イベントレポート

ThinkPad X13がダイエットに成功!軽量化で933gに

ThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)、従来モデルから187gも軽量化して933gを実現

 Lenovoは、3月3日(現地時間)からスペインで開催されるMWC 25に出展し、PCやソフトウェア、コンセプトモデルなどの発表展示を行なう予定だ。それに先立って3月3日には報道発表が行なわれ、同社がClassic ThinkPadと呼んでいる従来型ThinkPadのアップデート版が発表された。

同容量のバッテリなのに、従来モデルから約200gも軽量化されたThinkPad X13 Gen 6

ThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)、13.3型のWUXGAディスプレイを採用したノートPC

 ThinkPad X13シリーズは、狭額縁ディスプレイを採用した13.3型のモバイルノート。引き続きClassic ThinkPadの中で軽量版という位置づけ。

 従来のThinkPad X13 Gen 5は、最軽量構成で1.12kgとなっており、国内メーカーでは当たり前の1kg切りというノートPCに比べるとやや重いという印象があった。

 ThinkPad X13 Gen 6では、日本のユーザーの「もっと軽くしてほしい」という要求に応え、最軽量構成で933gになった。187gほどダイエットに成功した計算になる。

ThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)の内部構造
ThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)のバッテリ、CRUになっておりユーザーが交換できる

 なお、この933gは41Whとやや容量が少ないバッテリパックで実現されている。実は従来モデルでもこれは同様で、41Whのバッテリパックでは1.12kgから、54.7Whという大容量バッテリパックを選択した場合には1.17kgからと50gほど重量に差があった。

 今回のThinkPad X13 Gen 6も同じ容量が2種類用意されており、933gとなるのは前者の41Whのバッテリパックを採用した場合になる(54.7Wh構成にした場合の重量は現時点では明らかにされていない)。

 また、バッテリパックは、CRU(Customer Replaceable Unit)になった。CRUとはPCの管理者やユーザー自身が、Lenovoが公開しているマニュアルなどを参照しながら手順通りに交換することが可能な部品のことで、その対義語で管理者やユーザーが交換できず、Lenovoの技術者のみが交換できる部品のことをFRU(Field Replaceable Unit)と呼んでいる。

 昨年(2025年)発表されたThinkPad Tシリーズの一部モデルからCRUに変更され、ユーザーが交換できる部品に変更されていた。今回のThinkPad X13 Gen 6にもそれが適用された形になる。

CPUはCore Ultraシリーズ2、Ryzen AI PRO 300から選択できる

CPUはIntel Core Ultraシリーズ2のCore Ultra 200H/200U、あるいはAMD Ryzen AI PRO 300シリーズ

 CPUに関しても前モデルから大きく更新されている。2世代前のThinkPad X13 Gen 4ではIntelとAMDのCPUが選べたが、前モデルのThinkPad X13 Gen 5ではCore Ultraシリーズ1(Meteor Lake)だけが選べるようになっており、AMDは選択できなかった。

 しかし、今回のThinkPad X13 Gen 6では、Core Ultraシリーズ2かRyzen AI PRO 300のいずれかを選択できる。つまりThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)、ThinkPad X13 Gen 6(13.3型AMD)という2つのモデルがあることになる。

CPUファン
底面
本体左のポート
本体右のポート
キーボードにはTrackPointが用意されている

 Core Ultraシリーズ2に関しては、Core Ultra 200H(TDP 28W)ないしはCore Ultra 200U(TDP 15W)という開発コードネーム「Arrow Lake」のCPUが採用された。Core Ultraシリーズ2のうち、Copilot+ PCの40TOPSというNPU性能の要件を満たしているのはCore Ultra 200Vだけなので、Copilot+ PCには未対応ということになる。

 ただ、Core Ultra 200Uは、Core Ultra 200Vに比べて低価格に設定されているので、メインストリーム向けというThinkPad X13 Gen 6の特徴を考えると妥当な選択と言えるだろう。

 メモリは最大64GB(LPDDR5x)、ストレージは最大2TB(M.2 2280)というあたりの基本的なスペックは従来モデルから変更がないし、Wi-FiもWi-Fi 7に対応しており、オプションで5Gにも対応が可能になっている。

 Lenovoによれば、ThinkPad X13 Gen 6は6月から出荷予定で、欧州での予想価格は1399ユーロからとなっている。日本での発売日や価格などは現時点で未定だ。

【表1】ThinkPad X13 Gen 6のスペック(筆者作成)
ThinkPad X13 Gen 6(13.3型Intel)ThinkPad X13 Gen 6(13.3型AMD)
CPUCore Ultra 200H/200U(vPro選択可)Ryzen AI PRO 300
メモリ最大64GB(LPDDR5x)最大64GB(LPDDR5x)
ストレージ最大2TB最大2TB
ディスプレイ13.3型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m)/(1,920×1,200ドット、400cd平方/m、インセルタッチ)13.3型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m)/(1,920×1,200ドット、400cd平方/m、インセルタッチ)
カメラ500万画素+IR500万画素+IR
生体認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証
Wi-Fi/BT最大Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4最大Wi-Fi 7/BT
WAN5G(オプション)5G(オプション)
バッテリ容量41Wh/54.7Wh(CRU)41Wh/54.7Wh(CRU)
サイズ299.3×207×17.75mm299.3×207×17.75mm
重量933g~933g~
OSWindows 11Windows 11

