ニュース

新しくなっても根っこは変わらぬ“HHKB”

~ペアリング切り替えやソフトウェアのキーカスタマイズ対応でより便利に

Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID

 株式会社PFUは12月10日、コンパクトキーボード「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」のラインナップを一新。「HYBRID Type-S」、「HYBRID」、「Classic」の3グレードを用意し、合計16モデルを直販サイトのPFUダイレクトで販売開始した。

 各モデルのスペックなどに関しては別記事(PFU、Bluetooth/USB Type-Cの両対応になった新「Happy Hacking Keyboard」)を参照されたい。ここでは当日に都内で実施された製品発表会の内容をお伝えする。

PFU株式会社 広報戦略室長の松本秀樹氏

 新製品の説明で登壇した同社広報戦略室長の松本秀樹氏は、初代HHKBが1996年に登場してからこれまでの23年間、今も変わらずHHKBが高い評価を得続けている理由として、キー配列や小型サイズを踏襲し続ける一貫した設計、静電容量無接点方式による高品位なキータッチ、WindowsだけでなくMacなどでも使えるマルチプラットフォームへの対応がなされていることを挙げた。

HHKBが評価され続ける理由
HHKBの歴史

 松本氏は今回の一新について、当然これまでのコンセプトは変えずに、インターフェイス拡張やペアリング機能の向上、ソフトウェアによるキーカスタマイズ対応といった利便性を追求することで進化を図ったとする。

新HHKBは3つのグレードを用意
新HHKBの進化点

 最上位のHYBRID Type-Sに関しては「高速打鍵・静粛性」、「キーマップ変更」、「Bluetooth」に対応し、下位のHYBRIDは「高速打鍵・静粛性」非対応なほかは同じ。Classicは上記3つの機能に非対応で、有線USB接続のみとなる。

 HYBRID Type-Sがサポートする「高速打鍵・静粛性」とは、基本的にキーストロークの違いを指しており、HYBRID Type-Sについては3.8mm、HYBRIDは4mmという違いがある。それが以外はClassicを含めて変わらず、接点と接触するアクチュエーションポイントは深さ3.5mm、キーピッチは19.05mm、キー加圧は45g基準。ただし、キー加圧に関してはHYBRID Type-Sが一番ばらつきの少ない高精度さが保たれているとの話だった。

3つのグレードの違い

 インターフェイスに関しては、これまでBluetoothと有線USB接続モデルを分けていたが、両対応の「HYBRID Type-S」と「HYBRID」を用意した。さらに、有線のUSBコネクタはBluetooth非対応の「Classic」も含めてすべてType-Cを採用している点も新しい。松本氏は持ち運びも想定されるHHKBにおいて、コネクタの形状を確認することなく接続できるType-Cに変更したことで、使いやすさが向上するはずと述べた。

HYBRID Type-S」と「HYBRID」はBluetoothと有線USB両対応。さらにUSBコネクタはType-Cになった

 Bluetoothのペアリングに関しては、ユーザーから要望の多かった接続先を任意に選択できる方式へと変更。ペアリングできる台数は変わらず4台だが、これまでは最初に接続されたBluetoothデバイスがキーボードを独占してしまい、切り替えるためには各デバイスの電源を落とす必要があった。

 今回からは[Fn]+[Control]+[1]/[2]/[3]/[4]で4台のデバイスを切り替えることができ、有線USBのデバイスとつなぐには[Fn]+[Control]+[0]を押せば良くなった。また、切り替え番号によってLEDの点滅速度が異なっており、どの番号でつながっているか視覚的にわかるような配慮もなされた。

ペアリングの使い勝手が向上
ショートカットキーで切り替える

 キーカスタマイズ機能については、これまで一部のキーをDIPスイッチを使って切り替えできたが、今回からソフトウェアを使った切り替えにも対応(HYBRID Type-SとHYBRIDのみ)。現状ではWindows向けの設定用アプリが用意されており、GUIを使って任意のキーを割り当てられるようになった。Mac向けも来年(2020年)の春頃に登場する予定。

HYBRID Type-SとHYBRIDはソフトウェアによるキーカスタマイズ対応
変更の仕方

 このほか、冒頭でも述べた、これまでと同じ静電容量無接点方式のなめらかなキータッチや、Sun Type3配列をベースにずっと変わらないキー配列なども特徴として説明した。

静電容量無接点方式のキー
Sun Type3ベースの配列
テンキーなしキーボードよりもさらに短い省スペースなサイズ

 発表会にはHHKBのベースモデルを考案した東京大学名誉教授の和田英一氏も登壇。HHKBの誕生秘話として、30年以上前に使っていたキーボードがあまりにも嫌でしようがなく、密かに設計していたキーボードが商品化されるということで当時はビックリしたと述べたほか、その後多くの人にHHKBが愛用されていることを喜んだ。

 また、最近では中国製のキーボードなど、HHKBによく似たコンパクトな製品が増えて来ているが、そういったキーボードと比較してHHKBがどれだけ優れているか、そのよさがまざまざとわかり、HHKBはその優れている点を武器にしていってほしいと語った。

HHKBの元となるキーボードを考案した東京大学名誉教授の和田英一氏(中央)

製品写真

 以下、会場に展示されていたHHKBの写真を掲載している。

HHKB Professional HYBRID Type-S
無刻印モデル
英語配列白モデル
日本語配列の墨モデル
HHKB Professional HYBRID
HHKB Classic
往年のHHKBも展示
初代HHKB
HHKB Lite2
HHKB Lite
HHKB Professional
HHKB Professional 2
HHKB Lite2 for Mac
HHKB Professional JP
HHKB Professional 2 Type-S
HHKB Professional BT
HHKB Professional HG