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RTX Sparkやエージェント型AI、懐パーツまで!PC Watch初の交流会

 PC Watchは6月24日、東京都千代田区神田神保町のインプレス社屋において、創刊30周年特別企画として、編集部としては初となるリアル参加型イベント「COMPUTEX 2026 報告会 & PC Watch読者交流会 」を開催した。参加費は無料の申込制だった。先着順で募集枠は無事に定員に達し、計31名の参加者が来場した。

 当日は「COMPUTEX TAIPEI 2026」を現地で取材したライターの笠原一輝氏と芹澤正芳氏の両名に加えて、PC Watch編集部からは、現地取材した宇都宮充氏が登壇し、プレゼン資料とともに、会場で感じた今年の業界トレンドや動向、おもしろパーツなどについてのエピソードや写真などを紹介した。

 中には記事にしていない貴重な写真の数々も披露されたほか、サプライズとして、笠原氏がイベントで入手した特別なノベルティプレゼントのじゃんけん大会なども行なわれ、会場はかなりの盛り上がりをみせた。

 本稿ではこれらイベントや登壇内容などについて、取材した様子をレポートする。

イベント開始2時間前に呼び出された関係者たちは、会場での段取りをリハーサルしたり、来場者への対応についての最終確認、交流会の準備などが進められた
入場開始。今回は定員31名のうち、欠席者はなんとゼロ!平日開催のこの手のイベントでは、当日の仕事の都合などで欠席する人が数名出るものだが、1人も欠けることなく全員参加となり、編集部サイドからは喜びの声が上がっていた。

エージェント型AIがもたらすPCの大転換について笠原氏が解説

 入場時間になると続々と参加者たちが来場し、ほぼ満員御礼の状態となった。ここで若杉編集長が登場し、来場者への挨拶や注意事項を告知すると、いよいよイベントがスタートとなった。最初のセッションでは、ライターの笠原一輝氏が登壇した。

 冒頭、笠原氏は、普段は写真を撮る側の自分が今日は撮られる側に立っており、あまり慣れてないのでお手柔らかにと冗談交じりで挨拶して会場を和ませた。編集長から笠原氏が今年で何度目のCOMPUTEXかを聞かれると、グッドクエスチョンだとして「実は1998年に初めて行きました。2020年と2021年はリアル開催がなかったので、それを除くと今年で26回目になる」と述べた。

 さらに「IT関連の海外イベントは1月にCES、3月にMWC、9月のIFAなどいろいろありますが、どれが好きかと聞かれると断然COMPUTEXです」と思いを語る。これに編集長が理由を聞くと「食事がおいしいのが最高ですね。あとマンゴーかき氷もおいしい」とコメントして会場を盛り上げた。ただし、今年(2026年)は1回も食べられていないと悲しみを語りつつ、これらは冗談とした上で「COMPUTEXは、ほかのIT関連イベントと比べてPC関連のイベントとしてはもっとも内容が濃いんです。本流というか自分の里に帰ってきた感じで、毎年行くのが本当に楽しい」とし、改めてCOMPUTEXへの思いを綴った。

イベントは若杉編集長の挨拶から開始となった
最初の登壇者は、PC Watchではおなじみのライター、笠原一輝氏。筆者にとっても偉大なるパイセンの1人だ
会場では撮影OKとのことで、笠原氏が登場するとみんなで一斉にカメラを構えて撮影をスタート

 セッションでは、COMPUTEX TAIPEI 2026の取材で感じた2大トレンドとして、1つは「エージェント型AI(Agentic AI)とRTX Spark」そして「プレミアムPCのエントリー価格化」についてピックアップ。特に「エージェント型AI」とそれらを活用するのに最適な「RTX Spark」については、より多くの時間を割いて、詳細な説明を行なった。

エージェント型AI

 まずはエージェント型AIについてかみ砕いて紹介した。従来の「AIアシスタント」は「質問に答えるもの」だったが、エージェント型AIでは、複数のAIを束ねることで「自律的に動作(代行)するもの」へと変化するとした。たとえば、人間が指示するだけでAIがWordやExcel、Photoshopなどの各種アプリを操作し、経理処理や旅行の手配、写真編集などを完結させる未来が提示された。

