笠原一輝のユビキタス情報局
Xe GPUの性能初見! 第11世代Core搭載ノートをベンチマーク
2020年9月17日 22:00
Intelは9月2日(日本時間9月3日)にオンラインで記者会見を開催し、Tiger Lakeのコードネームで開発してきた第11世代Coreプロセッサを正式に発表した。
第11世代CoreプロセッサはL2キャッシュを1.25MBに増量した新しいCPUの「Willow Cove」、内蔵のエンジンの実行ユニット(EU)の数を従来のGen 11 GPUの64から96へと増加させて性能の大幅に引き上げたIris Xe Graphics(開発コードネーム:Xe-LP)など、CPU/GPUともに強化されており、第10世代Coreプロセッサ(Ice Lake)と比較して大幅に性能が引き上げられている。
今回本誌では、Intelより貸し出しを受けた、第11世代Coreプロセッサの最上位SKU(Core i7-1185G7)を搭載したリファレンスデザインのノートパソコンでベンチマークテストを行なう機会を得たので、その数値などを元に第11世代Coreプロセッサの性能について迫っていきたい。
本体性能はOEMメーカーのデザインに依存
今回Intelから貸し出しを受けた第11世代Coreプロセッサ搭載のシステムは、台湾のMSIで製造されたリファレンスデザインのシステムで、実際に製品としては販売されないものとなる。IntelがOEMメーカーなどに提供しているリファレンスデザインにもとづいており、その性能は第11世代Coreプロセッサを搭載したシステムの標準的な性能の指標となり得るものだ。
IntelのリファレンスデザインのシステムはCPUに、第11世代Coreプロセッサの最上位製品となる「Core i7-1185G7」を搭載している。Core i7-1185G7は、12MBのLLC(Last Level Cache、L3キャッシュのこと)を搭載しており、cTDPが28W時のベース周波数は3GHzに、cTDPが12W時のベース周波数は1.2GHzになり、Turbo Boostが有効な場合は最大4.8GHzに達する。
メインメモリは16GBのLPDDR4x-4266でデュアルチャネル構成になっており、ストレージは1TBのSamsung PM981aが採用されおり、ディスプレイは14型のフルHD(1,920×1,080ドット)となっている。
このIntelのリファレンスデザインの特徴は、第11世代Coreプロセッサで導入された新しい概念となる「オペレーティングレンジ」と呼ばれる新しい熱設計の概念で規定されている複数のデザインポイントのうち、もっとも高い方の設計になるcTDP Upの28Wに対応した熱設計が採用されていることだ。
第11世代Core | 第10世代Core | |
---|---|---|
開発コードネーム | Tiger Lake | Ice Lake |
熱設計枠 | オペレーティングレンジ | TDP |
特徴 | 可変(OEMメーカーが選ぶ) | 固定(オプションで可変) |
数値 | 28W~12W | 15W |
cTDP up | 28W | 25W |
cTDP down | 12W | 12W |
Ice LakeまではTDPと呼ばれる固定された熱設計のスペックを基本として、オプションとしてcTDP(Configurable TDP、可変熱設計消費電力)という可変な熱設計のスペックをOEMメーカーに提供してきた。
従来のcTDPは1つの選択肢であって、IntelがOEMメーカーに提供するデザインガイドと呼ばれるのなかで熱設計のデザインとして提供されるのは、CPUが15Wの電力を消費したときに発生する熱を処理できるような熱設計(具体的にはヒートシンクやファンなど)になる。
つまり、Intelのデザインガイドに従ってノートPCを設計すると、TDPは15Wになるが、OEMメーカーが自社独自の熱設計を行なうことを決めると、cTDP upで規定されている25Wに上げて設計することは可能だが、それはあくまでもオプション扱いになる。
それに対して、第11世代Coreでは最初から幅を持たせたTDPの設定が行なわれている。具体的にはcTDP up相当になる28W(Ice Lake世代の25Wから3Wほど引き上げられている)~cTDP down(可変スペックで下の方)相当になる12Wの間で動作する。
OEMメーカーによっては従来のTDPである15Wや、cTDP downの12Wで設計することも可能だ。そうすると、処理性能は落ちるが、熱設計に利用するヒートシンクやファンなどを小さくしたりすることができるため、より薄く軽いノートPCを設計することが可能になる。つまり、同じCore i7-1185G7を採用したノートPCであっても、OEMメーカーの熱設計のポイントの選択によって性能やサイズなどが違ってくるということだ。
