特集

今買いの“1kg切り”超軽量ノートPCを一斉比較【2019年春版】

結果発表

第1位「VAIO SX14(VJS14190311B)」

第2位「富士通 LIFEBOOK UH-X/C3」

第3位「dynabook G7(P1G7JPBL)」

総括

ライター笠原一輝

 今回の製品を見ていると、今の1kg以下のノートPCは大きく2つに分かれていると思う。1つはレッツノートシリーズのように、弁当箱形状で、従来型のインターフェイス類がフルに用意されているタイプ。もう1つは薄型/軽量というここ数年のトレンドを反映した製品で、重量が800~900g前後のものというタイプだ。今回取り上げたなかではレッツノート以外はこちらに該当すると思う。

 レッツノートシリーズのような弁当箱形状の弱点は、今のトレンドからすればやや厚ぼったく古くさく見えてしまうことだが、逆に従来型のノートPCに慣れ親しんでいるユーザーにとっては以前と変わらないインターフェイスと、以前と変わらない形状は安心できることがメリットと言えるだろう。継続は力なりで、以前と同じ使い方を現在のテクノロジでと考えているユーザーにとってはうれしい選択肢だ。

 薄型/軽量の製品に関しては、現在グローバルなトレンドになっていることもあり、デザインも今風であることが大きな特徴と言える。かつ製品によってはインターフェイスも充実しており、今風のデザインでかつ従来のノートPCとしても使えるというところが大きなポイントになっている。

 なお、LGのgramについては特筆しておきたい。ほかの製品が多くても40Wh強の容量だったのに対して、両製品ともに72.8Whと大容量のバッテリを搭載している。バッテリ容量を重量で割って1gあたりのバッテリ容量を計算してみると、ほかの製品は0.03~0.04Whであるのに対して、LG gramだけは0.073~0.075となっており、1gあたりのバッテリ容量が倍近くから倍以上となっている。バッテリ容量≒バッテリ駆動時間と考えれば、バッテリ駆動時間だけを重視するなら圧倒的にLG gramに軍配が上がる。

ライター山田祥平

 理想のモバイルPCに望む仕様は次の5点。

  • 5Gはまだ早いにしても、LTEで通信できること。テザリングはやっぱりめんどうだ。
  • ディスプレイがタッチ操作に対応していること。この先のことを考えるとどうしてもほしい。
  • ディスプレイとキーボードが一体化して分離できないこと。キーボードあってのPCだから外れる必要はない。理想的には画面が折り返せるYOGAタイプの2in1だが、それが無理でもできるだけフルフラット近くまで開くこと。
  • 45W以下でのUSB Type-C Power Deliveryで電力を供給できること。専用ACアダプタはもう使いたくないしスマートフォンの充電器と兼用できる汎用のものを使いたい。稼働中に充電できないことには目をつぶるがバッテリは温存したい。
  • 液晶を開けば瞬時に使えるようにモダンスタンバイに対応していること。

 残念ながら、今回の評価機ラインナップにはこのすべてを満たす製品はなかった。どこかで妥協が必要だ。そんな観点で評価を進めた。

大学生 鈴木悠斗

 個人的な1位は結局のところ、耐久性と保証などの面をもろもろ考慮し、自分の愛機の後継である「レッツノート SV」で落ち着いた。

 大学生という身分から考えるとかなり思い切った高額なPCだが、大半の学生が4年間同じPCを使っているという現状(少なくとも私の周りは)を考慮すると、延長保証サービスやレッツノート代々のウリである耐久性が長期使用のニーズに好適と思いチョイス。実際に使っているユーザーとしても述べると、「お値段だけのことはある」と思っている。もちろん、他メーカーのPCも個性の強いPCがそろっており、各メーカーのこだわりを感じ、甲乙つけがたい。

 全体的なハード面でのトレンドについて、感じたことを言及しておこう。ほとんどの機種に充電用としても使えるUSB Type-C端子が搭載されており、別途USB PD対応のACアダプタを用意すれば独自規格のものに縛られることなく利用できることに魅力を感じた(NEC PCについてはACアダプタ自体がUSB Type-C端子で、USB PD対応のものだった)。

 加えて、モバイル向けCPUの省電力化が進んだ恩恵で、どのPCもバッテリ駆動時間の公称値は軒並み10時間を超えており、dynabookやLG gramのように20時間近い駆動時間のモデルも出てきたことで、ACアダプタも一緒に持ち歩く必要がなくなったと感じた。

 セキュリティ面では、ほとんどの機種が生体認証機能の「Windows Hello」をサポート。十数桁のパスワードを毎回入力している私にとっては、指紋や顔認証で手間取らずにログインするのが病みつきになってしまい、PCを買い替えようという気持ちが強まった。

 全体的に軽くてバッテリ持ちも良いPCが増えてきた印象で、ノートPCが「モバイル」よりに進化してきていると実感できた。

社会人女性 勝又楓

 正直なところ、ビジネスで使える速いノートPCがここまで軽くなっていることに心底驚かされた。それに厚みが薄いものが多く、断然持ち運びやすい感じた。個人的にはバッグにいれたりすることを考えると、A4サイズが入れば十分であり、女性向けのバッグもA4サイズならスッと出してスッとしまえるようなものが多い。実際に今回のノートPCのほとんどが出し入れしやすかった。

 仕事で使うことを考えるとできれば画面が大きいほうがいいが、持ち運びを考えるとやはり14型よりも13.3型がベストに思える。価格はdynabook G7が機能的にもコストパフォーマンスが良好と思うが、値段が同じくらいなのであれば13.3型のLG gramのシンプルなデザインのほうが女性的にも気後れせずに使えると感じた。