Hothotレビュー

広色域のHDR対応4K液晶を搭載する15.6型ノート「New XPS 15」を検証

デル「New XPS 15(9570)」直販価格144,980円~

 デル株式会社は5月25日、15.6型クラムシェルノートPC「New XPS 15(9570)」の国内販売を開始した。

 本製品は5.7mmの狭額縁を実現した「InfinityEdgeディスプレイ」を採用することで、14型サイズ相当の筐体に15.6型ディスプレイを搭載した人気シリーズの最新モデル。新筐体となって3代目となる2018年モデルでは、最新世代のCPUやGPUが採用され、順当に進化を遂げている。

 今回同社よりCore i7/16GBメモリ/512GB SSD /4Kタッチ液晶/97Whrバッテリを搭載した「New XPS 15プラチナ・4Kタッチパネル」の実機を借用したので、詳細スペック、AV品質、性能などについてレビューしていこう。

第8世代CPUを採用、Core i7モデルはGTX 1050 Tiを搭載

 New XPS 15はCPUにIntel第8世代(Coffee Lake)の「Core i5-8300H」(4コア/8スレッド、2.3~4GHz)と「Core i7-8750H」(6コア/12スレッド、2.2~4.1GHz)を採用。またCore i7搭載モデルには外部GPUとして「GeForce GTX 1050 Ti」(4GB GDDR5)が組み合わされている。

 記事執筆時点で用意されている標準構成は、Core i5/8GBメモリ/1TB SSHD(ソリッドステートハイブリッドドライブ)/フルHD液晶/56Whrバッテリの「New XPS 15プレミアム」、Core i7/8GBメモリ/256GB SSD /フルHD液晶/56Whrバッテリの「New XPS 15プラチナ」、Core i7/16GBメモリ/512GB SSD /4Kタッチ液晶/97Whrバッテリの「New XPS 15プラチナ・4Kタッチパネル」、Core i7/32GBメモリ/1TB SSD /4Kタッチ液晶/97Whrバッテリの「New XPS 15プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」の4モデル。

 そして「New XPS 15プレミアム」に「Office」を加えた「New XPS 15【夏のボーナス特別モデル】 プレミアム・Office H&B付」が期間限定でラインナップされている(7月7日時点)。

【表1】New XPS 13の直販モデル一覧 ※7月7日調べ
New XPS 15【夏のボーナス特別モデル】 プレミアム・Office H&B付New XPS 15プレミアムNew XPS 15プラチナNew XPS 15プラチナ・4KタッチパネルNew XPS 15プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD
OSWindows 10 Home 64 bit
CPUCore i5-8300H(4コア8スレッド、2.3~4GHz)Core i7-8750H(6コア12スレッド、2.2~4.1GHz)
チップセットCM246
GPUIntel UHD Graphics(350MHz~1.00GHz)GeForce GTX 1050 Ti(4GB GDDR5)
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GBDDR4-2666 SDRAM 16GBDDR4-2666 SDRAM 32GB
ストレージ1TB SSHD256GB SSD(PCIe NVMe M.2)512GB SSD(PCIe NVMe M.2)1TB SSD(PCIe NVMe M.2)
ディスプレイ15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、400cd/平方m、sRGB100%、タッチ非対応、非光沢、視野角160度、リフレッシュレート60Hz)15.6型4K IPS液晶(3,840×2,160ドット、282ppi、400cd/平方m、Adobe RGB100%、タッチ対応、光沢、視野角160度、リフレッシュレート60Hz)
通信IEEE 802.11ac(最大867Mbps)、Bluetooth 4.2
インターフェイスUSB 3.1 Type-C(Power Delivery搭載Thunderbolt 3対応)、USB 3.0 ×2、HDMI 2.0、SDカードリーダ、ヘッドセットジャック、セキュリティスロット(Noble)
カメラ静止画:92万画素、動画:1,280×720ドット/30fps
指紋センサーあり
SIMカードスロットなし
バッテリ容量56Whr97Whr
充電時間約4時間
本体サイズ/重量357×235×11~17mm(幅×奥行き×高さ)/1.8kg(タッチ非対応/SSD/56Whrバッテリ)、2kg(タッチ対応/SSD/97Whr)
キーボードバックライト搭載キーボード
ペンなし
Microsoft Officeありなし(カスタマイズ可能)
カラーSilver machined aluminum
価格169,980円144,980円194,980円249,980円314,980円
キャンペーン価格141,083円120,333円161,833円207,483円261,433円

