イベントレポート

Dell、”見えないタッチパッド”などすっきりデザインを極めた「XPS 13 Plus」

DellのXPS 13 Plus(写真提供:Dell)

 Dellは1月3日よりラスベガスで開催されているCESにあわせて報道発表を行ない、フラッグシップモバイルノートPC「XPS 13」の新製品となる「XPS 13 Plus」(モデル 9320)を発表した。

 XPS 13のデザイン哲学としてきた“すっきりデザイン”(英語でClean Design)をさらに推し進めたものになっており、ポート類は左右それぞれに1つずつのUSB Type-Cポート(Thunderbolt 4対応)が用意されているだけで、タッチパッドやファンクションキーが周囲との段差などがなくなっているほか、キーボードも隙間などをできるだけ排したデザインになっている。

「すっきりデザイン」をさらに加速させたXPS 13 Plusに進化

13.4型16:10ディスプレイ搭載のノートPCという大枠は同じで、すっきりデザインへと進化したXPS 13 Plus(写真提供:Dell)

 現行製品となるXPS 13(モデル 9310)が、その前のモデル(モデル9300)のCPUを第10世代Core(Ice Lake)から第11世代Core(Tiger Lake)に強化したマイナーモデルチェンジだったのに対して、今回発表されたXPS 13 Plusは、筐体などをゼロから設計したフルモデルチェンジとなる。

 Dellは、2015年に発表したXPS 13でディスプレイの縁を極端に薄くした「狭額縁」のデザインを最初に採用したPCメーカーで、その後狭額縁のデザインは、ほぼ全メーカーで採用されるようになるなど、ノートPCのデザインをリードしてきたトレンドメーカーでもある。そのDellが今回発表したXPS 13 Plusは、4辺狭額縁という前モデルと前々モデルの特長を受け継ぎながら、そのデザイン哲学だった「Clean Design」(日本語に意訳すればすっきりデザイン)をさらに推し進めているのが特長となっている。

左右のポートにはUSB Type-C(Thunderbolt 4)ポートが1つずつだけ(写真提供:Dell)

 従来のモデルでも左右にUSB Type-C(Thunderbolt 4)ポートが1つずつとなっていたが、それに加えてMicroSDカードスロットが左に、オーディオ端子が右にあるというポート構成になっていた。今回の新モデルでは左右にUSB Type-C(Thunderbolt 4)ポートが1つずつだけで、さらすっきりさせたポート構成になっている。

キーボードとタッチパッド、すっきりしたデザインが印象的(写真提供:Dell)

 注目なのはキーボードとタッチパッドだ。キーボードもフラットなデザインになっており、キートップの高さがパームレストと同じになっている。また、タッチパッドはパームレストと段差がなく、シームレスに統合されているデザインを採用している。これにより、B面(ディスプレイ)、C面の両方がフラットに見えるという、こちらも「すっきり」デザインになっている。

 なお、A面(ディスプレイ天板)とD面(底面カバー)は従来通りアルミニウムのCNC削り出しとなっている。ボディーカラーも従来と同じくグラファイト(グレー)とプラチナ(白)の2色構成だ。

 また、キーボードの6列目、つまりファンクションキーはヒンジ部分に統合されており、タッチ(静電容量方式)操作で利用する。電源が切れている時はファンクションキーのバックライトがオフになるので、ただの面にしか見えないこともすっきりしたデザインにみせることに貢献している。その反面、物理キーボードに慣れ親しんでいるユーザーにとっては、使い勝手の点で慣れるまで時間がかかるということは弱点として指摘されることになるだろう。

 Dellによれば、物理キーボードのストロークは1mmで、従来のキーボードと同じように快適に入力できると説明している。また、パームレストとシームレスなデザインになっているタッチパッドはハプティックモーターを利用したフィードバックがかかるようになっており、タッチパッドを触ったことをユーザーが感じ取れるようになっている。

CPUは第12世代Coreへと進化し、熱設計もTDP 28Wをターゲットに新設計になる

CPUには第12世代Core(Alder Lake)のPシリーズを搭載している(写真提供:Dell)

