Hothotレビュー
6コアCPUを初搭載した、2018年版MacBook Pro 15インチモデル
~dGPU & eGPU同時利用の効果は?
2018年7月31日 11:00
Appleは7月12日、13インチおよび15インチ「MacBook Pro」の2018年モデルを発表した。
15インチモデルには、6コア/12スレッドの第8世代Coreプロセッサを初めて搭載。またメモリ規格を、LPDDR3-2133からDDR4-2400に変更したうえで、最大搭載容量を32GBに引き上げた。
今回は、15インチモデルの最上位プロセッサ「Core i9」を搭載したカスタマイズモデルを借用した。
13インチモデルのレビューは別途掲載している(eGPU接続時の性能も検証! 2018年版13インチMacBook Pro)ので、重複する内容はおさらいに留めて、2016年、2017年モデルからどの程度性能が向上しているのか、そして外付けグラフィックアクセラレーター(以下eGPU)を接続した場合にどのくらい性能が向上するのかについてレビューしていこう。
第8世代6コア/12スレッドCPUを採用、最上位に「Core i9-8950HK」を用意
15インチMacBook Proの標準構成は、Core i7(2.2~4.1GHz)/16GBメモリ(DDR4-2400)/256GB PCIe SSD搭載モデル(258,800円)と、Core i7(2.6~4.3GHz)/16GBメモリ(同)/512GB PCIe SSD搭載モデル(302,800円)の2モデル。
13インチMacBook ProはTouch Bar非搭載モデルを併売しているが、15インチモデルには用意されていない。
Apple Storeなどで購入するさいには、CPUは第8世代Core i7(2.2~4.1GHz)/Core i7(2.6~4.3)/Core i9(2.9~4.8GHz)、メモリは16GB/32GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB/4TB、キーボードは日本語(JIS)/英語(米国)/英語(英国)/中国語-拼音/中国語-注音/韓国語/スペイン語から選択可能。
ちなみにCore i9(+33,000~44,000円)、32GBメモリ(+44,000円)、4TBストレージ(+352,000~374,000円)の最上位構成を選択した場合の価格は、731,800円となる。
AppleはMacBookシリーズが搭載しているCPUの型番を公表していないが、ベンチマークソフトでシステム情報を確認したところ、Core i9搭載モデルの型番は「Core i9-8950HK」(2.9~4.8GHz)と表示された。
Core i7(2.2~4.1GHz、9MB共有L3キャッシュ)、Core i7(2.6~4.3GHz、9MB共有L3キャッシュ)搭載モデルについては、プロセッサのベース周波数、ターボブースト最大周波数、キャッシュ容量から判断すると、「Core i7-8750H」(2.2~4.1GHz)、「Core i7-8850H」(2.6~4.3GHz)がそれぞれ採用されていると思われる。
モデル | Touch BarとTouch ID/2.2GHzプロセッサ/ | |
---|---|---|
256GBストレージ | Touch BarとTouch ID/2.6GHzプロセッサ/512GBストレージ | |
OS | macOS High Sierra バージョン10.13.6 | |
CPU | 第8世代Core i7(2.2~4.1GHz) ※Core i9-8950HK(2.9~4.8GHz)に変更可能 | 第8世代Core i7(2.6~4.30GHz) ※同 |
iGPU | Intel UHD Graphics 630 | |
dGPU | Radeon Pro 555X ※Radeon Pro 560Xに変更可能 | Radeon Pro 560X |
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 16GB ※32GBに変更可能 | |
ストレージ | 256GB PCIe SSD ※512GB/1TB/2TB/4TBに変更可能 | 512GB PCIe SSD ※1TB/2TB/4TBに変更可能 |
ディスプレイサイズ | 15.4型IPS液晶(2,880×1,800ドット、220ppi、500cd/平方m、Display P3、True Toneテクノロジー) | |
ワイヤレス | IEEE 802.11ac、Bluetooth 5.0 | |
インターフェイス | Thunderbolt 3 (USB Type-C)×4(充電/Display Port/Thunderbolt 3/USB 3.1 Gen2)、ヘッドフォン端子×1 | |
Touch Bar、Touch ID | 搭載 | |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |
バッテリ | 83.6Whリチウムポリマー | |
連続動作時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大10時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 349.3×240.7×15.5mm | |
重量 | 1.83kg | |
価格 | 258,800円~ | 302,800円~ |
2018年モデルのおもな進化点について
