非搭載」、「Wi-Fi 7非対応」などのコストカットが実施されているが、どれもスマホとしての必須機能ではない。
GPUコアが減らされているが最新世代のプロセッサを搭載し、メインカメラは48MP Fusionと、重要パーツに重点的にコストをかけている。そして機能差は多少あれど、長年進化し続けている「iOS」自体は同じものだ。
本製品はすべてのユーザーを満足させるためのiPhoneではない。より高い性能を必要とするユーザー向けに16、16 Plus、16 Pro、16 Pro Maxが存在するのだ。
オーバースペックを必要としない一般ユーザーが、4月に提供開始されるApple Intelligenceの利便性を享受するために、iPhone 16eはコスパ優れる選択肢と言えよう。