ニュース
日本勢がスト6世界大会を完全制覇。さはらとREJECTがダブル優勝
2026年3月18日 14:16
カプコンは、同社の対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」(以下、スト6)による公式世界大会「CAPCOM CUP 12」(以下、CC12)、および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」(SFL:WC2025)を3月11日~15日まで東京の両国国技館にて開催した。世界各国で行なわれた予選大会を勝ち抜いた総勢48名の選手たちが、世界最強の称号を目指して5日間、戦いを繰り広げた。
11日~13日の3日間は48名の選手たちの中から16人のトップ16を決めるための予選となる。11日は事前に行なわれた抽選で割り当てられた4人単位の予選グループごとにトーナメントが行なわれ、ここで2勝した選手はいきなりトップ16に進出できる。12日は1度敗退した3人の選手たちが「LOSERS BRACKET」においてトーナメントを行ない、ここを勝ち抜けた選手は13日に行なわれる総当たり戦へと進出することとなる。
13日には各グループから「LOSERS BRACKET」を勝ち抜けた選手たちが3名ずつ4つのグループに分かれて総当たり戦を行ない、各グループ1位の選手のみがトップ16に進出する運びとなる。
そして13日および15日については、日本、US、EUの3地域でそれぞれ開催されたSFリーグの優勝チームが集結し、これら3チームの中から世界一を決める「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」が行なわれる。
13日と15日には、先鋒/中堅/大将の3名が戦ってポイントを競うSFリーグのルールで総当たり戦が行なわれ、ここでの上位2チームがグランドファイナルに進出、グランドファイナルでは70ポイント先取で同様に試合が行なわれ、ここで勝利したチームが優勝となる。
本稿では、CC12のトップ16および、SFL:WC2025のグランドファイナルの結果および選手たちのインタビューや、会場の雰囲気などについて振り返りレポートしていく。なお、本稿ではすべての選手の敬称を略している。
なお、3月11日~13日の予選の模様については、公式YouTubeチャンネルやTwitchにて無料配信が行なわれた。14日、15日の模様については現時点では有料配信のみとなるが、これらについても3月29日、30日に無料配信が開始となる。
CC12優勝はGood 8 Squadのさはら!「背中で語るガチくんに助けられた」
まずはCC12予選の流れについてレポートする。各グループにおいて、2連勝を決めていきなりトップ16進出を決めた選手は、Blaz、ふ~ど、Big Bird、さはら、Dual Kevin、ももち、Vxbao、LeShar、ひぐち、Micky、Kilzyou、板橋ザンギエフの12名。ここに3日目の総当たり戦を勝ち残ったChris Tatarian、Xerna、きんちょ、MenaRDの4人を加えた16人がトップ16のトーナメントを競うこととなる。
日本の選手としては、ふ~ど(エド)、さはら(エド)、ももち(エド)、きんちょ(テリー)、ひぐち(ガイル)、板橋ザンギエフ(ザンギエフ)の6人がトップ16に勝ち上がっており、改めて層の厚さが感じられるとともに、国内開催ならではの地の利も感じられる。
トップ16はすべてが5勝先取のBO9(5先)、シングルエリミネーションのトーナメントとなっており、負ければそこで試合終了だ。5先という日本の大会ではあまり採用されない長期戦ルールでのトーナメントとなっており、フィジカルやメンタルに加えて、戦術面の引き出しの数、運の良さなど、様々な要素が試されるルールといえる。
トーナメントは初戦から激闘が続き、6人残った日本の選手のうち3人がここで姿を消していく。続く2回戦となる準々決勝では、優勝候補の1人と目されたふ~どが、南米若手の強豪、Blaz相手に5-4の接戦ながら敗北。一方のさはらは、同じエド使いのももちを倒して上がってきたDual Kevinを5-3で撃破、準決勝にコマを進めた。
