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GeForce RTX 5090カードが速いのは分かった。ではノート向け5090の実力は?

 Blackwellアーキテクチャを採用するNVIDIAの新世代ノートPC向けGPU「GeForce RTX 50 Series Laptops」がいよいよ3月末より順次登場する。

 今回、同シリーズの最上位モデルである「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載するノートPCをテストする機会を得られたので、ベンチマークテストでその実力を確かめてみた。

新世代のノートPC向けGPU「GeForce RTX 50 Series Laptops」

 GeForce RTX 50 Series Laptopsは、Blackwellアーキテクチャを採用するNVIDIAの新世代ノートPC向けGPU。今回テストするGeForce RTX 5090 Laptop GPUは同シリーズ最上位のハイエンドGPUだ。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUのGPUコアでは10,496基のCUDAコアが有効化されており、第4世代RTコアと第5世代Tensorコアを搭載。FP4精度の演算をサポートしたことで1,842のAI TOPS実現した。実際の電力リミットは搭載するノートPCの電源仕様によって異なるが、GPUサブシステム電力は95~150Wと設定されている。

【表1】GeForce RTX 5090 Laptop GPUの主な仕様
GPUGeForce RTX 5090 Laptop GPUGeForce RTX 4090 Laptop GPU
アーキテクチャBlackwellAda Lovelace
AI TOPS1,824 AI TOPS686 AI TOPS
CUDAコア10,496基9,728基
RTコア第4世代76基 (第3世代)
Tensorコア第5世代304基 (第4世代)
メモリ容量24GB GDDR716GB GDDR6
メモリインターフェイス256bit256bit
NVENC3基 (第9世代)2基 (第8世代)
NVDEC2基 (第6世代)1基 (第5世代)
GPUサブシステム電力95~150W80~150W

GeForce RTX 5090 Laptop GPUを搭載ゲーミングノート「Razer Blade 16 (2025)」

 今回は、GeForce RTX 5090 Laptop GPUを搭載するRazerの新作ゲーミングノート「Razer Blade 16 (2025)」をテストする。

 Razer Blade 16 (2025)は、12基のCPUコアを備えるRyzen AI HX 370とGeForce RTX 5090 Laptop GPUを搭載した16型ゲーミングノート。240Hz駆動の16型QHD+(2,560×1,600ドット)ディスプレイを搭載しており、CPUとGPUはPCIe 4.0 x8で接続されている。ACアダプタは専用コネクタを採用したもので容量は280W。

Razerの16型ゲーミングノート「Razer Blade 16 (2025)」
黒を基調としたカラーリングを採用
ハイエンドパーツを搭載しながらも薄型軽量設計を採用
280WのACアダプタが付属
Ryzen AI HX 370のCPU-Z実行画面
GeForce RTX 5090 Laptop GPUのGPU-Z実行画面

比較用ノートPCとテスト環境

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUのテストを行なうにあたり、比較用としてGeForce RTX 4090 Laptop GPUを搭載するゲーミングノート「Razer Blade 16 (2023)」を用意した。

 Razer Blade 16 (2023)は、24コアCPUのCore i9-13950HXとGeForce RTX 4090 Laptop GPUを搭載した16型ゲーミングノートで、Razer Blade 16 (2025)の旧世代モデルだ。

Razerの16型ゲーミングノート「Razer Blade 16 (2025)」
黒を基調としたカラーリングを採用
Ryzen AI HX 370のCPU-Z実行画面
GeForce RTX 5090 Laptop GPUのGPU-Z実行画面

 今回のテスト環境は以下の通り。いずれもACアダプタに接続し、NVIDIA GPUのみを使用する設定でテストを行なった。なお、新旧Razer Blade 16はCPUやメモリなどの仕様も異なるため、GPU以外の要因による差が生じる点に留意して欲しい。

