Mac Info

あなたの個人情報は大丈夫⁉ Macでプライバシーを守るための鉄板対策

 あなたの個人情報は、Macの使用中に流出していないでしょうか。インターネットの履歴や位置情報、アプリの使用状況といった情報が自分の知らないうちに抜き取られ、勝手に利用されているとしたら……。ここではそんな不安を払拭するために、Macに搭載されているプライバシー機能の中で特に重要なものをピックアップしました。一つひとつしっかりとチェックして、安心度を高めましょう。

Macの設定を見直して、プライベートな情報をしっかりと守りましょう

Appleのプライバシー保護の取り組み

 Appleは、長年に渡り、さまざまなプライバシー保護機能をデバイスに搭載してきました。

 たとえば、位置情報や個人情報を取得するアプリを利用する際に「ユーザーの明示的な同意」を必須としたのは、iOS 6がリリースされた2012年のこと。今からなんと10年以上も前の話になります。

 また、AppleはOSや標準アプリだけでなく、サードパーティ製アプリにもプライバシー保護を徹底させています。App Storeのアプリがどのような個人情報を利用するのかをインストール前に確認できるようになっているのは、その最たる例と言えるでしょう。

 このようにAppleはユーザーのプライバシーを基本的人権として捉え、また古くから声高にその大切さを主張してきました。

 こうしたプライバシー保護機能はiPhoneで注目されることが多いのですが、もちろんMacにもたくさん実装されています。大切なプライバシーが流出して困る前にしっかりと対策を行なっておきましょう。

App Storeでアプリの説明を開くと「Appのプライバシー」欄があります。ここでアプリがどんな情報を収集しているのか、そしてそれがどのようにユーザーと関連付けられているのかを確認できます

[プライバシーとセキュリティ]の設定を確認する

 Macでプライバシーを守るには、まずはどのアプリがどのような個人情報を利用しているのかを確認しておくことが重要です。

 「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ]項目を開くと、位置情報や「連絡先」、「カレンダー」、「リマインダー」などの情報へアクセスしているアプリや、マイクやカメラといったハードウェアを利用しているアプリを確認できます。

 一度すべてチェックして、怪しいアプリに個人情報へのアクセスを許可していないか確認してみましょう。

 たとえば、「位置情報を取得する必要がなさそうなのに利用が許可されているアプリ」、または「『連絡先』アプリへアクセスする必要がなさそうなのにアクセスが許可されているアプリ」などです。

 そして、少しでも怪しいと感じるアプリがあったら設定を必ずオフにしておきましょう。もしかしたら自分が知らないうちに個人情報を抜き取る不正アプリにアクセスを許可してしまっている可能性があるからです。

 また、たとえここで設定をオフにしたとしても、個人情報へのアクセスが必要なアプリは起動時に設定をオンにするよう求められます。よって、この段階で許可が必要かどうかをじっくりと吟味することが可能です。

「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ]項目には、[位置情報サービス]や[連絡先]などさまざまな項目が並びます。一度上から順に点検してみましょう
初めてアプリ起動した際に表示されるダイアログの内容をあまり理解しないまま、個人情報へのアクセスを許可してしまっている可能性もあります。怪しいものはオフに切り替えましょう

Safariのプライバシー設定を確認する

 macOS純正のWebブラウザ「Safari」には、豊富なプライバシー保護機能が盛り込まれています。Safariを起動して[Safari]メニューから[設定]を選ぶと、[プライバシー]タブから4つの設定を行なうことが可能です。

 1つ目が[Webサイトによるトラッキング]です。一部のWebサイトでは過去の閲覧履歴や購入履歴などを追跡(トラッキング)して興味関心がありそうな広告を表示しますが、自分の行動を追跡されることに抵抗を感じるのであれば[サイト越えトラッキングを防ぐ]をオンにしておきましょう。

 2つ目の[IPアドレスを非公開]は、その名のとおりIPアドレスを隠すための設定です。Macがネットワークに接続するとIPアドレスと呼ばれるインターネット上の住所のような識別番号が付与されますが、一部のサイトなどではこれを利用してユーザーを追跡します。[IPアドレスをトラッカーに非公開]にチェックを入れておけばそれを防ぐことができます。

 3つ目の[CookieとWebサイトのデータ]は、Webサイトの閲覧中にMac内に保存される「Cookie」の利用に関する設定です。[すべてのCookieをブロック]にチェックを入れるとCookie(ログインIDやアクセス履歴、訪問回数等)が保存されなくなり、プライバシーを守ることにつながります。しかし、一部のWebサイトが利用できなくなるなどWebブラウザの利便性が大きく損なわれますので、通常はオンにしないほうがいいでしょう。

 最後の[広告の有効性のプライバシー保護測定を許可]は、PCM(Private Click Measurement)という、広告の効果測定のための技術を許可するかどうかの設定です。従来のトラッキング技術と違ってユーザーとは関連付けられないようなので、チェックボックスを入れて許可にしておいても心配は少ないでしょう。しかし、どんな情報も提供したくないという人は、もちろんチェックボックスをオフにしても問題はありません。

[Safari]メニューから[設定]を選び、設定ウィンドウで[プライバシー]タブを開きます。図のように各設定のチェックを入れておけば、利便性とプライバシーの両立が可能になるでしょう
Webページの閲覧中、ウィンドウ上部にある盾のようなアイコンをクリックすると、どれくらいのサイト越えトラッキングが阻止できたのかを確認できます

メールでのプライバシー設定をチェックする

 macOS純正の「メール」にもプライバシー保護機能が搭載されています。中でも重要なのが[メール]メニューから[設定]を選び、[プライバシー]タブから設定できる[メールでのアクティビティを保護]です。