ほかにもきんちょを倒して勝ち上がってきたVxbaoと、LeSharをギリギリで制して勝ち上がったひぐちの対戦は5-1でひぐちの勝利。また、MenaRDを倒して上がってきたMickyは、板橋ザンギエフから逆転勝利をもぎ取ったKilzyouと対戦し、ここはKilzyouが勝利して準決勝に上がってきた。
トップ4に勝ち上がってきたさはらとBlaz、ひぐちとKilzyouについては、全員にサウジアラビアで行なわれる「Esports World Cup」(EWC)の出場資格が与えられる。試合前のインタビューで、さはらはBlazについて「Blazは超強い選手だと去年、観客席で見ていたときから分かっていたので、勝てるように頑張るだけ」とコメント。意気込みを聞かれたBlazは「準決勝に進出できてうれしい。自分に自信しかない」と強気のコメントを見せた。また、Kilzyouは大会当日の3月14日が誕生日ということでひぐちから「誕生日おめでとう!」と祝福のコメントをする微笑ましい場面も見られた。
準決勝1戦目はBlazのサガットとさはらのエドによる試合で、前半は両者譲らず勝敗を繰り返すシーソーゲームが展開していたが、3勝3敗の状況からさはらが流れを掴んでいき、最終的には3-5の差をつけて勝利し、決勝戦進出を決めた。
2戦目となるひぐちのガイルとKilzyouの舞による試合については、当初ひぐち優勢で展開していたが、キャラクターをキャミィに変更したKilzyouが流れを取り戻し、最終的には再度舞にキャラクターを戻したKilzyouが5-4で逆転勝利を決めて決勝進出を決めた。なお、ここで敗れたBlazのサガットとひぐちのガイルによる3位決定戦は、粘りを見せるひぐちに対して、5-3でBlazが勝利して3位、ひぐちが4位という結果となった。
決勝戦はさはらのエドとKilzyouの舞による1戦。試合前のインタビューにてKilzyouは「ただ優勝目指して頑張りたい」と一言、さはらも同様に「一言だけですね、勝ちましょう!」と力強くコメントした。試合はKilzyouの先制からさはらが取り返す展開。そこからさはらの勢いが増し、ラウンドを取られながらも4連勝で4-1とリードを広げていく。そして、ここでKilzyouはキャミィにキャラクターを変更。崖っぷちからキャミィでの逆転を狙うも、最後はそのままKilzyouのキャミィも撃破して5-1で勝利、プロになって1年目となるGood 8 SquadのさはらがCC12の優勝を決めた!
配信内のインタビューにて、率直に思うことを聞かれたさはらはうれしそうに「やったー!」と雄叫びを上げた。世界一になった実感を聞かれると「本当によく分かんないです。感情がすごいです」とコメント。プロになってからの1年間の活動について聞かれると「EWCで負けてしまい、こうやってつまづくのかと思っていたが、ガチくんの背中を追って死ぬほど練習していたらうまくいくようになって、SFL2025のプレイオフも悔しい結果で終わっていたので、1年最後のカプコンカップで集大成を出せたのはうれしい」と1年を振り返った。
最後にファンの人たちに向けて「みんなの歓声のおかげで緊張なくやれました。ありがとうございます」として表彰式が行なわれた。表彰式後はMCのアール氏から賞金について話を振られると「これ夢じゃないんですよね?まだ現実だと思えていないです」とコメント。
RYAN HART氏からの家族や友人たち、ファンたちの前での優勝はどのような意味を持つかという質問に対して「今まで家族や友達に誇れるものがないと思っていたので、誇れることができる優勝ができてよかった。家族のみなさんとガチくん、ぷげさん、カワノさん、りゅうきち、あでりいありがとう!」とし、家族や友人たち、チームメンバーたちに改めて感謝の言葉を投げかけた。
ツネやめろ、その顔は俺の涙腺に"効く"#CC12pic.twitter.com/wVbfrmSEWl
— アール/Aru (@papatiwawa)March 14, 2026
配信終了後には優勝したさはらへのメディア向けインタビューが行なわれた。
まずは優勝の率直な気持ちを聞かれると「もう本当にうれしいんですけど、これ本当に夢じゃないかみたいな感じです。なんかふわふわしています」とにこやかにコメント。試合を振り返っての感想を聞かれると「もうなんか、全試合、本当に覚えてないですね。もう勢いで行こうって感じでいきましたが、それがいい感じになりました」とした。ファンに向けてのコメントを聞かれると「会場だったり、Xのリプライなど、いろんな応援の形があって、本当に力になりました。ありがとうございます」とし、ファンに向けて感謝の言葉を残した。