 これらの変化により、PCは人間が操作していないアイドル時間にもバックグラウンドでエージェントが働くこととなり、PCの使い方にも大きな転換期が訪れると説明した。

COMPUTEX TAIPEI 2026の2大トレンドとして「エージェント型AI(Agentic AI)とRTX Spark」と「プレミアムPCのエントリー価格化」の2点を紹介
エージェント型AIにより、単なる質問に答えるものから、実際の作業を代行する「私設秘書」のような役割を担ってくれるようになると説明
エージェント型AIが普及すると、これまでアイドル時はほぼ動いていなかったPCがアイドル時にも絶えず作業を行なうようになるので、PCの使い方が大転換するとアピール。端的にいえば、より省電力でハイパワーなPCが求められるようになるというわけだ

RTX Spark

 こうした転換期を支えるハードウェアとして、NVIDIAのArm版Windows向けSoC「RTX Spark」についても取材内容を交えて解説した。まずは現地で撮影してきた「RTX Spark」の写真と、データセンター向けの「GB10」の写真を並べて提示し「誰がどう見ても同じチップですよね」と笑みを浮かべながら来場者たちに問いかけ、チップの配置や刻印などが同一であることから、これら2つがハードウェア的に同じものである可能性が極めて高い点を強調。 ただし、このあたりはNVIDIA側が公式に同じとは言及していないため、あくまでも個人の推測である点をアピールしつつ、これらの違いとして、Windowsに対応しているか否かが重要とした。

 Windows用のソフトウェア対応については、特にファームウェア(UEFI)やドライバの対応について触れつつ、今回の「RTX Spark」のWindows対応により、Arm版のNVIDIAグラフィックスドライバが登場することになるため、将来的には「RTX Spark」だけでなく「GeForce RTX」シリーズなどのデスクトップ用GPUもArm版Windowsで利用できる可能性も秘めていると展望を語った。

「RTX Spark」と「GB10」のチップ写真を並べて提示し、「まったく同じのように見える」とアピール。エージェント型AIに必要な要素を「RTX Spark」がすべて持っている点などを解説した

 現在のArm版Windowsの互換性についても解説。主要なビジネスアプリやブラウザの動作についてはほぼ問題ない点を改めて強調すると同時に、一部のプリンタドライバや一部ゲームのバックボーンで動作するアンチチートツールについては、まだ課題が残っているという現状について紹介した。一方でゲームのパフォーマンス自体はかなり快適である点について動画を交えて紹介し、そのGPU性能の高さをアピールした。

Arm版Windows互換性の現在地、として主要なビジネスアプリやWebブラウザは問題ない点をアピールするとともに、プリンタドライバの互換性や、ゲームのアンチチートツールの対応など、課題がある点も紹介。一方で画面下の動画では、「RTX Spark」搭載ノートPCで「FORTNITE」のゲームがサクサク動作する様子を紹介した

 「RTX Spark」がエージェント型AIに最適な理由としては、GPU性能の高さに加えて、CPUも実はパワフルである点を強調。エージェント型AIにおいては、AIをつなぐための「ハーネス(制御)」は主にCPUが処理する作りのため、強力なCPUは大きなアドバンテージになるという。

「RTX Spark」搭載ノートPCについて、初期の製品についてはパフォーマンスを重視するため、重めの物になる可能性を示した

 これまでMicrosoftが進めていた「Copilot+ PC」ではNPUを重視していたが、直近で開催されたMicrosoftの開発者向けイベント「Build」などでは、GPUによるローカルSLM(小規模言語モデル)への対応なども発表されており、こうしたGPU活用の流れに「RTX Spark」の構成が合致すると分析している。

プレミアムPCのエントリー価格化

 続くもう1つのテーマである、プレミアムPCのエントリー価格化については、Dellの「XPS 13」が699ドルからという、Appleの「MacBook Neo」に対抗する戦略的な価格設定で登場したことが紹介された。

プレミアムPCのエントリー価格化について解説。発表時に話題となった「MacBook Neo」対抗において、各部のスペックの高さについて改めて強調。日本での販売価格が高額となった点については軽く触れる程度に留めた

