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デスクトップでモバイルモニターを使うのがアリということに気づいた
2025年3月12日 06:24
モバイルモニターを携帯して外出先で使ったり、ノートPCと組み合わせたりと、持ち運びのしやすさを生かしている人もいるだろう。
でも、そのコンパクトさ、軽さ、薄さといったモバイルモニターの利点は、自宅や職場などのデスクトップPC環境でも役立ってくれる。せっかくなら持ち運ぶだけでなく、メインモニターとのセットでもモバイルモニターを活用することをおすすめする。
デスクトップPCにモバイルモニターをプラスするメリット×4
デスクトップPCと組み合わせるメインモニターは、ほとんどの場合据え置き型だろう。デスクから動かしたくなることはまずないし、であればパワフルなPCスペックを生かすにも、作業を効率化するにも、大画面・高解像度の据え置き型モニターを使うほうが有利だ。むしろ、そうしたモニターをフル活用したいからこそデスクトップPCで作業しているのではないだろうか。
ただ、据え置き型のメインモニターだけじゃ満足できない!という人もいるはず。もっと多くの情報を見やすく表示するのにマルチモニター環境にしたい、と考えたりもするだろう。とはいえ、デスクスペースに余裕がなければあきらめるしかなかったり……。
そうしたときに高いポテンシャルを発揮してくれるのが、モバイルモニターだ。モバイルモニターを追加することで具体的にどんなメリットがあるのか、ざざっと解説しよう。
狭いデスクスペースにも置きやすい
モバイルモニターは10型以下から、大きなものでもほとんどが16型前後までと、当然ながら据え置き型モニターよりサイズとしては小さなものばかり。ベゼル部分を含めてもコンパクトだし、薄型で奥行きも少ない。
一体型のスタンドや、カバーを兼ねた付属スタンドなどにより最小限のスペースで設置できるので、デスクのちょっとした空きスペースにも収まりやすくなっている。据え置き型モニターは無理でも、モバイルモニターなら置ける、ということもあるのでは?
使おうと思ったらすぐ設置、邪魔になる時はすぐ撤去
移動することが前提のモバイルモニターなので、設置と撤去に手間取らないのもメリットだ。たとえばデスク上に紙資料を広げたいとき、モバイルモニターが邪魔になるようなら一時的にどかすのも簡単。薄さを生かして隙間に立てかけて収納するのもいい。
作業が終わった後はモバイルモニターを再度設置するのもあっという間だ。普段はしまっておいて、使いたくなったときだけモバイルモニターをセットする、みたいなスポット活用もアリ。
縦置き・横置きを手早く切り替えられる
サブモニターの用途によっては、よくある横置きではなく縦置きにして使いたいこともある。たとえばWebサイトやSNS、チャット、プログラムコードなどは、縦方向に長く表示できたほうが閲覧性が高い。ただ、だからと言ってそういう使い方に限定したくない、という人もいるだろう。
軽量・コンパクトなモバイルモニターなら、必要に応じて縦置きと横置きとを切り替えるのも容易だ。据え置き型モニターだと、スタンドの種類によっては縦横の切り替え(ピボット)ができなかったり、ケーブルの取り回しに不都合が出たりして柔軟な運用がしにくい。それに比べればモバイルモニターのほうがずっと自由度高く扱える。
オンとオフの使い分けに最適
メインで使用する据え置き型モニターは、デスクワークに適した位置や角度に固定することが多く、決まったポジションからはできるだけ変えたくないもの。しかしそうやって仕事向けに最適化していると、仕事後や息抜きの動画視聴にも同じ据え置き型モニターを使うとなると少しつらい。仕事中と同じ姿勢で見ることになってリラックスしにくいからだ。
でもモバイルモニターなら好みのポジションに変更するのもたやすい。椅子の背もたれを少し傾けて、その姿勢に合ったポジションに置いてくつろぎながらの動画視聴はもちろん、手に持って(膝などに置いたりして)使うのもOKだ。据え置き型モニターだとちょっと面倒なオンとオフの切り替えも、モバイルモニターならスムーズになる、というわけ。
デスクトップPCでも便利、かつ個性的な5製品をピックアップ
では、そんなメリットの多いモバイルモニターにはどんな種類のものがあるだろうか。仕事にも、時にはプライベートにも便利に使える個性的な製品をいくつか紹介したい。
なお、ノートPCでの使用を前提にしたモバイルモニター製品が多いことから、接続ポートがType-Cのみというパターンもある。その場合、デスクトップPCで使う際にはDisplayPort Alt Modeなどで接続できる環境が必要だ。もしくは変換アダプタ(HDMI to Type-C、またはDisplayPort to Type-C)を利用したい。
高解像度、広色域、USB PD対応の16型「LG gram +view」
モバイルモニターにも据え置きモニター並みの高い性能が欲しい、という場合におすすめなのが「LG gram +view」。大きめの16型で、解像度はWQXGA(2,560×1,600ドット)と高く、DCI-P3におけるカバー率が99%という広色域も特徴だ。
スタンドにもなる専用カバーが付属し、縦置き・横置きの両方に対応。デスクトップPCとの組み合わせでは関係のないところだが、最大45Wでモニターからデバイス(ノートPCなど)に電源供給できるPDパススルー機能も持つ。外出先で高解像度な環境が必要なユーザーにも安心なモデル。
4K HDR、タッチ対応の「JAPANNEXT JN-MD-IPST156U」
さらなる高解像度を追求するなら、JAPANNEXTの「JN-MD-IPST156U」は要チェック。15.6型のサイズで4K(3,840×2,160ドット)解像度、そして高コントラストのHDRをサポートする。sRGBは99%、DCI-P3は90%という広い色空間にもしっかり対応している。
