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「動く18mガンダム」お披露目は12月19日。チケットは1,650円、間近で見るための観覧料は4,950円

(C)創通・サンライズ

 『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の一環として、横浜市と連携して「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」プロジェクトを展開している株式会社Evolving Gは9月29日、秋葉原UDXで「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」開催概要発表会を開き、横浜・山下埠頭で建造され、現在動作テストを行なっている動く1/1スケールの18mガンダムの進捗状況やイベント開催概要を公開した。

「動くガンダム」の稼働テスト映像

 イベント会期は2020年12月19日から2022年3月31日までで、保守メンテナンス定休日を除く営業日は約440日間となる。チケットは税込で大人1,650円(13歳以上)、小人1,100円(7歳以上12歳以下)。

 加えて人数限定の特別観覧スペース「GUNDAM-DOCK TOWER」からの観覧料は別途3,300円。すなわち、ガンダムを間近で見るためのチケットは合計で4,950円となる。

 もともとは10月1日からの公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。入場者数をコントロールし、ソーシャルディスタンスを確保する。営業時間は10時から21時(最終入場は20時)。

 入場チケットは10月2日からの販売で、日時指定。入場チケットは2時間ごと、「GUNDAM-DOCK TOWER」は1時間刻みで販売される。入場特典として数量限定でガンプラ「1/200 RX-78F00 ガンダム」がプレゼントされる(6歳以下の無料入場者は対象外)。

 入場チケットは当日チケットを発売する可能性もあるが、入場者数をコントロールするために、インターネットのみの販売となる。販売はチケット購入専用Webページのほか、10月1日から提供予定の公式アプリ上からも申し込むことができる。

「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」開催概要
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のイメージ
「GUNDAM-DOCK TOWER」からのイメージ
数量限定の入場特典ガンプラ 「1/200 RX-78F00 ガンダム」
(C)創通・サンライズ

動く18mガンダムが見られる「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」

「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」(C)創通・サンライズ

 「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」は株式会社創通と株式会社サンライズから構成される「一般社団法人ガンダムGLOBAL CHALLENGE」が推進しており、サンライズ、BANDAI SPIRITS、バンダイナムコエンターテイメント等から構成される「株式会社Evolving G」が、動くガンダムを一般公開する「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を運営する。

 場所は横浜・山下埠頭。みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩7分。敷地全体の面積は9,000平米。高さ18mの「ガンダム」がドックに収められている。

 施設は「動くガンダム」を格納してメンテナンスを行なう高さ25mのデッキ「GUNDAM-DOCK」と、来場者が間近でガンダムを見られる観覧デッキ「GUNDAM-DOCK TOWER」からなる。

 「GUNDAM-DOCK TOWER」は、動くガンダムの頭部やボディを15〜18mの高さから間近で見ることができる特別観覧スペースだ。2つのフロアがあるが、1枚のチケットで利用できる。

 また、ガンダムの仕組みを学べる展示施設とショップ、カフェ、コミュニケーションスペースの排他複合施設「GUNDAM-LAB」も併設される。こちらでは会場限定の特別なガンプラを販売し、動くガンダムの設計や構造、仕組みを楽しみながら学べる「アカデミー」のほか、「カンファレンスルーム」ではトークショーや講演会、ワークショップなども行なわれる予定。

 「アカデミー」ではパネルや映像展示のほか、実際に使用された部品などを通して仕組みや実現に向けた想いをより深く知ることができる。ガンダム全体のコックピットを仮想再現した大型のARビジョンも設置する。

 アカデミーにはソフトバンクの5G技術を活用した「GUNDAM Pilot View Softbank 5G EXPERIENCE」も設置する。パイロットになったように臨場感あふれる体験ができるという。直接、横浜に来場できない人たちに向けても、自分がニュータイプになったかのような体験ができるARコンテンツも展開するとのこと。

GUNDAM Pilot View Softbank 5G EXPERIENCE
(C)創通・サンライズ

 ガンダムベース横浜サテライトではオリジナルグッズをそろえる。カフェではガンダムに関するオリジナルメニューや横浜ならではのご当地グルメを楽しめる。そのほかカンファレンスルームやトレーラーショップ、限定グッズを使ったポップコーンやドリンクを提供する、サテライトキッチンを設置する予定。さまざまなアトラクションを備える。

 株式会社日本旅行からは、全国各地からのアクセスプランのついたオリジナルツアーも企画される。具体的ツアー内容は10月中に日本旅行ホームページに掲載される予定。このほか内覧会も予定される。

動くガンダムの動きは……

テスト中の様子(C)創通・サンライズ

 ガンダムは電動(モーター+減速機、電動シリンダー)で動作し、全身の自由度数は24+ハンド部。腰部分で背後の台車に接続されて支えられている。営業時間の10:30〜20:30まで、毎時00分と30分に、それぞれ異なる演出を行なう予定。夜にはライトアップされる。シーズンの特別演出の実施も予定されている。

(C)創通・サンライズ

 すでにインターネット上では熱心なファンが撮影したテスト中のガンダムの動作が出回っており、海外メディアでも取り上げられるなど大きな話題になっている。しかし今回もまだ、ガンダムの動きの全貌は公開されなかった。今回公開された動きは、ガンダムが天を指差す動きのみ。そのほかの動きについては、まだ謎ということになっている。