15インチMacBook Proの2018年モデルのおもな進化点は下記のとおりだ。
- 第8世代6コアプロセッサ搭載
- メモリ規格の変更、大容量化
- 大容量バッテリ搭載
- True Toneテクノロジー
- Blackmagic eGPUが登場
- Apple T2チップ搭載(Hey Siriを利用可能に)
- 4TB SSDを選択可能に
- 第3世代バタフライ構造キーボード採用
今回の目玉は、プロセッサが第7世代の4コアから第8世代の6コアにアップグレードされたこと。製品公式サイトでは、音楽制作アプリ「Logic Pro X」で、最大70%の性能向上を実現したと謳われている。
実際の利用環境で大きな効果を期待できるのが、メモリ規格の変更と大容量化。LPDDR3-2133からDDR4-2400に変更されたうえで、最大32GBを搭載可能になった。
複数のクリエイティブ系アプリで、大きなデータを読み込んだり、Webブラウザで多くのタブを開いていると、16GBではメモリが不足する。MacBook Proのメモリのアップグレードは、ストレージよりもはるかに手頃な価格だ。長く使う予定なら、上限の32GBを搭載しよう。
プロセッサ、メモリ性能の向上に伴い、消費電力が増えているので、バッテリ容量は76Whから83.6Whへ大容量化された。バッテリ容量が1.1倍に増えているのに、本体重量は2016年、2017年モデルの1.83kgから変わっていないのが不思議だ。
比較的重量を削りやすいのはアルミニウムの筐体だが、筆者私物の2016年モデルと、2018年モデルの天面、パームレスト、底面を押し比べても、強度に違いは感じられない。
ディスプレイの解像度/輝度/色域に変更はないが、iPhone8/X、iPad Proに先行搭載されている「True Tone」テクノロジーが取り入れられた。環境光センサーが色温度を検出するパーツに変更されており、周囲の明るさ、色温度に応じて、ホワイトバランスが自動調整される。
AppleのノートPCに「Apple T2チップ」が初搭載されたことも重要なポイントだ。
セキュアブート機能、暗号化ストレージ機能を担う「Secure Enclaveコプロセッサ」が搭載されているだけでなく、システム管理、オーディオ、SSDコントローラも統合化したことで、チップ数が減り、低コスト化に貢献しているはずだ。
今後リリースされる安価なMacBookシリーズにもApple T2チップが搭載される可能性が高い。
使ってすぐにわかる改善点は、キーボードの静音性かもしれない。2018年モデルには第3世代のバタフライ構造キーボードが採用されており、Appleは静音性を高めたと説明している。
しかし、第3世代のキーボードにはキースイッチ周辺にシリコン膜が追加されている。静音性を高めるアプローチというより、キースイッチ部へのゴミ侵入を防ぐことを目的とした設計と受け取るほうが自然だ。
外部グラフィックス(以下dGPU)を搭載している15インチMacBook Proに、eGPU「Blackmagic eGPU」(89,800円)が必要かどうかは意見が分かれる。
しかし、dGPUよりeGPUのほうが性能的には有利だし、アプリによっては内部グラフィックス(以下iGPU)/dGPU/eGPUを総動員して処理をさらに高速化できる。
15インチMacBook Proに、eGPUを組み合わせるかどうかは、利用するアプリによって判断しよう。
外観に変更なし、バッテリ容量が増えたのに実測重量は軽量化
MacBook Proの2018モデルに外観上の変更はない。カラーはスペースグレイとシルバーの2色で、筐体材質はアルミニウム素材。製品公式サイトに掲載されている本体サイズは、349.3×240.7×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.83kgと、従来モデルとまったく同じだ。
バッテリ容量が増えているのだから、グラム単位では重くなっているだろうと、重量計で計測してみたが、2018年モデルは実測1,812g、2017年モデルは実測1,818g、2016年モデルは実測1,815gだったので、むしろ軽量化されているという驚きの結果となった。
多少重量が増えても構わないと筆者は思うが、重さもデザインの一部で、可能な限りそれを変更しないというのが、Appleのこだわりなのだろう。
インターフェイスは、Thunderbolt 3(USB Type-C)×4、ヘッドフォン端子×1と、従来モデルと同じ構成だ。
2015年に「MacBook」がUSB Type-C端子を採用してから3年が経過しており、対応周辺機器は増えてきた。いまさらUSB Type-A端子がほしいとは言わないが、SDカードスロットがないことには、いまだ不便を感じている。
13インチと15インチに画質差はないが、サウンドは15インチに軍配が上がる
15インチMacBook Proのディスプレイは、15.4インチIPS液晶パネルが採用されており、解像度は2,880×1,800ドット(220ppi)、輝度は500cd/平方m、色域はDisplay P3と、基本スペックに前モデルから変更はない。
ただし、前述のとおり、環境光に応じてホワイトバランスを調整する「True Toneテクノロジー」が採用されている。
ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と、色度図作成ソフト「ColorAC」で計測した色域は、sRGBカバー率が100%、sRGB比が136.6%、Adobe RGBカバー率が88.7%、Adobe RGB比が101.3%、DCI-P3カバー率が99.5%、DCI-P3比が100.8%、Display P3カバー率が99.5%、Display P3比が100.8%だった。