さはら自身のエドについて、他のエドとの違いを聞かれると「他のエドよりは、前に出て戦うところですね。ふ~どさんをちょっと意識しているんですが、それ以上に前に出て戦っている感じはします」とし、より攻撃的なエドが特徴とコメント。
ももちのエドとの対戦で勝利して勝ち上がったDual Kevin、同様にふ~どのエド戦で勝利して勝ち上がったBlazなど、いずれもさはらと同キャラとなるエドを相手に勝ち上がってきた選手たちとの試合が有利に働いたか聞かれると、さはらは有利に働いたと即答。エドのフリッカーのような強い技に対して何をやっているのか、彼らの試合を先に見ることができたことが大きかったという。個人的な感覚ではエド戦で勝利した相手との試合となると、エドとの試合に強いイメージを持ちそうだが、試合内容からすぐに攻略を見出す辺りは流石の嗅覚といえる。
トップ16のトーナメントで、やる前に大変だと思った相手、実際にやってみて大変だった試合について聞かれると、元々エドのミラーマッチが苦手なさはらは、ももちやふ~どといったエドを使う相手がくる想定でいたが、結果としてDual KevinとBlazが倒して上がってきたことも自分にとっては有利に働いたという。同キャラが苦手というさはらに対して、何か秘策はあったか聞かれるとさはらは「全くないですが、一応ワンチャン、豪鬼を出そうかな……みたいな感じでした」とまさかのサプライズについても明かしてくれた。
一方で最も大変だった試合についてもやはりBlazとの1戦としており「試合中に緊張もしたし、読み合いもいろいろやっていたので、一番苦しかった」とその苦労を語った。ただし「Blazとはランクマッチなどで結構当たっており、そのときの苦労などを意識して試合に臨んだ。サガット戦、というよりはBlazがどういう行動をするのかの人読みが刺さった感じ」としており、公式の大会ではほぼ初の顔合わせながら、ランクマッチでの経験が活きた点を強調した。さらにはBlaz戦でコンボミスをしてポイントを落とした後、会場から大きな歓声が聞こえた点について振られると「あれのおかげで立て直せたと言っても過言ではないくらいリセットできました。本当にありがたいです」とし、ファンたちの声援に改めて感謝の意を示した。
グランドファイナルにおいて、Kilzyouが最後にキャミィにキャラクターを変更した点については「試合中盤にキャラを変えるのは見ていたので心構えはできていた。キャミィ戦自体はそんなに練習できていなかったが、なんとか勢いで行けた」という。
さはらが使用している、Braveridgeのゲーミングブランド「Wizard Room」によるレバーレスコントローラ「GlimPearl」について聞かれると「最強のレバーレスです!」とアピールした。なお「GlimPearl」についてはさはら優勝記念セールが行なわれ、割引価格で販売されていたが、現在は品切れとなっている。
【セール開始のお知らせ】
— Wizard Room (@WizardRoom_Bv)March 16, 2026
━━*\CC優勝おめでとう/*━━
さはら選手
#CAPCOMCUP12
優勝記念セール開催!!
━━━━━━━━━━━━━━━
開催期間:3/16 12:00 ~ 3/23 11:59
また、先日発表した価格を改訂しています
セール価格:69,780円(税込)
▼購入先🔗…pic.twitter.com/GtiULo0F62
世界最強になったさはらにさらなる目標を尋ねると、現段階では全然実感がわかず、まだまだ本当に強い人はたくさんいるので、置いていかれないようにこのまま頑張っていければとした。また、引退などは現段階では考えておらず、今後も頑張りたいとコメントしている。
一番感謝を伝えたい人を聞かれるとガチくんの名を挙げ、背中で語ってくれて、いろいろな場面で助けられたからこそ、今の自分がいると感じているとし、改めてGood 8 Squadのチームリーダー、ガチくんへの感謝の気持ちを語った。他のGood 8 Squadメンバーについても、みんなに助けられたので感謝しかないとしており、チームメンバーたちへの信頼感を示した。
優勝賞金の使い道について聞かれると、優勝するとは想像していなかったので、今は無難に家族に何か買ってあげられたらとした。
SFL:WC2025はREJECTが世界制覇!
