Hothotレビュー
税別10万円切りで約980g、コスパの高いパソコン工房製14型ノートをレビュー
2021年2月26日 09:50
パソコン工房は、昨年末に14型モバイルノート「STYLE-14FH057-i5-UXEX」を発売した。本製品は第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1135G7」を搭載し、「MIL-STD-810G」に準拠した堅牢性を確保しつつ、約0.98kgという1kg切り筐体を実現。通常価格は9万1,980円(税別)とスタンダードノートとして手頃な価格が売りのマシンだ。
なお、記事執筆時点では8万8,980円(税別)の割引価格で提供されている。
第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1135G7」を採用
「STYLE-14FH057-i5-UXEX」は、OSにWindows 10 Home、CPUに第11世代(Tiger Lake)のCore i5-1135G7(4コア8スレッド、4.2GHz)を採用。メモリは8GB(DDR4-3200)、ストレージは256GB(PCIe NVMe SSD)を搭載している。
ディスプレイは14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)を搭載。ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラを内蔵している。
インターフェイスはThunderbolt 4、USB 3.1、USB 3.0、HDMI、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャックを実装。通信機能はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5をサポートしている。
本体サイズは322×218×19mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約0.98kg。36,960mWh(Battery reportコマンドで確認)のバッテリを内蔵しており、JEITA 2.0基準でバッテリ駆動時間は約7.8時間とされている。
なお直販サイトのパソコン工房から購入するさいにはカスタマイズが可能で、メモリ(8GB/16GB/24GB)、SSD(250GB/500GB/1TB/2TB)、天板ロゴのあるなし、OS(Windows 10 Home/同Pro/OSなし)、Officeアプリ、液晶保護フィルムなどを選択できる。またDSP版のWindows 10のインストールメディアが付属しているので、トラブルが発生したさいにもリカバリが容易だ。
STYLE-14FH057-i5-UXEX | |
---|---|
型番 | IStNXs-14FH057-i5_-UXEXB |
OS | Windows 10 Home 64bit バージョン2004 |
CPU | Core i5-1135G7(4コア8スレッド、4.2GHz) |
GPU | Intel Xe Graphics |
メモリ | DDR4-3200 SDRAM 8GB(オンボード、空きスロット×1) |
ストレージ | 250GB PCIe NVMe SSD |
ディスプレイ | 14型フルHD液晶 (1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5 |
WWAN | - |
インターフェイス | Thunderbolt 4、USB 3.1、USB 3.0、HDMI、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャック |
カメラ | 100万画素 |
バッテリ容量 | 36,960mWh(Battery reportコマンドで確認) |
バッテリ駆動時間 | 約7.8時間(JEITA2.0準拠) |
バッテリ充電時間 | 非公表 |
本体サイズ | 322×218×19mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約0.98kg |
セキュリティ | - |
同梱品 | ACアダプタ、電源ケーブル、マニュアル、カスタムパソコン1年保証書 |
カラー | ブラック |
価格 | 8万8,980円(税別) ※2月25日時点 |
キーボードの打鍵感自体は良好
日本語キーボードのキー数は88個、キーピッチは実測約19mm、キーストロークは実測約1.5mm。打鍵音はやや大きめだが、打鍵感自体は良好だ。
キーボードバックライトが内蔵されていない点はコストダウンのためと納得できるが、試用していてどうしても慣れなかったのが左右カーソルキーの上に密着している「PgUp」キーと「PgDn」キー。
手探りですばやく操作したいカーソルキーにべつのキーが隣接して配置されているので、正直かなり使いづらかった。もし筆者が本製品を購入したら、キーマッピングソフトで「PgUp」キーと「PgDn」キーを無効化するか、左右カーソルキーを割り当てて使うと思う。
100万画素のWebカメラは室内光で撮影するとややノイジーだ。しかしWindows 10の「カメラ」アプリでHDRをオンにすると、暖かみのある色合いとなり、コントラストもクッキリと改善された。スマートフォンの前面カメラと比較すると当然見劣りはするが、ビデオ会議などに利用するのであれば実用的な画質を備えている。
sRGBカバー率99.8%の広い色域を確認
「STYLE-14FH057-i5-UXEX」のディスプレイは14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、非光沢)で、輝度や色域は公表されていない。
そこでカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.8%、Adobe RGBカバー率74.3%、DCI-P3カバー率74.0%という値が出た。
本製品はとくに高画質を謳っていないが、カラーキャリブレーションを実施すればWebコンテンツの色確認に利用できるだけの色域を備えている。
一方サウンド面については音楽鑑賞などには厳しいというのが率直な感想。ボリューム自体はそれほど小さくもなく、最大ボリュームでもビビリ音が発生することはないが、小さなスピーカー特有の伸びやかさや解像感に欠けるサウンドだ。ロイヤリティが発生するような高音質化技術を採用する必要はないが、もう少し基本性能の高いスピーカーを採用してほしいと思う。
気になるベンチマークスコアは?