 低価格化の理由の1つとしては「簡単」とし、コードネーム「Wildcat Lake」(Coreシリーズ3)を採用したからと言及。技術面においては、既存の「Panther Lake」(Core Ultraシリーズ3)と共通しているが、一部機能を削って低価格化したものとなっており、これがポイントだと説明した。

低価格化の理由の1つとして、「Wildcat Lake」のコードネームで知られる「Coreシリーズ3」の採用が大きな理由の1つとして解説した

 同様に今回のCOMPUTEXでは、Qualcommからも「Snapdragon C」と呼ばれる謎の低価格SoCが登場したことも紹介したが、その詳細については、どこに取材してもまったく何も教えてもらえなかったという。SoCとしての詳細は不明ながら、こちらを搭載したノートPCについては、300ドル(5万円)以下の価格帯で発売される可能性が高いと説明しており、これには思わず編集長も「ネットブックの再来の可能性もありそうですね」と合いの手を入れたところで、笠原氏の登壇は終了となった。

取材で一切その正体が公開されなかった謎のCPU「Snapdragon C」についても紹介。低価格化の理由について、笠原氏の推測についても紹介された

 そして、セッションの最後にはサプライズとして急遽、笠原氏が取材でもらったノベルティを来場者にプレゼントするじゃんけん大会を開催。じゃんけんの勝者にはIntel「Panther Lake(Core Ultraシリーズ3)」や「Clearwater Forest(Xeon 6+)」を模したブロック玩具のほか、NVIDIAやIntelのトートバッグなどがプレゼントされた。

サプライズのじゃんけん大会が開催! 商品はIntel「Panther Lake(Core Ultraシリーズ3)」と「Clearwater Forest(Xeon 6+)」を模したブロック玩具「BRIXES」。BRIXESはドイツ発祥のミニチュアブロック玩具のブランド
「Google Cloud TPU」のパズル玩具
じゃんけん大会は本日一番の盛り上がりをみせた

「ROG」20周年に「TAICHI」10周年など、COMPUTEX会場を彩ったメーカーたちの節目

 続いては、COMPUTEX TAIPEIの現地取材を直近3年連続で担当した宇都宮充氏が登壇。同じく編集部の劉尭氏もステージの座席に座り、会場の展示や業界全体のトレンドについて語った。

 初めに宇都宮氏は、直近3年分のCOMPUTEX TAIPEI会場のポップの写真を並べたものを紹介。3年前からテーマの中には常に「AI」があったが、今年は特に「エージェント型AI」への注力が顕著だった点を強調し、各社の展示内容などを紹介していった。劉氏から「これ毎年観測してたの?」と指摘されると、宇都宮氏は「一応、毎年撮ってたものを探し出してきました」と笑顔をみせた。

 メーカー独自のエージェント型AIとしては各社とも出している中で、今回はASUSとMSIの写真から、ASUSの「ASUS Zenni Claw」や、MSIの「LuckyClaw」について紹介。特にMSIの「LuckyClaw」は本体に備えるディスプレイに同社マスコットキャラクターの「Lucky」のアバターが表示され、ディスプレイ制御などを代行するデモを紹介。メーカーがクラウドとローカルを組み合わせた使いやすい環境を提供し始めている点を強調した。

 これらの背景には2025年末頃から話題になり、2026年には一気にブームを巻き起こしたオープンソースのエージェント型AI「OpenClaw」の存在があり、前述のメーカー製エージェント型AIについても、これらをベースに各社独自のカスタマイズを施して実装している形だと解説した。

引き続き、編集部から現地の取材を担当した宇都宮充氏が登壇
合いの手役は編集部の劉尭氏が務めた
直近3年は「AI」が主役となっている点をイベント会場のポップ写真でアピール
MSIの「LuckyClaw」など、オープンソースのエージェント型AI「OpenClaw」をベースとした独自のメーカー製エージェント型AIが多数展示されていた写真を紹介した

 ポータブルゲーミングPCの進化についても言及。Intelの最新CPU「Core Ultraシリーズ3(Panther Lake)」を搭載したMSIの「Claw 8 EX AI+」などについて紹介し、これまでRyzen一強だったこの分野でIntelが巻き返しを図っている状況が語られた。