今回ののリファレンス製品では、cTDP upの28Wに対応するように熱設計が施されている。このため、PL1(Power Limit 1)と呼ばれる安定動作時の上限電力を、Windows 10のパワースライダーで変更できる。Best Performance(もっとも高いパフォーマンス)に設定した場合にはPL1=28W+Dynamic Tuning(Turbo Modeの動的な有効活用)の設定になり、Better Performance(高いパフォーマン)ではPL1=28に設定、Best Battery Life(より長いバッテリ)ではPL1=15Wに設定になるように設計されている。
スライダーを変更したPL1がこう推移するのは、今回のIntelのリファレンスデザインのノートPCでの実装になる。従って、すべての第11世代Core搭載ノートPCがこうだとは限らない。製品によってはBest PerformanceにおいてPL1=28Wかもしれないし、15Wかもしれない。このあたりはOEMメーカーの設計により変わってくる。
つまり今後ノートPCの性能は、CPUの性能+OEMメーカーの熱設計で決まってくる。第11世代Coreの性能を評価する上で、この視点ではとても重要になってくるので、まずこのことを理解しておきたい。
GPUの性能が前世代の最大2倍。総合力で第3世代Ryzen Mobileを上回る
それでは実際のベンチマークを利用してIntelの第11世代Coreを搭載したノートPCの性能を評価していこう。比較対象として用意したのはRyzen 7 4700U(8コア/8スレッド、ベース2GHz、ブースト時最大4.1GHz、L3キャッシュ8MB、AMD Radeon Graphics、7コア)を搭載したMSIの「Modern-14-B4MW-011JP」、第10世代Core(Ice Lake)のCore i7-1065G7を搭載した「Microsoft Surface Pro 7」(VAT-00027、16GBメモリ、1TB)の2つだ。
ただし、前者に関しては標準ではメモリ16GBだったのだがシングルチャネル構成になっていたため、ゲームなどでRyzenに不利な結果になることが予想できたため、2つのSO-DIMMスロットに16GBメモリを2枚挿し、32GB増やした(以後、Modern-14-B4MW-011JP改と表記)。
なお、第3世代Ryzen Mobileの最上位SKUはRyzen 7 4800U(8コア/16スレッド、ベース1.8GHz、ブースト時最大4.2GHz、L3キャッシュ8MB、AMD Radeon Graphics、7コア)となるが、今回は時間がなく、店頭で販売されているPCから選ぶ必要があったのだが、残念ながらRyzen 7 4800Uを搭載したノートパソコンは店頭で販売されていなかった。そのため、2番目のSKUであるRyzen 7 4700Uを選んだ。
また、Modern-14-B4MW-011JPは、Intelの第11世代Core搭載リファレンスデザインPCとほぼ同じ筐体を採用しており、Ryzenとの比較で比較的熱設計の差が出にくいと考えて選択した。
Core i7-1185G7 | Core i7-1065G7 | AMD Ryzen 7 4700 | |
---|---|---|---|
マシン | Intelリファレンスデザイン | Microsoft Surface Pro 7(VAT-00027) | MSI Modern-14-B4MW-011JP改 |
メモリ | 16GB(LPDDR4x-4266、デュアルチャネル) | 16GB(LPDDR4x-3677、デュアルチャネル) | 32GB(DDR4-3200、デュアルチャネル) |
ストレージ | 1TB(NVMe、Samsung) | 512GB(NVMe、Hynix) | 512GB(NVMe Samsung) |
ディスプレイ | 14型 1,920×1,080ドット | 12.5型 2,736×1,824ドット | 14型 1,920×1,080ドット |
OS | Windows 10 Pro(2004、英語版) | Windows 10 Pro(2004、英語版) | Windows 10 Pro(2004、英語版) |
ベンチマークは「CINEBENCH R20」、「PCMark 10」のExtended(ゲームを含むPCMark 10)、PCMark 10 Applications(Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Edgeという実際の生産性向上アプリを利用して性能を計測するベンチマーク)、「3DMark」(Time Spy、FireStrike、NightRaid)、そして3Dゲームの代表例として「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(1080p/High設定)を利用した。解像度はすべてフルHD(1,920×1,080ドット)に設定した。
第11世代Coreと第10世代Coreを搭載した2製品は、Windows 10のパワースライダーで性能が大きく変わったため、その影響も見るためにパワースライダーの3つの設定でそれぞれスコアを掲載している(いずれのテストもACアダプタを接続した状態でテストしている)。
