西川和久の不定期コラム

ユニットコム「STYLE-17HP043-C-UCDS」

~Celeron N4100に光学ドライブ搭載の17.3型ノート

STYLE-17HP043-C-UCDS

 ユニットコムは8月29日、iiyama PCブランドの17.3型ノートPC「STYLE-17HP043-C-UCDS」を発表した。CeleronとSSD、光学ドライブを搭載し、税込で約6万円ほどと安価なモデルだ。

 編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。

Celeron N4100に17.3型という珍しい組み合わせ

 今回ご紹介するノートPCは、同社のサイトを見ると、STYLE N-Class Pに属するモデルだ。STYLE-xxx以降の数字がディスプレイサイズで、多くは11.6型か15.6型で構成されている。

 搭載しているプロセッサはすべてCeleron。ただし、Apollo LakeとGemini Lakeが混ざっている。

 サイトの下に表示される「ノートパソコン売れ筋ランキング」トップ5中、2つが15型のCeleronモデル。価格と性能のバランスが良く、人気もあるようだ。

 今回試用する「STYLE-17HP043-C-UCDS」は、型番から分かるように17(17.3)型の大型モデル。プロセッサはGemini Lakeで、どちらかといえば小型モデルが多い中、大型パネルに加えて、珍しくなってきた光学ドライブも搭載したノートPCとなる。おもな仕様は以下のとおり。

ユニットコム「STYLE-17HP043-C-UCDS」の仕様
プロセッサCeleron N4100(4コア4スレッド/1.1GHz~2.4GHz/キャッシュ4MB/TDP 6W)
メモリ4GB/DDR4-2400 SO-DIMM、スロット2(空き1)
ストレージSSD 120GB
光学ドライブDVDスーパーマルチ
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ17.3型1,600×900ドット、光沢なし、タッチ非対応
グラフィックスIntel UHD Graphics 600、ミニD-Sub15ピン、HDMI
ネットワークGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、100万画素カメラ、マルチカードリーダ、音声入出力、ステレオスピーカー
バッテリ駆動時間約5.3時間
サイズ/重量418×283×31mm(幅×奥行き×高さ)/約2.48kg
税別直販価格56,980円~

 プロセッサはGemini Lake世代のCeleron N4100。4コア4スレッドでクロックは1.1GHzから最大2.4GHz。最近このクラスで定番となりつつあるSKUだ。キャッシュは4MBでTDPは6W。

 メモリはスロットが2つあり、1つにDDR4-2400 SO-DIMMの4GB。このプロセッサはDDR3L/LPDDR3も対応しているが、より省電力で高速なDDR4なのは評価できる。仕様上の記述はないものの、おそらく4GB×2で最大8GBだろう。

 ストレージはSSD 120GB、光学ドライブとしてDVDスーパーマルチを搭載している。OSは64bit版のWindows 10 Home。

 ディスプレイは17.3型と大型で、解像度は1,600×900ドット。非光沢でタッチには対応していない。このサイズならフルHDが欲しいところだが、コストの関係だろうか。外部出力用として、ミニD-Sub15ピンとHDMIを備えている。グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel UHD Graphics 600。

 ネットワークはGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、100万画素カメラ、マルチカードリーダ、音声入出力、ステレオスピーカーなど、USB 3.0 Type-Cも含め、ひととおり揃っている。

 本体サイズは418×283×31mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.48kg。バッテリ駆動時間は約5.3時間と短めだ。

 税別直販価格は56,980円からとなる。17.3型の大型パネル、SSD、光学ドライブ搭載などを考慮すると、リーズナブルな価格ではないだろうか。

 もちろんBTOにも対応するが、執筆のタイミングでは一旦完売となっていたため、先のメニューに進めず、カスタマイズ項目を確認できなかった。

前面。非光沢のパネル、中央上に100万画素カメラ。正面側面左側にステータスLED
斜め後ろから。天板はiiyamaのロゴのみ。意外と薄いのが分かる
左。電源入力、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、HDMI、USB 3.0、USB 3.0 Type-C
右。ロックポート、DVDスーパーマルチ、USB 2.0×2、音声入出力。パネルはこの角度が最大
裏。手前左右にスピーカー用のスリット。メモリなどにアクセスできる小さいパネルはない。バッテリは着脱式。左側のスピーカースリットの横にマルチカードリーダーがある
キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。タッチパッドは2ボタン式
キーピッチは実測で約18mm。とくに気になる並びや特別ピッチが狭いキーはない
付属のACアダプタとバッテリ。サイズは約85×35×25mm(同)、重量151g。出力19V/2.1A。本体が大きい割には小型

 筐体はつや消しのオールブラック。無骨で高級感はないものの、飽きがこないデザインとも言える。流石に17.3型で約2.48kgという重量なので、持ち上げるとズッシリ重いが、屋内での移動が基本であれば問題ないレベル。厚みは31mmと、17.3型としては薄型と言えば薄型だ。

 前面は中央上に100万画素カメラ、正面側面左側にステータスLED。トップカバーはiiyamaのロゴのみ。左側面は、電源入力、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、HDMI、USB 3.0、USB 3.0 Type-C。右はロックポート、DVDスーパーマルチ、USB 2.0×2、音声入出力を配置。パネルは写真の角度が最大となる。

