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プラス10ドルでメモリ帯域が1.75倍になった「GeForce GTX 1660 SUPER」
~Radeon RX 5500と対等のGeForce GTX 1650 SUPERも
2019年10月29日 22:00
NVIDIAは29日(現地時間)、ミドルレンジ向けの新GPU「GeForce GTX 1660 SUPER」および「GeForce GTX 1650 SUPER」を発表した。前者は即日発売で229ドル、後者は11月22日発売で価格は未定。
GeForce GTX 1660 SUPER
1660 SUPERは、既存の1660(無印)と1660 Tiのあいだのモデルとして位置づけられており、1660(無印)より10ドル高いが、メモリが8GbpsのGDDR5から14GbpsのGDDR6となり、メモリバンド幅が1.75倍の336GB/sとなったことで性能が改善する。なお、このメモリ速度は1660 Tiをも上回る。容量は6GBで据え置きだ。
NVIDIAが示した性能比較では、従来のGeForce GTX 1060から乗り換えることで最大1.5倍の性能向上が見込めるとしている。
GPUとしての仕様は、CUDAコア数が1,408基、ベースクロックが1,530MHz、Boostクロックが1,785MHz、テクスチャユニットが88基などとなっており、下位のGeForce GTX 1660と同じ。半導体としてはTU116を採用しており、プロセスルールは12nm FFN、トランジスタ数は66億、ダイサイズは284平方mmとなっている。
TGP(Total Graphics Power)は125Wと5Wほど上昇しているが、わずかプラス10ドルの追加投資で1660 Tiをも上回るメモリ帯域が入手できることから、GeForce GTX 1060からの乗り換えで人気を集めそうだ。
NVIDIAによれば、この1~2年のあいだにリリースされた新ゲームタイトルでは、Turingの整数演算と浮動小数点演算を同時に実行できるパイプラインのメリットを活かせるため、GTX 1060を購入していたメインストリームユーザーの乗り換えに好適としている。
GPU | GeForce GTX 1660 SUPER | GeForce GTX 1660 | GeForce GTX 1060 |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 1,408 | 1,280 | |
ベースクロック | 1,530MHz | 1,506MHz | |
Boostクロック | 1,785MHz | 1,708MHz | |
浮動小数点演算速度 | 5TFLOPS FP32+5TOPS INT32 | 4.4TFLOPS | |
テクスチャユニット | 88 | 80 | |
テクセルフィルレート | 157.1Gigatexels/s | 120.5Gigatexels/s | |
メモリ | 6GB GDDR6 | 6GB GDDR5 | |
メモリ速度 | 14Gbps | 8Gbps | |
メモリバス幅 | 192bit | ||
メモリ帯域 | 336GB/s | 192.1GB/s | |
最大L1キャッシュ | 1,408KB | 480KB | |
TGP | 125W | 120W | |
トランジスタ数 | 66億 | 44億 | |
ダイサイズ | 284平方mm | 200平方mm | |
プロセスルール | 12nm FFN | 16nm |
GeForce GTX 1650 SUPER
1650 SUPERは、既存の1650の上位にあたるモデル。メモリバス幅は128bitで変更はないが、8GbpsのGDDR5から12GbpsのGDDR6に変わり、メモリ帯域が128GB/sから192GB/sへと向上し性能が改善。GeForce GTX 1050 Tiからの乗り換えで最大2倍の性能を実現する。こちらはRadeon RX 5500を意識したものと言えるだろう。
そのほかの仕様は、CUDAコア数が1,280基、ベースクロックが1,530MHz、Boostクロックが1,725MHz、テクスチャユニットが80基、TGPは100Wなどとなっている。半導体としてはGeForce GTX 1660 SUPERと同じTU116。
GPU | GeForce GTX 1650 SUPER | GeForce GTX 1650 | GeForce GTX 1050 Ti | Radeon RX 5500 |
---|---|---|---|---|
CUDAコア数 | 1,280 | 896 | 768 | 1,408 |
ベースクロック | 1,530MHz | 1,485MHz | 1,290MHz | 1,717MHz |
Boostクロック | 1,725MHz | 1,665MHz | 1,392MHz | 1,845MHz |
浮動小数点演算速度 | 5TFLOPS FP32+5TOPS INT32 | 3TFLOPS FP32+3TOPS INT32 | 2.1TFLOPS | 5.2TFLOPS |
テクスチャユニット | 80 | 64 | 48 | ? |
テクセルフィルレート | 138Gigatexels/s | 89.2Gigatexcels/s | 61.9Gigatexels/s | ? |
メモリ | 4GB GDDR6 | 4GB GDDR5 | 4/8GB GDDR6 | |
メモリ速度 | 12Gbps | 8Gbps | 7Gbps | 14Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | |||
メモリ帯域 | 192GB/s | 128GB/s | 112GB/s | 224GB/s |
TGP | 100W | 75W | 150W | |
トランジスタ数 | 66億 | 47億 | 33億 | 64億 |
ダイサイズ | 284平方mm | 200平方mm | 132平方mm | 158平方mm |
プロセスルール | 12nm FFN | 14nm FFN | 7nm |
ドライバの改善など
GeForce GTX 1660 SUPERの投入に合わせ、ドライバの機能向上も図られている。
1つはサードパーティーのレンダリングポストプロセスフィルタ「ReShade」が、GeForce Experienceのオーバーレイ機能(Alt+F2のAnselもしくはAlt+F3のFreeStyle)から適用可能になった点。これにより、対応タイトルでアーティスティックなスクリーンショット作品の撮影などが可能になった。
もう1つはゲーム画面の鮮鋭化(Image Sharpening)機能が、GeForce Experienceからのみならず、NVIDIAコントロールパネル上からも設定可能になった点。これにより、Ansel/FreeStyle非対応であっても、DirectX 9/11/12すべてのゲームで同機能が利用可能になった。同時に、この機能をオンにしたときの性能低下も抑えられたという。
最後の1つが、レンダリングキューの数を制限することでレイテンシを抑える「NVIDIA Ultra Low Latency」(NULL)モードが、G-Syncに対応した点。これによりテアリングの発生を抑えながらNULLが使えるようになった。