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Nubia、空気の自然対流や熱放射で冷却性を高めたゲーミングスマホ「紅魔」

紅魔

 中国ZTE傘下のNubiaは19日(現地時間)、同社初となるゲーミングスマートフォン「紅魔(英文名:Red Magic)」を発表した。

 4月25日に中国で発売され、中国での販売価格は、LPDDR4Xメモリ8GB+UFS 2.1ストレージ128GB版が2,999人民元(約5万1千円)、メモリ6GB+ストレージ64GB版が2,499人民元(約4万3千円)。

 「Razer Phone」や「Black Shark」などに続くゲーミング向けスマートフォン。SoCには1世代前のSnapdragon 835(最大2.45GHz、Adreno 540 GPU)を採用するが、ゲーミングに特化した製品デザインやソフトウェア機能などが特徴となっている。

 筐体のデザイン面では、兵器などに用いられている「向量美学(Vector Aesthetics)」を採用し、機能とデザインを両立させたという。Xの文字を模った神秘感のある背面デザインを中心に、菱形をモチーフとしたシャープな筐体、大胆なボタンのカット、左右対称のかたち、指紋センサーやカメラ、LEDフラッシュライトに用いられているハニカムデザインなどが特徴となっている。

Vector Aestheticsの採用
ハニカムや菱形といった多角形を多用したデザイン
ボタンは大胆なカットを施した
左右対称形
ハニカム形状のLEDフラッシュやカメラ
銃器の柄をモチーフとしたボタンデザイン

 中央のラインは1,670万色の発光が可能なLEDストライプとなっており、通知を表示するのみならず、自分の好きな色にカスタマイズしたり、ゲーム中の効果に合わせて光らせたりすることができる。

中央のラインはRGB LEDストライプとなっている
さまざまな効果を生み出せる
本体色はブラックとレッド2種類

 ディスプレイは、JDIが本機のために特別に用意したという1,080×2,160ドット表示対応の5.99型で、最大500cd/平方mの輝度、84.86%の全面画面占有率を実現。また、タッチのレイテンシを抑えるために、タッチコントローラもカスタム品となっている。映像のディテールや色再現性を高める技術や、DTS Sound+SmartPAによる低音強化技術も採用し、優れた視聴体験を実現するとした。

JDI特注のディスプレイやカスタムのタッチコントローラ
液晶の特徴

 高い冷却性も謳われており、筐体内にエアーチャネル(溝)を設け、熱によって自然に発生する空気の対流によって筐体外に熱を排出する機構、排気口を意識させないナノメートルの網目を備え、空気の流れを73%向上。また、航空工学に使われるアルミニウム合金と3工程のアルマイト処理、5工程のサンドブラスト処理、特殊コーティングによるブラック筐体により、熱放射を高めた。さらに、3層のグラファイト素材を使い、熱を筐体全体に広げる構造とした。

 同社の測定によれば、ゲーム中の最大温度は39.1℃で、この温度に達するまでの時間が40分、そしてゲーム起動前の温度に戻るまでの時間はわずか4分。同様の条件下では、Galaxy S9+が41℃/18分/8分、iPhone Xが48℃/13分/15分だったというデータを挙げ、優位性を謳っている。

エアーチャネルで筐体内の空気の自然対流を実現
放熱性を高めた筐体素材
グラファイト素材による熱の拡散
筐体からの熱放射
ほかの機種との温度比較
もっとも優れた結果を残した

 OSにはゲームに特化した「RedMagic OS」(Android 8.1ベース)を採用。本体右側面上部に備え付けられたゲーミングボタンを押すと、CPUが高クロックに入るまでの時間を短縮し、より快適にゲームプレイできるという。

 ほかのスマートフォンでは、ゲーム中に着信があった場合ゲームが中断されるが、紅魔ではその通知を遮断するだけでなく、着信による通信断も防げるとしている。また、「NeoSmart AI」と呼ばれる独自技術により、ゲーム向けの最適化を行ないフレームレートの安定化を実現した。

ゲーミングボタンを押すとCPU性能が最大になる
具体的には、高クロックに入るまでの時間を短縮
スマートフォン向けのPUBGで高いフレームレートを維持する

 このほか、標準のソフトウェアキーボードもゲーミングを意識したテーマとなっており、一体感を高めている。最新のゲームやゲーム情報などを網羅したポータルアプリも用意している。さらに、ネットワークのレイテンシを低減するサービス「迅游」の1カ月無償利用権も付属する。

 バッテリは3,800mAhで、おおよそ5~7時間の連続ゲームプレイが可能。独自充電技術「NeoCharge 紅魔版」を搭載し、Quick Charge 3.0と比較して4℃の温度低減を実現。USB Type-Cを備えながら3.5mmミニジャックも残し、充電しながらのゲームプレイを可能とした。

 Nobiaが得意とするカメラ機能も備えており、2,400万画素/F1.7の背面カメラと800万画素の前面カメラを搭載。多くの独自機能を備えたカメラアプリ「NeoVision 7 紅魔版」により、「一眼レフのようなゲーミングスマホ、ゲーミングスマホのような一眼レフ」を謳っている。

 デュアルNano SIMスロットを搭載し、サポートバンド帯はGSMが850/900/1,800/1,900MHz、CDMAがBC0、WCDMAが1/2/5/8、TD-SCDMAが34/39、TD-LTEが34/38/39/40/41、TDD-LTEが1/3/5/7/8/20となっている。

 そのほかのインターフェイスは、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0、GPS、GLONASS、Beidou、Galileo、指紋センサーなど。本体サイズは84.9×158.1×6.8~9.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は185g。