イベントレポート

14型で重さ890g実現した「Swift 7」の実機は驚きの軽さだった

新Swift7は14型ディスプレイ搭載クラムシェル型ノートPCとは思えないほどの薄さと軽さを実現

 Acerは、CES 2019で4つの新製品を発表した。それぞれ、14型FHDのディスプレイを搭載しながら薄さ9.95mm、890gという軽量を実現したクラムシェル型ノートPCの「Swift 7」、AMDプロセッサを搭載したChromebookになる「Chromebook 315」、イーゼル型の回転ヒンジを備えてタブレットやビューモードなどに変形して利用できる「Predator Triton 900」、15型ディスプレイを搭載しながら17.9mmという薄さを実現した「Predator Triton 500」だ。

 本レポートではAcerの展示会場で確認することができた、Acerの新製品に関して写真を交えながらお伝えしていきたい。

厚さ9.95mm、重量890gという驚きを実現した14型クラムシェル型ノートPCのSwift 7

新Swift 7

 Swift 7(SF714-52T)は、14型ディスプレイを搭載したノートPCとしては驚きとの厚さ9.95mm、重量890gを実現した製品になる。新Swift 7は昨年の8月にドイツで行なわれたIFAで開発意向表明が行なわれた製品で、今回は正式発表となる。

 実際に実機で確認してみると、1cmを切っているということがこんなに薄く感じるのかという薄さで、持ってみると14型のノートPCとは思えない軽さで驚く。たとえて言うなら、11型ノートPCを持っているかのような感覚を持つ、そんな軽さだ。

本体の左側面、ヘッドフォン端子がギリギリ入るぐらいの薄さ
本体の右側面、USB Type-Cが2つあるだけという潔いデザイン

 かつ、Swift 7のもう1つの特徴は底面積の小ささだ。底面は317.9×191.5mmとなっており、従来モデルと比較して圧倒的に小さくなっていることがわかる。ディスプレイは3辺が2.57mmの狭額縁になっており、底面積に対する画面の占める画面占有率はじつに92%を超えている。

従来のSwift 7との底面積の比較。同じ14型なのにこのサイズ差は驚きとしか言いようがない

 それを実現できた理由の1つは、上辺から前面カメラを追い出したためだ。ではカメラはどこに行ったのかと言うと、それはちょうどF1の上あたりに、ポップアップするかたちのカメラとして用意されている。このポップアップカメラは、使わないときは格納しておくことが可能。これにより上辺も狭額縁にすることが可能になったほか、カメラのプライバシーに敏感なユーザーに対してもアピールできるというメリットがある。

ポップアップするカメラ。IRには未対応なので、ESCキーの隣にある電源ボタンに指紋センサーが入る
カメラを収納したところ、最初はスイッチか何かと思ったがカメラだった
底面部

 なお、ディスプレイの解像度はFHD(1,920×1,080ドット)で、IPS方式の液晶ディスプレイで、輝度は300cd/平方m、タッチに対応しており(アクティブペンには未対応)、Corning Gorilla Glass 6がパネルのガラスとして採用されている。

CPUはCore i7-8500Y、無線モジュールはIntel Wireless-AC 9260
解像度はFHD、Corning Gorilla Glass 6をガラスとして採用
キーボードとタッチパッド部分、タッチパッドが横長なのも特徴の1つ

 CPUはAmber Lake-Y(AML-Y)の第8世代Coreプロセッサで、SF714-52TにはCore i7-8500Yが採用されている。TDPが5WのYプロセッサとなるため、もちろんCPUファンなどは必要なくファンレス設計となっており、それも薄型が実現できた理由の1つだ。

 メインメモリは最大で16GB(LPDDR3)、最大で512GBのPCIe SSDが選択できる。バッテリ容量は不明だが、MobileMark 2014で最大10時間という公称駆動時間が公開されている。

 Acerによれば、米国では5月からの販売が予定されており、価格は1,699ドル(税別、1ドル=110円換算で186,890円)からと明らかにされている。

初めてのAMD搭載Chromebook、300ドルを切る価格が特徴

Acer Chromebook 315

 AcerのChromebook 315は、AMDがCESに合わせて発表したChrome OS用のA4/A6プロセッサを搭載したChromebook。15.6型FHDディスプレイを搭載し、メインメモリは8GB、ストレージは32GB(eMMC)となっている。

