西川和久の不定期コラム
ユニットコム「STYLE-17HP043-C-UCDS」
~Celeron N4100に光学ドライブ搭載の17.3型ノート
2018年9月27日 11:00
ユニットコムは8月29日、iiyama PCブランドの17.3型ノートPC「STYLE-17HP043-C-UCDS」を発表した。CeleronとSSD、光学ドライブを搭載し、税込で約6万円ほどと安価なモデルだ。
編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。
Celeron N4100に17.3型という珍しい組み合わせ
今回ご紹介するノートPCは、同社のサイトを見ると、STYLE N-Class Pに属するモデルだ。STYLE-xxx以降の数字がディスプレイサイズで、多くは11.6型か15.6型で構成されている。
搭載しているプロセッサはすべてCeleron。ただし、Apollo LakeとGemini Lakeが混ざっている。
サイトの下に表示される「ノートパソコン売れ筋ランキング」トップ5中、2つが15型のCeleronモデル。価格と性能のバランスが良く、人気もあるようだ。
今回試用する「STYLE-17HP043-C-UCDS」は、型番から分かるように17(17.3)型の大型モデル。プロセッサはGemini Lakeで、どちらかといえば小型モデルが多い中、大型パネルに加えて、珍しくなってきた光学ドライブも搭載したノートPCとなる。おもな仕様は以下のとおり。
プロセッサ | Celeron N4100(4コア4スレッド/1.1GHz~2.4GHz/キャッシュ4MB/TDP 6W) |
---|---|
メモリ | 4GB/DDR4-2400 SO-DIMM、スロット2(空き1) |
ストレージ | SSD 120GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 17.3型1,600×900ドット、光沢なし、タッチ非対応 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 600、ミニD-Sub15ピン、HDMI |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス | USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、100万画素カメラ、マルチカードリーダ、音声入出力、ステレオスピーカー |
バッテリ駆動時間 | 約5.3時間 |
サイズ/重量 | 418×283×31mm(幅×奥行き×高さ)/約2.48kg |
税別直販価格 | 56,980円~ |
プロセッサはGemini Lake世代のCeleron N4100。4コア4スレッドでクロックは1.1GHzから最大2.4GHz。最近このクラスで定番となりつつあるSKUだ。キャッシュは4MBでTDPは6W。
メモリはスロットが2つあり、1つにDDR4-2400 SO-DIMMの4GB。このプロセッサはDDR3L/LPDDR3も対応しているが、より省電力で高速なDDR4なのは評価できる。仕様上の記述はないものの、おそらく4GB×2で最大8GBだろう。
ストレージはSSD 120GB、光学ドライブとしてDVDスーパーマルチを搭載している。OSは64bit版のWindows 10 Home。
ディスプレイは17.3型と大型で、解像度は1,600×900ドット。非光沢でタッチには対応していない。このサイズならフルHDが欲しいところだが、コストの関係だろうか。外部出力用として、ミニD-Sub15ピンとHDMIを備えている。グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel UHD Graphics 600。
ネットワークはGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、100万画素カメラ、マルチカードリーダ、音声入出力、ステレオスピーカーなど、USB 3.0 Type-Cも含め、ひととおり揃っている。
本体サイズは418×283×31mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.48kg。バッテリ駆動時間は約5.3時間と短めだ。
税別直販価格は56,980円からとなる。17.3型の大型パネル、SSD、光学ドライブ搭載などを考慮すると、リーズナブルな価格ではないだろうか。
もちろんBTOにも対応するが、執筆のタイミングでは一旦完売となっていたため、先のメニューに進めず、カスタマイズ項目を確認できなかった。
筐体はつや消しのオールブラック。無骨で高級感はないものの、飽きがこないデザインとも言える。流石に17.3型で約2.48kgという重量なので、持ち上げるとズッシリ重いが、屋内での移動が基本であれば問題ないレベル。厚みは31mmと、17.3型としては薄型と言えば薄型だ。
前面は中央上に100万画素カメラ、正面側面左側にステータスLED。トップカバーはiiyamaのロゴのみ。左側面は、電源入力、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、HDMI、USB 3.0、USB 3.0 Type-C。右はロックポート、DVDスーパーマルチ、USB 2.0×2、音声入出力を配置。パネルは写真の角度が最大となる。
裏は手前左右にスピーカー用のスリット。メモリなどにアクセスできる小さいパネルはない。左側のスピーカースリットの横にマルチカードリーダがある。慣れもあるだろうが、この位置だとメディアを出し入れするとき、筐体を持ち上げる必要があり、若干扱いにくいかもしれない。
バッテリは着脱式。付属のACアダプタは、サイズ約85×35×25mm(同)、重量151g。出力19V/2.1A。本体が大きい割に小型だ。
17.3型のディスプレイは、1,600×900ドットとフルHDでないのは残念なところだ。非光沢なので見やすいのだが、明るさ、コントラスト、発色、視野角などは価格なり。
最近はローエンドのスマホでも、ディスプレイはかなり綺麗になってることもあり、大きさが違うとはいえ、本機に限らず安価なノートPCのディスプレイは、もう少し頑張って欲しいところか。
キーボードはテンキーありのアイソレーションタイプ。実測でキーピッチは約18mmだが、特別狭くなったり歪な並びもない。
キーがたわむこともなく良好なのだが、このサイズでキーボード面が机などと(ほぼ)並行なのは個人的に入力しにくい。後ろ側のゴム足で若干傾いているものの、さらに傾く仕掛けが欲しいところ。
