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AMD、エントリー向けでRX 480を超える性能の「Radeon RX 5500」

Radeon RX 5500搭載ビデオカードのイメージ

 米AMDは7日(現地時間)、エントリー向けのRDNAアーキテクチャ採用GPU「Radeon RX 5500」シリーズを発表した。提供開始は2019年第4四半期中を予定している。

 1080p解像度におけるゲームプレイに注力したモデル。最新のAAAタイトルで60fps以上、eスポーツタイトルで90fpsのフレームレートを実現できるとしている。上位のRadeon RX 5700がストリーミングプロセッサ2,304基であったのに対し、約6割の1,408基に抑え、PCI Expressレーン数もx16からx8とすることで低価格化を図った。

 性能は旧メインストリーム向けのRadeon RX 480より20%高く、消費電力は27%低い。ダイサイズあたりの性能を比較すると1.7倍に達する。TBP(Total Board Power)は150W。

Radeon RX 5500のチップ

 その一方で、最新のRDNAアーキテクチャ、最先端の7nmプロセス、2倍のバンド幅を実現するGDDR6メモリ、PCI Express 4.0への対応、最新のハードウェアビデオデコーダ/エンコーダといった上位譲りの機能を継承する。また、オープンソースでゲーム画面の画質を改善するFidelityFXへの対応、FreeSyncのサポートも謳われている。

 このほかの仕様は、トランジスタ数が64億、ゲームクロックが最大1,717MHz、Boostクロックが最大1,845MHz、演算性能が最大5.2TFLOPS。メモリは最大8GBまでをサポートし、バス幅は128bit、メモリ速度は14Gbps。

 製品の価格は明らかにされていないが、製品紹介のなかでは競合のGeForce GTX 1650を挙げ、それより高性能を実現するとしていることから、149ドルスタートになる可能性は高い。

 同時に、モバイル向けの「Radeon RX 5500M」も発表。こちらはゲームクロックを最大1,448MHz、ブーストクロックを最大1,645MHzに抑えることで消費電力を低下させ、モバイル製品に好適とした。TGP(ターゲット消費電力)は85Wとしている(変更可能)。

 このRadeon RX 5500M搭載製品として、MSIの「Alpha 15」が10月末に登場予定。CPUにRyzen 7 3750Hを搭載し、ディスプレイにFreeSync対応の1080p/144Hz IPS液晶を備える。

【表】Radeon仕様比較
GPURX 5500RX 5700RX 480
Compute Unit数223636
Stream Processor数1,4082,3042,304
単精度浮動小数点性能5.2TFLOPS7.95TFLOPS5.8TFLOPS
ゲームクロック1,717MHz1,625MHz-
ブーストクロック1,845MHz1,725MHz1,266MHz
メモリ種類GDDR6GDDR5
メモリ容量4/8GB8GB4/8GB
バス幅128bit256bit
メモリクロック14Gbps7Gbps
バンド幅224GB/s448GB/s224GB/s
PCI Express4.0 x84.0 x163.0 x16
消費電力150W(Total Board Power)180W(Typical Board Power)150W(Typical Board Power)
Radeon RX 5500のチップ
電力性能比およびダイ面積あたりの性能比の向上
Radeon RX 5500のそのほかの特徴
多くのタイトルでGeForce GTX 1650を超える性能
MSIのRadeon RX 5500M搭載ノート、Alpha 15