やじうまミニレビュー

ノートやミニPCなんてぬるい。ATXケースを持ち運べるバッグを買ってみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。

 春といえば、引っ越しなどライフステージの変化の季節である。ノートPCやミニPCであれば運搬に苦労することは少ないかもしれないが、普段使用しているPCがタワー型のデスクトップPCの場合、安全に運ぶ方法は多くの読者にとって悩みの種だろう。

 そこで今回は、タワー型PCを持ち運ぶためのTrunab製デスクトップキャリーケースを紹介する。

Trunab製のデスクトップキャリーケース

製品の特徴

 このキャリーケースは、フードデリバリーサービスでお馴染みの「あのリュック」に似た見た目であるが、タワー型PCを運搬するために設計されている。以下に主な特徴をまとめる。

タワー型PC収納機能

 メインコンパートメントはタワー型PCがしっかり収まる設計である。メーカーのスペックによると、内部サイズは22cm×47cm×51cmであり、このサイズより小さいケースであれば収納可能と考えられる。

 サイズ感としては、ATXサイズのマザーボードに対応するケースの場合、収納できることが多い印象である。

 筆者が自宅でどのケースが良さそうか試してみたところ、E-ATXサイズのマザーボードに対応したコルセア製330R(サイズ:210×484×495mm)がちょうど良く収まった。高さがややオーバーしているが、収納時には問題はなかった。

今回収納するCORSAIR 330R

クッション

 クッションにはパールコットン素材が使用され、厚さは約5mmである。厚みがそれほどないため、大きな衝撃には注意が必要である。

リュック自体のファブリック素材は硬質であり、傷に強い印象を受ける。また、底面には滑り止めのパッドが4つ付いており、地面に置いた際に接地面積が少なくなるため、汚れにくい仕様となっている。

腰が当たる部分は少し厚めのクッションが付いている
底面の滑り止めパッド

アクセサリも入る収納スペース

 PC本体用のスペースとは別に、フルサイズのキーボード、マウス、ケーブル、ヘッドセットなどを収納できるポケットが備わっている。モニターは難しいが、それ以外であればまとめて収納することができるだろう。

フルサイズのキーボードを天面の蓋の内側にあるスペースへ収納することができる
サイドポケット(2カ所)にはヘッドフォンなどが収納可能だ
前面ポケットにはケーブル類やその他アクセサリが入る。また、こちらにもキーボードを格納することができる

リュックとしてもバッグとしても

 基本はリュックスタイルであるが、トップハンドルが付いているためバッグとしても使用可能である。普段の移動時はリュック、電車内ではバッグとして使うなど、状況に応じて使い分けることができる。

 外部サイズは26×48×52.5cmで3辺の合計が126.5cmであり、3泊分の荷物が入る120サイズのスーツケースに相当する。航空機では機内持ち込み不可で預け荷物となるが、新幹線では持ち込み可能で、東海道/山陽/九州/西九州新幹線における特大荷物(baggage160)の対象外である。

後ろから見るとこのようになる
トップハンドルもあるため、リュックスタイルでは難しい場所でも使用可能だ
パッド付きのショルダーストラップに加え、バックル付きチェストストラップも搭載

使ってみた感想

 実際にタワー型PCを収納し、愛知県から東京都まで夜行バス(4列シート)で移動した。

 キャリーケースを車内に持ち込みするには大きすぎたため、トランクへ預けることにする。また、立てることは難しいため横に倒して配置した。上に荷物が重ならないよう配慮が必要であったが、平日であったため今回その心配はなかった。

 また、バス移動では道路の振動が続くため、ビデオカードは取り外し、手持ちで運搬した。最近の大型化したビデオカードを付けたままでは不安が残るためである。取り外さずに運ぶ場合は、ケース内の隙間に詰め物をするなどの対策をするべきだろう。ほかにもHDDがあれば外しておくと安心だ。

 夜行バス降車後から最終目的地までの歩き+公共交通機関での移動だが、このリュックなら背負うことで重さをあまり感じず、快適に移動することができた。ただし、筆者は普段から旅行で10kg程度のリュックを背負い歩き回ることに慣れているため、参考程度に留めてほしい。

 電車内では混雑具合にも左右されるが、着席した場合キャリーケースが邪魔になることもあるので、その場に応じて対応する必要があるだろう。

タワー型PCと一緒に輸送されるために夜行バスを待つ

メリットとデメリット

 使用感から分かった点を以下にまとめる。

メリット

  • リュックスタイルで疲れにくい
  • ポケットが豊富で、ディスプレイ以外もまとめて収納可能
  • PC以外にも大容量リュックとして利用できる汎用性

デメリット

  • クッションが薄く、衝撃吸収に不安が残る
  • 実売価格が7,000円以上と、気軽に購入しにくい価格帯

まとめ

 Trunab製デスクトップキャリーケースは、タワー型PCを自分で持ち運ぶ際の選択肢の1つとして「アリ」と言えるだろう。引っ越しシーズンの移動はもちろん、イベントへの持ち込みやPC修理時のショップへの持ち運びなど、公共交通機関利用時に頼りになる。少なくともケースに梱包用の紐を巻き、手提げホルダーを付け運んでいた日々とはサヨナラできそうだ。

 タワー型PCを日常的に持ち歩く変……ではなく、プロフェッショナルな読者は少ないと思うが、そんな用途にも十分対応できる製品であると言えるだろう。