【表2】テスト環境
GPUGeForce RTX 5090 Laptop GPUGeForce RTX 4090 Laptop GPU
VRAM24GB GDDR716GB GDDR6
ノートPCRazer Blade 16 (2025)Razer Blade 16 (2023)
BIOSバージョンv1.05v2.03
CPURyzen AI HX 370 (4C+8c/24T)Core i9-13950HX (8P+16E/32T)
メモリ32GB LPDDR532GB DDR5
システムSSD2TB NVMe SSD (PCIe 4.0 x4)1TB NVMe SSD (PCIe 4.0 x4)
データSSD非搭載1TB NVMe SSD (PCIe 4.0 x4)
GPUドライバGRD 572.76 (32.0.15.7276)GRD 572.83 (32.0.15.7283)
PCIe接続PCIe 4.0 x8PCIe 4.0 x16
Resizable BAR有効有効
電源280W ACアダプタ330W ACアダプタ
OSWindows 11 Home 24H2 (build 26100.3476、VBS有効)Windows 11 Home 24H2 (build 26100.3476、VBS有効)
計測HWiNFO64 Pro v8.22
室温約24℃

ベンチマーク結果

 ここからは、ベンチマークテストの結果を確認していく。今回実施したベンチマークテストは以下の通り。

  • 3DMark
  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
  • STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール
  • サイバーパンク2077
  • ホグワーツ・レガシー
  • フォートナイト
  • オーバーウォッチ 2
  • Forza Horizon 5
  • F1 24
  • Microsoft Flight Simulator 2024
  • モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
  • UL Procyon
  • Blender Benchmark
  • Adobe Camera Raw

3DMark「Speed Way」

 3DMarkのDirectX 12 Ultimateテスト「Speed Way」でGeForce RTX 5090 Laptop GPUが記録したスコアは「6,287」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「5,246」を約20%上回った。

3DMark「Speed Way」

3DMark「Steel Nomad」

 3DMarkのDirectX 12テスト「Steel Nomad」では、GPU負荷の高い通常版Steel Nomadと、より軽量なSteel Nomad Lightを実行した。

 高負荷テストのSteel NomadにおいてGeForce RTX 5090 Laptop GPUが記録したスコアは「5,701」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「4,608」を約24%上回った。

3DMark「Steel Nomad」

 軽量なSteel Nomad LightでGeForce RTX 5090 Laptop GPUが記録したスコアは「24,725」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「20,740」を約19%上回った。

3DMark「Steel Nomad Light」

3DMark「Port Royal」

 3DMarkのDXR(DirectX Raytracing)テスト「Port Royal」でGeForce RTX 5090 Laptop GPUが記録したスコアは「15,726」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「12,557」を約25%上回った。

3DMark「Port Royal」

3DMark「Solar Bay」

 3DMarkの比較的軽量なレイトレーシングテスト「Solar Bay」でGeForce RTX 5090 Laptop GPUが記録したスコアは「103,810」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「92,145」を約13%上回った。

3DMark「Solar Bay」

3DMark「Wild Life」

 3DMarkのVulanテスト「Wild Life」では、通常版のWild Lifeと、高負荷版のWild Life Extremeを実行した。

 GPU負荷の軽い通常版は「105,308」を記録したGeForce RTX 5090 Laptop GPUが、「99,870」を記録したGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約6%上回った。一方、高負荷版では「46,147」を記録したGeForce RTX 5090 Laptop GPUが、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「39,416」を約17%上回った。

3DMark「Wild Life」

3DMark「NVIDIA DLSS feature test」

 DLSS性能を計測する「NVIDIA DLSS feature test」を実行した結果が以下の通り。なお、テストの画面解像度は4K/2160p(3,840×2,160ドット)で、DLSS超解像の設定は「Performance」となっている。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUの「DLSSオフ」時のフレームレートは35fps弱。DLSS 3の超解像とフレーム生成を利用すると約3.9倍の134.61fpsに増加し、DLSS 4ではフレーム生成「2X」で約3.8倍の132.61fps、「3X」なら約5.4倍の184.57fps、「4X」では約6.6倍の229.07fpsにフレームレートが増加した。

