トピック

日本から生まれた世界初のノートPC「Dynabook」。その開発現場で変わったもの、変わらないものとは?

~Dynabookメーカーインタビュー【PC Watch 25周年特別企画】

 Dynabookは、ノートPCの歴史そのものだと言っていい。1985年に世界初のラップトップPC「T1100」を発売したのに続き、1989年には世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売。その後、世界初や世界一となるPCを続々と投入し、世界のノートPC市場を牽引してきた。

 2018年からは、シャープグループの中で、PC事業を展開。これまでの強みをさらに進化させるとともに、One SHARPとしてのシナジーを活かし、ソリューションなどの新たな領域にも挑戦している。Dynabookの歴史を振り返るとともに、今に迫った。

新生Dynabookとしてスタート

 東芝のPC事業を源流に持つDynabookは、現在、シャープグループとして事業を展開している。2016年4月に、東芝のPC事業は、東芝クライアントソリューション(TCS)として分社化。2018年10月には、シャープが株式の80.1%を取得して子会社化し、2019年1月にはDynabook株式会社に社名を変更した。2020年8月には、シャープが100%子会社化している。

 Dynabookの社名は、1989年に、東芝が世界初のノートPCに使用したDynabookブランドが発端だ。

 「 多くの人に知っていただき、愛していただいているブランドを社名にした 」(Dynabook 国内事業統括部国内マーケティング&ソリューション本部の荻野孝広副本部長)というのが、現社名の由来である。

Dynabook 国内事業統括部国内マーケティング&ソリューション本部の荻野孝広副本部長

 もともとDynabookは、パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイ氏による「ダイナブックビジョン」を語源にしている。コンピュータを、本のように持ち歩くことができ、単なる「計算機」ではなく、「インテリジェントな道具、学習のメディア」として、誰もが手にできることを目指したビジョンであり、社名とブランドには、このビジョンを達成するという意味も込められている。

 「 人がPCに近寄っていき、使う環境だった時代に、PCが人と一緒に動くことを提案したのがDynabook。仕事の仕方を変え、いまでは、プロフェッショナルが仕事をするために不可欠なツールへと進化した。Dynabookの歴史は、ノートPCの歴史そのものである。30年以上に渡って、人に寄り添い、人に喜んでもらえるものを作ってきたという自負がある。これからも、そういうDynabookでありたいですね 」と、荻野副本部長は語る。

 1989年に発売した初代Dynabookの「DynaBook J-3100 SS001」は、A4サイズで、2.7kgという軽量化を実現し、世界中を驚かせた。型番に使用された「SS」には、スリムショックやスーパースリムなど、複数の意味を持たせていたという。

 Dynabookには、常に挑戦する姿勢があった。

 「 世界初や世界一となるPCを、市場に投入することにこだわってきたのがDynabookの歴史 」と語るのは、Dynabook 商品統括部商品開発部の古賀裕一部長。1998年に世界最薄の19.8mmを実現して話題を集めたDynaBook SS 3000から開発に携わっている。

 「 当時から、IntelとMicrosoftとは密接な関係を持ち、他社の先を行くような技術を生み出し、それをいち早く市場に投入してきた 」と語る。

Dynabook 商品統括部商品開発部の古賀裕一部長

 それは、単に最新技術をいち早く搭載することによる差別化だけでなく、新たな市場を開拓する役割を担ってきたことを意味する。1996年に発表した「Libretto 20」は、VHS規格のビデオカセットテープとほぼ同サイズながら、Windows 95を搭載。小さな筐体でもフルスペックを実現し、ミニノートPCという新たな市場を開拓してみせた。

 この時期、社内には設計部と開発部があり、既存製品の進化を担当するのが設計部、新たな市場を開拓するのが開発部だった。これまでないカテゴリのPCとして登場したLibretto 20は、開発部があったからこそ生まれたPCであったと言えよう。