本体の左側面
本体の右側面

 特徴的なのは、キーボードの左右に大きめのスピーカーが搭載されていることで、Chromebookとしては良い音で音楽再生が可能なことだ。

 米国では2月から販売する予定で、279.99ドル(税別、1ドル=110円換算で30,799円)と低価格な事も特徴の1つと言っていいだろう。

ゲーミングノートPCなのに2in1なPredator Triton 900

ディスプレイの中央部を起点にしてディスプレイが回転するイーゼル型ヒンジを備えるPredator Triton 900

 Predator Triton 900は、昨年(2018年)8月のIFAで開発意向表明が行なわれたハイエンドゲーミングノートPCで、最大の特徴はイーゼル型の回転ヒンジを備えており、クラムシェルモード、ビューモード、タブレットモードなどに変形して利用できることだ。

 これによりゲーミングノートPCでありながら、2-in-1型デバイス的に利用することも可能だ。なお、ディスプレイは4KのIPS液晶ディスプレイで、G-SYNCに対応している。

標準状態
このようにヒンジ部分を持ってロックを外す
より手前に持ってきてクラムシェル型ノートPCのような状態でも使える
ビューモード
タブレットモード

 CPUは第8世代Coreプロセッサ(Hシリーズ)で、GPUはGeForce RTX 20シリーズで、Max-QではGeForce RTX 2080を選択できる。これらを冷やすため、第4世代のAeroBlade 3Dメタルファンと呼ばれるAcer独自デザインのブレードを備えたファンを採用しており、従来の第3世代に比べて45%ほど風量が増えている。

 実際展示会場では、新しいファンを確認することができたが、従来型に比べてフィンが増えているほか、そもそも口径が大きくなっていることを確認することができた。ファンやヒートシンクがある筐体は透明になっており、動作している様子が確認できるデザインになっている。

第4世代AeroBlade 3Dメタルファン
左が第4世代、右側が第3世代
ファンが動作する様子が確認出来る透明パネルを採用

 また、ユニークなところではXboxコントローラをPCに接続するアダプタを本体に内蔵させることもできる。これはUSB接続のドングルになっており、必要に応じて取り外すことも可能になっている。出先でもXboxコントローラを使いたいゲーマーにとっては重宝しそうだ。

Xboxコントローラの受信部を内蔵できる
本体の左側面
本体の右側面
キーボード部分
ゲーマー向けにオーバークロック設定をボタン一発で有効にするTurboボタンが用意されている
タッチパッドはテンキーの替わりにもなる

 AcerによればPredator Triton 900は米国では3月から販売開始予定で、3999ドル(税別、1ドル=110円換算で439,890円)という市場想定価格となっている。

GeForce RTX Max-Qを搭載した薄型軽量ゲーミングノートPCとなるPredator Triton 500

Predator Triton 500

 Predator Triton 500は15.6型FHDを搭載したゲーミングノートPC。CPUに第8世代Coreプロセッサ、GPUにはGeForce RTX 20シリーズを搭載しながらメタルシャシーを採用し、狭額縁のディスプレイとすることで17.9mm/2.1kgという薄さ、軽さを実現していることが特徴となる。

 ただし、搭載されているGeForce RTX 2080はMax-Q版となり、そこがMax-Q版ではないあPredator Triton 900との違いとなる。なお、ディスプレイは輝度は300cd/平方mで、リフレッシュレートは144Hz、応答速度3msのIPS液晶で、G-SYNCに対応している。

本体の右側面
本体の左側面

 キーボードはRGB LEDを内蔵しており、3つのゾーンに分けて色を調整することができる。色の調整、オーバークロックなどは付属するツールとなる「Predator Sense」で調整することができる。バッテリでの駆動時間の公称値は8時間(MobileMark2014による)。

キーボードは3ゾーンで色を変えることができる
設定ツールのPredator Sense

 Acerによれば、Predator Triton 500は米国では2月から販売開始される予定で、市場想定価格は1799ドル(税別、1ドル=110円換算で197,890円)となっている。