13インチMacBook Proと多少異なる数値が出ているが計測誤差と言える範疇だ。
ディスプレイの画質は、13インチと15インチモデルに違いはなかったが、サウンド面は物理的な理由から差がついている。
筐体サイズが大きく、スピーカー開口部の広い15インチモデルのほうが、大きなスピーカーが内蔵されているのだろう。音量は4dBA大きかった。
私物の2016年モデルとも比較してみたが、2018年モデルのほうが音量は2.3dBA大きく、低音も強く出ているように感じた。2016年モデルと2017年モデルを比較したさいには、差はなかったはずだ。
製品公式サイトに具体的な言及はないが、2018年モデルのスピーカーに、なんらかの改良が加えられている可能性が高い。
同じYouTube動画を再生して音量を比較 ※YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルをデジタル騒音計で計測(距離は50cm) | |
---|---|
2018年版13インチMacBook Pro | 85.2dBA |
2018年版15インチMacBook Pro | 89.2dBA |
2016年版15インチMacBook Pro | 86.9dBA |
気になるベンチマーク結果は?
最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回の借用機はCore i9/32GBメモリ/4TBストレージのフルスペックモデル(731,800円)。ただしeGPU「Blackmagic eGPU」装着後の一部ベンチマークは、2TBストレージ搭載モデルで実施している。ベンチマークに使用したアプリケーションは下記のとおりだ。
- CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
- CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.2.3」
- ストレージベンチマーク「Blackmagic Disk Speed Test」
- 「Adobe Lightroom Classic CC」でRAW画像の現像時間を計測
- 「Adobe Premiere Pro CC」で4K動画の書き出し時間を計測
- 「DaVinci Resolve 15 Beta」で4K動画の書き出し時間を計測
- 「iMovie」で4K動画の書き出し時間を計測
- バッテリ駆動時間を計測するため、「Safari」でYouTube動画を連続再生
なお、今回2016年モデルと2017年モデルのスコアを過去のレビュー記事(CPU/dGPUが性能アップ、タイピング音もマイルド化したMacBook Pro 15インチ)から流用しているが、2017年モデルには、当時の最上位CPUではなく、「Core i7-7820HQ」(2.9~3.9GHz)が搭載されていた。
また、eGPU装着後のベンチマークは、外付けディスプレイなし、外付けディスプレイあり(内蔵ディスプレイオフ)、外付けディスプレイあり(内蔵ディスプレイオン、アプリは内蔵ディスプレイに表示)、外付けディスプレイあり(内蔵ディスプレイオン、アプリは外付けディスプレイに表示)の4パターンで計測している。外付けディスプレイは4KディスプレイをHDMI端子経由で接続した。
下記が検証機の仕様と、その結果だ。
15インチMacBook Pro(2018) | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオフ | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは内蔵ディスプレイに表示 | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは外付けディスプレイに表示 | |
---|---|---|---|---|---|
CPU | Core i9-8950HK(6コア12スレッド、2.90~4.80GHz) | ||||
GPU | Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.20GHz)+AMD Radeon Pro 560X | Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.20GHz)+AMD Radeon Pro 560X+AMD Radeon Pro 580 | |||
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 32GB(16GB×2) | ||||
ストレージ | 4TB PCIe SSD | 2TB PCIe SSD | |||
TDP | 45W | ||||
OS | macOS High Sierra バージョン10.13.6 |
15インチMacBook Pro(2018) | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオフ | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは内蔵ディスプレイに表示 | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは外付けディスプレイに表示 | |
---|---|---|---|---|---|