 購入時にBTO可能だが、すべてのモデルで変更できるのは英語キーボードだけ。メモリ、外部GPU、ディスプレイ、バッテリ容量は変えられない。またSSHDから変更できるのは256GB SSDのみなど、ストレージの選択肢もかぎられている。Core i5搭載モデルに512GB、1TB SSDを組み合わせるなど、ある意味偏った構成を選べない点には留意しておこう。

デザイン上の大きな変更はなし、Thunderbolt 3のレーン数は2倍に

 本体サイズは357×235×11~17mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.8~2kg(構成による)。筐体はCNC削り出ししたプラチナシルバーのアルミ素材、パームレストはカーボンファイバー製を採用している。サイズ、重量、形状含めて、前モデルと大きな違いはない。

 ただしディスプレイ表面は「Corning Gorilla NBT」から「Corning Gorilla Glass 4」に、セキュリティスロットは「ケンジントンロックスロット」から「Nobleロックスロット」に変更されている。また前モデルでは指紋認証センサーがカーソルキー下に配置されていたが、New XPS 15では電源ボタン一体型となった。

 インターフェイスは、USB 3.1 Type-C(Power Delivery搭載Thunderbolt 3対応)、USB 3.0×2、HDMI 2.0、SDカードリーダ、ヘッドセットジャック、セキュリティスロット(Noble)が用意されている。

 なお、Thunderbolt 3は前モデルに対して、PCI Express 3.0 x2レーンから同x4レーンに変更されている。スペック表にはNew XPS 15、前モデルともに「40Gbps双方向」と記載されているが、実効通信速度は前者のほうが速い。

 ACアダプタはDC端子を備える「130W ACアダプタ」が付属するが、Power Deliveryに対応しているので、USB PDアダプタで充電可能だ。ただしUSB PDの充電は100Wが上限となっているので、最大限の処理速度で継続的に動作させたり、急速充電させるさいには、標準のACアダプタを使うことになる。

本体天面。「DELL」のロゴは高級感ある鏡面仕上げ
本体底面。認証情報は金属カバーに隠されている
底面の金属カバーをめくると、認証情報、サービスタグ、エクスプレスサービスコードを確認できる
本体前面。中央にあるのはバッテリステータスライト。その両脇にはマイクが内蔵されている
本体背面
排気口はヒンジ部に設けられている
本体右側面。左からSDカードリーダ×1、USB 3.1 Gen1 Type-A×1、バッテリインジケータ、バッテリゲージボタン、セキュリティスロット(Noble)を配置
SDカードリーダはフルサイズ仕様。奥まで差し込んでも約1cm飛び出したままなので、データのやりとり用という位置づけだ
本体左側面。左から電源端子、USB 3.1 Gen1 Type-A×1、HDMI 2.0×1、USB 3.1 Gen2 Type-C(Power Delivery搭載Thunderbolt 3対応)×1、ヘッドセットジャック×1が並ぶ
15.6型フルHD IPS液晶、15.6型4K IPS液晶の2種類のディスプレイが用意されている
ディスプレイ下部に720p Webカメラが内蔵されている
New XPS 15のWebカメラで撮影。下から見上げるような少し不自然な構図となる
標準キーボードは日本語仕様。カスタマイズで「US/インターナショナル」仕様も選択可能
外箱のサイズは486×85×330mm(同)
同梱品は、本体、ACアダプタ、電源ケーブル、クイックスタートガイド、安全および認可機関に関する情報、デルお問い合わせ窓口のご案内。有線LANとの接続に利用する「デルアダプタ - USB-C – Ethernet(PXE起動)」(4,300円)は別売り
今回の借用機本体の実測重量は1,988g
ACアダプタと電源ケーブルの実測重量は431g
ACアダプタのコード長は実測約180cm、電源ケーブルのコード長は実測約90cm。電源ケーブルの差込口は3ピン仕様だ
ACアダプタの仕様は、入力100-240V~1.8A、出力19.5V/6.67A、容量は130W
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1803適用後のディスク情報。Cドライブの空き容量は398.19GB
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは97,003mWh、FULL CHARGE CAPACITYは87,438mWhと表示された

