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MacでChatGPT!クライアントアプリの「MacGPT」を使ってみよう

 今話題の対話型AI「ChatGPT」は、アカウント登録をすればWebブラウザ上で無料で利用できます。しかし、Macユーザーならクライアントアプリを利用したほうが何かと便利です。中でもおすすめなのが、「MacGPT」というMac向けのクライアントアプリ。バージョンアップによって日本語での精度も向上した最新の言語モデル「GPT-4」にもいち早く対応しているので、有料版の「ChatGPT Plus」を利用しているユーザーにも最適です。今回は、このMacGPTのインストール方法や使い方、そして便利な活用テクニックを解説していきます。

ChatGPTを利用できるMac向けのクライアントアプリはいくつかありますが、その中でもMacGPTが有名です

MacGPTのインストール方法

 MacにMacGPTをインストールするには、MacGPTの開発元サイトからアプリを入手します。ダウンロードする際は寄付金を入力するよう求められますが、ゼロでもダウンロード可能です。

 Macの初期設定ではアプリは[ダウンロード]フォルダへ格納されるので、ダウンロードができたら、あとはMacGPTのアイコンを[アプリケーション]フォルダへドラッグすればインストールは完了です。

MacGPTのサイトにアクセスしたら[Download]ボタンをクリック。[公平な価格を設定して下さい:]の下にあるテキストフィールドに数値(「0」でもOK)を入力して[これが欲しいです!]をクリックします
チェックアウト画面に切り替わるので、連絡先のメールアドレスを入力して[手に入れる]をクリックしましょう
認証画面が表示されるので、指示に従って画像を選択したのち[確認]ボタンをクリック。その後、[許可]ボタンをクリックしてMacGPTをダウンロードします
MacGPTが[ダウンロード]フォルダに格納されるので、それを[アプリケーション]フォルダへドラッグして追加しましょう

ChatGPTへログインしよう

 無事にMacGPTがダウンロードできたら、ダブルクリックして起動してみましょう。初めて起動したときはアップデートを自動で行なうかどうかを尋ねられます。自動で行なうように設定したい場合は[Check Automatically]をクリックします。

 すると次に「ChatGPT」へのログイン画面が表示されますので、すでにアカウントを所有している場合は[Log In]をクリックしてアカウントとパスワードを入力します。

 もしChatGPTのアカウントを所有していない場合は、[Sign Up]をクリックすれば作成できます。

MacGPTを最初に起動すると、アプリの自動アップデートに関する設定ダイアログが表示されます
ChatGPTへのログイン画面で[Log in]をクリックしたら、ChatGPTのアカウントに登録したメールアドレスを入力して[Continue]をクリック。パスワードを入力して再び[Continue]をクリックするとログインできます

2種類の表示モードを使いこなす

 ChatGPTへのログインに成功すると、MacGPTのメイン画面が表示され、ChatGPTを利用できるようになります。

 初期状態ではWebブラウザ利用時と同じインターフェイス(Webモード)が表示されますので、画面下部にある[Send a message]にテキストを入力して質問してみましょう。

 また、MacGPTではメイン画面右上にあるボタンを[Web]から[Native]へ切り替えることで、チャットメッセージのように吹き出しを使って受け答えが表示されるNativeモードへ切り替えられます。

 ただし、Nativeモードを利用するには、ChatGPTの開発元であるOpenAIから「API Key」を入力する必要があります。入手していない場合は、画面下部に表示される「How do I get an API Key?」をクリックすればAPIキー取得の画面が表示され、手順に従って取得することができます。

Webモードでは画面下部にある[Send a message]にテキストを入力して質問できます。サイドバーの[New chat]をクリックすれば新しいチャットを開始できます
メイン画面右上にある[Native]ボタンをクリックすると、ネイティブ表示モードに切り替わります。APIキーを入力する必要がありますので、取得していない場合はウィンドウ下部の[How do I get an API Key ?]をクリックしましょう
OpenAIのWebサイトが開くので[User settings]をクリックします。そしてAPI Keysのページで[+ Create new secret key]を選びます
APIのキー名を入力したら[Create secret key]をクリックするとキーが生成されます。コピーボタンをクリックして[Done]をクリックしましょう
MacGPTに戻って取得したキーをペーストしたら[Submit]をクリックします。するとAPIキーが登録されてNativeモードが使えるようになります

最新の「GPT-4」へ切り替えよう

 MacGPTの大きな特徴の1つが、2023年3月に公開されたばかりの最新の言語モデル「GPT-4」をサポートしていることです。現在のところ有料の「ChatGPT Plus」登録者のみ利用することができ、Webモードの場合はメイン画面内に表示されるプルダウンメニューから[GPT-4]へ切り替えられます。