 そのほか、今年はASUSのゲーミングブランド「ROG」が生誕20周年だったり、ASRockのフラグシップマザーブランド「TAICHI」が10周年、ZOTACが20周年など、節目を迎えるメーカーが多く、会場では歴代の製品とともに、周年を記念した製品を展示した写真などを紹介し、技術の進化を振り返り、プレゼンテーションを締めくくることとなった。

各社「Core Ultraシリーズ3(Panther Lake)」搭載ポータブルゲーミングPCの写真を紹介
ASUSは今年、同社ゲーミングブランド「ROG」が20周年であることを記念し、過去のROGブランド製品を展示したほか、20周年記念モデルも準備中とのこと
ASRockの「TAICHI」ブランドは10周年。記念モデルとしてデザインはそのままに最新チップセットに対応する10周年記念マザーボードなどの発売を予定しているという
ZOTACも20周年を記念したGPUなどを発売予定だ。ちなみに「VR GO」は背負って使うVR用のゲーミングPCで、かなりのインパクトがあったのを記憶している

「ガンダム」から「ダンダダン」PCまで! 芹澤氏を驚かせた世界のMOD PC

 インターバルを挟んだ後は、ライターの芹澤正芳氏が登壇。COMPUTEX TAIPEI会場で見かけたユニークな自作PCパーツや、MOD PC(独創的な改造を施したPC)などの写真を中心に紹介した。ステージ前面の椅子には先ほどと同様に、劉氏が着席し引き続き合いの手を担当した。

後半戦はライターの芹澤正芳氏が登壇。今回が初となるCOMPUTEX取材とのことで、ユニークなMOD PCや変わり種のPCパーツなどを紹介した

 なお、冒頭の挨拶においては、自身のカウボーイ姿について言及し、インプレスの配信などのイベントに出演する際には、このスタイルでやっていると紹介。また、この業界に入って26年くらい経つという芹澤氏だが、COMPUTEXの取材はなんと、今年が初めてなのだという。

ユニークなPC

 最初はユニークなMOD PCやPCを紹介。その1番手として紹介されたのが、G.Skillブースの液体窒素をダイレクトに注入するオーバークロックPCのデモだ。写真の中央には昔のロケットのようなデザインのPCケースが鎮座しており、そこに液体窒素を注入すると、ぶわっとロケットから噴射されるような白煙が立ち昇るビジュアルとなっており、まるでロケットが噴射してどこかに飛んでいきそうな写真に、来場者たちは驚きの声を上げる。

懐かしいデザインのロケット内にPCが仕込まれており、横に置かれた液体窒素が直接注入される。注入時はロケットが噴射しているかのように白煙が舞う。冷却性能の高さも示されており、たった1枚のプレゼン画像の中に見どころが満載だ

 芹澤氏は見た目のすごさだけではなく、冷却性能の高さについても言及。DDR5メモリが冷却効果により、11,867MHzで動作する画面の写真も合わせて紹介して、さらに驚かせた。このほかにも、G.Skillブースでは、エイリアン型の水冷PCやガチャガチャ風PCなど、独創的なPCが披露された。MOD PCについては、ほかにも台湾や世界各国の有名なModderによる写真が披露され、筆者を含めた、普段MOD PCにあまりなじみのない来場者たちからも驚嘆の声が聞こえてきた。

シュモクザメ、ライオンなど、ユニークな形状のMOD PCが次々と紹介される

 また、Thermaltakeのコーナーで紹介されたデュアルシステムケース「CAPO X」は、上下2カ所にPCが組み込めるユニークなPCケースで、例として上側がエージェント型AI用、下が通常作業用など用途に応じてPCを組み込めるため、紹介しながら芹澤氏、劉氏ともに「これは欲しい」と要望を述べ、こちらについてはケースとして発売される可能性がありそうだと、その本気度について語った。

 ほかにもPCケースの前面パネルにディスプレイと大型のコントローラが組み込まれ、PCと連携しなくても、前面部だけでゲームが遊べるInwinの「GX-285」や、ASUSのROG20周年記念モデルの1つとして、縦置き、水平、斜め置きの3形態で使用できるオープンフレームケース「ROG GR20 Edition 20」など、ユニークなPCケースなどが次々と紹介された。

