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NVIDIA、279ドルからのTuring GPU「GeForce GTX 1660 Ti」
~GTX 1070並の性能
2019年2月22日 23:00
米NVIDIAは22日(現地時間)、Turingアーキテクチャを採用しながら279ドルというミドルレンジスイートスポット価格を狙ったGPU「GeForce GTX 1660 Ti」を発表した。推奨小売価格は279ドルから。
日本国内で言えば3万円台のスイートスポットを狙ったモデル。上位のGeForce RTX 20シリーズと同様に、整数演算と浮動小数点演算が同時に行なえるというTuringアーキテクチャの特徴を維持しつつ、リアルタイムレイトレーシングを行なうRTコアと、深層学習を高速化するTensorコアを省いて低価格化した。
ミドルレンジに向けたコア「TU116」を新規開発し、GTX 1660 Tiではこれを採用している。CUDAコア数は1,536基、テクスチャユニットは96基、ROPユニットは48基、ベースクロックは1,500MHz、Boostクロックは1,770MHzなどとなっている。製造プロセスは12nm FFN、トランジスタ数は66億、TDPは120Wとされている。
先述のとおり、Turingでは整数演算と浮動小数点演算を同時に行なえる。これは近年のゲームのシェーダー処理に特化したものだとしており、一例として「Shadow of the Tomb Raider」では100個の演算命令のうち、平均62個が浮動小数点、38個が整数演算となっている。従来のPascalではこれらの処理を順次行なうしかなかったが、Turingでは浮動小数点と整数演算が同時処理できるため、性能が約1.5倍向上するという。
また、同じシーン内でも、動きやコンテンツに応じてシェーディング周期を高めたり低めたりすることで負荷を下げるVariable Rate Shadingをサポート。これらを活用したゲーム「Wolfenstein II: The New Colossus」ではGTX 1060と比較して約1.5倍の性能を発揮するとしている、
L1キャッシュも新たに最適化を施し、Pascalと比較してTPCあたりのヒットバンド幅は4倍となった。構成も変更可能で、合計64KBサイズとしてSMあたり32KBのシェアードメモリとしてアロケーションすることも、32KBサイズで64KBのシェアードメモリとしてアロケーションすることも可能。「Call of Duty Black Ops 4」ではこのキャッシュメモリアーキテクチャにより、GTX 1060比で50%の性能向上が図られる。
メモリはGDDR6となった。バス幅はGTX 1060と同じ192bitだが、転送速度が12Gbpsへと高速化したことで、バンド幅は288.1GB/sと50%以上高速化された。
これらの技術の総合より、この1~2年のあいだにリリースされた新しいゲームにおいて、GTX 1060の1.3~1.5倍の性能を見込めるとしている。ただ、GeForce GTX 1660 Tiがターゲットとしているゲーム解像度はフルHDもしくはWQHDがメインであり、4Kに関しては引き続きハイエンドが担うとしている。
また、同社が集計した現在のGeForceインストールベースによると、約3分の2のユーザーがいまだGeForce GTX 960以下の性能のGPUを利用しており、GTX 960からの買い替えでは2倍以上の性能向上が見込めるとしている。