 「 既存モデルの後継機という視点だけで考えていると、新たなものがなかなか生まれない。既存モデルの進化としての枠組みで発想するのではなく、ゼロから発想し、それまでの常識を逸脱するような製品を開発できる環境が社内にあった。危機感や向上心を持ち、常にピンチであるという姿勢があるからこそ、アイディアが生まれ、新たなことに挑戦できた 」と、当時の様子を振り返る。

 古賀部長にとって特に思い入れがあるのが、2010年に発売したdynabook RX3だ。その源流となっているのは、光学ドライブを搭載しながら、薄さ19.5mm、重量848gという世界一の軽量、薄型を実現した12.1型モバイルノートであるdynabook SS RX1だ。3世代目となるRX3は、13.3型液晶、2.5型HDDのほか、スタンダードボルテージのCPUを先行して採用し、世界最軽量を実現しながら、コストダウンを図り、モバイルノートを、よりコモディティ化することに成功した製品だった。

 「 ユーザーに不自由をさせないというのが、歴代のRXシリーズに共通したメッセージ。必要とされるインターフェイスを搭載し、それでいて、高性能、軽量化、コストを高い次元で共存させた製品を実現した 」とする。

 特別な部品を使うのではなく、広く使われている部品を使用し、高いコストパフォーマンスを実現するモノづくりは、このときにスタート。それは、現在のdynabook Gシリーズにも受け継がれている。

 また、2011年に発売したdynabook R631は、同社初のUltrabookであったが、Ultrabookを提唱したIntelとは別の形で、独自に薄型のBtoB向けPCの開発に着手しており、両社の別々の動きが、共通の目標として合致。先行した同社は、Ultrabookのカテゴリにおいて、世界最軽量、世界最薄を実現してみせた。

 Dynabook 商品統括部商品企画部の杉野文則部長は、「 Book(本)のような可搬性を追求し、薄さにもこだわってきた。そして、高性能、堅牢性、信頼性にも力らを注いできた。企業ユーザーからは、壊れにくいという信頼性、壊れた時にも迅速に対応する安心感が評価を得ている。これができるのは、しっかりとしたモノづくりを実現していること、そして顧客接点を重視するDNAがあるからこそ 」と自信を見せる。

Dynabook 商品統括部商品企画部の杉野文則部長

Dynabookのモノづくりへのこだわり

 モノづくりにこだわる姿勢は、現行モデルにも息づいている。

 2019年に初代モデルを発売したdynabook Gシリーズは、dynabookブランド30周年を記念したモデルとして登場。「The Note PC」というメッセージを打ち出した30年間の集大成とも言えるPCだ。

 「 ノートPCに求められる本質を、すべてクリアするのが、dynabook Gシリーズの開発コンセプト。軽量でありながらも、有線LANポートやHDMIなど多くのインターフェイスを搭載し、最大19時間の駆動時間、MILスペックをクリアする堅牢性を実現した。Dynabookが、これから作るべき製品はなにか、それを多くの人に知ってもらうためのPCを作り上げた 」(Dynabookの荻野副本部長)とする。

 ここでは、シャープのIGZO液晶パネルも搭載し、シャープグループとしての新たな姿も見せ付けた。

 さらに、第2世代の現行モデルでは、第11世代Coreプロセッサを採用。TDP 28Wのハイパワーと、同社独自のエンパワーテクノロジーによって、より高い性能を実現した。そのために、冷却まわりはすべて新たなものに刷新。それでも、24時間駆動モデルで、約888gという軽量化を実現している。

 エンパワーテクノロジーは、同社が長年に渡り蓄積してきたノートPCに関わる冷却技術や放熱技術、シミュレーションに基づく筐体設計技術などを駆使し、パワフルな性能を安定的に持続する技術だ。