そのほかにも、数多くのMOD PCが紹介された。こちらはストレージメーカーのAGIがテレビアニメ「ダンダダン」とライセンス契約したことを記念したMOD PCだ。なお、コラボメモリについては日本では未発売とのこと。また、このケース自体も記念に作ったものなので、発売予定はない
FORMULAで展示されていたMOD PCは、PCケース「Crystal Z7」をベースにしたガンダムモチーフのMOD PCとのことで、「どこがガンダム?」とよく見ると、ケース内にガンダムっぽい「手」が生えており、パーツを支えているのだ。マニアックすぎる!
ThermaltakeのMOD PCコーナーでは、大型ケースの上下に異なるPCが組み込めるユニークなデュアルシステムケース「CAPO X」を紹介したが、
InwinのPCケース「GX-285」は前面に備えるディスプレイとコントローラを使って、PCを起動しなくてもゲームが遊べる作りになっているという
ASUSの「ROG」ブランド20周年に発売予定のオープンフレームケース「ROG GR20 Edition 20」は、自作PCのユーザーにはかなり魅力的なケースになりそうだ

水冷システムの新トレンド

 続いては、2025年頃から続く、水冷システムの水冷ヘッド部にディスプレイを搭載するトレンドがさらに加速していると言及。今回は4.5型以上の大型液晶や、3枚の液晶が搭載されたもの、さらには曲面液晶を搭載したモデルなど、水冷ヘッドに搭載する液晶ディスプレイの大型化、高精細化について紹介した。

以前から水冷ヘッド部にディスプレイを搭載するトレンドは一部で流行っていたが、2026年はそのトレンドがさらに加速。3画面ディスプレイを搭載したものや、6型OLED搭載など、主目的がよく分からなくなる方向にトレンドが加速しているようだ

 そして次世代の冷却技術としてポンプレスの技術が展示されていた点についても注目。ENERMAXがダイキンのフッ素系液体を使用した「相変化冷却」により900Wの冷却を目指していることや、Noctuaのポンプレス水冷プロトタイプなど、将来の熱問題解決に向けた新技術が語られた。

 ちょっと怪しさが漂うパーツとしては、レトロPC風デザインの水冷ヘッドや、「Mac mini」に被せて使うことでレトロPC風にできるドッキングステーションなどの「レトロブーム」についても触れた。

 実用的なアイテムとして、CPUグリスの代替となるNoctua製カーボンナノチューブ(CNT)採用のサーマルパッド「NT-CP1 AM5/4」が紹介された。芹澤氏は「最初のうちはグリスの方が冷えるんですけど、使っていくうちに密着力がどんどん上がっていき、最終的にはグリスよりも冷えるようになるんです。当然、グリスは使うごとに劣化していくので、長期的に見るとこちらの方が安定して冷却できます」と利点をアピール。こちらは日本を含めて9月くらいからグローバル展開する予定とのことで、発売されたら試してみたいと意欲を示した。

 ほかにもすでに発売済みとなるThermal Grizzlyの「WireView PRO II」という12VHPWRの動作状況が確認できる監視デバイスについても紹介したところ、すでに使用しているという劉氏が「これ使ってますけど、めちゃくちゃ安心できますよ。これがないと30万円とか60万円とかで購入したハイエンドのGPUが突然パァになる可能性がありますからね!」と、製品の魅力を熱く語り、会場を盛り上げたところで、芹澤氏のプレゼンテーションは以上で終了となった。

ポンプレスが本格化とのことで、ENERMAXが展示していた「PFA Cooling Solution」は、沸点が49℃と非常に低い、ダイキン製のフッ素系液体を循環させて冷却するユニークなポンプレス冷却システムは2027年発売予定
Noctuaの「Two-phase thermosiphon」は、CPUの熱で冷媒が気化し、ラジエータで再び液化してCPUに戻るというユニークなポンプレスシステムだが、まだプロトタイプとのこと
Thermaltakeの「Retro 360 Ultra ARGB Sync」の水冷ヘッドは昔のCRTディスプレイデザインで、内部のディスプレイにはMS-DOSのような起動アニメーションが表示される
wokyisの「レトロPC風ドッキングステーション」はMac miniやMac Studioなどに被せて利用するドックで、1番左のものは発売中とのこと
Thermaltakeの「SWAFAN ULTRA 120 EX RGB」は、ケースファンの側面部分に4型/1,020×240ドットの液晶ディスプレイを内蔵したユニークな作り
Noctuaのカーボンナノチューブ(CNT)採用のサーマルパッド「NT-CP1 AM5/4」は、劣化しない冷却性能をグラフでアピール
12VHPWR(12V 2x6)の動作状況を確認し、トラブルが検知できる監視デバイスとして、Thermal Grizzlyの「WireView PRO II」を紹介