続いて、SFL:WC2025についてレポートする。初日となる13日には今回出場した3チームによる総当たり戦が行なわれた。ここでのホーム/アウェイについては、15日に行なわれる2周目の総当たり戦において、入れ替わることとなっている。これら総当たり戦の上位2チームがグランドファイナルに進出することとなる。
出場チームとメンバーについては、日本(JP)からはグランドファイナルを制したREJECTが出場し、メンバーはときど、LeShar、ふ~ど、ウメハラの4名だ。USからは2年前に世界王者となったBanditsが2年振りに出場、メンバーはMenaRD、Caba、Booce、Chris Tの4名となる。Europe(EU)からは2年連続出場となるNinjas in Pyjamasが出場し、メンバーはPhenom、Juicyjoe、AngryBird、Big Birdの4名だ。
1周目の対戦ではREJECTがEUのNinjas in Pyjamas、USのBanditsの両チームに勝利し、2勝0敗でトップのまま折り返しとなった。次いでUSのBanditsが1勝1敗、EUのNinjas in Pyjamasが0勝2敗と続く。
初日の見所はやはり日本のREJECT全勝の展開だろう。特に圧巻なのはNinjas in Pyjamasとの3戦目において、0-20の不利局面からのふ~どによる大将戦勝利に加えて、ときどJPの延長戦の勝利だ。
ギリギリの攻防の果て、AngryBirdのケンとときどのJP、ともに体力も減った状態で対峙し、最後にときどのJPが見せたリーサルのコマ投げ技「アブニマーチ」は会場だけでなく、YouTubeなどの配信で応援してたファンたちも大盛り上がりとなっていた。ほかにも、中堅戦で出たLeSharがいつものエドではなく、テリーを使用してBig Birdのラシード相手に惜しくも敗れているが、後述のインタビューによるとこれも作戦の1つだったようだ。
15日には引き続き、2度目の総当たり戦からスタートした。オープニングでは、世界的ギタリストのMIYAVI氏がスペシャルゲストとして登場し、ストリートファイターシリーズ楽曲を高らかに演奏するライブを披露、会場をいきなりハイテンションに高めてくれた。演奏後にMIYAVI氏は「自分が若かった頃にあったらプレーヤーとして出たかった」とコメントしており、過去作をプレイしていた様子が確認できた。そしてMIYAVI氏によるSFL:WC2025開幕の挨拶とともに、いよいよSFL:WC2025の戦いが幕を開けることとなった。
こちらこそ熱く迎えてくれてありがとうございました🙏🏻次はもっとベガ感出せるように頑張ります#ベガ味#ベガり#ベガりたがり#ベガ盛り#ベガ特#春のベガ祭りhttps://t.co/S5x5sHtf6K
— MIYAVI (@MIYAVI_OFFICIAL)March 15, 2026
なお、SFL:WC2025では、事前に公式によるルールの補足説明が行なわれている。ラウンドの合間にチームメンバーが横からアドバイスする行動について、インターバルを宣言せずにアドバイスするのはOKだが、あまりにも長すぎるアドバイスについては、ステージ上にいる審判から注意をするとのことだ。
13日の初日に引き続き、2周目の総当たり戦となる今回は、1周目の組み合わせのホーム/アウェイを入れ替えての対戦となる。初戦はホームがNinjas in Pyjamas、アウェイがREJECTによる対戦からのスタートだ。アウェイとなるREJECTのオーダーは先鋒がLeSharのエド、中堅がときどのJP、大将がふ~どのエドとなる、ダブルエドシステムで挑む。
先鋒戦、Ninjas in PyjamasからはPhenomのキャミィが出陣するが、LeSharのエドがこれを2-0で撃破し、先制。続く中堅戦はときどのJPに対して、JuicyjoeのJPを当てるJPのミラーマッチが実現。接戦となったが、JP歴の長いJuicyjoeが勝利して10-10の同点へと追いついた。
そして迎えた大将戦、AngryBirdの豪鬼とふ~どのエドによる大将戦は、3-1でふ~どのエドが見事に勝利。30-10でREJECTが3勝目となり、これにてREJECTのグランドファイナル進出が確定となった。
