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とにかく小さいマウスを集めてみた。持ち歩きや狭い机で重宝すること間違いなし
2025年3月28日 06:06
ノートPCにはタッチパッドがあるとはいえ、やはり使うと便利なのがマウスだ。たとえ狭いテーブルであっても、マウスが使えるスペースが確保できれば、それだけ作業ははかどる。
とはいえマウスをノートPCとともに持ち歩くとなると、一般的なサイズだとかさばってしまう。つまり小型であることが望ましいだけだが、操作性が損なわれるようでは、マウスをわざわざ持ち歩く意味がない。
また、持ち歩いて使うのが前提でなくとも、デスク上の作業スペースが狭いことから、マウスはなるべく小さいほうがよいと考える人もいるだろう。いずれの場合も、サイズと操作性の折り合いをどうつけているかが、ユーザーにとっては重要なポイントとなる。
今回は、こうした小型化もしくは薄型化に注力した、コンパクトタイプのミニマウスをピックアップして紹介する。
コンパクトタイプのミニマウスの2つの“流派”とは?
コンパクトタイプのミニマウスは、かつてはポインタが動かせて左右クリックができるだけという、機能に乏しい製品も少なくなかったが、現在はほぼデスクトップ用のマウスと変わらない機能を備えた製品が主流だ。
マウスの小型化、特に薄型化にあたってネックになるのはホイールだ。というのもホイールを搭載するには、マウス自体にある程度の高さが必要になるからだ。仮にホイールの直径が25mmあったとすれば、それを組み込むマウスの高さは必ず25mm以上なければ、ホイールが地について回転させられないからだ。
なかには薄型化を優先し、ホイールの代わりにタッチパッドによる上下スクロール機構を組み込んだ製品も存在するが、操作性はどうしてもホイールとは異なる。そもそも上下スクロールをタッチパッドで行なうのならば、ノートPCに搭載されているタッチパッドを使うのと大差なく、わざわざマウスを持ち歩く意義が薄れてしまうのが難しいところだ。
そのため現行のコンパクトマウスやミニマウスなどと呼ばれる製品には、ホイールを含む伝統的なマウスの形状そのままで70~80%程度にダウンサイジングした製品と、ホイールの代わりにタッチパッドを搭載するなど、独自の工夫で小型化・薄型化を成し遂げた製品と、大きく2つの流派が存在している。
このうち前者については、通常サイズのマウスと機能は変わらないことから、わざわざ記事として紹介する意義は薄い。本稿では主に後者について、アプローチが特にユニークな製品を5つチョイスして紹介する(実売価格はAmazonにおける掲載時のもの)。
ボディ部がない“ボタンだけ”マウス
MEETS TRADING「Finger Barrel Mouse i2」
実売価格 : 6,800円前後●解像度 : 1,200~3,200dpi●ボタン数 : 3●バッテリ : 内蔵リチウムイオン電池●本体サイズ : 30×39×75mm●重量 : 約38.5g●接続方式: 2.4GHz無線(USBレシーバ)、Bluetooth
まず紹介するのは「Finger Barrel Mouse i2」だ。マウスの左右ボタン部だけを独立させたかのような形状で、ボディ後部にあたる部分が存在しないという、奇抜な外見が最大の特徴だ。
マウスの持ち方は人それぞれだが、多くの割合を占めるのが、つまみ持ちと呼ばれる、マウスの先端付近を左右から挟むようにして持ち、手のひらは浮かせた状態で操作する持ち方だ。この場合、マウスのボディ後部はあってもなくてもあまり意味がないため、そうした持ち方をするユーザーにとっては、本製品は通常のマウスと変わらぬ操作性で使えてしまう。あまりに違和感がないため驚くほどだ。
最大の利点は省スペース性だ。持ち歩き時に邪魔にならないのはもちろんのこと、ノートPCのリストレスト部ほどのスペースがあれば、十分に操作できてしまう。外出先で膝の上で操作したり、果てにはポケットに中に入れたまま操作することもできてしまう。
接続方式はBluetoothとUSBレシーバの両対応で、Bluetoothはマルチペアリングには非対応。カウント数は4段階での切り替えに対応している。筆者が確認した限りではヨドバシカメラの一部店舗では展示機が出ているので、その持ちやすさを体感したい人は足を運んでみることをおすすめする。
とにかく小型化・薄型化に注力
サンワサプライ「400-MAWB216」
実売価格 : 3,980円前後●解像度 : 1,000~2,400cpi●ボタン数 : 3●バッテリ : 内蔵リチウムイオン電池●本体サイズ : 43×36×8.8mm(シリコンカバーなし)●重量 : 約15g(シリコンカバーなし)●接続方式: 2.4GHz無線(USBレシーバ)、Bluetooth 5.2
サンワサプライの「400-MAWB216」は、全長3.6cm、厚み0.9cmという超小型かつ超薄型のボディを特徴とする製品だ。コンパクトなことから可搬性に優れており、バッグの中に入れたままでも邪魔にならないのは利点だ。
ボディが極小であることから操作性は一般的なマウスとはやや異なり、なかでもホイールに代わって搭載されている独自機構「マジックホイール」になじめるかどうかが1つのポイントになる。なおホイールクリックは、左右ボタンの同時押しか、もしくは左右どちらかのボタンと中央のMボタンの同時押しで代替が可能だ。