 裏は手前左右にスピーカー用のスリット。メモリなどにアクセスできる小さいパネルはない。左側のスピーカースリットの横にマルチカードリーダがある。慣れもあるだろうが、この位置だとメディアを出し入れするとき、筐体を持ち上げる必要があり、若干扱いにくいかもしれない。

 バッテリは着脱式。付属のACアダプタは、サイズ約85×35×25mm(同)、重量151g。出力19V/2.1A。本体が大きい割に小型だ。

 17.3型のディスプレイは、1,600×900ドットとフルHDでないのは残念なところだ。非光沢なので見やすいのだが、明るさ、コントラスト、発色、視野角などは価格なり。

 最近はローエンドのスマホでも、ディスプレイはかなり綺麗になってることもあり、大きさが違うとはいえ、本機に限らず安価なノートPCのディスプレイは、もう少し頑張って欲しいところか。

 キーボードはテンキーありのアイソレーションタイプ。実測でキーピッチは約18mmだが、特別狭くなったり歪な並びもない。

 キーがたわむこともなく良好なのだが、このサイズでキーボード面が机などと(ほぼ)並行なのは個人的に入力しにくい。後ろ側のゴム足で若干傾いているものの、さらに傾く仕掛けが欲しいところ。

 タッチパッドは2ボタン式。筐体が大きく、パームレストも含め十分面積が確保されており、扱いやすい。

 振動やノイズは、試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけても熱くならず、クールなマシンだ。もともとプロセッサ的に発熱が少ない上に、筐体が大きく十分な放熱ができているのだろう。

 サウンドは、カマボコレンジであるもののパワーはそこそこある。また筐体が大きい分、左右のスピーカーも距離が取れ、ステレオ感も上々だ。

クラス相当の性能でバッテリ駆動時間は短め

 OSは64bit版のWindows 10 Home。Gemini Lake世代のCeleron、メモリ4GB。ある意味Windowsマシンとしては最小構成だが、ストレージがSSDということもあり、(Core iマシンとは比べるまでもないが)意外と軽やかに動く。

 初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。とくにグループなどは追加されていない。デスクトップは壁紙の変更と、プリインストールアプリへのショートカットが追加されている。

 ストレージは基本構成だとSSD 120GBなのだが、届いた実機はSSD 250GBの「WDS250G2B0A」を搭載していた。従って後述するベンチマークテストは参考値となる。予めご了承いただきたい。C:ドライブのみの1パーティションで約231.89GBが割り当てれら空き約215GB。光学ドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GUD0N」、Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。

スタート画面(タブレットモード)はWindows 10標準
起動時のデスクトップ。壁紙の変更といくつかのショートカットを配置
デバイスマネージャ/主要なデバイス。SSD 250GBの「WDS250G2B0A」。光学ドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GUD0N」、Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。Cドライブのみの1パーティションで約約231.89GBが割り当てられている
CONTROL CENTER 2.0

 インストール済みのソフトウェアは、「Zoner Photo Studio 15」、「Norton Security」、「LoiLoScope 2」、「WPS Office」、「Amazon Assistant」と、「CONTROL CENTER 2.0」など各種システム系。CONTROL CENTERはバージョンが2.0となり随分UIが変わった。

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおり。

ベンチマークテスト
PCMark 10 v1.0.1457
PCMark 10 Score1,744
Essentials4,677
App Start-up Score4,894
Video Conferencing Score4,585
Web Browsing Score4,562
Productivity2,816
Spreadsheets Score3,257
Writing Score2,435
Digital Content Creation1,094
Photo Editing Score1,082
Rendering and Visualization Score803
Video Editting Score1,509
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.02,034
Creative Accelarated 3.02,240
Work Accelarated 2.03,257
Storage4,952
3DMark v2.4.4264
Time Spyn/a
Fire Strike Ultran/a
Fire Strike Extremen/a
Fire Strike366
Sky Diver1,350
Cloud Gate3,041
Ice Storm Extreme17,647
Ice Storm24,246
CINEBENCH R15
OpenGL18.95 fps
CPU233 cb
CPU(Single Core)64 cb
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード557.450 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト526.391 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード389.753 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト302.553 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード135.392 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト122.696 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード32.161 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト69.068 MB/s
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量6%まで5時間54分55秒(仕様では約5.3時間)

 最近Gemini Lake世代のCeleron N4100搭載マシンをいくつか試用しているが、スコアはそれらとほとんど変わらず。このクラスとしては平均的といえる。

 バッテリ駆動は残6%で5時間54分55秒。仕様上、約5.3時間なのでほぼ同じとなる。パネルが17.3型と大きいこともあり、さほど伸びなかった。加えて、パネルの明るさを0%以外にするともう少し短くなりそうだ。


 以上のようにユニットコム「STYLE-17HP043-C-UCDS」は、17.3型のパネル、Celeron、4GB/SSD 120GB、そしてDVDスーパーマルチドライブを搭載したノートPCだ。パネルのクオリティは価格なりだが、実際試用した感じは普通の処理なら割とサクサク作動し、とくにストレスもなく操作できた。

 仕様上、とくに気になる部分もなく、安価で17型クラスの光学ドライブ付きノートPCを探しているユーザーにおすすめできる製品といえよう。