CINEBENCH R15 | |||||
OpenGL | 104.53 fps | 104.76 fps | 85.33 fps | 100.37 fps | 74.64 fps |
CPU | 916 cb | 889 cb | 1009 cb | 918 cb | 983 cb |
CPU(Single Core) | 178 cb | 177 cb | 177 cb | 175 cb | 181 cb |
Geekbench 4.2.3 | |||||
32-bit Single-Core Score | 4602 | 4591 | 4590 | 4565 | 4611 |
32-bit Multi-Core Score | 20496 | 19959 | 20700 | 20700 | 20732 |
64-bit Single-Core Score | 5522 | 5406 | 5466 | 5504 | 5393 |
64-bit Multi-Core Score | 22970 | 22164 | 22928 | 23085 | 23140 |
OpenCL(iGPU) | 22310 | 22263 | 22314 | 22393 | 22349 |
OpenCL(dGPU) | 52413 | 58243 | 55512 | 58411 | 55800 |
OpenCL(eGPU) | - | 113497 | 113753 | 114753 | 114177 |
Metal(iGPU) | 23842 | 23813 | 23946 | 23838 | 23910 |
Metal(dGPU) | 59013 | 61622 | 61750 | 61839 | 61771 |
Metal(eGPU) | - | 117929 | 117680 | 117956 | 118638 |
Blackmagic Disk Speed Test(単位:MB/s) | |||||
WRITE 1回目 | 2628.8 | - | - | - | - |
WRITE 2回目 | 2566.8 | - | - | - | - |
WRITE 3回目 | 2674.2 | - | - | - | - |
WRITE 4回目 | 2644.9 | - | - | - | - |
WRITE 5回目 | 2626.5 | - | - | - | - |
WRITE 平均 | 2628.24 | - | - | - | - |
READ 1回目 | 2698.1 | - | - | - | - |
READ 2回目 | 2716 | - | - | - | - |
READ 3回目 | 2708.2 | - | - | - | - |
READ 4回目 | 2709.6 | - | - | - | - |
READ 5回目 | 2705.3 | - | - | - | - |
READ 平均 | 2707.44 | - | - | - | - |
SSDをAmorphousDiskMark 1.0.2で計測(単位: MB/s) | |||||
Q32T1 シーケンシャルリード | 3477 | - | - | - | - |
Q32T1 シーケンシャルライト | 3396 | - | - | - | - |
4K Q32TI ランダムリード | 274.6 | - | - | - | - |
4K Q32TI ランダムライト | 46.36 | - | - | - | - |
シーケンシャルリード | 2335 | - | - | - | - |
シーケンシャルライト | 1419 | - | - | - | - |
4K ランダムリード | 125 | - | - | - | - |
4K ランダムライト | 47.01 | - | - | - | - |
「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像 | |||||
7,952☓5,304ドット、自動設定 | 4分53秒47 | 4分55秒73 | 4分52秒25 | 4分53秒68 | 4分53秒52 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | |||||
3,840×2,160ドット、30fps(OpenCL) | 4分6秒61 | 3分48秒23 | 3分39秒58 | 3分49秒12 | 3分42秒43 |
3,840×2,160ドット、30fps(Metal) | 4分25秒23 | 4分14秒77 | 4分9秒85 | 4分8秒83 | 4分8秒89 |
DaVinci Resolve 15 Betaで実時間5分の4K動画を書き出し | |||||
3,840×2,160ドット、YouTube(2160p) | 4分3秒53 | 3分16秒83 | 3分49秒09 | 3分11秒72 | 3分26秒84 |
iMovieで実時間5分の4K動画を書き出し | |||||
3,840×2,160ドット、29.97fps(品質:高、圧縮:高速) | 3分2秒68 | 2分54秒88 | 2分58秒50 | 2分57秒39 | 2分57秒37 |
YouTube動画を連続再生した動作時間 | |||||
ディスプレイの明るさ6/16 | 6時間58分50秒 | - | - | - | - |
15インチMacBook Pro(2017) | 15インチMacBook Pro(2016) | |
---|---|---|
