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東北大、ベクトル型コンピュータ採用の新型スパコン「AOBA」を10月より運用開始

AOBA

 東北大学は9月28日、新しいスーパーコンピュータ「AOBA」の運用を10月1日より開始する。総演算性能は前システム比2.4倍の1.8PFLOPSを発揮する。

 AOBAは、NEC製の「SX-Aurora TSUBASA」を採用したスーパーコンピュータ。「SX-Aurora TSUBASA B401-8」を中心とするベクトル型コンピュータ「AOBA-A」と、「LX 406Rz-2」を中心とするx86サーバー「AOBA-B」の2つのサブシステムで構成される。

 前者は総演算性能1.48PFLOPS、総メモリバンド幅895TB/sを発揮し、研究者が独自に開発した科学技術計算プログラムの実行などを想定したシステム。OSにはLinuxを採用し、ベクトル型コンピュータながら標準的な手法で利用できるのが特徴。後者はAMD EPYCプロセッサを内蔵し、オープンソースソフトウェアや商用アプリケーションの実行などを想定している。両サブシステム間およびそれぞれの構成要素は高速ネットワークを通じて接続される。

 そのほか学術目的だけでなく、大規模災害などの緊急時に減災のために活用されるのも特徴。従来システムから引き続き提供する機能として、マグニチュード7以上の地震発生時に津波が予想される場合、浸水被害地域を予測する。結果はすぐに内閣府に伝達され、政府の意志決定などに役立てられる。

AOBAのシステム概要