なお、Ryzen 7 4700Uを搭載したModern-14-B4MW-011JP改は、いずれの設定でも性能は誤差の範囲内だったため、最上位設定となる「Best Performance(もっとも高いパフォーマンス)」の数値だけを掲載している。グラフには入れていないが、計測した数値に関しては、表のかたちでグラフの後に掲載している。
また、今回のIntelのシステムは、エンジニアリングサンプルという扱いで、バッテリ駆動時間の計測はできない、内部を撮影してはいけないという条件がつけられていた。このため、今回はバッテリ駆動時間などの省電力性能を測るベンチマークは一切行なっていない。
CINEBENCHはCPUだけを利用してレンダリングを行なう3Dソフトウェアのベンチマークソフトで、CPUをマルチスレッドないしはシングルスレッドで利用して、CPU部分だけの性能を計測することができる。
現代のCPUはSoCとなっており、CPUコアだけでなく、GPUも、場合によってはNPUなども搭載しており、それらすべてを利用したものが性能と言えるため、SoC全体の性能を図るものではないが、CPUだけの性能を測るには適したベンチマークだ。
このテストのマルチスレッドでは物理的なCPUコアが8つあるRyzen 7 4700Uがもっとも良い結果を残した。ただし、シングルコア時はCore i7-1185G7の方が処理能力が高く、第11世代Coreがマルチスレッド対シングルスレッドがほぼ4:1で4つの物理コアというコア数に対してリニアに性能を発揮できているのに対して、Ryzen 7 4700Uは6.17:1になっており、8:1になっていないことがわかる。
PCMark 10 Extendedは、通常のPCMark 10のテストにゲーミングテストを加えたものになる。これらのテストはCPUだけでなく、GPUも利用する。
このテストではPL1が15Wの設定でもCore i7-1185G7はRyzen 7 4700Uを上回っている。詳細に見て行くと、Ryzen 7 4700UはDigital Content CreationではCore i7-1185G7に匹敵する性能を発揮しているが、ゲームやProductivity(生産性向上ツール、Microsoft Officeのようなアプリなど)では大きく引き離されている。
PCMark 10 Applicationsは、多くのパソコンユーザーにとって利用している時間が長いと考えられる、Microsoft Word/Excel/PowerPointと、WebブラウザのMicrosoft Edgeというリアルアプリケーションを利用したベンチマークになる。つまりユーザーがPCを使っている時の体感にもっとも近いテストと言っても過言ではない。
このテストではCore i7-1185G7は前世代となるCore i7-1065G7およびRyzen 7 4700Uに2割強の差をつけている。こうしたオフィスアプリではさほど差はでないことが多いので、2割の性能向上は大きな差だと言っていい。
GPUのゲームでの性能を測るベンチマークである3DMarkの結果は、第11世代Coreの特徴が良く現われていると言ってよい。Time Spyでは87%、FireStrikeでは90%、NightRaidでは72%ほど第10世代Core(Core i7-1065G7)を上回っている。Ryzen 7 4700Uとの比較でもいずれのテストでも上回っている。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズはDirectX11ベースのゲームタイトルで、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」はそのベンチマークテストだ。今回は解像度を1080pにして、設定をHigh(デスクトップ向け設定)にしてテストした。結果は見てわかるように、Core i7-1185G7はCore i7-1065G7の約2倍(99%アップ)のスコアを出しており、第11世代Coreの内蔵GPUであるIris Xe Graphicsが、前世代のGen 11 GPUの倍の性能を持つというIntelの売り文句を証明している。
Core i7-1185G7(Best Performance、PL1=28W) | Core i7-1185G7(Better Performance、PL1=28W) | Core i7-1185G7(Best battery life、PL1=15W) | Core i7-1065G7(Best Performance) | Core i7-1065G7(Better Performance) | Core i7-1065G7(Best Battery Life) | Ryzen 7 4700U(Best Performance) | Ryzen 7 4700U(Better Performance) | Ryzen 7 4700U(Best Battery Life) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CineBench | CPU | 2387 | 2184 | 1617 | 1704 | 1789 | 1547 | 2855 | 2900 | 2758 |