タッチパッドは2ボタン式。筐体が大きく、パームレストも含め十分面積が確保されており、扱いやすい。
振動やノイズは、試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけても熱くならず、クールなマシンだ。もともとプロセッサ的に発熱が少ない上に、筐体が大きく十分な放熱ができているのだろう。
サウンドは、カマボコレンジであるもののパワーはそこそこある。また筐体が大きい分、左右のスピーカーも距離が取れ、ステレオ感も上々だ。
クラス相当の性能でバッテリ駆動時間は短め
OSは64bit版のWindows 10 Home。Gemini Lake世代のCeleron、メモリ4GB。ある意味Windowsマシンとしては最小構成だが、ストレージがSSDということもあり、(Core iマシンとは比べるまでもないが)意外と軽やかに動く。
初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。とくにグループなどは追加されていない。デスクトップは壁紙の変更と、プリインストールアプリへのショートカットが追加されている。
ストレージは基本構成だとSSD 120GBなのだが、届いた実機はSSD 250GBの「WDS250G2B0A」を搭載していた。従って後述するベンチマークテストは参考値となる。予めご了承いただきたい。C:ドライブのみの1パーティションで約231.89GBが割り当てれら空き約215GB。光学ドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GUD0N」、Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。
インストール済みのソフトウェアは、「Zoner Photo Studio 15」、「Norton Security」、「LoiLoScope 2」、「WPS Office」、「Amazon Assistant」と、「CONTROL CENTER 2.0」など各種システム系。CONTROL CENTERはバージョンが2.0となり随分UIが変わった。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおり。
ベンチマークテスト | |
---|---|
PCMark 10 v1.0.1457 | |
PCMark 10 Score | 1,744 |
Essentials | 4,677 |
App Start-up Score | 4,894 |
Video Conferencing Score | 4,585 |
Web Browsing Score | 4,562 |
Productivity | 2,816 |
Spreadsheets Score | 3,257 |
Writing Score | 2,435 |
Digital Content Creation | 1,094 |
Photo Editing Score | 1,082 |
Rendering and Visualization Score | 803 |
Video Editting Score | 1,509 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 2,034 |
Creative Accelarated 3.0 | 2,240 |
Work Accelarated 2.0 | 3,257 |
Storage | 4,952 |
3DMark v2.4.4264 | |
Time Spy | n/a |
Fire Strike Ultra | n/a |
Fire Strike Extreme | n/a |
Fire Strike | 366 |
Sky Diver | 1,350 |
Cloud Gate | 3,041 |
Ice Storm Extreme | 17,647 |
Ice Storm | 24,246 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 18.95 fps |
CPU | 233 cb |
CPU(Single Core) | 64 cb |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 557.450 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 526.391 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 389.753 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 302.553 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 135.392 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 122.696 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 32.161 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 69.068 MB/s |
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |
バッテリ残量6%まで | 5時間54分55秒(仕様では約5.3時間) |
最近Gemini Lake世代のCeleron N4100搭載マシンをいくつか試用しているが、スコアはそれらとほとんど変わらず。このクラスとしては平均的といえる。
バッテリ駆動は残6%で5時間54分55秒。仕様上、約5.3時間なのでほぼ同じとなる。パネルが17.3型と大きいこともあり、さほど伸びなかった。加えて、パネルの明るさを0%以外にするともう少し短くなりそうだ。
以上のようにユニットコム「STYLE-17HP043-C-UCDS」は、17.3型のパネル、Celeron、4GB/SSD 120GB、そしてDVDスーパーマルチドライブを搭載したノートPCだ。パネルのクオリティは価格なりだが、実際試用した感じは普通の処理なら割とサクサク作動し、とくにストレスもなく操作できた。
仕様上、とくに気になる部分もなく、安価で17型クラスの光学ドライブ付きノートPCを探しているユーザーにおすすめできる製品といえよう。