 対応するフレーム生成が「2X」までのGeForce RTX 4090 Laptop GPUは、DLSS 3で約3.5倍、DLSS 4では約3.9倍にフレームレートが増加しているが、平均フレームレート自体は「DLSSオフ」で約12%、フレーム生成「2X」で11~26%、それぞれGeForce RTX 5090 Laptop GPUがGeForce RTX 4090 Laptop GPUを上回っている。

3DMark「NVIDIA DLSS feature test」 (DLSSオフ/DLSSオン)

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、描画設定を「最高品質」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pでテストを実行した。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは、フルHD/1080pで約7%、WQHD/1440pで約2%、それぞれGeForce RTX 4090 Laptop GPUを上回った。

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「スコア」
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「平均フレームレート」

STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール

 STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールでは、グラフィックプリセットを最高の「HIGHEST」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pでテストを実行した。

 メインコンテンツのFIGHTING GROUNDでは両GPUとも上限の60fpsを維持できている。一方で、BATTLE HUBとWORLD TOURに関しては上限の120fpsをやや下回っているが、これは主にCPU性能が原因で生じたフレームレートの低下であり、両GPUともフルHD/1080pとWQHD/1440pで誤差程度の差しか生じていない。

STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール「フルHD/1080p」
STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール「WQHD/1440p」

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、フルHD/1080pとWQHD/1440pでDLSSフレーム生成の設定を変更しながらベンチマークモードを実行した。なお、グラフィックプリセットは「レイトレーシング:オーバードライブ」で、DLSS超解像についてはDLSS 4で導入されたTransformerモデルを使用している。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、同条件でテストを実行したGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで8~11%、WQHD/1440pで16~19%上回った。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUにおけるDLSS 4のマルチフレーム生成による効果に注目すると、従来のフレーム生成である「2X」の効果がフレーム生成無効時比で174~186%であったのに対し、「3X」は245~263%、「4X」では310~338%となっている。

サイバーパンク2077「フルHD/1080p」
サイバーパンク2077「WQHD/1440p」

ホグワーツ・レガシー

 ホグワーツ・レガシーでは、フルHD/1080pとWQHD/1440pでDLSSフレーム生成の設定を変更しながら平均フレームレートを計測した。なお、グラフィックプリセットは「最高」で、計測はCPUボトルネックが生じにくい飼育場で実施している。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、同条件でテストを実行したGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで13~25%、WQHD/1440pで25~26%上回った。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUにおけるDLSS 4のマルチフレーム生成による効果に注目すると、「2X」がフレーム生成無効時比で175~196%であったのに対し、「3X」は246~277%、「4X」では309~346%となっている。

ホグワーツ・レガシー「フルHD/1080p」
ホグワーツ・レガシー「WQHD/1440p」

フォートナイト

 フォートナイトでは、グラフィックプリセット「最高」をベースに、超解像とNaniteおよびLumenを無効化したアンチエイリアス「TAA」設定と、NaniteとLumen(ハードウェアレイトレーシング)を有効化してDLSS超解像を行なう設定でフレームレートを計測した。

 Nanite/Lumen無効時のGeForce RTX 5090 Laptop GPUは、GeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約15%、WQHD/1440pで約21%上回った。

フォートナイト│Nanite/Lumen「無効」

 Naniteを有効化してLumenを最高品質に設定した条件下でもGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約12%、WQHD/1440pで約17%上回った。

フォートナイト│Nanite/Lumen「有効」

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、グラフィックプリセットを最高の「エピック」に設定し、フルHD/1080pとWQHD/1440pで平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは600fpsで、グラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、GeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約1%、WQHD/1440pで約26%上回った。

オーバーウォッチ 2

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、グラフィックプリセットを最高の「エクストリーム」に設定し、フルHD/1080pとWQHD/1440pでベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUはGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約9%、WQHD/1440pで約33%上回った。

