福田昭のセミコン業界最前線
AI向けメモリとAI向けストレージの近未来が分かる、FMS 2025が開幕
2025年8月5日 12:17
FMSは「フラッシュメモリ」から「フューチャーオブメモリ」へ
次世代のメモリとストレージに関する世界最大のイベント「フューチャーオブメモリアンドストレージ(FMS: the Future of Memory and Storage)」が今年も、米国カリフォルニア州のシリコンバレーで始まった。FMS)は、2023年まで「フラッシュメモリサミット(Flash Memory Summit)」の名称で開催されてきた。フラッシュメモリとその応用製品に関する世界最大のイベント(講演会と展示会で構成)として知られる。
昨年(2024年)から、カバー範囲を「半導体メモリ」と「ストレージ全般」に拡大するとともに、現在の名称となった。
新たに加わったテーマは「DRAM」「HBM」「CXLメモリ」「演算機能付きストレージ」などである。DRAM大手メーカー3社はすべてフラッシュメモリの大手メーカーでもあり、SSDのベンダーを兼ねる。カバー範囲の拡大は、自然な流れだろう。
前日イベントの技術講座では
今年のFMS 2025は8月4日から7日(現地時間)に、米国カリフォルニア州シリコンバレーにある会議場「サンタクララコンベンションセンター(SCCC: Santa Clara Convention Center)」で開催される。メインイベントである講演会と展示会は5日~7日を予定する。前日の4日には、別料金の前日イベントとして「技術講座(「プロフェッショナル開発シリーズ(PDS)」と呼称)」が開催される。
メインイベントの説明に移る前に、まずは前日イベントの技術講座をご紹介しよう。技術講座では4日午後の前半に4件、後半に4件の講演(並列に進行)を予定した。講演テーマは「目盛線トリックコンピュータ」「AI(人工知能)向けDRAM」「DRAM」「AI(人工知能)向け」などである。
基調講演にはDRAM大手とNANDフラッシュメモリ大手すべてが登壇
FMS 2025のハイライトである基調講演には、DRAM大手3社とNANDフラッシュメモリ大手5社(内3社はDRAM大手と同じ企業)が登壇する。講演順に紹介すると、キオクシア、Micron Technology、SK hynix、Samsung Semiconductor、SanDiskである。そのほかSSDコントローラのベンダーやストレージ向けソフトウェア開発企業、3次元メモリ開発企業などが登壇する。
また最終日(7日)には、「スペシャルプレゼン」と称する、AI分野のエグゼクティブによるパネル討論会を予定する。題目は「AI推論向けのメモリとストレージ」。NVIDIA、KIOXIA America、IBM、VAST Data、SK hynixからAI分野のエキスパートが登壇し、短い講演とともに題目について議論する。
初日は自動車や演算機能付きストレージなどの講演セッションを予定
ここからは、一般講演セッションを初日(5日)から紹介していく。午前のセッションは8時30分から始まる。8件のセッションが同時に進む。セッションのテーマは以下を予定する。
- 人工知能(AI)技術)
- ソフトウェア定義車両
- 市場アナリストによるパネル討論
- 演算機能付きストレージ
- ハイパースケール応用(その1)
- セキュアなシステムを構築するビルディングブロック
- ファイバチャネルを活用したストレージネットワーク
- 性能と電力、シリコン面積のバランスを評価(PPA評価)
続いて午前9時45分に2番目の一般講演セッションがスタートする。この時間枠も8件のセッションが並列に進行する。テーマは以下の通りである。
- 人工知能(AI)向けストレージ: 応用
- どこでも自動車
- AIとエンタープライズ事業
- 永続的な長期保存ストレージ
- 演算機能付きストレージの具体化と提案
- ハイパースケール応用(その2)
- AI/MLでのPCIe技術
- AIに向けたフラッシュとSSDのコントローラ技術
その次は午前11時から、基調講演が始まる。昼食休憩を挟んで午後3時10分に初日の基調講演が完了する。例年であれば基調講演の後に午後の一般講演セッションを予定する。今年は一般講演セッションがない。午後3時~午後7時に予定する、展示会の集客を意識したスケジュールに変更したと思われる。
