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本日発売のハイエンドスマホ「Galaxy S25」シリーズをテスト。コスパの無印か?最強のUltraか?
2025年2月14日 06:23
サムスン電子ジャパンから、最新フラッグシップスマートフォン「Galaxy S25」シリーズが登場。標準モデル「Galaxy S25」と最上位モデル「Galaxy S25 Ultra」の2モデルを用意し、キャリアモデル、SIMフリーモデルともに2月14日より発売される。
Galaxy Sシリーズは、国内では標準モデルと最上位モデルの2モデルが投入されるのが常だが、そのどちらも異なる魅力を備えていて、どちらを選ぶべきか迷ってしまう人も少なくない。そこで今回、Galaxy S25とGalaxy S25 UltraのSIMフリーモデルをいち早く試用しつつ、それぞれの特徴や違いをチェックしていくので、購入の参考にしてもらいたい。
搭載SoCやメモリ容量は同一
まずはじめに、Galaxy S25とGalaxy S25 Ultraの仕様の違いをチェックしよう。それぞれの仕様は、以下表1にまとめたとおりだ。なお、ここでまとめた仕様はSIMフリーモデルのものだ。
機種 | Galaxy S25 | Galaxy S25 Ultra |
---|---|---|
SoC | Snapdragon 8 Elite for Galaxy | |
メモリ | 12GB | |
内蔵ストレージ | 256GB/512GB | 256GB/512GB/1TB |
外部ストレージ | 非対応 | |
OS | Android 15 | |
ソフトウェアサポート | セキュリティアップデート:2032年1月31日まで | |
ディスプレイ | 6.2型有機EL「Dynamic AMOLED 2X」 1,080×2,340ドット、リフレッシュレート最大120Hz | 6.9型有機EL「Dynamic AMOLED 2X」 1,440×3,120ドット、可変リフレッシュレート1~120Hz |
Sペン | 非対応 | 対応(本体内蔵) |
背面カメラ | 超広角:F値2.2、1/2.5型1,200万画素センサー 広角:F値1.8、1/1.5型5,000画素センサー 3倍望遠:F値2.4、1/3.9型1,000万画素 | 超広角:F値1.9、1/2.5型5,000万画素センサー 広角:F値1.7、1/1.3型2億画素センサー 3倍望遠:F値3.4、1/3.5型1,000万画素 5倍望遠:F値2.4、1/2.5型5,000万画素 |
前面カメラ | F値2.2、1/3.2型1,200万画素 | |
モバイル通信 | 5G Sub-6:n1/3/5/28/40/41/66/77/78/79 4G LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/18/19/20/21/26/28/38/39/40/41/42/66 3G:B1/5 GSM:850/900/1,800/1,900MHz | 5G mmWave:N257 5G Sub-6:n1/3/5/28/40/41/66/77/78/79 4G LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/18/19/20/21/26/28/38/39/40/41/42/66 3G:B1/5 GSM:850/900/1,800/1,900MHz |
対応SIM | nanoSIM+eSIM/eSIM+eSIM | |
無線LAN | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be、EHT320、MIMO、4096-QAM) | |
Bluetooth | Bluetooth v5.4 | |
センサー | 加速度センサー、気圧センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、ホールセンサー、照度センサー、近接センサー | |
おサイフケータイ | 対応 | |
防水・防塵 | 防水:IPX5/IPX6、防じん:IP6X | |
生体認証性能 | 指紋認証(ディスプレイ埋め込み型)、顔認証 | |
外部ポート | USB 3.2 Gen1 USB Type-C | |
バッテリ容量 | 4,000mAh | 5,000mAh |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi準拠) | |
ボディ素材 | アーマーアルミニウム | チタン |
ガラス | Gorilla Glass Victus 2 | Gorilla Glass Armor 2 |
サイズ | 71×147×7.2mm | 77.6×162.8×8.2mm |
重量 | 162g | 218g |