クリエイティブワークに活用できる色域、HDR再生にも対応

 New XPS 15には、15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、400cd/平方m、sRGB100%、タッチ非対応、非光沢、視野角160度、リフレッシュレート60Hz)と、15.6型4K IPS液晶(3,840×2,160ドット、282ppi、400cd/平方m、Adobe RGB100%、タッチ対応、光沢、視野角160度、リフレッシュレート60Hz)の2種類のディスプレイが用意されている。

 新旧どちらも100% Adobe RGBカラーが謳われているが、輝度はNew XPS 15が400cd/平方m、前モデルが350cd/平方mと製品公式サイトに記載されている。つまりスペック上は50cd/平方m向上しているわけだ。

 4K IPS液晶を搭載する借用機をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたが、sRGBカバー率が100.0%、sRGB比が140.5%、Adobe RGBカバー率が96.4%、Adobe RGB比が104.1%、最大輝度が424cd/平方mと非常に高い結果が出た。

 今回、ICCプロファイルをColor ACにインポートするさいに「注意:このICCプロファイルのLUT Blackにクリップ(値が飽和)の可能性が見られます」との警告メッセージが表示されたので、色域図を正確に作成できていない可能性があるが、その誤差を差し引いてもNew XPS 15の色域が広いことは間違いない。しっかりカラーキャリブレーションを実施すれば、クリエイティブワークに活用できるだけのディスプレイ品質を備えている。

 なおNew XPS 15は「設定→アプリ→ビデオの再生」で「HDRビデオのストリーミング」を有効に設定可能で、「Netflix」や「YouTube」でHDRコンテンツを再生できる。搭載されているのはIPS液晶なので有機ELのような漆黒を表示できるわけではないが、鮮やかな色彩で映像コンテンツを楽しめる。

 一方、サウンド面については少々不満が残る。New XPS 15のサウンドはノートPCとしては上等な部類に入るが、たとえば2016年以降のMacBook Proなどと比べると、音の伸びやかさや抜けが物足りなく感じられた。New XPS 15は底面前側にステレオスピーカーを設置しているが、キーボード面にも十分な空きスペースがある。次期筐体では大口径スピーカーをキーボード面に設置するなど改良を施して、サウンド品質の向上に期待したい。

あくまでも液晶なので有機ELのような漆黒は表示できないが、鮮やかな色彩で画像、映像を楽しめる
今回借用したのは15.6型4K IPS液晶搭載モデル。解像度が282ppi確保されているだけに、ルーペで見ないかぎりドットや格子模様は視認できない
15.6型4K IPS液晶はタッチ対応。指やタッチペンで操作、描画が可能だ
前モデルは視野角を最大170度と発表していたが、New XPS 15は可視角度(左/右/下/上)を80/80/80/80度と公表。斜め45度から見ても、輝度や階調が多少低下するだけで、複数人でPC作業できるだけの視認性が保たれる
左がNew XPS 15、右がMacBook Pro(15-インチ, Late 2016)。ベゼルの幅の差は明らかだ
「設定→アプリ→ビデオの再生」で「HDRビデオのストリーミング」を有効に設定可能
NetflixではHDRコンテンツが再生可能であることを示す「HDR」マークが表示された
YouTubeでは「設定→画質」と選択すると、HDRコンテンツを再生していることを確認できた
15.6型4K IPS液晶搭載New XPS 15のsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は140.5%
Adobe RGBカバー率は96.4%、Adobe RGB比は104.1%、
「Dell PremierColor」では色域、明度、色温度を設定し、プロファイルとして保存できる。ただし正確にカラーマネージメントするなら、「i1Display Pro」などのディスプレイキャリブレーション機器が必要だ
New XPS 15には、底面手前にステレオスピーカー(平均2W、ピーク2.5W)が内蔵されている
YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大86.5dBA(50cmの距離で測定)
「Waves MaxxAudio Pro」は、内蔵スピーカー、ヘッドフォン、イヤフォンなど出力デバイスごとに、おすすめのプリセットを読み込んだり、好みの音に設定できる