Forza Horizon 5

F1 24

 F1 24では、グラフィックプリセットを最高の「超高」、DLSS超解像とフレーム生成を有効に設定し、フルHD/1080pとWQHD/1440pでベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUはGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約19%、WQHD/1440pで約24%上回った。

F1 24

Microsoft Flight Simulator 2024

 Microsoft Flight Simulator 2024では、グラフィックプリセットを「ウルトラ」、アンチエイリアスを「DLSS」、フレーム生成を有効に設定し、フルHD/1080pとWQHD/1440pで平均フレームレートを計測した。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUはGeForce RTX 4090 Laptop GPUをフルHD/1080pで約2%、WQHD/1440pで約23%上回った。

Microsoft Flight Simulator 2024

モンスターハンターワイルズ ベンチマーク

 モンスターハンターワイルズ ベンチマークでは、グラフィックプリセットを「ウルトラ」、レイトレーシングを「高」、超解像を「DLSS(クオリティ)」、フレーム生成を「オン」に設定し、フルHD/1080pとWQHD/1440pでテストを実行した。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは、フルHD/1080pで約11%、WQHD/1440pで約18%、いずれもGeForce RTX 4090 Laptop GPUを上回った。

モンスターハンターワイルズ ベンチマーク「スコア」
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク「平均フレームレート」

UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」

 UL Procyonの「AI Computer Vision Benchmark」では、Windows MLとTensorRTでfloat16とIntegerのスコアを計測した。

 float16ではWindows MLで約23%、TensorRTで約13%、それぞれGeForce RTX 5090 Laptop GPUがGeForce RTX 4090 Laptop GPUを上回った。

 一方、IntegerでもWindows MLで約21%、TensorRTで約17%、それぞれGeForce RTX 5090 Laptop GPUがGeForce RTX 4090 Laptop GPUを上回った。

UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5」

 画像生成AIでのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」で、512×512ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion 1.5 (FP16)」を実行した結果が以下のグラフ。

 ONNX Runtimeで実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは「1,923」で、「1,799」のGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約7%上回った。

 TensorRTで実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは「2,837」で、「2,601」のGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約9%上回った。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5 (FP16)」│スコア
UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5 (FP16)」│生成時間

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion XL」

 画像生成AIでのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」で、1,024×1,024ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion XL (FP16)」を実行した結果が以下のグラフ。

 ONNX Runtimeで実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは「1,692」で、「1,578」のGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約7%上回った。

 TensorRTで実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのスコアは「2,420」で、「2,208」のGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約10%上回った。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion XL (FP16)」│スコア
UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion XL (FP16)」│生成時間

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - FLUX.1」

 NVIDIA提供のUL Procyon「AI Image Generation Benchmark - FLUX.1」では、TensorRTを利用して画像生成AI「FLUX.1」を実行し、FP8またはFP4での画像生成性能を計測できる。

 FP8で実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUの画像1枚あたりの生成時間は「17.058秒」で、「23.968秒」を要したGeForce RTX 4090 Laptop GPUを約41%上回る生成速度を記録した。

 GeForce RTX 50シリーズが新たにネイティブ対応したFP4で実行した場合、GeForce RTX 5090 Laptop GPUの画像1枚あたりの生成時間は「10.100秒」で、「48.630秒」を要したGeForce RTX 4090 Laptop GPUの約4.8倍もの生成速度を記録した。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark」│FLUX.1

UL Procyon「AI Text Generation Benchmark」

 UL Procyonの「AI Text Generation Benchmark」は、LLMを用いたテキスト生成のパフォーマンスを計測するテスト。テストする言語モデルはPHI 3.5、MISTRAL 7B、LLAMA 3.1、LLAMA 2。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、GeForce RTX 4090 Laptop GPUのスコアをPHI 3.5で約11%、MISTRAL 7Bで約17%、LLAMA 3.1で約19%、LLAMA 2で約25%上回った。