 PCの基本的な機能も大きく強化されている。CPUは従来モデルでは第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)だったが、Intelが発表したばかりの第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)へと強化されている。従来モデル(XPS 13 モデル9310)では、CPUは第11世代CoreのUP3パッケージを採用していたが、熱設計はTDP 15Wを前提に設計された前々モデルを引き継いでいることもあり、TDP 28Wで設計された筐体などに比べてやや性能面では不利になっていた。

 しかし、今回発表された新モデルでは第12世代Core Pシリーズの性能をフルに発揮できるようにTDP 28Wをターゲットに設計が行なわれていることが特長となる。CPUはCore i7-1280P、Core i7-1270P、Core i7-1260P、Core i5-1240Pの4つのSKUが採用される予定(搭載されるCPUはモデルによって異なる)。

 メモリはモデルによって異なるが8GB~32GBのLPDDR5-5200オンボード搭載(増設や交換などはできない)。ストレージは256GBのモデルはPCI Express Gen 3となるが、512GB、1TB、2TBのモデルはPCI Express Gen 4に対応したSSDとなる。

 ディスプレイも従来のモデルと同じようにすべて13.4型で16:10のアスペクト比になっており、4K UHD+(3,840x2,400ドット、500nit)の液晶(タッチあり)、3.5K(3,456x2,160ドット、400nit)のOLED(タッチあり)、FHD+(1,920x1,200ドット)の液晶でタッチありとタッチなしという4つが用意される。

 ディスプレイ上部に内蔵されているWebカメラはIR機能を搭載しており、Windows Helloによる顔認証に対応し、720pの動画を撮影できる。また、従来製品と同じように電源ボタンに指紋認証センサーが入っており、顔認証、指紋認証の2つの生体認証に対応している。

 無線回りはIntel Killer Wi Fi 6E 1675 (AX211)を採用しており、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応している。なお、ワイヤレスWANには対応していない。本体のサイズは295.3×199.04×15.28mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.24kgからで、搭載しているバッテリの容量は55Whと従来モデルの52Whから若干容量が増えている。

 XPS 13 Plusは、今春に発売を予定しており、米国では1,199.99ドル(1ドル=115円換算で、日本円では13万7,999円)からという価格設定を目指しているとのことだ。

【表1】XPS 13 Plusのスペック
製品名XPS 13 Plus(XPS 9320)
CPU第12世代Core(Core i7-1280P/1270P/1260P/Core i5-1240P)
GPUIntel Xe Graphics
メモリ8/16/32GB(LPDDR5-5200/デュアルチャネル)
ストレージ256GB(PCIe Gen3)/512GB/1TB/2TB(PCIe Gen 4)
ディスプレイ113.4型LCD UHD+(3,840×2,400ドット、500nit、DisplayHDR400、DCI-P3 90%、コントラスト比 1,650:1、タッチ)
ディスプレイ213.4型OLED 3.5K(3,456×2,160ドット、400nit、DisplayHDR 500、DCI-P3 100%、コントラスト比 100,000:1、タッチ)
ディスプレイ313.4型LCD FHD+(1,920×1,200ドット、500nit、sRGB 100%、コントラスト比2,000:1、タッチ)
ディスプレイ413.4型LCD FHD+(1,920×1,200ドット、500nit、sRGB 100%、コントラスト比2,000:1、非光沢)
カメラ(Windows Hello対応有無)720p(Windows Hello対応)
USB Type-C(TB)Thunderbolt 4×2
マイク2アレイ
Wi-FiWi-Fi6(Intel Killer Wi Fi 6E 1675 /AX211)
BluetoothBluetooth 5.2
指紋認証電源ボタン兼(Windows Hello対応)
キーボードフルサイズバックライトキーボード(1mmキーストローク)
ポインティングデバイスハプティックフィードバックタッチパッド
ACアダプタ60W(USB Type-C)
バッテリ(サイズ/駆動時間)55Wh
カラーグラファイト/プラチナ
サイズ(横×奥行き×高さ)295.3×199.04×15.28mm
重量1.24kg
OSWindows 11 Home/Pro