やじうまミニレビュー

GeForce RTX 40の導入とともに刷新したいATX 3.0対応電源ユニット

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Hydro G PRO ATX3.0 (PCIe5.0)1000W

 NVIDIA最新GPUである「GeForce RTX 40」シリーズでは、多くの製品でPCI Express 5.0規格の中にある新しい電源コネクタ「12VHPWR」が採用されている。そしてIntelがこの仕様を取り入れた電源規格として「ATX 3.0」を正式発表したことで搭載製品も増えてきた。今回紹介する「Hydro G PRO ATX3.0 (PCIe5.0)1000W」もそのうちの1製品である。

 一般小売されているGeForce RTX 4090や4080、4070 Tiビデオカードのほどんどには、PCI Express 8ピンから12VHPWRに変換するためのコネクタが付属しているのだが、この変換コネクタは嵩張る上に、見栄えもするとは言えない。加えてコネクタをいっぱい挿さなければならないということは、接触不良のリスクも上がるわけで、やはり対応の電源を新調した方が良い。

 Hydro G PRO ATX3.0 (PCIe5.0)1000Wは、製品名が示す通り、このATX 3.0規格に準拠した電源ユニットだ。ビデオカードに接続する側が12VHPWRになっているだけでなく、電源のモジュラーコネクタ側も12VHPWRになっているのが特徴である。ケーブル自体はメッシュチューブで覆われているため柔軟性が高くないが、堅牢性は高そうである。

製品パッケージ
必要なケーブルが付属するほか、好みに合わせて側面のラベルの色も変更できる。ケーブルタイなども付属するなど、親切なパッケージだ
メイン用20+4ピンケーブル。5本ずつフラットにまとめられており、比較的扱いやすい
プラグインコネクタ部分。新たに追加された12VHPWR専用コネクタが設けられているのが特徴
12VHPWRケーブルを接続したところ
GeForce RTX 4090付属のケーブルは4つの8ピンコネクタから変換するため、配線が煩雑になりがちで、横に広がるため見栄えもしない
12VHPWRケーブルなら1本でスッキリ

 実際に「Palit GeForce RTX 4090 GameRock OC」に接続してみたが、少ない力でカチッとハマり気持ちが良かった。試しにPCI Express 8ピンを4本使って変換することも試みたが、やはり12VHPWRでケーブル1本の方が、ケース内での取り回しや見た目は圧倒的だ。むしろなぜ10年前辺りからこうしなかったと疑問に思うほどである。

 今回試用したCore i9-12900K+GeForce RTX 4090のシステムは、負荷時には600W強程度まで消費電力が上がるが、本製品は120mm角の流体軸受ファンを採用している上に、6割~7割程度の負荷はファン回転数が1,000rpmにも満たないため非常に静かであった。本体背面の「ECOセミファンレススイッチ」をオンにすると、30%以下の負荷ではファンが回転しないのでさらに静かである。

 さらに高消費電力のCPUやGPUを使うならまだしも、一般的なハイエンドゲーミングシステムで十分な性能を持つ本製品。Amazonでは2万円台前半で販売されていることも多く、1,000Wクラスとしては比較的リーズナブルだ。規格の進化が遅いため電源は長く使うものだと考えているユーザーも多いが、GeForce RTX 40の購入を考えているなら、同時に電源ユニットの刷新もおすすめしたい。

本体を分解してみた
ファンはProtechnic Electric製の流体軸受タイプ「MGA12012XF-O25」
内部のアップ