TシリーズのThinkPadとしては初めての2in1になるThinkPad T14s 2-in-1

ThinkPad T14s 2-in-1

 「ThinkPad T14s 2-in-1」は、LenovoによればThinkPad Tシリーズとしては初めて2in1デバイスとなった製品。14型WUXGA(1,920×1,080ドット)のディスプレイを採用しており、360度回転ヒンジにより、クラムシェル、タブレット、ビュー、テントなどの各モードに変形させて利用できる。重量は最小構成で1.4kgからとなっている。

本体左側面
本体右側面
キーボード面
タブレットモードやテントモード、ビューモードなどに変形して利用できる

 SoCはCore Ultra 200H/200Uで、vProに対応した製品も用意される。メモリは最大64GB、ストレージは最大1TBのSSDとなる。バッテリは58WhのCRUで、ユーザーやシステム管理者などが自身で交換できる。

 また、「ThinkPad T14s Gen 6」、「ThinkPad T14 Gen 6」、「ThinkPad T16 Gen 4」などに関しても、CPUがCore Ultraシリーズ2ないしはAMD Ryzen AI PRO 300シリーズにアップデートしたバージョンが発表されている。

ThinkPad T14 Gen 6(14型Intel)
ThinkPad T16 Gen 4(16型Intel)

 提供開始日および欧州での予想価格は以下の通り。日本での発売時期や価格は未定。

  • ThinkPad T14s 2-in-1:6月、1,649ユーロ~
  • ThinkPad T14s Gen 6:4月、1,999ユーロ~、6月に追加モデル、1,599ユーロ~
  • ThinkPad T14 Gen 6:5月、1,549ユーロ~、6月に追加モデル、1,499ユーロ~
  • ThinkPad T16 Gen 4:6月、1,549ユーロ~
【表2】ThinkPad Tシリーズのスペック1(筆者作成)
ThinkPad T14s 2-in-1ThinkPad T14s Gen 6(14型Intel)ThinkPad T14s Gen 6(14型AMD)ThinkPad T14 Gen 6(14型Intel)
CPUCore Ultra 200H/200U(vPro対応)Core Ultra 200H/200V/200URyzen AI PRO 300Core Ultra 200H/200V/200U
メモリ最大64GB(LPDDR5x)最大64GB(LPDDR5x)/最大32GB(200V)最大64GB(LPDDR5x)最大64GB(LPDDR5x)/最大32GB(200V)
ストレージ最大1TB最大1TB最大1TB最大1TB
ディスプレイ14型WUXGA(1,920×1,200ドット、500cd平方/m)14型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m/500cd平方/m)/2.8K OLED14型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m/500cd平方/m)/2.8K OLED14型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m/500cd平方/m)/2.8K OLED
カメラ500万画素+IR500万画素+IR500万画素+IR500万画素+IR
生体認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証
Wi-Fi/BT最大WI-Fi 7/Bluetooth 5.4最大WI-Fi 7/Bluetooth 5.4最大WI-Fi 7/BT最大WI-Fi 7/Bluetooth 5.4
WAN5G(オプション)5G(オプション)5G(オプション)5G(オプション)
バッテリ容量58Wh(CRU)58Wh(CRU)58Wh(CRU)52.5/57Wh(H/U、57はCRU)/57Wh(V、CRU)
サイズ313.6×222.8×19.21mm313.6×219.4×16.9mm313.6×219.4×16.9mm315.9×223.7×16.13mm
重量(最小構成)1.4kg1.23kg1.23kg1.38kg
OSWindows 11Windows 11Windows 11Windows 11
【表3】ThinkPad Tシリーズのスペック2(筆者作成)
ThinkPad T14 Gen 6(14型AMD)ThinkPad T16 Gen 4(16型Intel)ThinkPad T16 Gen 4(16型AMD)
CPURyzen AI PRO 300Core Ultra 200H/200URyzen AI PRO 300
メモリ最大64GB(LPDDR5x)最大64GB(LPDDR5x)最大64GB(LPDDR5x)
ストレージ最大1TB最大1TB最大1TB
ディスプレイ14型WUXGA(1,920×1,200ドット、400cd平方/m/500cd平方/m)/2.8K OLED16型WUXGA(1,920×1,200ドット、400/500cd平方/m)16型WUXGA(1,920×1,200ドット、400/500cd平方/m)
カメラ500万画素+IR500万画素+IR500万画素+IR
生体認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証顔認証/指紋認証
Wi-Fi/BT最大WI-Fi 7/BT最大WI-Fi 7/Bluetooth 5.4最大WI-Fi 7/BT
WAN5G(オプション)5G(オプション)5G(オプション)
バッテリ容量52.5/57Wh(57はCRU)52.5Wh/86Wh(CRU)52.5Wh/86Wh(CRU)
サイズ315.9×223.7×16.13mm359.7×250.8×18.14mm359.7×250.8×18.14mm
重量(最小構成)1.38kg1.76kg1.76kg
OSWindows 11Windows 11Windows 11