UL Procyon「AI Text Generation Benchmark」│ONNX Runtime

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

 UL Procyonの「Photo Editing Benchmark」は、Adobeの画像編集ソフト「Photoshop」と「Lightroom Classic」でのパフォーマンスを計測するテスト。このテストではGPU以外にもCPUなどの性能が大きく影響する点に留意して欲しい。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、GeForce RTX 4090 Laptop GPUを総合スコアで約15%、レタッチで約24%、バッチ処理で約7%上回った。

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

Blender Benchmark

 3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトであるBlender Benchmarkでは、3つのシーンのレンダリング速度を計測した。テストに使用したBlenderのバージョンはv4.4.0。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、GeForce RTX 4090 Laptop GPUのレンダリング速度をmonsterで約18%、junkshopで約22%、classroomで約18%上回った。

Blender Benchmark

Adobe Camera Raw「AIノイズ除去」

 Adobe Camera Rawで、2,400万画素のRAWファイル20枚にAIノイズ除去を実行したさいの処理速度を比較した結果が以下のグラフ。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUの1分あたりの処理枚数は「13.86枚」で、GeForce RTX 4090 Laptop GPUの「11.27枚」を約23%上回った。

Adobe Camera Raw「AIノイズ除去」

負荷テスト実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトのHWiNFO64 Proを使用して、3DMarkのSteel Nomad Stress Test実行中のモニタリングデータを取得した結果が以下のグラフ。

 テスト中のGeForce RTX 5090 Laptop GPUは、平均157.6W(最大160.0W)を消費しながら動作しており、この時のGPU温度は平均76.1℃(最大78.9℃)、VRAM温度は平均70.5℃(最大74.0℃)で、GPUクロックは平均1,864MHz(最大1,965MHz)、VRAMクロックは平均1,835MHz(最大2,334MHz)だった。

 推移グラフでの挙動を確認してみると、負荷テスト実行中のGeForce RTX 5090 Laptop GPUは電力リミットによるスロットリングが生じている状態であることが分かる。また、Razer Blade 16 (2025)の冷却システムが発熱を十分に処理できているため、GPUやVRAMのクロックは終始安定している。

GPU/VRAM温度 (平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
消費電力 (平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
動作クロック (平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
GeForce RTX 5090 Laptop GPU (24GB)のモニタリングデータ
GeForce RTX 4090 Laptop GPU (16GB)のモニタリングデータ

新機能に加えて地力も高いGeForce RTX 5090 Laptop GPU

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、DLSS 4のマルチフレーム生成やFP4精度のAI演算性能で従来モデルのGeForce RTX 4090 Laptop GPUに大差をつけただけでなく、GPU負荷の高い条件になるほど大きな差をつける傾向がみられており、新世代最上位GPUの地力の高さを感じることができた。

 また、今回のテストでは16GBのVRAMを備えるGeForce RTX 4090 Laptop GPUが比較対象であったため目立たなかったが、24GBという大容量VRAMを備えている点に関しては、ゲーマーのみならずクリエイティブやAIでの利用を望むユーザーにとっても魅力的なものだろう。

 GeForce RTX 5090 Laptop GPUを搭載するノートPCの発売解禁は3月31日とされており、以降はGeForce RTX 50 Series Laptopsの下位モデルを搭載した製品も順次発売される。ノートPCにゲームやクリエイティブでのパフォーマンスを求めているなら、今春発売のノートPCは要チェックだ。

RTX 5090 Laptopの超性能をライブ配信で体感せよ【3月28日(金)21時より】

 ノートPCのゲームとAI性能を新たな次元へと引き揚げるGeForce RTX 5090 Laptopをライブ配信で“KTU”加藤勝明さんが解説します。

 デスクトップ版との仕様の違いの説明から、ベンチマーク結果、実動デモを交えつつお届けする予定です。MCは“改造バカ”高橋敏也さん。