 一方でNativeモードで利用する場合は、メイン画面右上の歯車ボタンをクリックして設定画面を開き、[Global]タブにある[Global API Model]からGPT-4を選びましょう。

 ただし、NativeモードでGPT-4を利用するにはGPT-4のAPI Keyが必要です。原稿執筆時点ではすぐには入手できず、OpenAIの開発元サイトでウェイティングリストに登録すると、数日後に入手できるようになっています。

有料のChatGPT Plusアカウントを持っていれば、Webモードで画面内のプルダウンメニューから「GPT-3.5」だけでなく「GPT-4」を選べます
Nativeモードで利用する場合は、メイン画面右上の歯車ボタンをクリックして設定画面を開き、[Global]タブにある[Global API Model]からGPT-4を選びましょう
Nativeモードで利用する場合は、GPT-4のAPI Keysが必要です。「GPT-4 API waitlist」からウェイティングリストに登録して入手しましょう

さまざまな方法でChatGPTにアクセス

 このようにMacGPTを使えば、Webブラウザ上で利用するよりも、快適にChatGPTを利用できます。アプリをDockに登録したり、Macログイン時に自動で起動するようにしておけば、より素早くChatGPTを使えるようになるでしょう。

 また、MacGPTでは、ChatGPTにそのほかの方法でアクセスすることも可能です。中でも便利なのは、メニューバーからアクセスできること。MacGPTをインストールすると自動でメニューバーにMacGPTのアイコンが追加されますので、ほかのアプリを使っていてもメニューバーをクリックすることでアプリを切り替えることなく、ChatGPTを利用可能です。

 さらに、「グローバルテキストフィールド」機能も便利です。これはあらかじめキーボードショートカットを設定しておくことで、Macのデスクトップ中央にChatGPTの質問ウィンドウを表示する機能。Mac標準のSpotlight検索のように、ショートカットキーを使って素早く呼び出すことができます。

 グローバルテキストフィールドにはマイクボタンが用意されており、クリックすることで音声でも入力できるようになっていますが、残念なことに日本語には対応していません。

 しかし、Macの標準キーボード上にある特殊キー(マイクのアイコンが描かれたキー)を押せば音声入力が可能です。

MacGPTを起動するとメニューバーにアイコンが追加されます。このアイコンをクリックすればいつでもMacGPTが利用できます
画面右上にある歯車ボタンをクリックして設定画面を開き、[Global]タブにある[Toggle Global]のフィールドをクリックしてショートカットキーを登録しましょう。ここでは[shfit]キーと[control]キー、[G]キーに設定しています
登録したショートカットキーを押すと画面の中央にウィンドウ(グローバルテキストフィールド)が表示されます
ChatGPTへの質問やコマンドを直接入力して、[return]キーを押せば回答を表示してくれます

文章作成時には「インライン」機能が便利

 最後に、MacGPTを利用するなら絶対に知っておきたいテクニックを1つ紹介しましょう。それは、「インライン」機能の活用です。

 この機能を利用すると、「メモ」アプリなどで書類を作成しているときにトグルワードの「+gpt」に続いてChatGPTに質問したいテキストを入力し、入力終了後に[shift]キーと一緒に[return]キーを押すと、ChatGPTの回答がインラインでアプリ内に入力されます。

 MacGPTのメイン画面やメニューバーなどから質問して得た回答を別のアプリで利用する際に、いちいちコピー&ペーストしなくて良いので文章作成のときなどにとても役立ちます。

 このインライン機能の設定は、MacGPTの設定画面を開いて[Inline]タブから行なうことができます(Macの「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ]からMacGPTにアクセシビリティへのアクセス許可を与える必要あり)。

 また、[Trigger word]から「+gpt」以外のトグルワードを選択できるほか、[Trigger method]で質問入力後に押すキーを[shift]キー+[return]キーにするか[return]キーだけにするかも選択できます。

メイン画面右上にある歯車ボタンをクリックして設定画面を開き、[Inline]タブをクリックします。[Grant Accessibility Privileges]をクリックするとアクセシビリティへのアクセス許可を求められるので、[システム設定を開く]をクリックしましょう
「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ][アクセシビリティ]画面が表示されるので[MacGPT]のスイッチをオン。変更の許可を求められるのでTouch IDもしくは[パスワードを使用]をクリックして許可しましょう
[Grant Accessibility Privileges]が緑色になったのを確認したら、[Enable MacGPT Inline]にチェックを入れるとインライン機能が使えるようになります
トグルワードの「+gpt」のあとにスペースを挟んで質問内容を入力したら、[shift]キー+[return]キーを押しましょう
ブレインアイコンが表示され、ChatGPTの回答がインラインでテキストフィールドに入力されます