イベントレポート
Acer、Intel/AMD CPU搭載の「Swift 3」や、新イーゼルヒンジの「ConceptD 7」などを展示
2020年1月14日 06:00
Acerは、1月7日~10日に米国ネバダ州ラスベガスで行なわれたCES 2020の開催に合わせて新製品の発表を行なった。
このなかでクラムシェルノート「Swift」シリーズ、2in1「Spin」シリーズ、クリエイター向けノート「ConceptD」シリーズの新製品などを発表(Acer、イーゼルヒンジ採用のクリエイター向けPCなど参照)。ラスベガス市内のホテルにて展示を行なった。本レポートではそれら新製品の詳細をお届けしたい。
600~900ドルのメインストリーム市場向けの「Spin 5/3」、「Swift 3」
今回Acerが発表したモバイルノートPCは、いずれもメインストリーム向けで、2in1のSpin 5、Spin 3、クラムシェルのSwift 3のIntel版/AMD版という4製品になっている。
Spin 5 | Spin 3 | Swift 3 | Swift 3 | |
---|---|---|---|---|
形状 | 2in1 | 2in1 | クラムシェル | クラムシェル |
CPU | 第10世代Coreプロセッサ(ICL) | 第10世代Coreプロセッサ(ICL) | 第10世代Coreプロセッサ(ICL) | Ryzen 4000シリーズ |
GPU | Intel Iris Plus/UHD | Intel Iris Plus/UHD | Intel UHD/NGeForce MX250 | Radeon |
メモリ | 最大16GB | 非公表 | 非公表 | 最大16GB |
ストレージ | 最大1TB | 非公表 | 非公表 | 最大512GB |
ディスプレイ | 13.5型2Kタッチ/AES 2.0ペン | 14型フルHD/タッチ/AES1.0ペン | 13.5型 2K/14型 フルHD | |
厚み | 14.9mm | 16.9mm | 15.95mm | 15.95mm |
重量 | 1.2kg | 1.5kg | 1.19kg | 1.2kg |
バッテリ駆動時間(公称) | 最大15時間 | 最大12時間 | 最大12時間 | 最大11時間 |
指紋認証 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
「Spin 5(SP513-54N)」は、CPUにIce Lakeの第10世代Coreプロセッサを搭載しており、ディスプレイは画面筐体比80%の狭額縁13.5型 IPS液晶で、解像度は2,256×1,504ドットと3:2の画面比になっている。
厚さは14.9mmで、重量は1.2kgと比較的軽量。360度回転型ヒンジを備えており、クラムシェルモード、テントモード、ビューモード、タブレットモードなどに切り替えて利用できる。AES方式のアクティブペンに対応しており、オプションで筆圧検知4,096段階のAES 2.0対応品が用意されている。
「Spin 3(SP314-54N)」も同じようにCPUにIce Lakeの第10世代Coreプロセッサを搭載し、こちらはディスプレイが画面筐体比78%の狭額縁の14型フルHD液晶となる、画面比は一般的な16:9。やはり360度回転型ヒンジを備えており、クラムシェルモード、テントモード、ビューモード、タブレットモードなどに切り替えて利用できる。厚さは16.9mmで、重量は1.5kg。AES 1.0のアクティブペンに対応している。
Spin 5(SP513-54N)は北米で6月発売となり、市場想定価格は899ドルから。Spin 3(SP314-54N)は4月発売で、同699ドルから。
Swift 3に関しては2つの製品が用意されており、それぞれCPUがIntel(SF313-52/G)、AMD(SF314-42)となっている点が大きな違いになる。
Intelモデル(SF313-52/G)はCPUにIce Lakeの第10世代Coreプロセッサで、GPUはIce Lake内蔵のGen 11とNVIDIAのdGPU(GeForce MX250)を搭載し、用途に応じて切り替えることができる。
