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AMD、Zen 3採用のデスクトップCPU「Ryzen 5000」シリーズ

 米AMDは8日(現地時間)、Zen 3アーキテクチャを採用したデスクトップCPU「Ryzen 5000」シリーズを発表した。11月5日に全世界で発売する。

 クロック当たりの命令実行数(IPC)は前世代にあたるZen 2より19%向上。シングルスレッド性能でもIntelを確実に上回り、よりゲームに最適なプロセッサとなった。

 また、これまで1つのダイのなかで、4コアが16MBの共有キャッシュを利用するブロックを2つ内包する構成であったが、Zen 3では8コアが32MBの共有キャッシュを持つ構成となった。これによりコア間通信のレイテンシが大幅に削減され、Core i9-10900Kを上回るゲーム性能を実現した。

Zen 3アーキテクチャの特徴。8 Core Complexにより、ゲーミングアプリケーションのレイテンシを大幅に削減。共有キャッシュも4コアで16MBから8コアで32MBになった。IPCも19%向上する
競合プロセッサとのIPC比較。AMDはこの間じわりじわりIPCを向上させてきたが、競合のIntelは今日に至るまでデスクトップCPUではSkylakeアーキテクチャを踏襲しているので、IPCの向上がまったくないというなかなかパンチの効いたスライドだ。そしてZen 3では競合のIPCを超えたとする
IPCの向上は、ロードストアの高速化からフロントエンドの改善、Micro-opキャッシュ、分岐予測、実行エンジン、キャッシュプリフェッチなど、さまざまな改善の積み重ねによって実現した
Zen 3では8コアが32MBのL3共有キャッシュを利用するかたちとなった。これにより1コアがアクセスできるL3キャッシュ容量が2倍となり、コアとキャッシュ間の通信も高速化。メモリレイテンシも削減している
5nmプロセスのZen 4もデザイン中だとしている
シャドウオブトゥームレイダーでは、Ryzen 9 3900XTと比較して40fpsもの向上を実現
Rytzen 9 5900Xは、Core i9-10900Kのシングルスレッドより約16%高速だ
バトルフィールドVを除き、ほぼあらゆるゲームにおいてRyzen 9 5900XはCore i9-10900Kより高速だ
自社の16コア/32スレッド同士対決。Ryzen 9 3950Xと比較し、クリエイティブアプリもゲーミングもさらに高速。とくにゲームでは30%近い性能向上を実現している

 ラインナップは以下のとおり。

CPUコア数スレッド数ベースクロック最大クロックL2+L3キャッシュTDP価格
Ryzen 9 5950X16323.4GHz4.9GHz72MB105W799ドル
Ryzen 9 5900X12243.7GHz4.8GHz70MB105W549ドル
Ryzen 7 5800X8163.8GHz4.7GHz36MB105W449ドル
Ryzen 5 5600X6123.7GHz4.6GHz35MB65W299ドル

 発表会ではソケットについて触れられなかったが、引き続きSocket AM4となっており、既存のAMD 500シリーズマザーボードはBIOSアップデートで対応可能のはずだ。