CPU(Single) | 590 | 590 | 552 | 448 | 446 | 447 | 462 | 472 | 470 | |
PCMark10 | 総合 | 5341 | 5243 | 4858 | 3673 | 3649 | 3499 | 4137 | 4112 | 4050 |
Essentials | 10809 | 10573 | 10486 | 9181 | 8995 | 8251 | 8690 | 8558 | 8274 | |
App Start-up Score | 15629 | 15403 | 15464 | 12260 | 12104 | 11975 | 9996 | 9791 | 9042 | |
Video conferencing Score | 8432 | 7971 | 8006 | 7639 | 7317 | 7065 | 7951 | 7739 | 7616 | |
Web Browsing Score | 9583 | 9627 | 9331 | 8264 | 8219 | 8113 | 8258 | 8273 | 8226 | |
Productivity | 8964 | 8827 | 8887 | 5740 | 5650 | 5592 | 7401 | 7278 | 7230 | |
Spreadsheets Score | 10313 | 10263 | 10288 | 7775 | 7769 | 7674 | 9149 | 9125 | 8997 | |
Writing Score | 7792 | 7593 | 7678 | 4239 | 4110 | 4076 | 5988 | 5805 | 5824 | |
Digital Content Creation | 5167 | 4988 | 4518 | 3960 | 4014 | 3739 | 4969 | 4992 | 4898 | |
Photo Edeting Score | 8166 | 7752 | 7345 | 5919 | 5632 | 5368 | 7158 | 7180 | 7013 | |
Rendering and Visualization Score | 3179 | 3044 | 2541 | 2548 | 2597 | 2532 | 4784 | 4851 | 4798 | |
Video Editing Score | 5316 | 5260 | 4942 | 4119 | 4424 | 3847 | 3583 | 3573 | 3493 | |
Gaming | 4359 | 4391 | 3557 | 2358 | 2351 | 2196 | 2480 | 2486 | 2483 | |
Graphics score | 5754 | 5738 | 4861 | 3016 | 3001 | 2793 | 3292 | 3301 | 3298 | |
Physics score | 14863 | 14850 | 10784 | 11776 | 11769 | 10045 | 14604 | 14649 | 14248 | |
Combined score | 2029 | 2037 | 1541 | 1075 | 1089 | 1040 | 1019 | 1022 | 1022 | |
PCMark10 Applications | 総合 | 11511 | 11261 | 11110 | 9395 | 9312 | 9051 | 9212 | 9142 | 9156 |
Word | 8443 | 8595 | 8514 | 6701 | 6700 | 6427 | 6426 | 6312 | 6235 | |
Excel | 19147 | 18955 | 17516 | 16150 | 16125 | 15804 | 15518 | 15534 | 16153 | |
PowerPoint | 10809 | 10785 | 10923 | 8704 | 8619 | 2416 | 8181 | 7992 | 7865 | |
Edge | 10061 | 9153 | 9354 | 8274 | 8076 | 7852 | 8830 | 8914 | 8876 | |
3DMark Time Spy | Time Spy | 1803 | 1795 | 1530 | 963 | 973 | 975 | 1114 | 1146 | 1145 |
Graphics score | 1616 | 1620 | 1393 | 850 | 859 | 860 | 1088 | 1010 | 1010 | |
Graphics test1 | 10.46 | 10.46 | 9.31 | 5.55 | 5.61 | 5.63 | 6.77 | 6.87 | 6.76 | |
Graphics test2 | 9.33 | 9.37 | 7.83 | 4.88 | 4.92 | 4.92 | 5.64 | 5.85 | 5.65 | |
CPU score | 5276 | 4653 | 3437 | 3998 | 3994 | 4130 | 4954 | 4942 | 4808 | |