 Dynabookの古賀部長は、「 TDP 28WのCPUを冷やすためには、放熱効率を高めなくてはならないが、従来設計の延長線上では、重量が増加するだけになる。そこで、冷却技術や放熱技術は、ゼロから開発。それでも初期段階では重量が920gにまで膨れ上がった。何度もシミュレーションを繰り返し、筐体の表面温度や部品温度などを検証しながら冷却システムを最適化するなど、dynabookが培ってきた軽薄、放熱技術を活用。その結果、最終的には目標の900gを切り、さらなる軽量化を実現することができた 」とする。

 そして、「 dynabook Gシリーズは、世界最軽量だけを追求したモデルではないが、ユーザーが必要とする性能や堅牢性、拡張性、駆動時間などを含めて、ユーザーに最適なものを作り出すことができた 」と語る。

 荻野副本部長も、「 人を選ばないPCがdynabook Gシリーズである。持ち運んで使う人、在宅勤務をする人、またそのパフォーマンスの高さから、たまには動画編集やゲームもやってみたいという人にも適したPCである。だからこそ、The Note PCと言い切れる 」と胸を張る。

 一方、2020年に発売したdynabook Vシリーズは、「5 in 1プレミアムPenノート」という新たなコンセプトを打ち出した製品として注目を集めている。

 5in1とは、クラムシェル型の一般的なノートPCとしての使い方に加えて、eスポーツなども楽しめる「Note PCスタイル」、クリエイティブな作業に最適な「Penスタイル」、ネット動画などを視聴する際にプライベートシアターとして活用できる「Monitorスタイル」、写真撮影や編集、投稿に便利な「Tabletスタイル」、相手との一定の間隔を空けながら、画面を回転させてミーティングや商談ができる「Flatスタイル」といった5つのスタイルでの活用シーンを提案。ペンとタッチを活用した操作にも適しており、ニューノーマル時代のPCとして、新しいカテゴリを提案している。

 さらに、先行してIntel Evoプラットフォーム対応の認定を取得。TDP 28Wの高いパフォーマンスを、安定して維持できる設計を実現している点も見逃せない。

 「 ディスプレイが360度回転する構造で、最薄を実現しながら、TDP 28Wとエンパワーテクノロジーを採用することは大きなハードルだった。当初は、技術者から反対の声が上がったが、一度どこまでできるかやってみようということで開発をスタートした。

  Evoが求める基準をクリアすること、瞬間的ではなく、定常的に28Wのパワーを維持できる性能や、高い放熱性の実現、ネットワーク時の応答性など、様々な課題があったが、そうしたハードルを1つ1つクリアし、さらに、条件としていた1kgの重量も切ることができた 」(Dynabookの古賀部長)とする。

 技術者が、最後まで攻めに攻めたことで実現した、新たなカテゴリのPCと言える。

シャープとのシナジーで開発チームに変化

 実は、Dynabookの開発チームには、この1年で大きな変化があった。

 ここ数年のDynabookのモノづくりは、BtoBにフォーカスしたり、開発体制を縮小したりといった環境の中にあった。そのため、尖ったPCを作るというよりも、長期間に渡って使いやすく、安定的に稼働するPCづくりを重視する傾向が強かった。

 だが、シャープグループに入り、体制が変わり、改めて挑戦する風土が生まれてきたという。

 「 開発体制が縮小し、BtoBにフォーカスした際には、Intelの最新技術を追うことはしなかった。だが、その体制のままでは、最新の技術情報が入らず、市場に対しても最適な製品が提供できない。この1年をかけて、その体制を見直した 」(Dynabookの古賀部長)とする。

 その成果が、最新のdynabook VシリーズやGシリーズを始めとする現行モデルに活かされている。いずれも、第11世代Coreプロセッサの出荷に合わせて新製品を市場に投入。そこに、独自のエンパワーテクノロジーを組み合わせて、高いパフォーマンスを実現してみせた。

 「 すでに、製品出荷の半分が第11世代CPUとなっている。これは、いち早く第11世代にCPUにシフトした成果でもある。この1年で、設計、開発部門が、最新技術に触れて、それを使いこなすことができるようになった 」とする。

