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プラス10ドルでメモリ帯域が1.75倍になった「GeForce GTX 1660 SUPER」

~Radeon RX 5500と対等のGeForce GTX 1650 SUPERも

GeForce GTX 1660 SUPER

 NVIDIAは29日(現地時間)、ミドルレンジ向けの新GPU「GeForce GTX 1660 SUPER」および「GeForce GTX 1650 SUPER」を発表した。前者は即日発売で229ドル、後者は11月22日発売で価格は未定。

GeForce GTX 1660 SUPER

 1660 SUPERは、既存の1660(無印)と1660 Tiのあいだのモデルとして位置づけられており、1660(無印)より10ドル高いが、メモリが8GbpsのGDDR5から14GbpsのGDDR6となり、メモリバンド幅が1.75倍の336GB/sとなったことで性能が改善する。なお、このメモリ速度は1660 Tiをも上回る。容量は6GBで据え置きだ。

 NVIDIAが示した性能比較では、従来のGeForce GTX 1060から乗り換えることで最大1.5倍の性能向上が見込めるとしている。

 GPUとしての仕様は、CUDAコア数が1,408基、ベースクロックが1,530MHz、Boostクロックが1,785MHz、テクスチャユニットが88基などとなっており、下位のGeForce GTX 1660と同じ。半導体としてはTU116を採用しており、プロセスルールは12nm FFN、トランジスタ数は66億、ダイサイズは284平方mmとなっている。

 TGP(Total Graphics Power)は125Wと5Wほど上昇しているが、わずかプラス10ドルの追加投資で1660 Tiをも上回るメモリ帯域が入手できることから、GeForce GTX 1060からの乗り換えで人気を集めそうだ。

 NVIDIAによれば、この1~2年のあいだにリリースされた新ゲームタイトルでは、Turingの整数演算と浮動小数点演算を同時に実行できるパイプラインのメリットを活かせるため、GTX 1060を購入していたメインストリームユーザーの乗り換えに好適としている。

GPUGeForce GTX 1660 SUPERGeForce GTX 1660GeForce GTX 1060
CUDAコア数1,4081,280
ベースクロック1,530MHz1,506MHz
Boostクロック1,785MHz1,708MHz
浮動小数点演算速度5TFLOPS FP32+5TOPS INT324.4TFLOPS
テクスチャユニット8880
テクセルフィルレート157.1Gigatexels/s120.5Gigatexels/s
メモリ6GB GDDR66GB GDDR5
メモリ速度14Gbps8Gbps
メモリバス幅192bit
メモリ帯域336GB/s192.1GB/s
最大L1キャッシュ1,408KB480KB
TGP125W120W
トランジスタ数66億44億
ダイサイズ284平方mm200平方mm
プロセスルール12nm FFN16nm
Inno3D製品のパッケージ
2スロット占有仕様
ディスプレイ出力はDisplayPort×3、HDMI×1
メモリはMicronの「MT61K256M32JE-14」。データレートは14Gbpsだ。

GeForce GTX 1650 SUPER

 1650 SUPERは、既存の1650の上位にあたるモデル。メモリバス幅は128bitで変更はないが、8GbpsのGDDR5から12GbpsのGDDR6に変わり、メモリ帯域が128GB/sから192GB/sへと向上し性能が改善。GeForce GTX 1050 Tiからの乗り換えで最大2倍の性能を実現する。こちらはRadeon RX 5500を意識したものと言えるだろう。

 そのほかの仕様は、CUDAコア数が1,280基、ベースクロックが1,530MHz、Boostクロックが1,725MHz、テクスチャユニットが80基、TGPは100Wなどとなっている。半導体としてはGeForce GTX 1660 SUPERと同じTU116。

GPUGeForce GTX 1650 SUPERGeForce GTX 1650GeForce GTX 1050 TiRadeon RX 5500
CUDAコア数1,2808967681,408
ベースクロック1,530MHz1,485MHz1,290MHz1,717MHz
Boostクロック1,725MHz1,665MHz1,392MHz1,845MHz
浮動小数点演算速度5TFLOPS FP32+5TOPS INT323TFLOPS FP32+3TOPS INT322.1TFLOPS5.2TFLOPS
テクスチャユニット806448?
テクセルフィルレート138Gigatexels/s89.2Gigatexcels/s61.9Gigatexels/s?
メモリ4GB GDDR64GB GDDR54/8GB GDDR6
メモリ速度12Gbps8Gbps7Gbps14Gbps
メモリバス幅128bit
メモリ帯域192GB/s128GB/s112GB/s224GB/s
TGP100W75W150W
トランジスタ数66億47億33億64億
ダイサイズ284平方mm200平方mm132平方mm158平方mm
プロセスルール12nm FFN14nm FFN7nm

ドライバの改善など

 GeForce GTX 1660 SUPERの投入に合わせ、ドライバの機能向上も図られている。

 1つはサードパーティーのレンダリングポストプロセスフィルタ「ReShade」が、GeForce Experienceのオーバーレイ機能(Alt+F2のAnselもしくはAlt+F3のFreeStyle)から適用可能になった点。これにより、対応タイトルでアーティスティックなスクリーンショット作品の撮影などが可能になった。

 もう1つはゲーム画面の鮮鋭化(Image Sharpening)機能が、GeForce Experienceからのみならず、NVIDIAコントロールパネル上からも設定可能になった点。これにより、Ansel/FreeStyle非対応であっても、DirectX 9/11/12すべてのゲームで同機能が利用可能になった。同時に、この機能をオンにしたときの性能低下も抑えられたという。

 最後の1つが、レンダリングキューの数を制限することでレイテンシを抑える「NVIDIA Ultra Low Latency」(NULL)モードが、G-Syncに対応した点。これによりテアリングの発生を抑えながらNULLが使えるようになった。