続く2戦目、ホームがBandits、アウェイがNinjas in Pyjamasによる1戦。アウェイのNinjas in Pyjamas側は先鋒がJuicyjoeのJP、中堅がPhenomのキャミィ、大将がBig Birdのラシードのオーダーで挑むこととなった。
先鋒戦、BanditsからはChris TatarianのケンとJuicyjoeのJPによる1戦はJuicyjoeのJPが勝利。続く中堅戦はBanditsからBooceのテリーが登場し、Phenomのキャミィを撃破し、10-10の同点に持ち込む。大将戦はBanditsがMenaRDのブランカでBig Birdのラシードに挑むも、ここはBig Birdのラシードが勝利。30-10でNinjas in Pyjamasが勝利となり、首の皮が1枚つながることとなった。
いよいよグランドファイナル進出チームの2チーム目が決定する3戦目、ホームがREJECT、アウェイがBanditsの1戦。Banditsのオーダーは先鋒がCabaのガイル、中堅がBooceのテリー、大将がMenaRDのブランカ、延長戦にはChris Tatarianのケンが並ぶ。
REJECTは先鋒にふ~どのエドが登場し、Cabaのガイルと激突し、これに勝利。続く中堅戦はLeSharのエドが出てこちらも接戦ながらLeSharのエドが勝利。20-0でREJECT有利の展開が続く。
そして大将戦だが、ここでMenaRDはREJECTのオーダー発表前から意味深にステージの中央に立ち、睨みを効かせる。実はMenaRDは昨年、ウメハラに対して10先の挑戦状を叩きつけており、その前哨戦をここでやりたいというアピールが感じられる。
誰もがウメハラの登場を期待する状況で、ときどの口から発表されたオーダーはウメハラの豪鬼!この両国国技館の会場でウメハラの豪鬼とMenaRDのブランカによる直接対決が実現したのである!恐らく会場は本日一番というくらいの大盛り上がりを見せることとなった。
こうして開始したウメハラの豪鬼とMenaRDのブランカによる大将戦。試合そのものは駆け引きが感じられる熱い展開が続いたが、決め手の部分ではMenaRDが巧みに立ち回っており、スコアとしては3-0でMenaRDが勝利。チームとしてはBanditsが20-20でREJECTに追いつくという状況となった。
そして、延長戦となるときどのJPとChris Tatarianのケンによる対決は接戦ながらも、ときどのJPが見事に勝利し、30-20でREJECTが勝利。総当たり戦においては1敗もすることなくREJECTが4勝全勝を決めた。そして同率1勝3敗で並んだBanditsとNinjas in Pyjamasだが、勝敗数においては同率、BATTLE得失点差による差でBanditsが上回ったため、Banditsがグランドファイナル進出となった。
グランドファイナルにおいては、従来のSFLにおけるプレイオフ/グランドファイナルと同様、ホーム/アウェイを交互に入れ替えて先鋒/中堅/大将戦と試合を進めていく方式だ。そしてゴールとなるスコアは70ポイントと、国内リーグのプレイオフと同じスコアラインとなっており、最短2周目、最長4周目の先鋒戦で勝敗が決するルールとなっている。
グランドファイナルは1位抜けのREJECTがホーム、2位抜けとなったBanditsがアウェイでスタート。1セット目、アウェイのBandits側は先鋒がCabaのガイル、中堅がBooceのテリー、大将がMenaRDのブランカというオーダーで挑む。
先鋒戦はREJECT側からときどのJPが登場し、Cabaのガイルと対戦。接戦ながら2-1でときどが勝利。続く中堅戦はLeSharのエドがBooceのテリーと対戦し、Booce側の機材トラブルなどがありつつ、ここも2-1でLeSharが勝利。大将戦にはふ~どのエドが登場し、MenaRDのブランカを3-1で撃破。ホームながら40-0の全勝と好調なスタートで2セット目に向かう流れとなった。
続く2周目、アウェイとなるREJECTのオーダーは、先鋒がLeSharのエド、中堅がウメハラの豪鬼、大将がふ~どのエドという布陣で挑む。