 東芝時代のPC事業に比べると、現在の事業規模は約10分の1だ。Intelから見れば、最優先で協力関係を築く規模ではなくなっているのも事実だ。だが、Dynabookが、Intelと強い信頼関係を再び築くことができたのは、これまでの長年に渡る強い結び付きと、同社が持つ優れた技術が認められたことの証とも言える。

 これは言い換えれば、Dynabookが、再び尖ったものを世の中に送り出せる体制が整ったとも言えるのだ。

 もう1つ、Dynabookの新たな強みとして見逃せないのが、シャープグループとしてのシナジー効果だ。

 外から見ると、シャープが持つ液晶パネルの活用が最大のシナジー効果と言えそうだが、実際にはそれだけではない。

 例えば、Dynabookを収めるシャープのICTグループには、スマホ事業を展開する通信事業本部がある。ここでは5Gを始めとした通信技術を蓄積しており、さらにスマホ事業で緊密な関係があるクアルコムやGoogleとの連携も見逃せない。2021年3月には、dynabookブランド初となるChromebookを発売したが、これも、Dynabookとシャープ通信事業本部との共同開発によって生まれたものだ。

 そして、販売面では、「 シャープマーケティングジャパンとの連携によって、シャープの電子黒板やサイネージとの連携提案、医療機関への提案なども積極化している 」(Dynabookの杉野部長)という。

 さらに、シャープの親会社である鴻海グループが持つ調達力も大きな強みだ。加えて、鴻海グループが世界最大のODMとして培った筐体生産における、CMF(色、素材、加工)のノウハウも活用しているという。

 Dynabookの古賀部長は、「 デバイスメーカーからは、他社の品質基準では通るのに、Dynabookでは通らないと言われてきたが、シャープグループも品質に対しては厳しい基準を持っている。品質に対する考え方はこれまでと変わらない 」と、品質基準においても変化がないことを強調する。

 シャープグループとなったことで、開発体制も強化しているという。

 Dynabookでは、設計・開発拠点を、日本(立川)、中国(杭州)、台湾の3カ所に設置している。この中で、台湾の拠点は、従来ならば台湾のODM企業との連携が中心的な役割だったが、シャープグループに入って以降、鴻海グループのPC技術者によって体制を刷新。台湾だからこそ入手できる最新情報の収集拠点としての役割も果たすようになった。

 また、3極体制となったことで、それぞれの役割も明確化してきた。

 日本では、尖ったモノづくりにも力を注ぐことができる体制を構築する一方、中国では、生産拠点が隣接していること、同時に、様々な部品を生産する企業が集積しているため、サプライチェーンに関しても制御がしやすいという強みを活かして、量産化やラインナップの拡充などでも成果を生んでいる。

 例えば、dynabook Gシリーズの初代モデルは日本で設計したが、これを第2世代として進化させたのが中国の設計チームだ。その間、日本の設計チームは、TDP 28Wでサバ折りを実現したdynabook Vシリーズの開発に取り組んできた。

 「 最新情報を得るのが台湾、製品を差異化する役割が日本、ラインナップを広げたり、将来のロードマップの実現に繋げるのが中国ということになる 」(Dynabookの古賀部長)という。

 この体制は、先にも触れたLibretto発売時の設計部と開発部の役割分担に近いものがある。ここからも、Dynabookから、尖ったPCが生まれる土壌が完成したことが分かるだろう。これも、シャープグループとなったことで生まれた成果の1つと言えるだろう。

揺れないDynabookの精神

 シャープグループになっても変えないところは、独自技術によって、「軽、薄、強、長、速」と「安心・快適」を牽引していくPCメーカーであるという点だ。

 変わるところと、変わらないところをいずれも強みに活かして、これからも、時代の変化に合わせて、新たなPCを世に送り出すこと体制が再構築されている。

 Dynabookにとって、新たな挑戦がソリューションカンパニーへの進化だ。

 「 顧客価値を最大化する上で、ソリューション提案は必要不可欠。早い時期に、デバイスとソリューションの売上げ比率を5対5にしたいと考えているが、特にBtoBを担当する部門では、常にソリューション提案を意識して活動している 」(Dynabookの荻野副本部長)とする。