動きの全貌はまだ秘密(C)創通・サンライズ

大きな夢を見続けるための今後への第一歩

「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」キービジュアル

 発表会で株式会社 Evolving G 代表取締役社長 佐々木新氏は「少しでも明るい話題を提供したい」と挨拶した。詳細を紹介した株式会社 Evolving G 取締役の藤原孝史氏は、新たなキービジュアルをお披露目した。「実物大のガンダムを動かす。これはガンダムにあこがれた全員の悲願。大きな夢を見続けるための今後への第一歩でもある。そんな前のめりな熱意を『動け、ガンダム』というコピーと夜明けのビジュアルに込めた」と述べた。

株式会社 Evolving G 代表取締役社長 佐々木新氏
株式会社 Evolving G 取締役 藤原孝史氏
左からEvolving G藤原孝史氏、佐々木新氏、映画監督の本広克行氏

実物を見ると「とんでもない変な感動が押し寄せてくる」

GGCリーダーの本広克行氏と3人のディレクターによるフリートーク

 発表会では、GGCリーダーでもある映画監督 演出家の本広克行氏も出席。本広氏は実物を見た感想を問われ「すごいとしか言えない」と熱く語った。続けて、GGCディレクターズの3人が登壇。テクニカルディレクターの石井啓範氏、システムディレクターの吉崎航氏、クリエイティブディレクターの川原正毅氏を交えた4氏によるフリートークが行なわれた。

 石井氏は「やっとここまできたというのが実感」、吉崎氏は「まだまだ緊張がとけない」と現在の作業状況を語り、川原氏は「いま2人の作業が佳境に入っている。その出口が見えたら最終的な演出調整に入ってくる」と述べた。本広氏は実物があることで、「これを中心に演劇やショーを考えたくなる」と語った。

GGCリーダーの映画監督 演出家の本広克行氏。「生で見る価値がある」と語った
GGCテクニカルディレクター 石井啓範氏
GGCシステムディレクター 吉崎航氏
GGCクリエイティブディレクター 川原正毅氏

 そして3人のディレクターからお気に入りの写真がそれぞれ紹介された。石井氏はガンダムが片足を上げて足裏を見せている姿と、雨の日に濡れたアスファルトにガンダムの姿が映っている様子を紹介。

 吉崎氏はガンダムのシミュレーションと実機の比較や普段作業しているスペースからの風景などを見せ、川原氏は観覧デッキから見られるガンダムの頭部のアップや、夕方、夜のガンダムの姿を紹介した。実際の雨天時にも動かすし、時間帯によっても表情が変わるという。

 石井氏は外装の隙間から見られるなかのフレームや内部機構などを感じてもらいたいと述べた。川原氏はとくに子どもたちに見てもらいたいと述べた。

石井氏が紹介したガンダムの足裏
吉崎氏が紹介したシミュレーションと実機の比較
川原氏が紹介したガンダムの頭部
同じく川原氏が紹介した夜のガンダム

 一番気になるところは、実際に間近で見るとどうなのかという点だろう。石井氏は「実際に動いて感動したのはもちろんなんですけど、見たことがないものをはじめて見る感覚を受けた。新しい感覚を受けたので、そこがおもしろいと感じている」と語った。

 吉崎氏も「CGだろうが図面だろうが、実物見るたびにわからないことがあるんだなと毎回思う」と述べた。

 川原氏は「立像から10年経って、それがここまできて動くのはすごいこと。子供達と夢が広がって、この先につながっていけばやったかいがあるのかなと思う」と語った。

 そして最後の一言を求められて、4氏はそれぞれ下記のように語った。石井氏は「10年前に潮風公園で立像を見たときにすごく感動した。今回のプロジェクトに参加するときに10年前の自分の感動を少しでも前に進められればという思いでやってきた。実際に動くまで不安はあった。ここ1カ月のあいだ動かして、新しい体験を提供することができたと思っている。ぜひみなさんにも実際に会場で動くガンダム見てもらえればと思う」と述べた。

 吉崎氏は「動き出す直前まで不安に思うことがあった。ガンダムの頭がついたらむちゃくちゃカッコよかった。これが動き出したらかっこ悪くなるのではないかと不安になる瞬間があった。だが動かさないと見えないポーズといううのがある。動くことを目の前で見てこそわかることがたくさんある。ぜひ現場に来て、動く姿を見たり、見下ろしたり、いろんな体験をしてもらえればと思う」と述べた。

 川原氏は「細かい動きを複合的に組み合わせることで、こんなに滑らかになっていくのかと横で見ながら設計した立場だが感動している。この先は、音楽などが組み合わさってエンタメになっていく。12月のオープンまでみんなでがんばっていきたい」と語った。

 最後に本広氏は「映像で見ると『まあこんなものか』と思うでしょうが、山下埠頭のあの場所で見たら、とんでもない変な感動が押し寄せてくる。これはガチで実物を見ないと、この感動は言えない。だからたくさんの人がこれを見て、語り合いたい。それくらいまったく新しいエンターテイメント。よくできているなと思う。これからどんどん仕上げられていくと思うので楽しみにしていきたいと思う」と語った。

「実物を見ると変な感動が押し寄せてくる」と語った本広氏
まだこれから良くなるという

 なお、8月に先行販売された「動く実物大ガンダム」のガンプラだが、1/144、1/100モデルとも、9月30日からプレミアムバンダイの特設ページで再び販売される。

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