先鋒戦はMenaRDのブランカがLeSharのエドと激突し、ここを2-0でMenaRDが勝利。続く中堅戦、ウメハラの豪鬼相手には、Chris Tatarianのケンが挑み、ここを2-1で勝利して、スコアを20-40と縮めていく。そして迎えた大将戦、本日無敗となるふ~どのエドに対して、Booceのテリーが挑むこととなり、ここをふ~どが3-0勝利し、ポイントを60まで伸ばしてあと10ポイントのところまで近づけた。
過去のSFLにおいては、残り10ポイントというスコアが獲得できずに逆転負けを喫する対戦もよく見られたので、現状有利なスコアであっても全く油断できない状況だ。それは恐らく間近で体験してきたときどが最もよく理解しているのだろう。
そして迎えた3周目、再度ホームとなったREJECTに対するBanditsのオーダーは、先鋒がBooceのテリー、中堅がCabaのガイル、大将がMenaRDのブランカとなった。Booceが負ければそこで試合は終了だ。ここでREJECTが出したのは、LeSharのエドだ。
運命の先鋒戦がいよいよスタート。1ラウンドはBooceのテリーが一気に勝負を決めるパーフェクト勝利で先制を許すも続く2ラウンドはLeSharのエドが冷静に取り返す。ファイナルラウンドはLeSharのエドがきっちり決めてまずは1本。続く2本目もLeSharのエドが順当に勝ちを積み重ね、最後は打撃読みでパリィを入れたBooceのテリーに対して、冷静に投げを入れてLeSharのエドが勝利。チームとしては70-20という大差でBanditsを倒して、REJECTがSFL:WC2025の優勝を決めることとなった!メンバー全員がSFL WC初優勝で、特にときどはFAV gamingで出場したSFL WC2023でBanditsに負けて以来2度目の挑戦がようやく実った格好だ。
配信のインタビューにて、ときどは「今、ようやく実感が湧いてきたところです。ここまで本当に長い道のりで、去年敗れてから1年間、本当に毎日欠かすことなく練習してきたし、その練習などを支えて、練習に付き合ってくれた皆さま、会場で見てくれた皆さま、配信で見てくれた皆さま、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を綴った。
LeSharは「ようやく休めますね。この優勝のためにチームメイトと一緒に毎日頑張ったので、本当にいい思い出に残るし、これで日本でのチャレンジは終わりましたが、少し休んでまた新しいチャレンジをしていきます」とした。
ふ~どは「解放の嬉しさがハンパないですね。チームでのゲームって練習などもみんなでやることになるので休む暇もなくて大変だったんですが、全力で取り組んでいたら、気が付いたらめっちゃ強くなっていました。この環境で毎年練習したらCCも優勝できるのでは、と思えるくらい最高の環境でゲームができていました」とし、REJECTの練習環境について絶賛した。
ウメハラは「いやぁ、チーム強すぎ!マジで強すぎ!こんなチーム組んだことないので、これで優勝していいのかなという感じですがうれしいです」と喜びの表情を見せる。
続けて「自分が両国国技館に来たのって13歳の頃、32年前なので、当時の自分に32年後、まだ君、このゲームやってるよ。しかも一応優勝しているよと言っても信じなさそうだと思う。10歳から格闘ゲームを始めて、15歳くらいで初めて大きな大会で勝って、そこから今までいろいろあったけど、この年でもこういう舞台に立たせて貰えて、もちろんチームのおかげですけど、優勝もさせて貰えたので、すごくありがたい幸せな人生だと思う」と自身の半生を振り返り、感慨深げにコメントした。
最後は改めてときどからファンに向けて感謝の言葉が投げられ、最後に会場全員でREJECT恒例となる「チームREJECT!」の掛け声をかけて会場を最高潮に盛り上げた。最後にMCのアール氏から改めてREJECTの優勝コールが叫ばれて表彰式は終了となった。
その後は、カプコンの辻本春弘代表取締役社長COOが登壇。来場者たちへの謝辞を述べたのち、来シーズンについての発表が行なわれた。まずは2027年開催予定となる「CAPCOM CUP 13」の開催地が3年連続となる、日本の両国国技館になると発表した。
