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13.3型偏重なモバイル界に一石を投じる12.5型の「VAIO SX12」

VAIO SX12

 VAIO株式会社は7月9日、12.5型の高性能モバイルノート「VAIO SX12」を発表した。量販店モデル7月19日に発売。Web直販モデルは本日より予約受付を開始し、最速到着日は7月19日となる。

 VAIOは小型軽量ノートとして、11.6型のVAIO S11を展開しているが、モバイルノートとしてはスタンダードなサイズの13.3型モデルに比べ、キーボードや画面サイズが小さいといった理由から、メインマシンとしてではなく、あくまでサブマシンとして利用される傾向が強かった。今回のVAIO SX12は小型軽量のモバイルノートPCとして、それらの不満点を解消した製品となっている。

 VAIO SX12では“メインマシン”としての要求を満たすため、本体幅ギリギリまでキーボードを広げることで、約19mmの標準的なキーピッチを実現。VAIO S11の約16.95mmよりも打鍵感が向上した。ディスプレイは狭額縁の採用によりベゼル幅わずか4.97mmにまで縮め、12.5型の液晶ディスプレイを搭載。VAIO S11から約16%画面が大きくなっている。

 本体サイズは約287.8×203.3×15.7~18mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約888g(モデルによっては約897g)と、小型軽量ながら最上位モデルでは、14型ノートのVAIO SX14と同じくCore i7-8765Uを搭載。SX12でも高性能化機能「VAIO TruePerformance」が採用されており、SX14と同等の性能を発揮できる。なお、同機能オン時ではCore i7モデルで性能が約25%、Core i5モデルで約15%向上する(CINEBENCH R15比)。

 筐体の頑丈さもこれまでのVAIOと同じく追求。東レが開発したUD(Uni Directional : 単一方向性)カーボンを天板に採用することで、軽量と堅牢性を両立した。SX12は狭額縁で液晶が外側のベゼルとわずかな距離しかないが、“面”で強度を確保するカーボンウォール天板が従来モデルと同等以上の合成を発揮しており、マグネシウム合金で実現した場合よりも軽量化されている。

 VAIOではおなじみの耐久試験と言える、液晶面とキーボード面の間にペンをはさんだ状態での加圧を行なう「ペン挟み試験」や、液晶面にひねりを加える「液晶180度開きひねり試験」もクリアし、満員電車などの予期せぬ重圧がかかる状況でも安心して持ち運べる耐久性を有している。

 12.5型とコンパクトな設計だが、インターフェイスは妥協のない構成を実現。USB Power Delivery(PD)とDisplayPort Alternate ModeをサポートするUSB Type-Cポート、USB 3.0 ポート×2、HDMIとミニD-Sub15ピン映像出力、Gigabit Ethernetポート、SDカードスロット(UHS-I対応)を揃えており、VAIO SX14とほぼ同じ構成となっている(SX14はUSB 3.0ポート×2ではなく、一方はUSB 3.1)。

 バッテリ駆動時間は約14.5時間と長く、LTE連続接続時で最長約7時間を達成している。また、VAIO独自の5Vアシスト充電をサポートしており、スマートフォンなどを充電する一般的な5V/2.4Aの充電器でSX12を充電可能。充電速度は遅いが、万が一の救済策として頼りになる。同梱されるACアダプタは従来どおりの独自コネクタを採用しているが、すでに述べたようにUSB Type-CポートからUSB PD充電が行なえるので、電源回りはモバイルノートとしての汎用性が高い。

【表】VAIO SX12のスペック
型番VJS12190111BVJS12190211TVJS12190311BVJS12190411B/VJS12190511T
本体色ブラックブラウンブラックブラック/ブラウン
CPUCore i7-8565U(4コア/8スレッド、1.8~4.6GHz)Core i5-8265U(4コア/8スレッド、1.6~3.9GHz)
GPUIntel UHD Graphics 620
メモリLPDDR3 8GB
ストレージNVMe SSD 512GBNVMe SSD 256GBSATA SSD 256GB
ディスプレイ12.5型フルHD非光沢液晶
解像度1,920×1,080ドット
OSWindows 10 ProWindows 10 HomeWindows 10 ProWindows 10 Home
バッテリ駆動時間約13.7時間約13.5時間
汎用ポートUSB 3.1 Type-C(USB PD、DisplayPort対応)、USB 3.0×2
カードリーダSDカードスロット(UHS-I対応)
映像出力USB Type-C(DisplayPort)、HDMI、ミニD-Sub15ピン
無線機能LTE(Micro SIM)、IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1LTE(Micro SIM)、IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1
無線WAN仕様LTE : Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/21/25/26/28/29/30/38/39/40/41/66
3G : Band 1/2/4/5/6/8/19
有線LANGigabit Ethernet
Webカメラ92万画素
その他指紋認証センサー、TPMセキュリティチップ、ステレオスピーカー、音声入出力端子指紋認証センサー、ステレオスピーカー、音声入出力端子指紋認証センサー、TPMセキュリティチップ、ステレオスピーカー、音声入出力端子指紋認証センサー、ステレオスピーカー、音声入出力端子
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約287.8×203.3×15.7~18mm
重量約897g約888g約897g約888g
税別店頭予想価格279,800円前後219,800円前後224,800円前後194,800円前後

 本体色は、ブラック、ブラウン、シルバー、ピンクの4色を展開するが、おなじみの「ALL BLACK EDITION」も展開。すべてをブラック塗装にし、キーボードまで真っ黒に染め上げた無刻印モデルも用意している。ALL BLACK EDITIONの税別店頭予想価格は201,800円から。

シルバー
ブラウン
ピンク
VAIO SX12 ALL BLACK EDITION

VAIO 5周年記念による“勝色”モデルも用意

VAIOS SX12 勝色特別仕様モデル

 VAIOは、創業5周年を記念し、VAIOS SX12およびSX14の“勝色(かちいろ)”特別仕様モデルを限定販売する。税別店頭予想価格は両者ともに216,800円から。

 勝色はVAIOのコーポレートカラーである深く濃い藍色ので、藍を濃く染み込ませるために布を搗つ(叩く)ことが由来とされており、武士たちが勝ちにつながる縁起色として好み、武具に多用されたという歴史のある色。

 SX12とSX14のUDカーボン天板や、アルミパームレストに勝色を施しつつ、ロゴプレートとオーナメントを黄金色に染めることで高級感を演出した。専用ケースとして勝色レザーPCケースも用意する。