カラー | アイシーブルー、シルバーシャドウ、ネイビー、ミント 以下はSamsungオンラインショップ限定 ブルーブラック、コーラルレッド、ピンクゴールド | チタニウムシルバーブルー、チタニウムブラック、チタニウムグレー、チタニウムホワイトシルバー 以下はSamsungオンラインショップ限定 チタニウムジェットブラック、チタニウムジェードグリーン、チタニウムピンクゴールド |
それぞれの違いは、従来モデルのGalaxy S24シリーズの場合とほぼ同じと考えていい。本体サイズや搭載ディスプレイサイズは、Galaxy S25のほうがGalaxy S25 Ultraよりもひとまわり小さい。同時に重量もGalaxy S25 Ultraが218gと200gオーバーなのに対し、Galaxy S25は162gと、46gも軽い。実際に持ち比べてみると、Galaxy S25のほうが圧倒的に持ちやすいのはもちろん、軽くて非常に軽快と感じる。Galaxy S25 Ultraは、今どきのフラッグシップスマートフォンらしく、大きく重い。比較的手に大きな筆者でも手に余る印象だ。
サイズは、Galaxy S25が71×147×7.2mm、Galaxy S25 Ultraが77.6×162.8×8.2mm。双方とも従来モデルから0.4mm薄くなっており、いずれも歴代最薄となっている。
本体デザインは、Galaxy S25は従来モデルからほとんど変わっていない。それに対しGalaxy S25 Ultraは、従来モデルでは曲線を取り入れていた側面が直線的に切り落とされていたり、反対に四方の角には曲線を取り入れるといった変化が見られる。これによって、Galaxy S25とGalaxy S25 Ultraはぼぼ同じデザインとなった。
筐体素材は、Galaxy S25がアーマーアルミニウム、Galaxy S25 Ultraがチタンを採用し、いずれも従来より強度が高められている。ディスプレイ面および背面のガラスは、Galaxy S25は従来同様の「Gorilla Glass Victus 2」を採用。Galaxy S25 Ultraでは最新の「Gorilla Glass Armor 2」を採用し、さらに強度が高められている。
続いて基本スペック。搭載SoCはどちらもSnapdragon 8 Elite for Galaxyを採用。メモリも双方とも12GB搭載する。Galaxy S24はメモリ搭載容量が8GBだったが、Galaxy S25では上位モデルと同じ12GBメモリを搭載するようになったことで、性能の違いをほぼ気にする必要がなくなった点はありがたい。
それに対し、内蔵ストレージ容量は従来同様の違いがある。Galaxy S25は256GB/512GBなのに対し、Galaxy S25 Ultraは256GB/512GB/1TBと、より大容量の選択肢を用意。双方とも外部ストレージ(microSDカード)は利用できないため、より多く写真や動画を撮影したいということならGalaxy S25 Ultraのほうが有利だ。
5G通信は、Galaxy S25はSub6のみ対応、Galaxy S25 UltraはSub6およびミリ波に対応。ただ、ミリ波は利用場所が限られることもあり、Sub6のみでも特に大きな問題はないだろう。
無線LANはWi-Fi 7(IEEE 802.11be)準拠、BluetoothはBluetooth 5.4で、これはどちらも同じ。
生体認証は画面内指紋認証と前面カメラを利用した顔認証に対応。搭載センサー類、防水/防塵性能、Qi準拠のワイヤレス充電対応、おサイフケータイ対応などにも違いはない。
カラーは、Galaxy S25、Galaxy S25 Ultraともに全7色(そのうち3色はSamsungオンラインショップ限定カラー)を用意。Galaxy S25のほうがややポップなカラーが多く、Galaxy S25 Ultraのカラーはいずれも落ち着いた印象だ。この違いは、それぞれがターゲットとするユーザー層を意識したものと考えていいだろう。
ディスプレイはサイズと解像度、Sペン対応の有無に違いあり
続いてディスプレイ。双方ともリフレッシュレート最大120Hz対応の有機EL「Dynamic AMOLED 2X」を採用する点は同じ。サイズはGalaxy S25が6.2型で表示解像度が1,080×2,340ドット、Galaxy S25 Ultraが6.9型で表示解像度が1,440×3,120ドット。Galaxy S25 Ultraでは、ベゼル幅が狭められたことで、従来モデルと比べてサイズが0.1型大きくなっている。
ディスプレイを見比べてみると、発色の鮮やかさ、高リフレッシュレートによる動画や画面スクロールのなめらかさに違いは感じられない。また、解像度の違いも、この程度のサイズではそれほど感じることはない。どちらもフラッグシップシリーズらしい高品質なディスプレイと言っていい。
とはいえ、Galaxy S25 Ultraのほうがサイズが大きいため、動画視聴時の迫力は勝っている。同時に、快適なゲームプレイという点でも、画面サイズが大きなGalaxy S25 Ultraのほうが有利だ。このあたりを重視するのであれば、やはりGalaxy S25 Ultraのほうを選択すべきだろう。