キーやタッチパッドの操作感は良好、Enterキーの幅がせまいのは残念

 キーボードは「日本語キーボード」と「US/インターナショナルキーボード」が用意されており、購入時にカスタマイズ可能だ。キーボードを変更しても価格は変わらない。キートップはいわゆるキーの間に仕切りのある「アイソレーションタイプ」だが、デルは「チクレット・キーボード」と呼んでいる。

 キーピッチ、キーストロークは公表されていないが、キーピッチは実測19.5mm前後、キーストロークは標準的な深さ。打鍵音は「ドゥドゥドゥ」というような低めの音。キーボード全体で高い剛性が確保されており打鍵感は良好だ。

 タッチパッドはダイビングボード構造だが、適度なクリック感が与えられている。スペースも105×80mmと大きめに確保されているので、ジェスチャー操作もやりやすい。

 個人的に気になったのは「\」、「Back space」、「Enter」キーの幅がせまいこと。15.6型ノートPCのサイズで、ここまで急にキー幅が変わると違和感を否めない。「Tab」、「Caps Lock」、「Shift」キーの幅を少しせばめて、その分「Enter」キーの幅を広げるなど、日本語キーボードが再設計されることを強く望みたい。

パームレストが広々としており、楽なポジションでタイピングできる。ただし「\」、「Back space」、「Enter」キーの幅が極端にせまいことに違和感がある
キーピッチは実測約19.5mm
バックライトは「F10」キーで切り替えられる
タッチパッドのサイズは105×80mm
指紋認証センサーは電源ボタンと一体化された
ディスプレイの動作角度は0~135度。膝上でも操作しやすい角度までディスプレイを寝かせられる

CPUコア数、外部グラフィックスの効果は大!

 最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施した。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1722」
  • 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.10.901」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.5.5029」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
  • ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」
  • バッテリベンチマーク「BBench」

 なお今回は比較対象として、兄弟モデル「New XPS 13」のスコアを掲載している。どちらも電源プランを管理する「Dell Power Manager」の「熱設定」を「最適化」に設定したさいのスコアだが、ベンチマークを実施した時期が異なったため、New XPS 15はWindows 10のバージョン1803、New XPS 13はバージョン1709で計測しており、また各ベンチマークのバージョンも違っている。今回の比較は参考にとどめてほしい。