接続ポートはType-CのほかにMini HDMIも用意しており、デスクトップPCからの接続も考慮した設計だ。付属のケースは折りたたむとスタンドになり、縦置きも横置きもできる。最薄部6mmの15.6型にも関わらず4K解像度、かつステレオスピーカー内蔵ということで、写真や動画の編集・閲覧、さらにはゲームにも最適だ。
超軽量、かつマルチな使い勝手のスタンドが付属する「VAIO Vision+ 14」
重量約325g、最薄部約3.9mmという群を抜く軽さ、薄さを達成している「VAIO Vision+ 14」。圧倒的な持ち運びやすさを実現しており、ノートPCとのペアで使いたくなる製品だが、その機動力の高さはデスクトップPC環境でもいかんなく発揮してくれる。一体型のスタンドですばやくデスクにセットでき、その軽さから向き変えも楽。付属のカバースタンドを使うと縦置きも可能だ。
解像度は1,920×1,200ドットと若干控え目ながら、Type-Cケーブル1本での映像出力、デバイスへの給電が可能なPDパススルー、独自の品質試験による高い耐久性など、モバイルシーンにおいても万全。宅内でも外出先でも隙のないモバイルモニターライフを満喫できるだろう。
狭い場所でも使いやすい工夫が詰まった「GeChic On-Lap M505E」
信頼性の高さと使い勝手の良さで選ぶなら、GeChicの「On-Lap M505E」だ。GeChicはモバイルモニター業界では老舗と言っても良いメーカーで、堅実な作りに定評がある。M505Eは解像度こそフルHD(1,920×1,080ドット)と標準的なスペックではあるものの、映像入力はType-Cに加えて通常サイズのHDMIポートも装備している。複数台のM505EをHDMIケーブルでデイジーチェーン接続できるのもユニークだ。
また、それらの入出力ポートがすべて本体背面方向に配置されているのも特徴的な点。左右側面にポートがあるモバイルモニターの場合、コネクタやケーブルが張り出すため横方向のスペースに余裕を持たせなければならないが、M505Eならモバイルモニター本来のコンパクトさをそのまま生かすことができる。
3台目としても使いやすい細長ポータブルモニター
据え置き型モニターのあくまでも補助としてであれば、極端に細長いポータブルモニターという選択肢もある。一般的には16:9や16:10だが、下記の製品は12.3型の1,920×860ドット、おおよそ16:7という変則的なアスペクト比だ。メインモニター下の隙間に置いたり、メインモニター左右の狭いスペースに縦置きしたりするのに向いている。
インターフェイスはType-CポートとMini
HDMIを装備。デスクトップPCでも問題なく接続でき、付属スタンドで縦置きにも横置きにも対応する。タッチディスプレイということもあるので、ステータスモニターとして使ったり、SNSのタイムラインを監視したりするのに活躍してくれそうだ。
スタンドにこだわって使い勝手をさらにアップさせる
ほとんどのモバイルモニターは標準で一体型のスタンドを備えているが、さらに一段上の使い勝手を目指したいなら別売のスタンドを活用する手もある。
たとえば画面の高さや角度の調整幅を広げたいのであれば、それらを無段階で変えられるスタンドを利用するのがおすすめ。下記に挙げたような小型のスタンドはデスク上に設置するのにも向いているだろう。VESAマウント対応製品なので、非対応のモバイルモニターだと利用できないか、別途アダプタが必要になることに注意しておきたい。
もう1つはフロアスタンド。床に設置して、長いポールとアームの先にモバイルモニターを装着するスタイルだ。デスクの“外”に設置することになるので、デスクスペースの有無に関係なく使えるのがメリット。また、モニターアームのように自由度高く扱える上、挟み込むタイプなのでモバイルモニターの着脱がしやすい。メインモニターの上にモバイルモニターを並べる、といったフレキシブルなポジション設定も可能だ。
タブレットやスマートディスプレイもモバイルモニターに
マルチモニター環境を構築するには、通常の据え置き型モニターやモバイルモニターが不可欠と思うかもしれない。しかし、PCのサブモニターという意味では、実はタブレットやスマートディスプレイがその役割を十分に果たしてくれることもある。
Androidタブレット(専用充電スタンドにセットしたGoogle Pixel Tabletなど)やスマートディスプレイ(Google Nest Hubなど)を所有しているなら、WebブラウザのGoogle Chromeが持つ「キャスト」機能をぜひ試してみてほしい。これは、PCのChromeで開いているタブの中身、あるいはデスクトップ全体をほかのディスプレイデバイスに映し出すことができるものだ。
手順は、映し出したいタブを選んでキャストするだけ。キャストしているタブ以外に切り替えても途切れないので、PC作業も普段通り続けられる。SNSのタイムラインやニュースサイト、株価チャートといった常時監視したいコンテンツを表示しておくと便利だ(Androidタブレットの場合はアプリを利用してPCのワイヤレスモニターにする方法もあるが、手順がやや複雑になる)。
モバイル向けの性能はデスクトップでも生きる!
モバイルモニターはモバイルで使うもの、あるいはノートPCとセットで使うもの、というイメージが強いかもしれない。けれど、機能・性能としては据え置き型に匹敵するモデルもあり、据え置き型のみではまかなえない用途をうまくカバーしてくれることも多い。
何より、据え置き型では到底不可能なポジションにセットして使える、というのは軽量・コンパクトなモバイルモニターならではのメリット。デスク周りに余裕のある環境でも、そうではない環境でも、容易にマルチモニター化してあなたの仕事に役立ってくれるはずだ。