Average simulation time per frame | 17.73 | 15.63 | 11.67 | 13.43 | 13.42 | 13.88 | 4954 | 16.6 | 16.15 | |
3DMark FireStrike | FireStrike | 5203 | 5910 | 4517 | 2730 | 2805 | 2775 | 2989 | 2988 | 2995 |
Graphics score | 5663 | 5659 | 4949 | 2874 | 2976 | 2973 | 3307 | 3304 | 3320 | |
Graphics test1 | 26.64 | 26.37 | 23.81 | 14.22 | 14.08 | 14.02 | 15.96 | 15.91 | 16.02 | |
Graphics test2 | 22.89 | 23.06 | 19.63 | 11.15 | 11.98 | 11.99 | 13.08 | 13.1 | 13.13 | |
Physics score | 14717 | 14032 | 10045 | 11952 | 11953 | 10989 | 14728 | 14835 | 14428 | |
Physics test | 46.72 | 44.55 | 31.89 | 37.94 | 37.95 | 34.92 | 46.76 | 47.1 | 45.8 | |
Combined score | 2019 | 2023 | 1535 | 1079 | 1089 | 1060 | 1025 | 1025 | 1025 | |
Combined test | 9.39 | 9.41 | 7.14 | 5.02 | 5.07 | 4.93 | 4.77 | 4.77 | 4.77 | |
3DMark NightRaid | NightRaid | 17835 | 17601 | 13628 | 10368 | 10754 | 10615 | 12885 | 12909 | 12896 |
Graphics score | 21493 | 21879 | 17531 | 11656 | 11714 | 11885 | 13523 | 13546 | 13588 | |
Graphics test1 | 92.26 | 93.68 | 75.03 | 47.15 | 47.45 | 48.83 | 56.31 | 56.3 | 56.6 | |
Graphics test2 | 117.02 | 119.49 | 95.8 | 68.8 | 68.99 | 68.6 | 76.63 | 76.95 | 76.96 | |
CPU score | 9079 | 8351 | 6029 | 6223 | 7344 | 5585 | 10168 | 10195 | 9904 | |
CPU test | 63.3 | 68.9 | 95.4 | 92.4 | 78.3 | 102.9 | 56.5 | 56.4 | 58.1 | |
3DMark - VRS Tier 1 | VRS off | 110.62 | 110.58 | 103.37 | 66.69 | 67.14 | 67.14 | n/a | n/a | n/a |
VRS on | 168.49 | 168.31 | 133.55 | 105.01 | 105.92 | 105.8 | n/a | n/a | n/a | |
VRS Performance Gain | 52.3 | 52.2 | 33.1 | 57.5 | 57.8 | 57.6 | n/a | n/a | n/a | |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(1080p/High) | スコア | 5164 | 5134 | 3993 | 2594 | 2437 | 1475 | 2823 | 2828 | 2825 |
平均フレームレート | 35.35714 | 35.28836 | 27.8329 | 17.43467 | 16.40533 | 10.32533 | 18.76533 | 18.848 | 18.81067 |
なお、それぞれのテストをバッテリ駆動時にも計測してみたので、参考値として参照して欲しい。
TGL | ICL | Ryzen 7 4700U | ||
---|---|---|---|---|
CineBench | CPU | 1617 | 1286 | 2762 |
CPU(Single) | 424 | 321 | 450 | |
PCMark10 | 総合 | 4084 | 2609 | 3027 |
Essentials | 8534 | 7055 | 6144 | |
App Start-up Score | 10535 | 7643 | 5413 | |
Video conferencing Score | 7285 | 6576 | 6622 | |
Web Browsing Score | 8100 | 6989 | 6472 | |
Productivity | 6574 | 3685 | 3856 | |