ディスプレイまわりでのもう1つ違いが、Sペンだ。これも従来モデルと同じで、Galaxy S25 Ultraのみ本体にSペンを内蔵しており、Sペンを利用したペン入力が可能。仕様は、従来同様4,096段階の筆圧検知に対応するが、Bluetoothを利用したジェスチャー操作「エアアクション」は非搭載となった。
Sペンは従来同様、本体下部側面に収納されている。Sペンの書き心地は、非常になめらか、かつ軽快で、さすがの印象。ちょっとメモを取りたいといった場面でも、本体がスリープ状態でペンを抜くと「画面オフメモ」が起動し、簡単にメモを取れるなど、利便性も高い。Sペンの使い心地になれると、手放せないと感じるユーザーが多いこともよく分かる。もちろん、Sペンが必要ということであれば、必然的にGalaxy S25 Ultraを選択すべきだろう。
カメラはGalaxy S25 Ultraのみ一部進化も、従来から大きな違いはない
背面カメラは、Galaxy S25、Galaxy S25 Ultraともに従来モデルとほぼ同等の仕様となっている。
Galaxy S25は、超広角/広角/3倍望遠の3眼構成で、レンズや撮像素子の仕様は従来モデルから変更はない。
Galaxy S25 Ultraは、超広角/広角/3倍望遠/5倍望遠の4眼構成で、別途レーザーAFセンサーも搭載、という点は従来同様。レンズや撮像素子の構成もほぼ同等だが、超広角のみレンズがF1.9に明るくなり、撮像素子が従来の1,200万画素から5,000万画素に進化している。これによって、超広角レンズを利用したマクロ撮影でより高精細な写真が撮影できるようになっている。
動画撮影機能は、従来同様に最大で8K動画の撮影が可能。またGalaxy S25 Ultraでは、ダイナミックレンジを広げたLog形式での動画撮影にも対応している。
前面カメラは、双方とも従来モデルから変わっていない。
では、双方で撮影した静止画を比べていこう。まずは、各レンズ、およびデジタルズームを利用した写真の比較。ここでは、0.6倍、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、30倍、そしてGalaxy S25 Ultraのみ100倍で撮影した写真を比較する。
双方を見比べてみると、標準設定の1,200万画素相当で記録していることもあって3倍までは画質に大きな違いは見られない。
しかし、5倍以上の望遠になると違いが現れる。5倍撮影は、Galaxy S25ではデジタルズームになるのに対してGalaxy S25 Ultraは5倍光学レンズでの撮影となるため、精細感に大きな差が現れている。
10倍や30倍撮影についても同様で、3倍望遠レンズでのデジタルズームと5倍望遠レンズでのデジタルズームでは、画質に大きな違いが感じ取れる。Galaxy S25 Ultraの100倍撮影は、さすがにかなり精細感が失われているが、ここまで寄って撮影できるのは、Galaxy S25にはない魅力となるだろう。
このほか、Galaxy S25 Ultraでは超広角レンズを利用したマクロ撮影の画質が向上しているので、そちらもチェックしてみた。
以下がその作例だが、確かにGalaxy S25 Ultraはマクロ撮影でもなかなか高画質となっている。Galaxy S25はマクロ撮影機能を搭載しないため直接比較は難しいが、それでもマクロに近い接写が行える。ただ画質はGalaxy S25 Ultraのほうに軍配が上がる。
ただ、以下の作例のように、標準画質で1倍(広角)で撮影する限りでは、どちらも十分満足できる画質で撮影できている。もちろん、マクロ撮影や望遠撮影には大きな違いがあり、その点はGalaxy S25 Ultraが優位となる。それでも、通常のスナップ撮影などはほぼ変わらない画質で撮影可能。そのため、あまり望遠撮影はしないということであれば、Galaxy S25のカメラでも十分満足できるだろう。
AI機能は双方に違いはない
AI機能「Galaxy AI」については、どちらも同じものが利用できる。Galaxy S24シリーズでいち早く搭載された、画面内を指やSペンで囲って検索できる「かこって検索」や音声の翻訳機能などの従来のAI機能に加えて、新機能も追加されている。
その1つが、画面に表示されている内容をAIが判断して、必要な作業を提案してくれる「AIセレクト」。外国語が表示されている状態でAIセレクトを起動すると翻訳機能を提案したり、動物の写真が表示されている場合には生成AI編集を提案、といった感じで、現在の表示内容から機能を提案してくれる。
「Now Brief」という機能では、その時点で必要そうな情報をAIが収集、要約して表示する。たとえば、朝起きたときに起動すると、今日の天気や最新ニュースなどが表示される。その内容は起動した時間帯によって変化し、朝、昼、午後、夕方、夜など、そのタイミングに合わせた情報を表示する。
また、Google Geminiを利用する場合に、Googleアプリだけでなく、Samsung Notesなど一部のSamsungアプリとの連携も可能となっている。
