ニュース

Fable 5とも戦える「GLM-5.3」登場。事後学習の拡張のみで大幅性能アップ

 ベース設計は同じ。事後学習だけで「Fable 5」に迫る開発力とセキュリティ性能を身に付けた最新AI「GLM-5.3」が登場した。Z.aiは8月14日、コーディングやサイバーセキュリティ性能などの大幅向上を図った新型オープンウェイトモデル「GLM-5.3」を発表した。現時点では有料のGLM-Coding Plan向けに展開されているが、2週間以内にモデルウェイトも一般公開される予定。

 GLM-5.3は、前世代のGLM-5.2と同じベースモデルを使用しながら、事後学習のスケールアップのみで大幅な性能アップを実現したAIモデル。オープンウェイトモデルで最も優れたコーディング性能を発揮できるとしており、社内ベンチマークのZ.ai Code Benchでは、GLM-5.2と比べて50%性能が向上したという。

 コーディング性能の面では、単なるプログラミングの演習ではなく、人間のエンジニアが実際に行なうようなワークフローに最適化できるようトレーニング環境を拡張。これにより、ユーザーによる問題の分解や各ステップの監視に依存せず、一連の作業を一貫して自ら進められるようになった。

 Z.ai Code Benchを使ったベンチマークでは、エフォートレベルMax設定時で、GLM-5.2がタスクあたり約9万6,000出力トークンで23.4%の精度だったのに対し、GLM-5.3は約7万5,000出力トークンで34.5%の精度を実現。また、Max設定時のClaude Opus 4.8が約12万出力トークンで29.5%だったのに対し、High設定時のGLM-5.3は約5万出力トークンで31.4%と、性能/効率の両面で上回った。

LLM性能のベンチマーク
コーディング性能のベンチマーク

 サイバーセキュリティの面では、脆弱性発見データと環境をトレーニングデータに組み込んだことで、個々の脆弱性を特定する能力だけでなく、複数にわたる脆弱性の悪用ステップを推論し、攻撃計画を自律的に立てる能力も向上した。

 脆弱性の特定/検証能力を測るCyberGymを使ったベンチマークでは、GLM-5.2が77.2%だったのに対し、GLM-5.3は84.5%のスコアを達成。これはFable 5やGPT-5.6 Sol、Kimi K3を上回る結果となった。また、脆弱性悪用の推論能力を測るExploitBenchでは54.4%でGLM-5.2の2倍以上、時間内のエクスプロイト完了数を測るExploitGymでは2時間以内に105タスク、6時間以内に130タスクでGLM-5.2の3倍以上のスコアを達成した。これら2つのテストではフロンティアモデルに届かなかった一方、従来モデルからは大幅にスコアが引き上がった。

サイバーセキュリティ関連のベンチマーク

 加えて、複数のセキュリティチームと協力し、実際のコードベースを利用して性能を検証したところ、269のプロジェクトにおいて2,436件の脆弱性を特定。このうち1,097件は深刻度がHigh~Criticalレベルの脆弱性だった。対象となったのは、システムカーネル、OS、Webアプリ、ネットワークプロトコルなど多岐にわたるという。なお、発見された脆弱性の情報はデータベースにまとめられている。