イベントレポート

Acer、イーゼル回転型2in1「ConceptD 9 Pro」を発表。Quadro搭載のプロ向けモデル

ConceptD 7 Proを紹介するAcer CEO ジェーソン・チャン氏

 台湾Acerは、9月6日よりドイツ共和国ベルリン市で開催される予定のIFA 2019に先立って、IFA 2019の会場内で記者会見を開催した。そのなかで、同社が4月にニューヨークで開いたイベントで公開したクリエイター向けのノートPCシリーズ「ConceptD」のフルラインナップを発表した。

クリエイター向けPC「ConceptD」にQuadro搭載製品が追加

4月のニューヨークのイベントで発表された新ブランドのConceptD、クリエイター向けPCの新ブランドとなる

 Acerの「Concept D」は、同社が今年(2019年)4月にニューヨークで開催したイベントで紹介したクリエイター向けPCの新ブランドとなる。4月の段階ではConceptD 9、ConceptD 7、ConceptD 5という3つのノートPCが発表されていた。

 今回はそれに加えて、それぞれの製品名末尾に“Pro”がついた「ConceptD 9 Pro」、「ConceptD 7 Pro」、「ConceptD 5 Pro」が追加された。Pro版はQuadroシリーズを搭載し、ISV(Independent Software Vendor)認証が必要なCGクリエイターなどに向けた製品になっている。また、すでに発表されていたConceptD 5はリフレッシュされ、スペックなどが強化されている。

ConceptD 9 Pro
ConceptD 7 Pro
ConceptD 5はリフレッシュ、KBL-Gから第9世代Core+GeForceに
ConceptD 3

 さらに、新しい廉価版として「ConceptD 3」シリーズが追加され、無印とPro版が用意される。ConceptD 3とConcept D 3 Proの違いはほかのシリーズと同じくGPUがGeForceかQuadroかという点で、Concept D 3 ProではQuadro T1000が搭載されている。

Microsoft ポートフォリオ/ソリューション事業部長 マーク・リントン氏

 説明はAcer CEOのジェーソン・チャン氏が担当したが、壇上にパートナー企業2社を呼んでの製品アピールも行なわれた。1人目はMicrosoft ポートフォリオ/ソリューション事業部長 マーク・リントン氏で、MicrosoftとAcerの密接な関係を強調し、Windowsを利用しているクリエイターがすでに多数おり、Windowsでコンテンツを作成するメリットとして、ペンなどを利用できる点などを説明した。

NVIDIA 副社長 兼 ビジュアルコンピューティング事業部 事業部長 ボブ・ペッテ氏

 次にNVIDIA 副社長 兼 ビジュアルコンピューティング事業部 事業部長 ボブ・ペッテ氏が登壇。クリエイターが使うPCにはQuadroのような高性能でISV認証があるGPUが必要だと述べ、NVIDIA Studio対応のConceptD 9 Proをチャン氏とともにアピールした。

製品のおもなスペック

ConceptD 9 Pro

 まとめると今回発表されたのは、「ConceptD 9 Pro」、「ConceptD 7 Pro」、「ConceptD 5 Pro」、「ConceptD 3 Pro」というQuadro搭載のプロ向け製品と、GeForce搭載の「ConceptD 5」のリフレッシュ版、「ConceptD 3」の6機種となる。以下、各製品について説明する。

ConceptD 9 Pro

ConceptD 9 Pro

 「ConceptD 9 Pro」は、ConceptD 9のQuadroRTX 5000搭載版。NVIDIA Studioにも対応した製品となる。ConceptD 9 Proの特徴はAcerがイーゼルヒンジと呼ぶ機構で、ディスプレイ中央部を支点にして回転させることができ、これによりクラムシェルだけでなく、ビューモード、タブレットなどに変形させることが可能。

 ディスプレイは17.3型4K IPS液晶パネルになっており、400cd/平方mの輝度を実現し、Adobe RGBの色域を100%カバーする。また、ペンにも対応しており、マグネットでディスプレイの上部にくっつけておくこともできる。CPUは第9世代Coreプロセッサ、 Quadro RTX 5000、メモリは16GB(DDR4、2xSO-DIMMで最大32GB)、ストレージは1TB/2TBのNVMe SSDをRAID0などとなっている。

 重量は4.3kgで、欧州では11月から販売開始される予定。価格は5,499ユーロから。

ポートは左右と背面にある
ディスプレイは4K
ペン
デバイスマネージャーなど
タッチパッド
イーゼルヒンジ

ConceptD 7 Pro

ConceptD 7 Pro

 「ConceptD 7 Pro」は、ConceptD 7のQuadro RTX 5000(Max-Q)搭載版。CPUは第9世代Coreプロセッサ、メモリは16GB(DDR4、2xSO-DIMMで最大32GB)、ストレージは最大で1TBのNVMe SSDを2つ搭載したRAID 0構成。ディスプレイは15.6型 4KのIPS液晶で、400cd/平方mの輝度を実現し、Adobe RGBの色域を100%カバーする。

 重量は2.1kgで、11月から欧州で販売開始される予定。価格は2,599ユーロから。

キーボード
左右のポート
4Kディスプレイ
デバイスマネージャーなど

ConceptD 5 Pro/ ConceptD 5

ConceptD 5 Pro

 「ConceptD 5 Pro」は、ConceptD 5のQuadro RTX 3000/T1000を搭載版。CPUは第9世代Coreプロセッサ、16GBメモリ(DDR4、2xSO-DIMMで最大32GB)、ストレージは最大で1TBのNVMe SSDを2つ搭載したRAID 0構成、最大2TBの2.5インチHDDも選択することができる。ディスプレイは15.6型ないしは17.3型の4K IPS液晶で、400cd/平方mの輝度を実現し、Adobe RGB 100%の色域を実現している。

 ConceptD 5のリフレッシュ版も投入され、従来は第8世代Core+Radeon RX Vega M GL(KBL-G)だったCPUとGPUが、第9世代Coreプロセッサ、GeForce RTX 2060/1060 Tiに変更されている。

 いずれも重量は15型2.59kg、17型が2.83kgとなる。ConceptD 5 Proは10月から欧州で販売開始する予定で、2,499ユーロから。リフレッシュされたConceptD 5は9月から販売開始される予定で1,999ユーロから。

左右のポート
キーボード

ConceptD 3 Pro/ ConceptD 3

ConceptD 3 Pro

 「ConceptD 3 Pro」は、ConceptD製品の廉価版製品。無印も用意されている。共通のスペックとしては、ディスプレイが15.6型フルHDで、300cd/平方mの輝度でDCI-P3で100%の色域をカバーする。CPUが第9世代Core、16GBメモリ(DDR4、2xSO-DIMMで最大32GB)、ストレージは最大で1TBのNVMe SSD、最大2TBの2.5インチHDDも選択できる。Pro版はQuadro T1000を、無印版はGeForce GTX 1650/1050を搭載する。重量は2.25kg。

 ConceptD 3 Proは11月から欧州で販売開始される予定で、価格は1,499ユーロから。ConceptD 3は10月から同地域で販売開始予定で、価格は1,119ユーロからとなる。

ConceptD 3 Proの左右のポート
ConceptD 3