CPU | Core i7-7820HQ(2.90~3.90GHz) | Intel Core i7-6820HQ(2.70/3.60GHz) |
GPU | Radeon Pro 560(4GB) | Radeon Pro 455(2GB)、Intel HD Graphics 530 |
メモリ | LPDDR3-2133 SDRAM 16GB | |
ストレージ | 512GB PCIe SSD | |
TDP | 45W | |
OS | macOS Sierra バージョン10.12.5 | macOS Sierra バージョン10.12.1 |
15インチMacBook Pro(2017) | 15インチMacBook Pro(2016) | |
---|---|---|
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 92.35 fps | 85.35 fps |
CPU | 763 cb | 714 cb |
CPU(Single Core) | 159 cb | 152 cb |
Geekbench 4.2.3 | ||
32-bit Single-Core Score | 4001 | 3872 |
32-bit Multi-Core Score | 14079 | 13715 |
64-bit Single-Core Score | 4737 | 4563 |
64-bit Multi-Core Score | 15865 | 15402 |
OpenCL(iGPU) | 21058 | 19614 |
OpenCL(dGPU) | 49920 | 49779 |
OpenCL(eGPU) | - | - |
Metal(iGPU) | 19374 | 18057 |
Metal(dGPU) | 29280 | 32286 |
Metal(eGPU) | - | - |
Blackmagic Disk Speed Test(単位:MB/s) | ||
WRITE 1回目 | 1903 | 1882.1 |
WRITE 2回目 | 1857.5 | 1894.1 |
WRITE 3回目 | 1893.8 | 1875.8 |
WRITE 4回目 | 1895.8 | 1913.2 |
WRITE 5回目 | 1869.2 | 1904.9 |
WRITE 平均 | 1883.86 | 1894.02 |
READ 1回目 | 2279.2 | 2455.9 |
READ 2回目 | 2131 | 2429.5 |
READ 3回目 | 2252.3 | 2388.8 |
READ 4回目 | 2362.7 | 2423.6 |
READ 5回目 | 2022.1 | 2436.6 |
READ 平均 | 2209.46 | 2426.88 |
SSDをAmorphousDiskMark 1.0.2で計測(単位: MB/s) | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 3245 | 3350 |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1526 | 1631 |
4K Q32TI ランダムリード | 661.7 | 865.2 |
4K Q32TI ランダムライト | 27.02 | 28.39 |
シーケンシャルリード | 1410 | 1852 |
シーケンシャルライト | 1094 | 1119 |
4K ランダムリード | 54.09 | 57.45 |
4K ランダムライト | 29.28 | 30.06 |
「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像 | ||
7,952☓5,304ドット、自動設定 | - | - |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、30fps(OpenCL) | - | - |
3,840×2,160ドット、30fps(Metal) | - | - |
DaVinci Resolve 15 Betaで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、YouTube(2160p) | - | - |
iMovieで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、29.97fps(品質:高、圧縮:高速) | - | - |
YouTube動画を連続再生した動作時間 | ||
ディスプレイの明るさ6/16 | 11時間8分51秒 | 10時間33分33秒 |
前述のとおり、2017年モデルのみ最上位CPUを搭載していないという前提だが、CINEBENCH R15のCPUスコアは、2017年モデルが763cb、2018年モデルが916cbなので約1.2倍、Geekbench 4の64-bit Multi-Core Scoreは、2017年モデルが15,865、2018年モデルが22,970なので約1.45倍にスコアが向上している。
特筆すべきは、ストレージ速度の向上だ。Blackmagic Disk Speed Testのライトは、2017年モデルが1,883.86MB/s、2018年モデルが2,628.24MB/sなので約1.4倍、リードは2017年モデルが2,209.46MB/s、2018年モデルが2,707.44MB/sなので約1.23倍向上している。大容量データを読み書きするさいに、十分体感できるだけの差だ。
