やじうまミニレビュー

給電が途切れない優れもの!バッファロー製Type-C充電器の検証で分かったこと

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
バッファロー「BSACPD10005C4BK」。実売価格は6,480円

 バッファローの「BSACPD10005C4BK」は、最大100Wの出力に対応したUSB PD充電器だ。USB Type-C 3基、USB Type-A 1基を搭載しており、USB Type-C単ポートでの出力は最大100W、さらに2ポート使用時も65W+30Wと、ノートPCとスマホの同時充電に適している。

 これだけならば特に珍しくないスペックだが、 本製品の大きな特徴の1つに、ケーブルの抜き差し時に、接続済みのほかのデバイスへの給電を中断させない「瞬停抑制機能」を搭載していることが挙げられる。 実際にどのような挙動をするのか、メーカーから実機を借用してチェックしたのでレポートをお届けする。

デバイスによっては深刻な電力の「瞬停」

 一般的に、複数ポートを搭載したUSB PD充電器は、2つ目のデバイスを接続した時点で、1つ目に接続しているデバイスも含めて、最適な電力を改めて分配し直す仕組みになっている。このとき、すでに接続されていた1つ目のデバイスへの電源供給が一瞬途絶えるというのが、多くの製品に共通する挙動で、利用にあたってネックになっていた。

複数ポートを搭載したUSB PD充電器は、新たにデバイスを接続するたびに通電が途絶える場合が多い

 というのもUSB PDでは、充電器側とデバイス側がやりとりを行ないつつ、徐々に供給電力を高めていく仕組みになっている。供給電力がピークに達するまでは通常は十数秒程度だが、長いものだと1分程度かかることもあるため、抜き差しするたびに最初からやり直すとなると、相当なロスが発生してしまう。

USB PDによる電源供給をチェッカーで測定中。最初は5W(5V/1A)など低速で充電が始まるが……
徐々に電圧、電流ともに上がっていき、スマホでは最終的に20~40W程度に達する。ここまで到達するのに十数秒程度で済む場合もあれば、長ければ1分程度かかる場合もある

 より深刻なのは、充電ではなくデバイスを直接駆動させている場合だ。たとえば出張先のホテルでモバイルルーターを利用中に、別のポートでスマホやPCを充電しようとして通電が途切れると、ネット接続が切断され、WANへの接続からやり直しになる。接続しているのがモバイルHDDで、書き込み中に通電が途切れると、破損の恐れも出てくるだろう。

 ピンと来ないという人には、動画でご覧いただいた方がいいだろう。ここでは視覚的に分かりやすくするため、1つ目のデバイスとしてUSBライトを接続している。点いていたライトが一瞬消え、また点灯することから、瞬間的な給電の停止、いわゆる瞬停が発生していることが分かる。

瞬停を抑制する機能のない一般的なUSB PD充電器の例。2つ目のポートに接続したスマホの充電ケーブルを抜き差しするたびに、1つ目のポートに接続したUSBライトがいったん消灯するのが分かる

 こうした背景ゆえ、最近は瞬停を防止する機構を備えたUSB PD充電器が各社から登場し、ひそかなトレンドになっている。筆者の知る限り、こうした機能を備えた製品の中でもっとも古いのはAppleの「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」で、2つ目のデバイスが接続されたときも、1つ目のデバイスへの給電は途絶えず、供給電力が最適化される仕組みになっている。

Appleの「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」。仕様は非公表だが、今回紹介する製品と同じ、瞬停を抑制する機能を搭載することで知られる
Appleの「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」。2つ目のポートのデバイスを抜き差ししても1つ目のポートへの給電が途切れることはなく、ライトは点いたままだ

瞬停を発生させずに供給電力を最適化

 さて前置きが長くなったが、今回のバッファロー「BSACPD10005C4BK」は、外見やサイズは一般的な4ポート仕様のUSB PD充電器と同等だが、この瞬停を防ぐ「瞬停抑制機能」を搭載することを売りとしている。

製品本体。外見およびサイズは一般的なUSB PD充電器と変わらない
USB Type-C 3基、USB Type-A 1基の合計4ポートを搭載する
出力の組み合わせは側面に記述されている。4ポート合計で100Wの出力に対応
背面プラグは折りたたみ可能。持ち歩きにも向く

 先と同じUSBライトを接続しての実験を行なったところ、抜き差し時にライトが消灯しなかったことから、瞬停抑制機能が有効に働いているとみなしてよさそうだ。ちなみにメーカーサイトには、すべての機器には対応できるものではない旨の記述があるが、手持ちのいくつかのデバイスで試してみた限り、例外は確認できなかった。

本製品で実験を行なったところ。さきのApple製アダプタと同様、ライトは点灯したままになっていることから、瞬停は発生していないことが分かる

 なお、チェッカーで見る限り、新しいデバイスを接続した瞬間、すでに充電中だったデバイスへの給電は完全にリセットこそされないものの、電圧は維持したまま電流だけがいったん途絶え、そのあと最短時間で最適化された出力に復帰するという挙動がみられる。

 前述のApple製アダプタも、タイミングは若干前後するものの同様の挙動がみられることから、この「電圧を維持したまま」というのがポイントのようだ。このあたりメーカーごとに設計は異なると考えられ、それらがデバイスごとの相性につながっている可能性がある。いずれまたほかのメーカーの製品でも機会があれば試してみたい。

新しいデバイス(下)を挿すと、すでに充電中だったデバイス(上)は電圧(W)を保ったまま電流(A)が一時的にゼロになり、その後すぐにピーク時の出力へと復帰する。前述のApple製アダプタでもほぼ同じ挙動がみられる
瞬停抑制機能を持たないUSB PD充電器では、問答無用でリセットがかかるため、このように両方のチェッカーで起動画面が表示されるところからやり直しになる

複数ポート搭載のUSB PD充電器ではいずれ標準機能に?

 以上のように、これまでUSB PD充電器の瞬停にストレスを抱えていたユーザーにとっては、使い勝手が向上するのは確実だ。この機能と引き換えにボディサイズが極端に大きかったり、充電速度が平均的に遅かったり、あるいは高価だったりといったデメリットも見受けられない。保証期間が2年と長めなのもよい。

今回紹介した最大100Wのモデル(手前)のほか、USB Type-C 4基構成の140Wモデル(奥、BSACPD14005C4BK)もラインナップされる

 もっともこうした瞬停抑制機能は、今後のUSB PD充電器では標準搭載となっていく可能性が高く、複数ポート搭載のUSB PD充電器をいまから購入するのであれば、本製品に限らず、それを前提に対応済み製品をチョイスするのが望ましい。いずれにせよ、USB PD充電器を新規に調達するにあたってのチェック項目の1つとして、ユーザーは頭に留めておくべきだろう。

同等機能を持った製品は他社でも増えつつある。たとえばCIOは「NovaSafety2.0」という名称で、多くの製品で瞬停抑制機能を実装している(画像はAmazonサイトより)