中日午前は生成AI、データ保護、疑似SLC技術、UCIeなどに注目
中日(6日)の一般講演セッションも初日と同様に、午前8時30分に始まる。8件のセッションが同時に進む。セッションのテーマは以下を予定する。
- 生成AI(その1)
- アジアのメモリ市場とストレージ市場
- 最高技術責任者(CTO)によるパネル討論
- データを防衛する
- NVMe標準規格の歩みと最新規格の解説
- 次世代メモリアーキテクチャ
- マルチレベルセル(その1: 疑似SLC)
- AIおよびデータセンター向けのSSD技術
続いて午前9時45分に2番目の一般講演セッションがスタートする。この時間枠も8件のセッションが並列に進行する。テーマは以下の通りである。
- 航空宇宙
- 生成AI(その2)
- データ集約型の顧客ソリューション
- モバイルシステムとAIシステムにおけるUCIe集積化とチップレットの進化
- AI時代のストレージに求められるもの
- 設計自動化
- サーバーメモリインフラにCXLをどのように展開するか
- 次世代メモリ技術
中日午後はAIストレージのベンチマーク、DRAMの将来、SSD仮想化を議論
基調講演を挟んで午後3時15分には、3番目の一般講演セッションが始まる。この時間枠は一般講演としては最も多い、9件のセッションが同時進行する。テーマは以下を予定する。
- AI向けストレージのベンチマーク
- 最高マーケティング責任者(CMO)によるパネル討論
- CXLのユースケース
- DRAMの将来
- フラッシュアーキテクチャとプロビジョニング
- SNIAの技術分野における活動
- NVMe SSDの仮想化エコシステム
- 大容量SSDとQLCフラッシュストレージの最適化
- エネルギー効率(データセンターの電力問題)
最終日午前はメモリ市場、HBM、大容量SSD、データ配置技術などを扱う
最終日の8月7日(木曜日)は、基調講演のセッションがない。このため、一般講演の時間枠が5つ(最後の閉会セッションを含む)とかなり多くなる。また昼食休憩の時間がとても短い。一般講演セッションをすべて聴講しようとすると、昼食抜きとなる可能性が少なくない。
午前の一般講演は前日と同じく、午前8時30分に始まる。8件のセッションが同時に進む。テーマは以下を予定する。
- データ分析
- メモリ市場
- CXLを活用したインフラストラクチャ
- エンタープライズストレージ
- 3次元DRAM技術の現状と将来
- チップレット間接続の共通規格
- ネットワークとリンク(その1): ファウンデーション)
- AI向けのストレージエコシステム
次の一般講演セッションは午前9時45分にスタートする。この時間枠も8件のセッションが並列に進行する。テーマは次の通りである。
- AI向けストレージの市場と技術
- CXLのプーリングとファブリック
- データセンターの大容量SSD
- HBM: DRAMの輝ける未来
- UALink 200G 1.0の仕様と用途
- NVMeの新機能
- AIインフラの拡大における最適化
- AIの作業負荷とデータ配置技術
最終日午後はUCIeの設計自動化、高性能DRAM、SSDの誤り訂正などに注目
続く一般講演セッションは午後0時10分に開始される。この時間枠も8件のセッションが同時に進む。テーマは次を予定する。
- AI向けストレージ: ソリューション
- UCIe標準規格にEDAの考え方を適用
- CXLと人工知能
- データセンターのメモリとストレージを高耐久に
- 高性能DRAM技術
- SSDの新フォームファクタと新インターフェイス
- サステナブルなデータセンター
- シミュレーションと不良解析
午後2番目の一般講演セッションは、午後1時25分に始まる。この時間枠も8件のセッションが並列に進行する。テーマは以下を予定する。
- 新たなAI/ML作業負荷に向けたメモリとストレージのファブリック
- CXLの検証作業
- データセンター向け高性能ストレージ
- DRAM技術とNAND技術を掘り下げる
- 量子技術を活用したストレージのセキュリティ強化
- ネットワークとリンク: 最先端のトピック
- マルチレベルセル(その2)
- SSD向けの誤り訂正、信頼性とテレメトリの技術

























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