一方、eGPU「Blackmagic eGPU」装着後の効果は、DaVinci Resolve 15 Betaで4分3秒53から3分11秒72へと約21%の短縮、Adobe Premiere Pro CCでは、4分6秒61から3分39秒58へと約11%の短縮に留まっている。
dGPUを搭載していない13インチMacBook Proでは、DaVinci Resolve 15 Betaで13分11秒45から3分35秒24と、約76%もの驚異的な向上を記録した。15インチMacBook Proでは、よほど長い4K動画を書き出すのでなければ、eGPUの恩恵は受けられないと言わざるを得ない。
15インチMacBook Pro(2018)+eGPU | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオフ | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは内蔵ディスプレイに表示 | 15インチMacBook Pro(2018)+eGPU+外付けディスプレイ※内蔵ディスプレイオン、アプリは外付けディスプレイに表示 | |||||||||
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iGPU | dGPU | eGPU | iGPU | dGPU | eGPU | iGPU | dGPU | eGPU | iGPU | dGPU | eGPU | |
CINEBENCH R15 | × | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | △ |
Geekbench 4.2.3 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Adobe Lightroom Classic CC | × | × | × | ○ | × | ○ | × | × | × | × | × | × |
Adobe Premiere Pro CC OpenCL | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Adobe Premiere Pro CC Metal | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
DaVinci Resolve 15 Beta | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
iMovie | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
【8月15日補足】eGPUに外付けディスプレイを接続して再検証した結果、CINEBENCH R15でeGPUが機能することがわかりました。上記ベンチマーク結果はそれを反映したものです。お詫びして訂正いたします。
なお、室温27℃の部屋で、DaVinci Resolve 15 Betaで4K動画書き出し時の発熱を、サーモグラフィカメラ「FLIR ONE」で計測してみたが、キーボード面の最大温度は54.4℃、底面の最大温度は49.3℃に達していた。
底面は13インチモデルとほぼ同じだが、キーボード面は3.7℃も高い。同じく「Core i9-8950HK」を搭載する、ASUSの「ZenBook Pro 15」が高さ18.9mmであることを考えると、高さ15.5mmの15インチMacBook Proは、放熱性の点で不利なのは間違いない。
なお、MacBook Proの2018年モデルには、高い熱負荷がかかった状態で、クロック周波数が大幅に低下するという不具合があった。7月25日に、「MacBook Pro (2018) 向け macOS High Sierra 10.13.6 追加アップデート」によってこの不具合は解消されている。
実際に、CINEBENCH R15のCPUベンチマーク実行中のクロック周波数とパッケージ温度をチェックしてみたが、ベンチマーク実行後、かなり早い段階でパッケージ温度が100℃に達したが、その後クロック周波数が3.5GHz前後に低下しても、パッケージ温度が下がらなかったため、さらに2.9~3.1GHzまで低下させることで、パッケージ温度97~99℃を維持し続ける、という粘り強い制御を確認できた。
ただし、ベース動作周波数2.9GHz、ターボブースト最大周波数4.8GHzのCore i9-8950HKで、2.9~3.1GHzまでクロック周波数を下げないとパッケージ温度が100℃に張り付いてしまうということは、放熱性能が優れているとは言えない。
さらに高性能なCPUやdGPUを搭載するためには、新たな筐体が必要ではないだろうか。
eGPUを必要としないパワーを搭載、外出先でも重い作業を快適にこなしたい方に
Core i7-8750Hを搭載する「New XPS 15」や、Core i9-8950HKを搭載する「ZenBook Pro 15」が、CINEBENCH R15のCPUテストで1,100を超えるスコアを本誌レビューで記録していることを考えると、もう少し上のスコアを期待したいところだが、15インチMacBook Proが、2018年モデルで大幅な性能向上を果たしたことは事実だ。
eGPU接続後の性能の伸び幅は小さかったが、それはdGPUだけでもクリエイティブ系アプリに十分な性能を備えていることの証明だ。
自宅でも外出先でも、MacBook Pro単独で重い作業を快適にこなしたいという方には、15インチモデルこそベストチョイスと言える。