交流会はピザより「懐パーツ」!

 登壇イベントの終了後は、交流会が開かれた。交流会の会場には、DOS/V POWER REPORTの倉庫や劉氏の私物からなる「懐パーツ」の数々が展示されており、来場者たちは軽食そっちのけで展示されたパーツに集まり「懐パーツ」が現役だったころの思い出話などで盛り上がりを見せていた。

 展示されていた各パーツにはそれぞれ、製品名の紹介とともに、QRコードも印字されており、こちらを読み込むことで、PC Watchの該当記事に飛ぶ仕掛けが施されており、覚えのないパーツであってもその場で概要が確認できるおもしろい仕組みとなっていた。なお、劉氏によると、これら説明文やQRコードについては、正にAIに依頼して作成させたものとしており、業務でのAI活用が実感できた。

 交流会の終了時には、PC Watch編集長の若杉氏が挨拶を行なった。PC Watchが30周年という節目なので、編集部としては初の編集部主催リアルイベントを開催してみたが、募集枠を上回る多くの読者が集まったことへの感謝が改めて述べられた。今後も、内容の異なる交流会など、新たな挑戦を続けたいという抱負を語り、本日のイベントを締めくくる形となった。

交流会がスタート! ところが来場者は軽食のピザには目もくれず、周辺に展示された劉氏の「懐パーツ」に夢中で、実に「PC Watchらしさ」が感じられる一幕だ
懐かしいPCパーツにラベルを付けて大量に展示。ほとんどDOS/V POWER REPORTか劉氏所持の私物となる
東芝「Libretto」のNTT DoCoMoモデルなどのPCも展示。かなり古い製品となるが、今もバッテリで駆動する。ラベルにはQRコードが印字され、読み込むと製品のPC Watch関連記事が読める仕組み
バッテリで動作する「Libretto」に驚く芹澤氏。ちなみに芹澤氏はこのあと「P.A.D」の生配信があるため、途中で退出していった
笠原氏も懐かしのデバイスを前に思わずチェック
展示パーツについてのトークで盛り上がる劉氏

 以上、「COMPUTEX 2026 報告会 & PC Watch読者交流会」の会場での様子などについてレポートしたが、まずは来場してくださったすべての読者のみなさんに感謝の言葉を贈りたい。

 また、笠原一輝氏や芹澤正芳氏、宇都宮氏など登壇を担当した人たちについても、多忙な日々の中で完成度の高いプレゼンテーションを作成し、ユニークなトークで会場を盛り上げ、来場者目線で見ればとても魅力的な内容となっていたと思われる。

 特に笠原氏のエージェント型AIの説明は、来場者からの評価が高かっただけでなく、関係者からも、分かりやすかったなど、賛辞の声が寄せられており、何を隠そう、エージェント型AIについてイマイチピンときていなかった筆者もすっと腹落ちする内容にまとめられていて、笠原氏のまとめ能力の高さに感心することしきりだ。

 今回の登壇内容はほとんどが記事でも確認できるものだが、実際に現地で見てきた人たちの口から語られるトークは、やはり会場での臨場感を含めて非常に生々しく、リアリティが感じられ、とても興味深く内容が頭に入ってくるのには驚いた。今回のイベントは終了後の交流会も含めて、実にオフラインイベントらしく、人と人とのコミュニケーションが各所に感じられ、楽しいひと時を過ごすことができた。

 今回のイベント成功を受けて、また何か企画を立てる計画もあるようなので、興味がある人は、次の機会があった際にはぜひ参加してみてほしい。