賞金についても引き続き100万ドルとなることが付け加えられたほか、SFLの賞金が従来の総額50万ドルから70万ドルへの増額が発表。CAPCOMが2026年度シーズンに用意する賞金総額は210万ドルになるとした。そのほか、地域別に行なわれているオンライン大会「World Warrior」について、新たな地域としてチリが加わることを発表した。
そして新たな施策の1つとして、多様な文化背景を持つ選手が集まる大会や学生向けの大会などでの利用を目的とした新しいOutfit「DriveTech Wear」を無料で配布することが発表された。
大会終了後は、REJECTのチームメンバーたちへのメディア向けインタビューが行なわれた。率直な優勝した気持ちを聞かれると、ときどは「ほっとしています。うれしいですけど、ほっとしているという気持ちが強いです。このチームに入ってから取り組む時間が長く、全員が真剣に取り組んできたので、世界優勝という形で締めくくれたのが良かったです」と改めて安堵の表情を見せた。
応援してくれたファンの皆様への一言は「格闘ゲームを長く続けていますが、ゲームセンター時代から考えると、今こうして仕事にできているのは皆様のご支援あってのことです。本当にありがとうございます。正直、今でも夢のような世界だと思っています。それを実現させてくれているのは、僕たちプレイヤーだけでなく、支援してくださる皆さんのおかげです」とファンたちへの感謝の言葉を改めて繰り返した。
早速、来年度の大会への取り組み、特に海外のプレミア大会への参加について聞かれると、ウメハラは「優勝した直後なのでまだ決めていませんが、今年45歳になるので、例年よりは数は減るかなと思っています。ただ、気を抜かずに頑張りたいです」とコメント。
ふ~どは優勝したらもう行きたくないと思っていたが、いざ始まるとみんな楽しそうにしているので、なんだかんだで、そこそこ行くのではないかと予想しているそうだ。と言いつつも、今の気持ちは、そんなに行く気はないですとした。そして、ときどは「全部行きます」と一言。この発言を受けてふ~どがウメハラに、こうやって楽しんでいるヤツがいるんですよ、とコメントして笑っていた。LeSharは韓国に戻って休み、練習しながら余裕があるときにまたプレミア大会に出ると思うとした。
大将戦でのMenaRDとウメハラの対戦について、その前段階でエドを2枚使った点について聞かれたときどは「2枚のエドが前に出た時点で皆さんも気づくだろうな、と思って出しました。引き延ばすつもりはなく、向こうも覚悟していたと思います」とし、あのタイミングでのマッチングの1つとして元々検討していたようだ。
13日の予選におけるときどのJPの「アブニマーチ」についてコーチのりゅうせいから教わったやり方か聞かれると、ときどは「直接は教わっていません。ただ、フィードバックの中で使い道があることに気づき、りゅうせいのおかげで出せたものなので感謝しています」とし、JPのコーチとして協力してくれていたりゅうせいに感謝の言葉を送った。また、これまではマッチング次第でケンとJPの2本柱でプレイしていたときどに今回のSFL:WC2025ではJP1本だったかについて聞くと「事前の相手の取り組みも見えていたので、JP一本で行こうと決めて臨みました」とし、シーズン最後にJP1本で臨んだことを明かした。
SFL2025グランドファイナルと今回のSFL:WC2025のグランドファイナル、ともに優勝を決めることとなったのはLeSharの試合だったが、その際の心境を聞かれると「去年はリスペクトしているカワノ選手が全部決めて優勝したのを見ていたので、自分も同じような立場になれてうれしいです」とした。
ウメハラが以前、MenaRDからXで挑戦状を受けた件について、それを意識した上で、今日の対戦も想定していたかについて聞くと、ウメハラからは「順位やポイントなどの条件が整ったので、自分かときどのどちらか行ける方が行けばいいという感じでした。挑戦状については意識はありました」とコメント。
今日の大将戦では惜しくも負けてしまったが、10先での自信を聞いてみたところ「10本先取(10先)なら勝つ自信はあります!」と自信たっぷりにコメントしてくれた。