 さて下記が検証機の仕様と、その結果だ。

【表2】検証機の仕様
New XPS 15プラチナ・4Kタッチパネル(最適化)New XPS 13(最適化)
CPUCore i7-8750H(2.2~4.1GHz)Core i7-8550U(1.8~4GHz)
GPUGeForce GTX 1050 Ti(4GB GDDR5)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)
メモリDDR4-2666 SDRAM 16GB(8GB×2)LPDDR3-2133 SDRAM 8GB
ストレージ512GB SSD(PCIe NVMe M.2)256GB SSD(PCIe NVMe M.2)
OSWindows 10 Home 64 bit
【表3】ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.1.1722
PCMark 10 Score4,9133,470
Essentials8,7637,119
App Start-up Score11,9068,618
Video Conferencing Score7,7066,804
Web Browsing Score7,3366,155
Productivity6,8725,165
Spreadsheets Score8,6456,358
Writing Score5,4644,197
Digital Content Creation5,3463,087
Photo Editing Score5,8153,568
Rendering and Visualization Score6,1822,084
Video Editting Score4,2513,959
PCMark 8 v2.10.901
Home Accelarated 3.03,6513,302
Creative Accelarated 3.05,0194,851
Work Accelarated 2.04,2684,057
Storage4,9545,027
3DMark v2.5.5029
Time Spy2,482434
Fire Strike Ultra1,729281
Fire Strike Extreme3,436534
Fire Strike6,7161,139
Sky Diver21,2384,821
Cloud Gate26,0389,124
Ice Storm Extreme61,71550,261
Ice Storm63,81261,877
CINEBENCH R15
OpenGL117.42 fps50.77 fps
CPU1119 cb637 cb
CPU(Single Core)175 cb167 cb
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット32,724
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
1,280×720ドット20,258(すごく快適)
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット4,850(やや快適)
SSDをCrystalDiskMark 6.0.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード3,062.450 MB/s3,446.848 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト463.176 MB/s1229.931 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード750.979 MB/s874.448 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト451.820 MB/s451.210 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード247.159 MB/s387.524 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト338.760 MB/s392.710 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード28.149 MB/s43.457 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト77.435 MB/s134.328 MB/s
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリ残量5%まで9時間1分5秒

 大差となったのはCINEBENCH R15のCPUスコア。シングルコアのスコアはほぼ同等だが、コア数が上回るNew XPS 15が約1.75倍のスコアを記録している。

 また外部GPUの搭載、非搭載も、3DMarkとCINEBENCH R15のOpenGLで大きな差として表われた。とくに3DMarkのスコアを比較してみると、負荷の高いベンチマークほどスコア差が開く傾向となった。

 なお今回もう1つ異なる条件で、New XPS 15のベンチマークを実施した。電源プラン管理アプリ「Dell Power Manager」の「熱設定」を「最適化」、「低温」、「静音」、「超高パフォーマンス」に設定したさいのCINEBENCH R15のスコアをそれぞれ計測してみたのだ。下記がその結果だ。

【表4】熱設定別のCINEBENCH R15のスコア
最適化低温静音超高パフォーマンス
OpenGL118.83fps109.30 fps106.00 fps105.23 fps
CPU1109 cb479 cb478 cb1,119 cb
CPU(Single Core)175 cb167 cb163 cb175 cb

 Dell Power Managerは、「低温」ではシステム表面温度を低温に保つために、「静音」ではファン騒音を低減するためにプロセッサと冷却ファン速度を調整するが、大きく落ち込んでいるのはCPUのマルチコアスコアのみ。OpenGLとシングルコアスコアでは大きな変化はなかった。また「最適化」と「超高パフォーマンス」にほとんど差がないのも意外な結果だ。基本的に「最適化」で利用して、静かな環境で使うときのみ「静音」に切り替えるという運用で問題なさそうだ。

「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行したさいのキーボード面の最大温度は53.5℃
底面の最大温度は48.4℃
ACアダプタの最大温度は45.8℃

ACアダプタなしでフルパワー出せる外部GPU搭載モバイルノートPC!

 デスクトップ用CPUや外部GPUを搭載するゲーミングノートPCに性能はおよばないが、ACアダプタなしでもフルパワー出せるのがNew XPS 15最大のアドバンテージ。しかも97Whrの大容量バッテリを搭載しているおかげで、バッテリ駆動時間も9時間超えとモバイルノートPCとしても文句なしに合格。

 処理性能、バッテリ駆動時間、ディスプレイ品質、そして新旧網羅したインターフェイスなど、New XPS 15は今必要とされる要素がバランスよくそろっている。多少重いのは覚悟しつつ、なに1つ妥協したくないという方に、New XPS 15はもってこいの1台だ。