このほか、Google Pixel 8シリーズから搭載された、動画から音声やノイズなどを消去する「音声消しゴムマジック」と同等の「オーディオ消しゴム」も搭載。ただ、仕様は同じではなく、オーディオ消しゴムはオンデバイスで処理されるためオフラインでも利用できる。それに伴い、Pixelシリーズではクラウド処理となる関係で設定されている“2分以内の動画のみ”という制限もない。これは、より多くの動画を処理できるという意味で、嬉しい進化だ。
そして、これらAI機能はGalaxy S25、Galaxy S25 Ultraのどちらでも利用できる。そのため、AI機能に関しては双方にほぼ差異はないと言える。
ベンチマークでも大きな違いは見られない
では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回は、「PCMark for Android Benchmark」、「3DMark Android Benchmark」、「Geekbench 6」を利用した。
以下にそれぞれの結果を掲載しているが、これを見ると分かるように、大きな違いはないものの、Galaxy S25 Ultraのほうがやや優れたスコアが得られているものも見られる。これは、本体のサイズ差による放熱性能の差によるものかもしれない。とはいえ、その差は誤差の範囲内と言える程度のもので、どちらもほぼ同等のパフォーマンスが発揮されると考えて差し支えないだろう。
搭載SoCやメモリ容量が同じということもあって、テスト前から性能差はほぼないだろうと思っていたが、実際の結果も想定通りだった。そのため、性能の違いを考慮する必要はなさそうだ。
続いてバッテリ駆動時間だ。搭載バッテリ容量は、Galaxy S25が4,000mAh、Galaxy S25 Ultraが5,000mAhと、Galaxy S25 Ultraのほうが大容量。公称の駆動時間は、Galaxy S25が最大29時間、Galaxy S25 Ultraが最大31時間(いずれも動画再生時)。
それに対し、画面輝度を50%、SIM非装着、Wi-Fi接続の状態で、YouTubeの1080pライブ動画を6時間連続再生してみたところ、Galaxy S25ではバッテリ残量が77%、Galaxy S25 Ultraではバッテリ残量が76%だった。このまま再生を続けても、どちらも25時間前後の連続再生が可能な計算だ。
YouTube動画のストリーミング再生は負荷が低いため、高負荷なゲームの連続プレイではもっと駆動時間は短くなるだろう。ただ、通常の使い方であれば、どちらも駆動時間に不満を感じることはないはずで、この点もほぼ差がないと言えそうだ。
最強モデルが欲しいならGalaxy S25 Ultraだが、トータルバランスやコスパ重視ならGalaxy S25
ここまでGalaxy S25とGalaxy S25 Ultraを比べてみたが、どちらを選ぶべきか、なかなか悩ましいというのが正直な感想だ。
とはいえ、性能面でほぼ差がないため、搭載される機能で選ぶことになるわけで、自分がどういった機能を必要としているのかを考えると比較的簡単に答えが導き出せそうだ。
とにかく仕様面で妥協したくない、フラッグシップなのだからとにかく全部入りがいい、ということなら当然Galaxy S25 Ultraとなる。特に、カメラ性能を重視するのであれば、Galaxy S25 Ultra一択と言ってもいいだろう。ただ、重量とサイズ、価格にはそれなりに妥協が必要だ。
それに対しGalaxy S25は、カメラ周りがやや弱かったりSペンが使えないといった点はあるが、それら万人が必要な機能かというとそこまでではないだろう。そのうえでパフォーマンスやAI機能などはGalaxy S25 Ultraと差がなく、それでいてボディが小さく軽いため、日本人好みのモデルとも言える。
そして、価格的にもGalaxy S25はなかなか魅力的だ。今回はSIMフリーモデルで比べるが、Galaxy S25 Ultraは256GBモデルが19万9,800円、512GBモデルが21万7,800円、1TBモデルが25万3,800円とかなり高価なのに対し、Galaxy S25は256GBモデルが12万9,000円、512GBモデルが14万7,000円と、7万円ほど安い。コストパフォーマンスという意味ではGalaxy S25 Ultraを圧倒している。
以上から、コストよりも最強性能を追求したいならGalaxy S25 Ultraとなるが、個人的にはトータルバランスやコストパフォーマンスの良い、Galaxy S25のほうをお勧めしたい。
なお、Galaxy S25シリーズは、NTTドコモ、au、ソフトバンクからキャリアモデルも販売される。キャリアモデルは、キャリア専用アプリがプリインストールされる点を除いて機能的にはSIMフリーモデルと変わらない。そのうえで、いわゆる「残価設定プラン」を活用することで、より安価に購入し利用できる。そのため、Galaxy S25 Ultraを選択するならそちらを考慮してみるのもお勧めだ。