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Parrot、スマートフォンやタブレットで操作する小型ドローン2機種
~クアッドコプターが12,800円から
(2014/7/10 16:55)
仏Parrotは10日、1月のInternational CESで披露した「MiniDrones」シリーズの2製品、「Rolling Spider」と「Jumping Sumo」を8月に国内発売することを発表した。価格はそれぞれ12,800円、19,800円。
いずれの製品もモバイル端末で利用可能なアプリ「FreeFlight 3」からリモートで操作を行なう。アプリはiOS向け、Android向けが提供されているほか、10月にはWindowsストア経由でWindows 8.1/Windows Phone 8.1対応版の提供も予定している。開発者向けにはSDKも提供される。
また、両製品とも本体に貼り付けるステッカーを複数枚付属しており、カラーバリエーションとステッカーの組み合わせで、個性を出せることも謳っている。バッテリも共通で550mAhのリチウムイオンポリマーバッテリを採用。交換もできる。
Rolling Spider
「Rolling Spider」は、3軸ジャイロスコープ、3軸加速度センサー、超音波センサー、圧力センサーを内蔵するクアッドコプター。本体色は白、赤、青の3色展開。
ジャイロと加速度センサーで姿勢制御、超音波センサーで飛行高度4m以下の高度制御、圧力センサーで4mを超える高度の制御を行なう。高度は最大20m。下部には垂直の向きにカメラを内蔵し、16msごとの撮影結果を照合しての速度制御も行なわれる。このカメラで撮影された画像を、Micro USB経由で取り出すこともできる。
本体は55gと軽量で、55mm径のプロペラを4枚装備。サイズは140mm四方。10gのホイールも付属し、これを取り付けることで、地上走行や、天井や壁を這うような動きが可能になる。また、“アクロバティック”な動きが可能なことも特徴で、モバイル端末上でスワイプしての宙返りなど自在に向きを変えられる。
さらに、モーターが止まっている時も待機状態に入っており、本体を放り投げると、センサーがそれを検知して自動的にプロペラを動作。空中で安定姿勢を取って、指示を待つ状態に入る。
一方、安全性確保のため、プロペラがなんらかの物と接触した場合は、即座に動作を止める設計にもなっている。
モバイル端末との接続はBluetooth 4.0+LE(Bluetooth Smart)。電波の到達範囲は最大で20m。バッテリによる駆動時間は最大8分。
Jumping Sumo
「Jumping Sumo」は、最高秒速2m(時速7km)で走行でき、最大80cmの垂直ジャンプも可能なロボット。本体色は黒/赤、白/黒/、カーキ/黄色の3色展開。
ジャイロスコープと加速度センサーにより慣性を制御し、機敏な方向転換などが可能な地上走行ロボット。特許取得済みの「スプリングマウントシステム」により最大80cmのジャンプも可能。また、撮影用のカメラが内蔵されており、静止画と動画を撮影することもできる。
タイヤはホイール部分を広げたクルーズモード、縮めたプレシジョンモードへ切り替えでき、前者は高速走行、後者は狭いところをすり抜ける精密な走行をするのに向くという。
モバイル端末とはIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LANで接続。電波の到達範囲は最大50m。アプリからは、あらかじめ走行ルートやジャンプするタイミングなどを「ロードプラン」としてプログラミングしておくこともできる。バッテリ駆動時間は20分。
2製品の日本展開にあたって開催された発表会では、同社JPAC地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターのクリス・ロバーツ氏が、同社の取り組みや製品概要を紹介。
クアッドコプターの「Ar.Drone」シリーズで同社の名前を知る人も多いと思われるが、今回は、もっとエントリー寄りの「おもちゃ(トイ)」という位置付けで、同社にとっては新規参入とも言える市場になるが、「Parrotは技術革新の会社だが、これをおもちゃと繋げようとしてきた。決して新しいものではない」とアピール。
ロバーツ氏は「2005年に創業者(Henri Seydoux氏)に初めて会ったとき、Bluetooth経由で操作する車を見せられた。当時彼は“私はこれを飛ばせるようにする”と言っていた」というエピソードを披露。
2005年当時にはスマートフォンなどはなかったが、その後にiPhoneやスマートフォンが普及したことで、2010年にAr.Drone、2012年にはAr.Drone 2.0をリリースしたと、同社のこれまでの製品展開の背景を紹介した。
なお、今回の2製品は、8月に全世界同時に発売されると言う。