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圧倒的じゃないか実物は!「動く実物大ガンダム」ついに公開
~GUNDAM FACTORY YOKOHAMA、本格始動へ
2020年11月30日 13:49
株式会社Evolving Gは『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の一環として横浜市と連携して「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を横浜・山下埠頭にて12月19日(土)から期間限定でオープンする。11月30日、プレス内覧会が開催され、ついに「動く実物大ガンダム」がメディアに公開された。
機体ナンバー「RX-78 F00 ガンダム」、横浜で起動!
今回の「動くガンダム」は高さ18m、本体重量は25t。全身の関節自由度は24。加えてハンドは各五指が稼働する。内部は鋼鉄製の可動フレームにFRP、またはCFRPの外装をつけた構造だ。アクチュエータはすべて電動で、電動モーターと減速機、電動シリンダーを組み合わせている。
ガンダムは腰部分を後ろから搬送台車「GUNDAM-CARRIER」で支えられて安全性を確保しつつ動く。デモ前には高さ25mのメンテナンス用多段式デッキ「GUNDAM-DOCK」のなかに収められている。「GUNDAM-DOCK」には可動デッキが3つあり、前からもガンダムにアプローチできるようになっている。
また、横には来場者が間近、かつ15〜18mの高さからガンダムを見られる観覧デッキ「GUNDAM-DOCK TOWER」が併設されている。デモのときにはガンダムは演出とともにドックから前へ出てきて、全身を動作させる。
見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを
今回の「動くガンダム」は、ガンダム世界のなかで起きた「一年戦争」のあとに発見された、RX-78タイプと思われるモビルスーツのパーツを検証するために再構成して作られた型式番号「RX-78 F00」という設定になっている。デモも「RX-78 F00の起動実験」というかたちで行なわれた。
今回披露されたデモの流れは以下のとおりだった。前述のとおり、ガンダムは初期状態では「GUNDAM-DOCK」のなかに収められている。カウントダウンに続いて保守デッキ「GUNDAM-DOCK」の可動デッキが開いたあと、「GUNDAM-CARRIER」に支えられたガンダムがそのまま前へせり出す。次に少し下方に降ろされて接地したかのような演出に続き、効果音とともに歩行動作を行なった。そして、両手を広げて上に上げてポーズを取った。
最後に、一度後方に下がり、しゃがみこむように一度体を沈めたあと、空に向かって飛び上がるように全身を伸ばした状態で下にいるわれわれを見下ろして締めくくられた。これはガンダムの発進シークエンスを模したものだ。プラモデルのように後ろを「GUNDAM-CARRIER」で支えられているからこそできるダイナミックなポーズだ。
なお一般公開される本番の動きは、今回公開された動きとは異なるとのこと。また、このガンダムにはコックピットも再現されているが、それも今回は披露されなかったので、そのあたりは「今後のお楽しみ」ということなのだろう。
イベント会期は2020年12月19日〜2022年3月31日
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」は2014年から進められてきたプロジェクトで、場所はみなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩7分。敷地全体の面積は9,000平方m。
ガンダムの仕組みを学べる展示施設とショップ、カフェ、コミュニケーションスペースからなる複合施設「GUNDAM-LAB」も併設される。こちらでは会場限定の特別なガンプラを販売し、動くガンダムの設計や構造、仕組みを楽しみながら学べる「アカデミー」のほか、「カンファレンスルーム」ではトークショーや講演会、ワークショップなども行なわれる予定。
「アカデミー」ではパネルや映像展示のほか、実際に使用された部品などを通して仕組みや実現に向けた想いをより深く知ることができる。ソフトバンクの5G技術を活用したガンダムのコックピットを仮想再現した大型のARビジョン「GUNDAM Pilot View Softbank 5G EXPERIENCE」も設置する。大人から子供まで楽しみながら学べるコーナーとなっている。