チーム内のオーダーについて、ときどは「今回は決め打ちではありませんでした。予想外のオーダーや、70点先取という特別ルールがあったので。ただ、事前に可能性の高いところは話し合って潰せていたので、Phenomが大将に来るなどのイレギュラーにも対応できました」とかなり複雑な組み合わせについて考えていたようだ。また、LeSharが初日にテリーを出した点については、今日までLeSharのエドをEUのチームに見せたくなかったため、というコメントもあった。
REJECTのメンバー4人のうち、3人はCC12にも出場しており、特にふ~どとLeSharについてはトップ16に進出して惜敗していたので、気持ちの切り替えについて聞いてみると、ときどは「自分はすぐに負けてしまったので、もうチーム戦をやるしかないと思えたので大丈夫でした」とコメント。
ふ~どは気持ちの切り替えについて、もう終わった事だとあまり負けたことを振り返らず、チーム戦に向けてすっと切り替えられたとし、練習については「どこに比重を置くか、練習時間の確保が大変でした。SFリーグの練習時間は例年より少なくなったが、その中でできることはやったと思います」とコメントした。
LeSharは「正直に言うと、今回は個人戦は諦めていました。今年で日本のSFリーグは最後なので、チーム戦一本に絞って練習していました」としており、最初からチャンレジの目標がSFL:WC2025のみだった点を強調。諦めていてもトップ16に残れてしまうLeSharの実力の高さに驚くばかりだ。
今年で日本を離れるLeSharに寂しさはあるか聞くと「REJECTのチームメイトに会えなくなるのは寂しいですが、今はやり遂げた、やっと終わったという気持ちがちょうどいいです。それにみんな韓国に来たら家に来てくれるという話もしています」とし、REJECTメンバーたちとの深い絆が感じられた。
最後にときどに向けて「明日は練習するか?」という質問を投げるとときどは「明日は休みます。でも仕事はあるんですよね」としており、1年間の練習生活に一旦ピリオドが打たれたとしながらも、多忙な生活が続く様子がアピールされた。
次回、CC13も両国国技館で開催決定!
最後に会場の様子についても紹介したい。観戦環境としては、2025年に行なわれた「CAPCOM CUP 11」と比べると格段に向上した。特に去年まで置かれていたパイプ椅子による最前列のアリーナ席がなくなり、代わりに升席の領域が拡大。こちらは最前列の部分を新たに引き出して使用していたようで、最前列のSSS席については、ステージの間近で観戦が楽しめる状況となっていた。それに加えて、ステージの高さも調整され、以前よりも低くされており、ゲーム画面のみならず、選手たちの生の動きや表情などがより見えやすいセッティングになっていた。
飲食周りについても大幅に改善。「CAPCOM CUP 11」のときは両国国技館内のおつまみ類くらいしか食べられる物がなかったが、今年は昼から夕方までの時間、国技館の外周エリアにキッチンカーが新たに配置され、バリエーション豊かな飲食が楽しめるようになっていた。筆者も今回はキッチンカーで販売していた唐揚げ海苔弁当を食したが、疲れた体に揚げ物と炭水化物が沁みわたり、終日精力的な取材が行なえた。
そのほか、外周エリアには新たにチームブースが配置され、チームグッズの販売やファンサービスなどが行なわれており、かなりの大盛況だった。これら外周エリアについては、CAPCOM公式物販ブースと同様、チケットを持っていなくても訪れることが可能な仕組みになっており、誰でも手軽にキッチンカーでの食事やチームブースでの買い物が楽しめるようになっていた。
次回、CC13については、今回正式に両国国技館での3度目の開催が決定した。おそらく日本がもっともスト6において盛り上がりを見せていることの証左といえる決定だ。このように格闘ゲームのブームが3年以上盛り上がったまま継続するという展開はこれまでに例を見ない流れとなっており、間もなく4年目となるスト6の展開は今後どうなっていくのか。スト5の頃からSFLを追いかけていた筆者としても、今後の動向に注目していきたい。
(C)CAPCOM
(C)SPWN






















































