最後にベンチマークを実施しよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2506」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.16.7117」
- CPUベンチマーク「Cinebench R23.200」
- CPUベンチマーク「Cinebench R20.060」
- 3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.1」
- 実アプリベンチマーク「Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像」
- 実アプリベンチマーク「Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し」
STYLE-14FH057-i5-UXEX (Core i5-1135G7) | |
---|---|
PCMark 10 v2.1.2506 | |
PCMark 10 Score | 4,291 |
Essentials | 8,367 |
App Start-up Score | 11,027 |
Video Conferencing Score | 7,600 |
Web Browsing Score | 6,990 |
Productivity | 6,073 |
Spreadsheets Score | 5,529 |
Writing Score | 6,671 |
Digital Content Creation | 4,220 |
Photo Editing Score | 6,146 |
Rendering and Visualization Score | 2,687 |
Video Editting Score | 4,552 |
PCMark 10 Modern Office Battery Life | 6時間12分 |
3DMark v2.16.7117 | |
Time Spy Extreme | 329 |
Time Spy | 771 |
Fire Strike Ultra | 458 |
Fire Strike Extreme | 775 |
Fire Strike | 1,604 |
Wild Life | 3,783 |
Night Raid | 7,384 |
CINEBENCH R23.200 | |
CPU(Multi Core) | 4,667 pts |
CPU(Single Core) | 1,343 pts |
CINEBENCH R20.060 | |
CPU | 1,817 pts |
CPU(Single Core) | 516 pts |
ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク | |
1,280×720ドット 標準品質(ノ-トPC) | 3,521(快適) |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC) | 1,935(設定変更を推奨) |
SSDをCrystalDiskMark 8.0.1で計測 | |
1M Q8T1 シーケンシャルリード | 2,484.356 MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 970.728 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 1,566.181 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 970.702 MB/s |
4K Q32T16 ランダムリ-ド | 370.412 MB/s |
4K Q32T16 ランダムライト | 358.891 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリ-ド | 42.157 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 149.325 MB/s |
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像 | |
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然 | 8分55秒84 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | |
3,840×2,160ドット、30fps | 10分19秒32 |
PCMarkやCinebenchは順当なスコアと言えそうだ。しかし3DMarkにおいてはIntel Xe Graphicsとしては十分なスコアが発揮されていない。これは、標準のメモリ構成がシングルチャネルであることが原因で、BTOでDDR4-3200 SDRAM 8GBのメモリを追加すれば、スコアが伸びるはずだ。もしグラフィックス性能を求めるのであれば、メモリを増設してデュアルチャネル構成に変えたい。
メモリとストレージはアップグレードすることをおすすめ!
「STYLE-14FH057-i5-UXEX」は直販価格9万1,980円(税別 ※執筆時点では8万8,980円)というコストパフォーマンスが魅力のスタンダードノートPCだ。できれば出費を最低限に抑えたいという方が多いことだろうが、メモリを8GBから16GB増設するのにプラス5,480円、ストレージを250GBから500GBに換装するのにプラス3,980円と比較的安価にアップグレードできる。
最新CPUを搭載した本製品をある程度長い期間使い続けたいのであれば、ぜひ上記2点はアップグレードしておくことを強くおすすめする。