併設するガンダムベース横浜サテライトでは「1/48 RX-78F00 ガンダム BUST MODEL」など限定商品、オリジナルグッズをそろえる。カフェではガンダムに関するオリジナルメニューや、横浜ならではのご当地グルメを楽しめる。
協力企業は以下のとおり(50音順)。
- アスラテック株式会社(モーションプログラム、制御システム開発)
- 川田工業株式会社(GUNDAM-DOCK、GUNDAM-LAB建築施工工事)
- 株式会社ココロ(G本体ハンド設計・製作)
- 住友重機械搬送システム株式会社(Gキャリア(支持台車)製作)
- ナブテスコ株式会社(減速機製作)
- 株式会社乃村工藝社(G本体デザイン、フレーム・外装パーツ製作、演出)
- 前田建設工業株式会社(試験施設、試験技術協力)
- 株式会社三笠製作所(G本体内電気配線工事)
- 株式会社安川電機(G本体内モーター製作、制御装置製作)
イベント会期は2020年12月19日(土)〜2022年3月31日(木)。時間は10時〜21時(20時最終入場)。演出は終日10時30分〜20時30分まで、毎時と毎時30分に異なる演出を行なう予定で、夜間はライトアップされる。そのほかにも、シーズンの特別演出の実施を予定している。
入場チケットおよび、特別観覧デッキ「GUNDAM-DOCK TOWER」観覧チケットは、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA公式アプリ」、および「GUNDAM FACTORY YOKOHAMAチケット購入専用Webページ」にて10月から販売中。
入場料金は税込で、大人1,650円(13歳以上)、小人(7歳以上12歳以下)1,100円。6歳以下は大人1名につき3名まで無料。加えて、ガンダムを間近から見たり、見下ろすことができる人数限定の観覧デッキ「GUNDAM-DOCK TOWER」での観覧料は別途3,300円。6歳以下は大人1名につき3名まで無料。つまり、大人が間近でガンダムを見たければ、4,950円となる。12月分のチケットはすでに完売とのこと。
もともとは10月1日からの公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で開始延期、会期延長となった。2時間ごとに入場者数をコントロールし、ソーシャルディスタンスを確保する。
リアルさを一歩でも前に
会見で株式会社 Evolving G 代表取締役社長 佐々木新氏は、「さまざまなジャンルのプロフェッショナルが集い実現した。世界的なコロナ禍のなか少しでも元気付け、エンタメ業界の発展に貢献できれば」と挨拶した。
メカ設計を担当したGGC(Gundam global challenge)テクニカルディレクター 石井啓範氏は「リアルさを一歩でも前に進めるように努力した。迫力を感じてほしい」と語った。
制御を担当したGGCシステムディレクター 吉崎航氏は「ガンダムを横からあるいは上から見下ろす体験ができる。ぜひ観覧デッキから見てほしい」と続き、本体デザインと演出を担当したGGCクリエイティブディレクター 川原正毅氏は「立像から早いものでもう10年。10年分の宿題をやっと果たせた。見所は向かって右側。Gドックとガンダムの動きが俯瞰して見られるところがある」と紹介した。
圧倒的じゃないか、実物は
「動くガンダム」の立ち姿や調整中の様子は山下埠頭敷地外からも見える。そのため、熱心なファンたちによる多くの動画や写真がすでにSNS上にアップロードされている。読者の方々も、それらの画像はご覧になっていることだろう。
だが動画を見るのと、動く実物を目の前で見るのとはまったくの別物。「実物大のガンダム」が動くのを目の前で見るのは、まさに体験型のアトラクションである。興味がある方は足を運んで、自分の目で確認してみることをおすすめする。
とくに筆者個人のおすすめは、観覧デッキ「GUNDAM-DOCK TOWER」からガンダムを見下ろすアングル。下から見上げたときよりもさらに大きさ、高さを強調して感じることができる。また本体だけでなく、後ろからガンダムを支えている「GUNDAM-CARRIER」もメカ好きにとってはとてもカッコよく、魅力的である。