1月8日(米国時間)、International CES 2012の開幕を翌々日に控えて、恒例の事前展示会「CES Unveiled」がVenetian Hotelで開催された。
今回のCES Unveiled会場で特に注目されていたジャンルは、デジタルヘルスだろう。特にiOSやAndroidスマートフォンのコンパニオンデバイスとして、有線、無線を問わずにさまざまな形で接続/連携して、日々の健康管理や体調の維確認、フィットネスの手助けなどをする製品が目立つ。同様にこれらの機器の普及を背景にして、ポータブルバッテリ製品の多様化も進んでいる。
これから1月9日(現地時間)のPressDay、そして本会期のスタートによってさらに同一ジャンルの製品の発表が増えてくるものと想像されるが、本稿は写真を中心にCES Unveiledの会場で展示されていた製品の概要を速報する。
●クアッドリコプターAR.Droneが新モデル「AR.Drone 2.0」に進化飛行のデモを行なう「AR.Drone2.0」 |
仏Parrotは、iOSやAndroid端末でコントロールするクアッドリコプター、AR.Droneの新モデル「AR.Drone 2.0」を公開した。現行モデルはやはり同じCES Unveiledを舞台として、2010年に発表されている。当初はコントローラーとして利用できる端末がiOS製品に限られていたが、2011年6月のE3 2011でAndroid端末向けの操縦ソフトウェア、対応ゲーム、SDK等が発表され、現在は2つのプラットホームが利用できるようになっている。
2年ぶりの新モデルとなった「AR.Drone2.0」は、第2四半期中に299ドル(米国内価格・税別)で販売が開始される見込み。製品名がバージョン表記になっているが、ハードウェア自体も新設計で、従来の三軸ジャイロや三軸加速度、2つの超音波高度計などの各種センサーに加えて、新たに圧力センサー(pressure sensor)が追加され、飛行の安定性がさらに向上されているとのこと。操縦ソフトウェアやAR.Droneを使って遊ぶことができるゲームやサードパーティ向けに公開されているAPIを含んだSDKなど、ソフト面も新バージョンとなる。
機能面としては、AR.Drone本体から一人称視点でみることができる内蔵カメラがHD解像度に対応した。最大1,280×720ドットの解像度でAR.Droneからの映像を手元のコントロール端末で見たり、記録したりできるようになる。また、マクロプログラミング的な自動操縦モードがある模様で、掲載動画はオートフライトでホバリングと反転を繰り返す内容になっている。
なおParrot社は今回のCES会期中に、昨年(2011年)夏から募集していた「AR.Drone Challenges」の決勝大会を開催する。参加者は世界中から選ばれた15名で、日本からはフランスと並んで最多の3名が参加する予定。1月12日(現地時間)の午前9時から会場内に設置されるスラロームコースでタイムトライアルによる予選を実施。午後3時に決勝レースと表彰式を行なうとしている。
【動画】AR.Drone2.0の飛行デモ |
「AR.Drone2.0」のパッケージ。本体搭載のカメラから撮影したHD映像をiPadに表示中 | 屋外向けのハルを装備したAR.Drone2.0。先端の搭載カメラはHD解像度(1,280×720)に対応した |
こちらは室内向けのハルを装備した状態。基本的なデザインは従来製品と変わらない | 底面の様子。展示機はまだプロトタイプであることがわかる |
HEX社によるiPadが表示状態で入れられるバッグ | iPhone4/4Sに対応するジャケットに、最大8個までの低電力のセンサータグを紐づけて管理する「bikin」。鍵や鞄、ペットなどに付けて、置き忘れなどを防ぐ仕組み。米国内では1月21日から販売開始の予定 |
iPhoneに対応するセンサーユニット「TINKÉ」。指先から、心拍、呼吸率、血液中の酸素濃度などを測定して記録するウェルネス製品 |
(2012年 1月 10日)
[Reported by 矢作 晃]