 Dynabookでは、「オフィス・テレワーク」、「文教」、「現場」、「テレマティクス」、「ヘルスケア・医療」、「エンターテイメント」の6つの領域に特化した形で、最適化したデバイスとソリューションを提供していく方針を示している。

 例えば、現場では、dynaEdgeによるソリューション提案が挙げられる。2021年9月に発表したdynaEdge DE200は、片手で持ち運べる約197.0×85.0×20.0mm(縦×横×厚さ)、約340gの筐体に、第11世代IntelCoreプロセッサ、Windows 10 Proを搭載。バッテリの大容量化で、従来比1.3倍となる約7.5時間の駆動時間を実現したモバイルエッジコンピューティングデバイスだ。

 メガネ型ウェアラブルデバイス「AR100」との組み合わせ提案などによって、製造現場やメンテナンス、物流、建設現場などへの導入が可能だ。従来モデルのdynaEdge DE100では、すでに約500社への導入実績を持つ。

 「 オフィス・テレワーク、文教、現場は、これまでDynabookが得意としてきた分野。今後は、テレマティクスやヘルスケア・医療、エンターテイメント分野に積極的に提案をしていくことになる 」(Dynabookの杉野部長)という。

 シャープが持つ8K映像技術と連携した8K映像編集PCシステムのほか、2021年1月からは、シャープの子会社であったAIoTクラウドがDynabookの子会社となり、同社が展開しているテレマティクスサービスのLINC Biz Mobilityや、各種クラウドサービスとの連携提案も進みそうだ。

 Dynabookの古賀部長は、「 これからはソフトウェアで差別化したいと考えている。その切り札のひとつが、Edge AIエンジン。エッジデバイスに搭載した高性能CPUを活かして、データに対する高速処理を行ない、高速性、リアルタイム性を実現したり、仮想カメラ技術によるゆれ補正などで、現場での作業を支援することができる。

  社内では、ハードウェアでの差別化だけでなく、いかにソフトウェアやAIで差別化するかを考えることを徹底しており、その成果を明確に見せていきたい。それによって、dynabookがあれば、これだけ便利になるということを示めすことができる 」と語る。

 同社では、人に寄り添い、社会を支える真のコンピューティングを実現する「dynabook as a Computing」と、ユーザーを起点に考えた新しい付加価値サービスを創出する「dynabook as a Service」を事業の柱に打ち出しているが、この両輪が同社の成長を支えることになる。

 2021年2月、Dynabookは、新たな経営理念を定めた。

 経営理念は、「誠意と創意で、新しい価値を提供し、社会の発展に貢献する」とした。「創意と誠意」は、シャープ創業者である早川徳次氏を示す際の代名詞とも言える言葉であり、シャープの経営信条にもなっている。この言葉をDynabookの経営理念に盛り込んだ点は特筆できる。One SHARPとしての方向性が明確に示されたからだ。

 そして、ビジョンは、「コンピューティングとサービスを通じて世界を変える」とし、人に寄り添う、社会を支える、真のコンピューティングと、ユーザーを起点に考えた新しい付加価値、サービスによって、より快適な社会と生活を実現することを目指すという。

 さらに、想いを形にする「探求」、想いを実現する「創造」、長くお客様と共に生きることを目指す「共生」、未来を切り拓く「飛躍」をバリューとし、これをもとに、従業員全員が事業に取り組むことを目指している。

 「 これからも、選んでもらえるPCメーカーでありたい」と荻野副本部長は語る。そして、「Dynabookは、ノートPCのブランドとしては知られているが、それが会社の名前であること、そして、ハードウェアだけでなく、ソリューションを提供する会社であるという認知をもっと高める必要がある 」と語る。

 シャープグループとして3年を経過したDynabookの進化は、これからが本番と言えそうだ。