ディスプレイは画面比3:2で2,256×1,504ドットの13.5型フルHD液晶で、14型フルHDのモデルも用意されている。本体の厚さは15.95mmで、重量は1.19kg。内蔵バッテリで最大12時間のバッテリ駆動が可能だ。
AMDモデル(SF314-42)は、発表されたばかりのRyzen 4000シリーズが採用されており、最大16GBのDDR4メモリと、最大512GBのSSDを搭載している。ディスプレイは14型フルHD。本体の厚さは15.95mmで重量は1.2kgとなる。内蔵バッテリで最大11時間のバッテリ駆動が可能。
Swift3のIntelモデル(SF313-52/G)は北米で3月発売で、市場想定価格は699ドルから。Swift 3のAMDモデル(SF314-42)は5月発売で、同599ドルから。なお、日本での発売計画や価格などに関しては現時点では未定。
新しいイーゼルヒンジを採用した「ConceptD 7 Ezel Pro」
AcerのConceptDシリーズは、同社のクリエイター向けPCのブランドで、3/5/7/9シリーズという4つのグレードが用意されている。このConceptDは昨年(2019年)ニューヨークでAcerが行なった製品発表会でコンセプトがシメされ、大多数の製品は昨年9月にベルリンで行なわれたIFA 19で発表されている(Acer、イーゼル回転型2in1「ConceptD 9 Pro」を発表。Quadro搭載のプロ向けモデル参照)。
ConceptDは、Core Hシリーズや、Xeon、Quadro RTXなどの強力なCPU/GPUを搭載し、写真家、建築家、映像作家などのクリエイター向け製品としている。
たとえば最上位の「ConceptD 9 Pro」はAdobe RGBに100%対応した17型4Kディスプレイに、第9世代Coreプロセッサ、Quadro RTX 5000などを搭載しており、メモリは最大32GB、2TBのNVMe SSDをRAID0で実装する。
ConceptD 9 Proではイーゼルヒンジというユニークなヒンジが採用されており、ヒンジの中央部分を始点にしてディスプレイ部分が360度回転するようになっている。
ConceptD 7 Ezel Pro | ConceptD 7 Ezel | |
---|---|---|
形状 | 2in1 | 2in1 |
CPU | Xeon | 第10世代Core Hシリーズ |
GPU | Quadro RTX 5000/3000 | GeForce RTX 2060/2080 |
メモリ | 最大32GB(ECC) | 最大32GB |
ストレージ | 最大2TB | 最大2TB |
ディスプレイ | 4K IPS(400cd/平方m)/タッチ/EMR | 4K IPS(400cd/平方m)/タッチ/EMR |
厚み | 22mm | 22mm |
今回発表されたConceptD 7 Ezel ProとConceptD 7 Ezelは、イーゼルヒンジが進化。従来のイーゼルヒンジでは中央に通っている支えを中心にしてディスプレイが回転するようになっていたが、新ヒンジでは中央を始点にして回転することは一緒なのだが、支えとなっているのは、ディスプレイ裏面の蓋半分で、それを始点にしてパネルだけが前後360度回転するという仕組みになっている。
この仕組みは、2015年にVAIOが発売したVAIO Zでも採用されていた機構とほぼ同じで(国内メーカー技術の粋を凝縮した新生「VAIO Z」参照)、VAIO Zと同じようにクラムシェル/ビュー/テント/タブレットモードと4つの形状に変形させて利用できる。
ヒンジ部分にはワコムのEMRペンが内蔵されており、そこから充電可能。デザイナーやイラストレーターなどのペンを必要とするユーザーにとっては使い慣れたワコムのEMRペンを利用できることはうれしいだろう。
スペックはConceptD 7 Ezelが第10世代Core Hシリーズ、GPUがGeForce RTX 2060/2080。ConceptD 7 Ezel ProはCPUがXeon、GPUがQuadro RTX 3000/5000、ECCメモリ。両モデル共通のスペックとしてはメモリが最大32GB、ストレージが最大2TBのNVMe SSD、ディスプレイはAdobe RGB 100%対応の4K IPS液晶となっている。
市場想定価格はConceptD 7 Ezel Proが3,099ドルから、ConceptD 7 Ezelが2,699ドルからとなる。