イベントレポート

Logitech、新ハイエンド無線マウス「MX Master 3」とキーボード「MX Keys」

~今月末までに日本を含む国と地域でグローバルに販売開始

MX Master 3、左がグラファイト、右がミッドグレイ

 Logitechは、IFAの開幕前々日となる9月4日に報道発表を行ない、同社の最新ハイエンド無線マウスとなる「MX Master 3」、および同じデザイン意匠を採用したキーボード「MX Keys」を発表した。すでに米国のlogitech.comで販売開始されており、9月末までに日本にも投入する計画だ。

ホイールやサイドボタンが改善されたMX Master 3

左がMX Master 3、右が従来のMX Master 2S。大きなデザインは一緒だが、サイドのホイールやボタンの位置が変わっている

 Logitechのフラグシップマウス製品(MXシリーズ)は、現在4つの製品がラインナップされている。エルゴノミクスデザインの「MX Vertical」、トラックボールの「MX ERGO」、デスクトップ用の「MX Master 2S」、そしてモバイル向けの「MX Anywhere 2S」という4製品だ。今回発表されたMX Master 3は、MX Master 2Sの後継となる製品で、通常のデスクトップPC向けマウスとしてはもっともハイエンドな製品となる。

前から見たところ。左が従来のMX Master 2S、右がMX Master 3
新しいホイールの特徴
ホイールの構造
2つの磁石で高い性能を実現
通常のマウスより90%高速

 MX Master 3のハードウェアで強化されている点は3つある。それが中央に用意されているホイール、そしてサイドに用意されているホイール、ボタンとなる。

 中央に用意されているホイールは、Webブラウザなどのスクロールなどに利用される重要なデバイスだが、MX Master 3ではホイールのなかに2つの磁石が入っており、それを利用して加速したり、減速したりできるので、通常のマウスに比較して90%高速に動作する。Logitechによれば、1秒間に1,000ラインをスクロールできる。

MX Master 3のサイドホイールとボタン、縦に並んでいる
MX Master 2Sのサイドホイールとボタン、横に並んでいて、進むボタンがやや押しにくい構造だった
裏面の比較。左がMX Master 3、右がMX Master 2S。裏面のゴムの面積なども変わっており、抵抗値が変更されている

 サイドに用意されていたホイールとボタンも変更されている。従来のMX Master 2Sでは前からサイドホイール、ブラウザでは進む/戻るに割り当てることができるボタンの順で用意されていたが、新しいMX Master 3ではホイールとボタンは上から順に並べられており、ボタンが押しやすくなっている。

 なお、サイドホイールとボタンの機能は同じで、サイドのホイールで拡大縮小、サイドボタンでは進む/戻るという基本の役割は一緒だ。

使っているところ
Photoshopで使っているところ、ブラシの大きさをサイドホイールで調整したりできる
Premiereで設定しているところ
Wordではサイドホイールで拡大縮小ができる
設定ツール

 設定ツールでは新機能として、アプリケーションごとにボタンの機能の割り当てを変更する機能にプリセットが用意されている。従来のバージョンでも、WordとPowerPointで機能を変えたり、サイドホイールにPhotoshopでブラシの大きさを変更する機能に割り当てるなどが可能になっていた。

 今回の製品からMicrosoft OfficeやAdobe Creative Cloudなどのメジャーアプリケーションにはプリセットが用意されており、とくにユーザーが設定しなくてもボタンやホイールへの割り当て機能が利用できる。なお、この機能はMX Master 3以降の製品だけが利用可能で、従来製品では設定ツールをバージョンアップしても利用できないということだ。

USB Type-Cになっている
バッテリの状態は従来は2Sでは3つのインジケータだったが、3では1つのインジケータで色で表示される

 それ以外の機能は従来のMX Master 2Sと基本的には同じ。BluetoothないしはLogitechのUnifyingレシーバでPCで接続することができ、3台までPCをペアリングしてスイッチで切り替えられる。充電ポートはUSB Type-Cに変更されており、1回のフル充電で70日利用できる。サイズは84.3×124.9×51mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は141g。

薄型ノートPCと同じ薄型キーボードを採用したMX Keys

MX Keys

 MX Master 3のデザイン意匠を採用しているキーボードとして販売されるのが「MX Keys」だ。現在外付けのキーボードは、メカニカルキーなどのやや重い打鍵感を採用した製品と薄型ノートPCのキーボードと同じようにスリムでキーストロークがあまり深くないキーボードの2種類があるが、MX Keysは後者の薄型ノートPCと同じようなスリムキーとなっている。

環境光センサーで周りの明るさに応じてバックライトが点灯する
裏面
充電はUSB Type-Cで行なう
接続先を切り替えるスイッチ

 環境光センサーを備えており、周りの明るさに応じてバックライトが自動で点灯するようになっている。それによりキーボードのバッテリ消費を防ぐようになっている。PCとの接続はBluetoothないしはUnifyingレシーバで、キーボード上にあるスイッチで3台のPCを切り替えて利用することができる。サイズは430.2×131.63×20.5mm(同)で、重量は810g。

 充電端子はUSB Type-Cで、フル充電で10日間利用できる。なお、別売で同デザインのパームレストが用意されており、それを利用すると腕への負担を減らせるという。

手前がオプションで用意されるパームレスト
英語配列
試験の様子

 両製品ともにに米国では販売が開始されており、価格は99.99ドル(税別)。MX Keys用のパームレストは19.99ドル(税別)で、その3つをセットで購入した場合にはパームレストが無料になって199.98ドルで提供されるキャンペーンが行なわれている。

 Logitech クリエイティブ&プロダクティビティ責任者 ドルフィン・ドネ・クロック氏によれば「9月の末までに日本を含む各国でグローバルに販売する予定」とのことで、日本で販売されることは確実な状況で、日本法人である株式会社ロジクールからの発表を待ちたいところだ。