接続はBluetooth/2.4GHzの両対応で、Bluetoothはマルチペアリングにも対応するため、最大3台のデバイスと切り替えて利用できる。このほかカウント数も3段階で切り替えられるなど、小型ながら機能は充実している。
2.4GHz帯レシーバの収納を兼ねた同梱のシリコンカバーにはめ込めば、ひとまわり大きいサイズで使用できるので、小さすぎて違和感がある場合はそうした奥の手も使える。とにかく狭いスペースで使えること、かつ薄さを重視するユーザー向けの製品だ。
ホイール搭載ながらボディはフラット
ユニーク「Rapoo M600mini」
実売価格 : 2,500円前後●解像度 : 1,300dpi●ボタン数 : 3●バッテリ : 単4形乾電池1本●本体サイズ : 73×46×22mm●重量 : 約37.4g●接続方式: Bluetooth 3.0、2.4GHz無線(USBレシーバ)
前述の2製品ほど小さくなくて構わない、むしろ普段使っているマウスと併用するにあたって違和感が少ないほうがよいというのであれば、Rapooの「M600mini」はその候補となる製品だ。
本製品の特徴は薄型ボディでありながら、ホイールなどの機能が省略されていないことだ。形状自体は一般的なマウスと変わらないので使い勝手は変わらず、かつボディは平らなことからバッグへの収納性も優れている。それでいてUSBレシーバはきちんと本体に収納できる点もプラスだ。
また前述の「400-MAWB216」と同じくBluetoothはマルチペアリングに対応しており、2.4GHzと合わせて最大3台のデバイスと切り替えて利用できる。今回紹介しているほかの4製品が充電式であるのと異なり、本製品は電池(単四電池)で駆動するので、スペアの電池さえ用意しておけば、出先でのバッテリ切れにもすばやく対応できる。
3色で展開されていたカラーバリエーションの一部はすでに終息しており、現行のラインナップは今回の写真にあるブラック(M600miniBK)のみということで、入手したい人は急いだほうがよさそうだ。
ペンのように胸ポケットに挿せる
エレコム「CAPCLIP PRO」
実売価格 : 4,100円前後●解像度 : 1,600cpi●ボタン数 : 4●バッテリ : 内蔵リチウムイオン電池●本体サイズ : 43×102×34.2mm●重量 : 約48g●接続方式: Bluetooth 5.0
エレコムの「CAPCLIP PRO」は、外したキャップをボディ後部に挿して使う、ペンのような構造を備えたBluetoothマウスだ。2代目となる現行バージョンでは胸ポケットに挟めるクリップなどのギミックは踏襲しつつ、筒状だったボディの形状をマウスらしく改め、より使いやすくなっている。
幅こそスリムだが、ボタン配置は一般的なマウスそのもので、なおかつ外したキャップをマウス本体にはめ込むとある程度の全長になるので、併用するにも違和感は少ない。スティックタイプという形状を生かしてバッグの隙間に滑り込ませたり、ポケットに挿すのも容易で、可搬性を求める人にもおすすめできる。
また今回紹介している中では唯一チルトホイールにも対応しているほか、その手前にもう1つ「戻る」ボタンを搭載するなど、一般的なホイールを含む3ボタンでは機能的に物足りない人にも適している。ドライバソフトも提供されており、自由に割り当てが行なえるのも利点だ。なおカウント数は1,600で固定となっている。
今回紹介している中では唯一、輸送時にホイール部が覆われる構造になっているのも、故障なく使い続けるために優れたポイント。ちなみにこちらもカラーバリエーションのうちレッドとホワイトはすでに終息しており、現行モデルはブラック(M-CCP1BBBK)のみとなっている。
つまむと立体になる究極の薄型マウス
myAir.0「OriMouse」
実売価格 : 11,800円前後●解像度 : 最大4,000cpi●ボタン数 : 3●バッテリ : 内蔵リチウムイオン電池●本体サイズ : 72×115×42mm●重量 : 38g●接続方式: Bluetooth 5.2
「OriMouse(オリマウス)」は、展開時はわずか5mmという薄型ながら、使用する時はつまむだけで立体形状へと変形させられる究極の薄型マウスだ。立体形状では一般的なマウスとほぼ同じフォルムなので、マウスに手のひらをしっかり載せて操作したいユーザーに適している。
ホイールは搭載せず、代わりにタッチパッドを搭載するほか、その手前に配置されたボタンを併用することでホイールクリック相当の操作が行なえる。このあたりのギミックに慣れられるかが、1つのポイントとなるだろう。ちなみにセンサー部は底面の先端付近に搭載されており、ここだけは展開時も厚みがある。
超薄型設計ながら本体にはバッテリが内蔵されており、1回の充電で最大3カ月利用できるほか、1分の充電で3時間利用できる機能も備えるので、万一のバッテリ切れの場合も対応は容易だ。なお展開状態では電源は自動的にオフになるなど、電源の切り忘れが発生しない合理的なギミックを採用している。
今回紹介している中では実売価格が唯一1万円を超えるが、販売サイトによっては定期的に割引クーポンも出ているようなので、それらを用いればもう少し割安で入手できる。カラーおよび表面素材の異なる複数のバリエーションから選べるのも魅力の1つだ。