 この機能をオンにすると自分のMacのIPアドレスを隠し、さらにプライバシーを保護した状態でリモートコンテンツ(外部サーバに画像などの情報を取りに行くタイプのコンテンツ)を読み込めるようになります。

 もし設定をオフにしていると、メールの中にリモートコンテンツが含まれていた場合にメールの送信者が「メールをいつ表示したか、何回表示したか」といった情報を得ることができてしまいます。

 こうした情報を第三者に知られたくない場合は、チェックボックスをオンにして有効にしておきましょう。

[メール]メニューから[設定]を選び、設定ウィンドウで[プライバシー]タブを開きましょう。[メールでのアクティビティを保護]にチェックを入れると、その下の2つのチェック項目はグレーになり選択できなくなります。これは、[メールでのアクティビティを保護]をオンにしておけば、その下側の項目を設定する必要がなくなるためです

ネットショッピング用にApple Payを設定

 Apple Payは店頭でのタッチ決済だけでなく、ネットショッピングでも利用できます。もしApple Payに対応しているショップサイトで買い物をする際は、できる限りApple Payで支払ったほうが安全です。

 なぜなら、Apple Payを使った決済ではクレジットカードの番号がショップサイトに伝わることがないからです。また、多くの場合は会員登録をしなくても、そのまま買い物ができます。ショップサイトに保管される個人情報も少なくなり、追跡型広告などに転用される恐れも減るというわけです。

 Apple Payの設定は、「システム設定」の[ウォレットとApple Pay]で行ないます。カードは複数登録することも可能です。複数登録した場合は、決済時に使用するカードを選択します。

 また、ここで配送先住所や電話番号などを設定しておけば、購入時の入力を省くことができます。あらかじめすべての項目を記入しておくといいでしょう。

「システム設定」の[ウォレットとApple Pay]で、カードを登録します。その下にある[配送先住所][メール][電話]なども設定しておくことで、決済時の入力が省けます
Apple Payに配送先などを入力しておくと、会員登録や面倒なフォームの入力を行なわずに素早く買い物ができます

「Appleでサインイン」を活用する

 会員登録が必要なアプリやWebサイトの中には「Appleでサインイン」という手段が用意されているケースがあります。この方法を使うと、アプリやWebサービスごとにパスワードを登録する必要がありません。

 もしもそのアプリやサービスで情報漏洩が起きてしまっても、自分のメールアドレス&パスワードの組み合わせが流出して二次被害に遭うのを避けられます。

 さらに「Appleでサインイン」では、このあと説明する「メールを非公開」という機能を利用することも可能です。自分が普段使っているメールアドレスを伝えずにアプリやサービスを利用できるので、個人情報が流出する心配をかなり抑えられるというわけです。

 また、「Apple IDでサインイン」は、AndroidやWindowsなどApple製デバイス以外でも利用できます。これらのデバイスで利用する際は、「信頼済みのApple製デバイス」に届いた確認コードを用いてログインするという手順になります。不要な個人情報の流出を避けるため、「Apple IDでサインイン」を積極的に活用していきましょう。

「Appleでサインイン」の機能は、「Appleで登録」や「Continue with Apple」などのボタンがあるWebサイトやアプリで利用可能です
初回は、名前とメールアドレスを指定して登録します。有料の「iCloud+」のユーザーなら、非公開メールを指定することも可能です
この機能を使えば、Webサイトやアプリごとに個別のパスワードを設定・入力する必要がありません。さらにTouch IDを利用可能なMacなら、Touch IDだけでサインインできるようになります
「システム設定」を開いて左上にある自分の名前をクリックしたら、[パスワードとセキュリティ]項目をクリック。続いて一番下にある[Apple IDを使用中のApp]の[編集]ボタンをクリックすると、「Apple IDでサインイン」を利用しているWebサイトやサービスを確認できます

iCloud+の「メールを非公開」を活用する

 iCloudは無料で5GBのストレージを利用できますが、有料で50GB/200GB/2TBストレージプランにアップグレード可能です。しかも有料プランへアップグレードすると「メールを非公開」という機能が利用できます。

 この機能はランダムなメールアドレス、いわゆる「捨てメアド」を自由に作成できるというものです。作成したメールアドレスに送られたメールは、iCloudのメールに自動転送されます。

 優良かどうかが疑わしいWebサービスに会員登録するときには、この機能を使って生成したメールアドレスで登録を行ないましょう。その後、もし大量のセールスメールが来てしまったときは、生成したメールアドレスを利用停止できます。

 これで万が一そのサービスからメールアドレスが流出してしまったとしても、スパムメールに悩まなくて済むようになるのです。

新しいメールアドレスを作成したいときは「システム設定」を開いて左上にある自分の名前をクリック。続いて[iCloud]項目をクリックしましょう
iCloud+のユーザーなら、[メールを非公開]という項目があるはずなのでクリックします
作成済みのメールアカウント一覧画面が表示されます。新規で作成したいときは、左下の[+]ボタンをクリックしましょう
ランダムなメールアドレスが生成されます。[ラベル]欄にわかりやすくラベルを書き、[続ける]ボタンを押せば利用可能になります

情報は極力入力しないことが肝心

 ここまで見てきたようにMacやApple製品にはプライバシーを守る機能が数多く搭載されていますが、もっとも重要なのはユーザーの心がけです。

 というのも、個人情報やプライバシーの流出を抑えるには、「情報の入力を最小限にする」というのが大原則だから。一つひとつのWebサービスやアプリで入力した情報はわずかでも、それぞれの情報が流出し、互いに補完し合うことで精度の高いプライバシーデータになってしまいます。

 不要な個人情報の入力はとにかく避けるよう、普段から心がけることが大切です。