やじうまミニレビュー

Macのオーディオ拡張ドライバでプレイ動画、ビデオ会議を音声付きでそのまま録画!

〜「BlackHole」は「Soundflower」の後継としておすすめ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
これが「shift+command+5」で表示されるオンスクリーンコントロール。左の3つはスクリーンショットを撮影するためのアイコンだ

 Macには画面を録画するためのOS標準機能が2つある。1つは「QuickTime Player」を使う方法。QuickTime Playerを起動してから「ファイル→新規画面収録」で画面を録画(収録)することが可能だ。

 もう1つは「macOS Mojave(10.14.6)」以降で搭載された新機能を利用する方法。「shift+command+5」で表示されるオンスクリーンコントロールから、「画面全体を収録」または「選択部分を収録」を選んでから「収録」をクリックすれば、録画がはじまる。

 本機能は非常に便利なのだが、難点が1つある。それは音声がMacの内蔵マイクで記録されてしまうこと。当然周囲の音も録音されてしまうし、音質もけっして良いとは言えない。

 そこで多くのMacユーザーが愛用してきたのが仮想オーディオドライバ「Soundflower」なのだが、最新の「macOS Catalina(10.15.5)」では、署名の古いオリジナル版がインストールできなくなってしまった。というわけで最近人気を集めている仮想オーディオドライバ「BlackHole: Virtual Audio Driver」を試してみた。

 インストール自体は簡単だ。GitHubの配布サイトで「Download Installer」をクリックし、遷移した画面でメールアドレス、名前を入力したあと「Subscribe for Free Mac Download」をクリックするとメールが届く。メール内のリンクをクリックすれば最新版インストーラをダウンロードするページが開かれる。そのファイルを右クリックで開き、あとは指示に従えばインストールは完了する。

「Download Installer」をクリックしたあと、あとは基本的に指示に従えばインストールは完了する。なおパッケージ管理システム「Homebrew」から「brew cask install blackhole」とコマンドを入力してインストールすることも可能だ

 さてBlackHoleをインストールしても、アプリケーションランチャーの「Launchpad」にアプリアイコンは現われない。設定は「Launchpad→その他→Audio MIDI設定」、または「システム環境設定→サウンド」のいずれかで行なうのだ。今回は前者の設定方法を解説しよう。

BlackHoleをインストールすると、Audio MIDI設定に「BlackHole 16ch」という項目が出現する。デフォルトではこのような画面だ

 とは言っても設定方法もそれほど難しくはない。まず「BlackHole 16ch」の項目を右クリックして「このサウンド入力装置を使用」を選択。次に左下の「+」アイコンから「複数出力装置を作成」を選択し、右の「MacBook Proのスピーカー」(または音声出力に使いたい機器)と「BlackHole 16ch」の順序で「使用」にチェックを入れる。これでAudio MIDI設定のセッティングは完了だ。

「BlackHole 16ch」で「このサウンド入力装置を使用」を選択
左下の「+」アイコンから「複数出力装置を作成」を選択
初期状態では「BlackHole 16ch」のチェックがはずれているはずなので……
「MacBook Proのスピーカー」(または音声出力に使いたい機器)と「BlackHole 16ch」の順序で「使用」にチェックを入れる

 ここで1つ注意点がある。右側のオーディオ装置の一覧で、「BlackHole 16ch」が最後に配置されている必要があるのだ。もし「BlackHole 16ch」が先頭に配置されていると、ブラウザ上のYouTubeや、QuickTime Playerなどで動画を再生できない。設定を変更しているうちにつまずきがちな仕様なので注意してほしい。

 あとは録画したいWeb動画、アプリ、ゲームを起動したうえで、冒頭で解説した「shift+command+5」で表示されるオンスクリーンコントロールから「収録」をクリックすれば、録画がはじまる。念のため「オプション」でサウンド入力に「BlackHole 16ch」が選択されていることを確認しておこう。正しく設定されていれば、Web動画、アプリ、ゲームの映像と音声をそのまま記録できているはずだ。

これは「Code of War : シューターオンライン」。メニューのサウンド入力で「MacBook Proのマイク」(または音声入力に使いたい機器)を選択すれば、自分の音声を入れた実況プレイ動画を録画可能だ

 じつはもう1つ注意点がある。今回、いろいろなWeb動画、アプリ、ゲームでBlackHoleを試してみたが、「アスファルト9 : Legends」で動画を録画しようとしたとき、Audio MIDI設定でサウンド入力装置に「BlackHole 16ch」を選択しているとBGMは録音できるが、スピーカーからBGMが再生されなかったのだ。

 サウンド入力装置に「MacBook Proのマイク」(または「内蔵マイク」)を選択するとBGMがスピーカーから再生されるが、今度はBGMを録音できない。ほかにも同様の現象が発生するアプリ、ゲームが存在する可能性がある。本番の録画をはじめる前に、事前に音声チェックすることをおすすめする。

「アスファルト9 : Legends」を最高の音で録画したいのなら、BGMなしでプレイするしかない

 筆者自身も最近、オンライン発表会やビデオ会議の機会が増えている。とくに、自分自身が発言しないオンライン発表会では、そのままの音で映像を録画できるBlackHoleは重宝しそうだ。Macのオーディオ設定を拡張できるBlackHoleは、Soundflowerの後継として文句なしにおすすめできる仮想オーディオドライバと言えよう。

 なお、ビデオ会議で自分の声も録音したい場合は、左下の「+」アイコンから「機器セットを作成」を選択し、右の「MacBook Proのマイク」(または音声入力に使いたい機器)と「BlackHole 16ch」の順序で「使用」にチェックを入れる。そして「Zoom」などのビデオ会議ソフトを録画する際に、「shift+command+5」で表示されるオンスクリーンコントロールの「オプション」からサウンド入力に「機器セット」を選択し、「収録」を始めれば、ウェブ会議の声と自分の声がミックスされて録画される。

左下の「+」アイコンから「機器セットを作成」を選択し、右の「MacBook Proのマイク」(または音声入力に使いたい機器)と「BlackHole 16ch」の順序で「使用」にチェックを入れる

 なお、もしBlackHoleをアンインストールしたい場合は、このGitHubのページを参照してほしい。「ターミナル」で記載のコマンドを実行すれば、BlackHoleをアンインストール可能だ。

ビデオ会議でも人数が多い場合はチャットで参加することもある。そのような場合、環境音を完全に排除できるBlackHoleは便利なユーティリティだ