やじうまミニレビュー
ノートやミニPCなんてぬるい。ATXケースを持ち運べるバッグを買ってみた
2025年3月14日 06:13
春といえば、引っ越しなどライフステージの変化の季節である。ノートPCやミニPCであれば運搬に苦労することは少ないかもしれないが、普段使用しているPCがタワー型のデスクトップPCの場合、安全に運ぶ方法は多くの読者にとって悩みの種だろう。
そこで今回は、タワー型PCを持ち運ぶためのTrunab製デスクトップキャリーケースを紹介する。
製品の特徴
このキャリーケースは、フードデリバリーサービスでお馴染みの「あのリュック」に似た見た目であるが、タワー型PCを運搬するために設計されている。以下に主な特徴をまとめる。
タワー型PC収納機能
メインコンパートメントはタワー型PCがしっかり収まる設計である。メーカーのスペックによると、内部サイズは22cm×47cm×51cmであり、このサイズより小さいケースであれば収納可能と考えられる。
サイズ感としては、ATXサイズのマザーボードに対応するケースの場合、収納できることが多い印象である。
筆者が自宅でどのケースが良さそうか試してみたところ、E-ATXサイズのマザーボードに対応したコルセア製330R(サイズ:210×484×495mm)がちょうど良く収まった。高さがややオーバーしているが、収納時には問題はなかった。
クッション
クッションにはパールコットン素材が使用され、厚さは約5mmである。厚みがそれほどないため、大きな衝撃には注意が必要である。
リュック自体のファブリック素材は硬質であり、傷に強い印象を受ける。また、底面には滑り止めのパッドが4つ付いており、地面に置いた際に接地面積が少なくなるため、汚れにくい仕様となっている。
アクセサリも入る収納スペース
PC本体用のスペースとは別に、フルサイズのキーボード、マウス、ケーブル、ヘッドセットなどを収納できるポケットが備わっている。モニターは難しいが、それ以外であればまとめて収納することができるだろう。
リュックとしてもバッグとしても
基本はリュックスタイルであるが、トップハンドルが付いているためバッグとしても使用可能である。普段の移動時はリュック、電車内ではバッグとして使うなど、状況に応じて使い分けることができる。
外部サイズは26×48×52.5cmで3辺の合計が126.5cmであり、3泊分の荷物が入る120サイズのスーツケースに相当する。航空機では機内持ち込み不可で預け荷物となるが、新幹線では持ち込み可能で、東海道/山陽/九州/西九州新幹線における特大荷物(baggage160)の対象外である。
使ってみた感想
実際にタワー型PCを収納し、愛知県から東京都まで夜行バス(4列シート)で移動した。
キャリーケースを車内に持ち込みするには大きすぎたため、トランクへ預けることにする。また、立てることは難しいため横に倒して配置した。上に荷物が重ならないよう配慮が必要であったが、平日であったため今回その心配はなかった。
また、バス移動では道路の振動が続くため、ビデオカードは取り外し、手持ちで運搬した。最近の大型化したビデオカードを付けたままでは不安が残るためである。取り外さずに運ぶ場合は、ケース内の隙間に詰め物をするなどの対策をするべきだろう。ほかにもHDDがあれば外しておくと安心だ。
夜行バス降車後から最終目的地までの歩き+公共交通機関での移動だが、このリュックなら背負うことで重さをあまり感じず、快適に移動することができた。ただし、筆者は普段から旅行で10kg程度のリュックを背負い歩き回ることに慣れているため、参考程度に留めてほしい。
電車内では混雑具合にも左右されるが、着席した場合キャリーケースが邪魔になることもあるので、その場に応じて対応する必要があるだろう。
メリットとデメリット
使用感から分かった点を以下にまとめる。
メリット
- リュックスタイルで疲れにくい
- ポケットが豊富で、ディスプレイ以外もまとめて収納可能
- PC以外にも大容量リュックとして利用できる汎用性
デメリット
- クッションが薄く、衝撃吸収に不安が残る
- 実売価格が7,000円以上と、気軽に購入しにくい価格帯
まとめ
Trunab製デスクトップキャリーケースは、タワー型PCを自分で持ち運ぶ際の選択肢の1つとして「アリ」と言えるだろう。引っ越しシーズンの移動はもちろん、イベントへの持ち込みやPC修理時のショップへの持ち運びなど、公共交通機関利用時に頼りになる。少なくともケースに梱包用の紐を巻き、手提げホルダーを付け運んでいた日々とはサヨナラできそうだ。
タワー型PCを日常的に持ち歩く変……ではなく、プロフェッショナルな読者は少ないと思うが、そんな用途にも十分対応できる製品であると言えるだろう。