Spreadsheets Score | 7644 | 5634 | 5255 | |
Writing Score | 5655 | 2652 | 2830 | |
Digital Content Creation | 3372 | 2677 | 3934 | |
Photo Edeting Score | 6503 | 4325 | 4443 | |
Rendering and Visualization Score | 1527 | 1471 | 4505 | |
Video Editing Score | 3863 | 3017 | 3043 | |
Gaming | 3979 | 1718 | 2439 | |
Graphics score | 5242 | 2145 | 3250 | |
Physics score | 11519 | 8371 | 13643 | |
Combined score | 1872 | 849 | 999 | |
PCMark10 Applications | 総合 | 8562 | 6319 | 5956 |
Word | 6095 | 4682 | 4203 | |
Excel | 13235 | 9443 | 9732 | |
PowerPoint | 8024 | 6308 | 5470 | |
Edge | 8292 | 5717 | 5628 | |
3DMark Time Spy | Time Spy | 1553 | 752 | 1125 |
Graphics score | 1413 | 665 | 988 | |
Graphics test1 | 9.32 | 4.15 | 6.62 | |
Graphics test2 | 8.02 | 3.97 | 5.53 | |
CPU score | 3552 | 2926 | 5365 | |
Average simulation time per frame | 11.93 | 9.63 | 18.03 | |
3DMark FireStrike | FireStrike | 4601 | 2121 | 2918 |
Graphics score | 5115 | 2229 | 3250 | |
Graphics test1 | 25.04 | 9.07 | 15.47 | |
Graphics test2 | 20.01 | 10.42 | 13.01 | |
Physics score | 10748 | 8532 | 13933 | |
Physics test | 34.12 | 27 | 44.23 | |
Combined score | 1762 | 852 | 989 | |
Combined test | 8.2 | 3.96 | 4.6 | |
3DMark NightRaid | NightRaid | 10875 | 6693 | 12469 |
Graphics score | 12501 | 7195 | 13052 | |
Graphics test1 | 60.05 | 25.63 | 53.97 | |
Graphics test2 | 59.96 | 52.92 | 74.66 | |
CPU score | 6262 | 4797 | 9951 | |
CPU test | 91.8 | 119.9 | 57.8 | |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(1080p/High) | スコア | 3932 | 2432 | 2803 |
平均フレームレート | 27.4114 | 15.7861 | 18.67733 |
条件はつくが、競合を超える性能を発揮する第11世代Core
今回の結果はあくまで、Core i7-1185G7が搭載されたIntelのリファレンスシステムと、Ryzen 7 4700Uを搭載したMSI Modern-14-B4MW-011JPとの差であるというのはすでに説明してきたとおりだ。従って、同じRyzen 7 4700Uでも別のOEMメーカーのシステムで比較したら、別の結果がである可能性があることは断わっておかないといけない。
この前提の上で今回の結果を評価していくと、Core i7-1185G7は、前世代のCore i7-1065G7はもちろんのこと、Ryzen 7 4700UもCPU+GPUというSoC全体の性能でも上回っていると言えるだろう。
今回は第3世代Ryzen Mobileの最上位SKUであるRyzen 7 4800Uでのテストではなかったが、Ryzen 7 4700Uとの違いは仮想マルチスレッディングの対応と未対応ぐらいであることを考えと、それほど差は大きくないと考えられるので、仮にRyzen 7 4800Uと比較してもさほど違いはなかっただろう。
その意味では、「OEMメーカーがこのリファレンスシステムと同じように28Wに対応した熱設計する」という条件はつくものの、オフィスアプリでも2割程度速くなっているし、ゲームに関しては前世代比で最大で約2倍の性能を発揮するのだから、Core i7-1185G7は大きな性能のジャンプを実現していると評価したい。